graceさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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007/慰めの報酬(2008年製作の映画)

3.6

クレイグ・ボンドって最も洗礼されてるようで一番「子供」なのよね、どのトンチキ過去作よりも。余裕ない、思春期の少年のようなヒリヒリとした殺気。これはボンドという人間が成長する物語なのだな。傷ついた鳥同士>>続きを読む

007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

3.5

新時代、到来。
やっとクレイグ・ボンドに辿り着いた……
どうリブートするのかな?と思って見始めたけど、オープニングで早速撃ち抜かれた。かっこいい。ただこの一言。

よりシャープに、ストイックなボンドの
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007/ダイ・アナザー・デイ(2002年製作の映画)

2.9

祝20作目!ここまで向き合ってきたので、過去作オマージュもとことん楽しかった。
が、雑なVFXとカメラ演出に頼りすぎ〜ありえないけど、ギリギリ現実の荒さがあるアクションが007の魅力なのに!アイスラン
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007/ワールド・イズ・ノット・イナフ(1999年製作の映画)

3.1

「世界を手に入れられる」
「俺には『世界』じゃ不十分だ」
ー007シリーズが多くの役者に演じられコメディ寄りからシリアス中心まで結構ばらばらなのに統一されたかっこよさがあるのは、ボンドの風貌以上に細か
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007/トゥモロー・ネバー・ダイ(1997年製作の映画)

3.5

今回の敵は「映像の世紀」で言われるようにいかに20世紀はメディアによって大衆が振り回され続けてきたか、を高らかに指摘しているので面白い。そしてやってくる21世紀でソーシャルメディアがその立場を奪う訳だ>>続きを読む

007/ゴールデンアイ(1995年製作の映画)

3.3

4代目ブロスナン・ボンド!
「あなたは女性蔑視の太鼓の恐竜、冷戦の遺物」とキレキレのジュディ・ディンチMが時代に沿った価値観のアップデートを高らかに宣言。ボンドのクールさとコンプラは共存できる。日本の
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007/消されたライセンス(1989年製作の映画)

3.4

この作品を見るとやはり「女王陛下の007」がいかに重要な作品かがわかる気がする。盟友ライターのための復讐心だけではなく、彼自身の過去への追悼もある。

復讐心に駆られるだけでなく、土埃ぽさ汗くささ、お
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007/リビング・デイライツ(1987年製作の映画)

3.4

ついに4代目 ダルトン・ボンド!
全編に渡る緊張感が今までにない感じ 誰が敵か味方かわからない話の複雑さも 裏切りも どんどん新しい007を作ろうとする意識を感じる。あとあんまり凶暴な動物が出てこない
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007/美しき獲物たち(1985年製作の映画)

3.2

エッフェル塔にゴールデンゲートブリッジ、名所で暴れまくる。帽子の投げるシーン、自己紹介といいムーアのボンドもとマクウェルのマニーペニー引退に相応しいニクい演出の数々。ただし金髪碧眼で叫びまくるヒロイン>>続きを読む

007/オクトパシー(1983年製作の映画)

2.9

わたしも「オクトパシー」とか「黒蜥蜴」とか名乗る女怪盗になりたい人生でした。

インド、東西ベルリンと舞台が今までにない地で刺激的だった。ただしデリーに向かう!と言いつつ映るのはアグラやバラナシの映像
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007/ユア・アイズ・オンリー(1981年製作の映画)

3.6

「読後焼却すべし」と「あなただけに見て欲しい」、007らしい粋なタイトル。
ボンドガール・メリナも美しく聡明で、まさに相棒だった。コロンボやビビといった脇役たちも味があって、みんな幸せに生きて…以前の
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007/ムーンレイカー(1979年製作の映画)

2.9

ボンドはついに宇宙へ!途中からスターウォーズがはじまって唖然とした……が、過去1クレバーで最強な今回のボンドガールは「女にできないことはない」を証明しているようでかっこよかった。

そして見所は宇宙よ
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007/私を愛したスパイ(1977年製作の映画)

3.2

やっぱり007はサメ映画(これで3回目)…と過去作品のオマージュ多め。ゴツめの子分だとか、前作は小人だから今作では大男だとか…特に雪山のシーンのように、過去でハイライトだった部分を冒頭に使っちゃう感じ>>続きを読む

007/黄金銃を持つ男(1974年製作の映画)

3.5

セーラー服女子2人組がボンドに頼らず空手で鮮やかに敵を倒して行くシーンの時点で優勝です。

個人的に好きなコメディ007。(世間的には評価が低い作品らしい)
舞台は香港なのかタイなのか…そこ簡単に行き
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007/死ぬのは奴らだ(1973年製作の映画)

2.9

007はジャンルで言うとサメ映画なのかも知れない…(サメが絡んでくる話2回目)

黒人のハーレムや、ルイジアナあたりの白人のノリだとか当時のアメリカ社会にメスを入れてるのはかなり意欲作。でもこういう映
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007/ダイヤモンドは永遠に(1971年製作の映画)

3.1

007はコメディである、と受け止めてみたらめちゃ面白い一作。昔からスパイ映画の「高層ビルに侵入する」シーンが大好きなのだけど、遂に元祖がやってのけてくれて最高。実写版PLAYBOY??と思うぐらいに、>>続きを読む

女王陛下の007(1969年製作の映画)

3.6

別の並行世界のボンドの物語という感じ
一気にキャラクターの造形が深められたというか、ボンドってMってこんな表情もするのねと新しい風が吹かれた。やっぱりこのシリーズの真のヒロインはマニーペニーだよね。
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007は二度死ぬ(1967年製作の映画)

