RyoSさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ラブレス(2017年製作の映画)

3.8

こういう丁寧に映像が作られた作品って日本では少ない気がする。シンメトリーの美しさ、「子どもを探す」という話なのに探し始めるまでに1時間近くかけるアンバランスさ、ボランティアのドライさ、ロシアの迫りゆく>>続きを読む

チャーハン(2019年製作の映画)

3.6

こちらも脚本全振り型で、武石監督は脚本が強いんだと思う。冒頭、チャーハンを食べている、という状況とぎこちない会話のみを描き、登場人物が揃ったところで補足する、というのは自主でも全然出来る演出な上に観客>>続きを読む

おるすばんの味。(2017年製作の映画)

3.2

脚本全振り型の自主映画。アマプラ×PC画面というあまりよろしくない環境なのを加味してもカラグレが合わない。ただ、情報の出すタイミング、回想の出し方が適所なのと子どもから大人へと移り変わる演出がシンプル>>続きを読む

フォート・ブロックの決斗(1958年製作の映画)

3.6

シネスコが16:9に切られた結果主人公の顔が見切れてるんですが...

主人公が頼りなくてコミュ力低くて殴り合いも弱いの、とても良い。腰の低さと度胸としたたかさと頭の良さという、西部劇らしからぬ性格で
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天気の子(2019年製作の映画)

3.3

途中で寝落ちしても話についていける親切なナレーション、寝落ちせずちゃんと観てる人には興ざめ。

良い部分とダメな部分がこれほどはっきりしている映画はなかなかない。

ダメな部分。警察との茶番が茶番過ぎ
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アメリカから来た少女/アメリカン・ガール(2021年製作の映画)

3.1

子を想う親の気持ち、親を想う子の気持ちが絶妙なバランスで表現されていて、心が温かくなった。ただ撮影が手持ちでゆらゆら揺れまくってて、歩きスマホしながら映画観ている気分で、目と頭が痛くなった。いくら長編>>続きを読む

なまいきシャルロット(1985年製作の映画)

3.5

カット割ってる瞬間の衣装のがっつりした変化が、移り気だったり幻想抱いてたり不貞腐れているシャルロットの心を演出していた。

こういうささやかな心の動きを描いた映画は日本にもたくさんあるのだが、欧米人は
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全自動レストラン(1926年製作の映画)

3.2

全自動と言いつつも、北京オリンピックで話題になったような、我々の想像する全自動を遥かに超えていた。そして切なすぎるラスト

愛と追憶の日々(1983年製作の映画)

3.5

開始3分で、父の死、母の娘への感情、母と娘の関係性、親友の存在、娘の結婚という情報を簡潔に分かりやすく提示していて、プロフェッショナルな映画ってこういうことかと実感。

母と娘の本音と建前の心情をうま
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火の馬(1964年製作の映画)

3.3

『ざくろの色』でもそうだったがどこかロシアというより中央アジアみを感じたのだが、ざくろがアルメニア、こちらはウクライナだそうで、微妙な違和感は土着の文化や宗教、自然によるものだったのだろう。

移動撮
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ざくろの色(1971年製作の映画)

3.0

『ざくろの色』というタイトルなのに肝心のざくろの色がめちゃめちゃ画質悪かったのは残念。。。

キャラクターに生きている心地を感じられない映画は苦手。映像美も見どころだが音がとても良かった。

追跡(1947年製作の映画)

3.6

サスペンスのシーンがやりたいのはよく分かるが、流石に登場人物の気が簡単に変わり過ぎでは。「復讐しようぜ!」って言ってる人の取り巻きが全然やる気なかったり、引きショットで手前を歩く人馬と遥か遠くの山の上>>続きを読む

遠い空の向こうに(1999年製作の映画)

3.6

自分も大学でラバールノズルの勉強とかしたなぁと思いながら鑑賞。

ムラ社会の良い面が強調されて伝わってくる。あの一体感、ちょっとだけ憧れる。

セントラル・ステーション(1998年製作の映画)

3.7

冒頭色々イベントが起こるのだが、日本ではまず起きないようなブラジルのドライな現実が一切の同情なしに淡々と映し出される、そのドライさが衝撃だった。その後はロードムービーで展開自体はよくある感じなのだが、>>続きを読む

花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

3.5

数年前に友人が照明がとても良いと勧めてくれた映画。確かに照明と撮影は素晴らしい。狭い空間をアップで写すのが大半だが、窓の格子や隙間から漏れる灯、タバコの煙などが美しい。『恋する惑星』とは明らかに違うテ>>続きを読む

3時10分、決断のとき(2007年製作の映画)

3.1

西部劇なのに人馬揃えて写そうとしないの、う~ん。馬に乗った人の顔のアップだけなら馬はいらないのよ。『真昼の決闘』みを感じたが、自分は苦めなあちらの方が好きだった。

ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)

3.3

どんでん返しにどんでん返した結果、この映画のストーリー全てが信用できず何でもありになってしまった。地下鉄を模したハッキングの描き方が分かりやすく的確で良かった気がする。

無法の王者ジェシイ・ジェイムス(1957年製作の映画)

3.5

ワイルド・バンチ、ビリー・ザ・キッド、ボニー&クライドは知っていても、ジェシィ・ジェイムズは初めて知った。アメリカにはロビン・フッド何人いるんだよ...

