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狂った果実のgraceのレビュー・感想・評価

狂った果実(1956年製作の映画)
3.7
白黒なのに鮮烈すぎる、ジリジリとした夏の日差し、背徳と色気。
正直「石原裕次郎、今なんて言った?」って何度もなるくらいの独特な舌足らず感は慣れないし(これは時代的な部分だろうな)、基本青臭めな台詞回しなのだけど、圧倒的に視線だとか足の動きだとか、肉体からの演技が完成されていて圧倒。もう最後のシーンの、カメラ回しと津川雅彦の瞳は忘れられない…。あと岡田真澄がめちゃくちゃかっこよかったんだけど、彼や彼が演じたフランクが負ったこの戦中戦後の時代の苦難を思うと胸がぎゅっとなった。

(それにしても、石原慎太郎。こんなにも美しく反抗を描いてきたのになぜ……?)
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