3.5

待って、こんなにも面白い映画があるってなんで誰も教えてくれなかったの…恐らくこの映画のせいで現代日本にまだ忍者はいると信じている外国人はいる…(姫路城で柔道着着て剣道する忍者たち)
このシーン、必要!
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007/サンダーボール作戦(1965年製作の映画)

3.2

わくわくの007が戻ってきた!
カリブ海バハマの夜の雰囲気が良い感じ。伝統なジャンカヌーの祭りのシーンとか、サメとの水中戦だとか、モチーフでの表現が多くてウィットにも富んでいる。
前半シーンの意味が少
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007/ゴールドフィンガー(1964年製作の映画)

2.9

焦った……裏切り、探り合い、スパイメカ、アストンマーティンのカーチェイスに飛行機のアクロバットの豪華共演は存分に面白いだけに、主にボンドの下心きっかけによる無駄死キャラが多くて焦ってしまった。そこそこ>>続きを読む

007 ロシアより愛をこめて/007 危機一発(1963年製作の映画)

3.4

From Russia with love. もうこれはタイトルが優勝。べただけど丁寧な伏線回収が心地よい。Qの作る紳士的なアイテムにも心が躍る。歯が浮くような甘ったるい台詞が似合うショーン・コネリー>>続きを読む

007 ドクター・ノオ/007は殺しの番号(1962年製作の映画)

2.8

意外の連続だった007の記念すべき第一作目。お馴染みのオープニングはまさに!と感じやったけど、そのあと流れたのは渋いスパイ映画と思いきやまさかのジャマイカが舞台でなんだか旅行気分満載の娯楽作品でした。>>続きを読む

上海特急(1932年製作の映画)

3.5

北京から上海へと向かう特別急行に乗りわせた人々群像劇、という設定自体戦前の物語らしくて好き(オリエント急行的な)。ドイツ、フランス、イギリス…と集う欧州人の出身も様々で教科書で見たこの時代の混沌の中国>>続きを読む

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.7

放課後はエイミーの部屋に居座りたい。
絶妙〜な高い自己肯定感と拗らせのバランスと湿り気のないセックスについての会話が間違いなくわたしたちの物語だった。ティーンの時に出会えたらよかったのに!

LAの住
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.1

What’s happened, happened.

文字通りまじで2回観た。一度観て、答え合わせの2回鑑賞。そして漁る考察サイト。同監督のインターステラーよりもSFと人間ドラマのバランスが良い。面
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.6

傷だらけの過去を持つ女の子は幸せを掴められないのだろうか?痛快でもなければ理不尽という訳でもない、このハイパーリアルでスマートな復讐劇はその答えを結局最後まで教えてくれなかった。
ポップなサウンドと映
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早熟のアイオワ(2008年製作の映画)

3.3

靴擦れのように、痛みがあることに慣れてしまったわたしたちにその傷口から目を逸らすなと、語りかけてくる。いや、早熟になりたかった訳じゃない、ならざるを得なかったのだ。無垢な無邪気さと知るには早すぎる痛み>>続きを読む

東京ナイト(1967年製作の映画)

3.4

舞妓さんver. ローマ(東京)の休日。
突っ込みどころ万歳だけど、高度経済成長万歳!な真っ直ぐで希望に満ちた世界が映っていて観ていてワクワクする、楽しい映画だった。
ビートルズから大きな影響を受けた
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危いことなら銭になる(1962年製作の映画)

3.0

中西康監督のユーモアが好き。浅丘ルリ子さん演じる、パワー的な意味で主人公を打ち負かしちゃう強いヒロインというのも意外だった。マフィアだとか探偵だとかの要素てんこもりでかわいい。キングスマンみたいなシー>>続きを読む

月曜日のユカ(1964年製作の映画)

4.1

徹底的に受動の姿を描き続けたユカの瞳に「能動」がモノクロのフィルムの中で輝いた。お馬鹿で消費され続けるようにみえた存在をこうも猛々しく昇華し、賛美を送り続ける振り切り方に拍手。加賀まりこ様の美しさにた>>続きを読む

狂った果実(1956年製作の映画)

3.7

白黒なのに鮮烈すぎる、ジリジリとした夏の日差し、背徳と色気。
正直「石原裕次郎、今なんて言った?」って何度もなるくらいの独特な舌足らず感は慣れないし(これは時代的な部分だろうな)、基本青臭めな台詞回し
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.8

ラスト数分、どこまでも静かで鳴り止むことのない激情の記録。その恋の焔はまだ燻っている、今も、そしてこれからも。この激情のために人は誰かを愛するのかもしれない。そして誰かを愛することは、その人に映る自分>>続きを読む

愛の昼下がり(1972年製作の映画)

3.5

人間の欲望をこれほどまでに上品に、そして容赦なく描けるロメールが好き。自己本位さを正当化する言葉の羅列。色鮮やかな青とえんじの色彩が印象に残る。妻と旧友、主人公を本当に翻弄していたのはどちらの女性なん>>続きを読む

2gether THE MOVIE(2021年製作の映画)

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公式がファンと両想い。
ほぼほぼドラマの総集編だけど、あー公式はそこに焦点当てるのね〜、みたいな発見があった。2020年緊急事態宣言下の就活で落ち込みそうな時期に、この爽やかな物語に救われたなあ…とた
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ふたりの人魚(2000年製作の映画)

4.2

人魚姫は物語の最後、泡沫となれたけど。現実で彷徨う私達は真珠のような泡になんてなれない。ただ藻屑のように漂うしかない。

世紀末の上海、路地裏。御伽噺になり損ねた都会の藻屑たち。キラキラしたアイシャド
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ありがとう、おめでとう。
そしてさようなら、エヴァンゲリオン。

初めて「新世紀エヴァンゲリオン」を見たのは、10歳を過ぎた頃だった。新劇版・序破にのめり込んだ中学時代。少年少女の年齢を達を追い越した
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