構成の柱になっている回想シーンの組み方が秀逸
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.4

電気消すって何回も言っておきながら消したあとスクリーンが真っ暗にならないの、演出が保守すぎる。

こういうテーマが骨太な映画、韓国とか台湾は毒味があるものが多いのに、日本人が監督すると途端に毒素が抜け
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天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)

3.6

ひたすら超広角だけどマックだけ望遠。

殺し屋とエージェントのこんな感じで仕事してますっていう説明シーンが展開だけ文字にするととてもありきたりすぎるのに映像で見ると全然ありきたりじゃないのすごい。
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.6

『エクソシスト』みを感じた。プロデューサーが『哭声』と聞いて腑に落ちた。時間が経てども経てども一向に怖くならず、安心させて世界に馴染ませてから恐怖に落とすやつかなと思ったらまさにそうだった。監視カメラ>>続きを読む

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

3.6

やっぱり少し曲がった線路を歩くのはとてもエモいですね

『靴磨き』のように戦後の子どもの生き様を描いているが、それよりもっと泥臭くてしんどい。ソ連は本当に戦勝国なのか疑うレベル。ロシアの中心から遠く離
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ポネット(1996年製作の映画)

3.5

「悲しむのやめなよ」「悲しんであげなきゃ」のセリフが本質ついてて良き。

勝手に『禁じられた遊び』みたいな感じのをイメージしていたので、こちらの方がだいぶ柔らかくてちょっと戸惑ったけど良かった。全編通
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整形水(2020年製作の映画)

3.3

セリフの平たさや人物の動作の下手さ、フラフラして気の散るカメラワークに前半30分耐えて我慢した甲斐はあった。例えば夜の駐車場で、ソレの問いかけに対してジフンは何も言わずに一歩ソレに近づくだけという演出>>続きを読む

マトリックス(1999年製作の映画)

3.5

実はこの世界は誰かに操られてて、自分は自覚できないだけというのは誰しもが一度は考えたことある(?)設定。

ストーリーはそこまで魅力はないのだが圧倒的な映像の迫力に文字通り圧倒されるのと、ハリウッドが
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.0

ブラックホールをああやって映像化するのかという感動と、SF色が強いながらもメインは親子の愛をウラシマ効果を利用して描いているというのがとても良かった。2001年的なSFさと、E.T.のようなヒューマン>>続きを読む

初恋(1951年製作の映画)

3.4

『ローマの休日』前のヘプバーン。邦題は『初恋』だが取ってつけたようなもので、内容は強めのレジスタンスをテーマにしたサスペンスだった。

ヘプバーンは甘い声が特徴的なので、すぐに分かりますね。特別扱いさ
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燃える平原児(1960年製作の映画)

3.3

・思ったより歌わなかった
・先住民と白人のハーフというめちゃめちゃおもしろい設定なのにストーリー全体としていまいち面白さに欠けていた。
・プロット自体は面白いし好きなタイプなのに、あまり楽しめなかった

馬上の二人(1961年製作の映画)

3.8

正義感の強いジョン・ウェインとは対照的に、ジェームズ・スチュワートは正義のかけらも見られないお家大好き人間がとても似合う。

会話のやり取りが人間臭くて良い。二人の川辺のシーン、横並び長回しのなんとも
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リオ・ロボ(1970年製作の映画)

3.5

冒頭の南北戦争のシーンだってもっとダイナミックにできるはずなのに、あえてBGMゼロで緊張感なくて平和ボケしてるの、ホークスらしくて嫌いじゃない。北軍と南軍が手を組む展開も捻りが効いてて好き。途中ジョン>>続きを読む

プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.4

この無味乾燥とした部屋の中だけで94分も持つのすごい。

資本主義と言うにはあまりに単純化しすぎているが、逆にだからこそエンタメとして楽しめたのかも。

ちゃんと他者への想像力を欠如していない人が多数
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.7

子どもに起こる例の事以外の全てが全くもって現実のことというのが気味悪さを一層際立てる。人間の生々しさが物質的にも精神的にも伝わってくる。『籠の中の乙女』ほどじゃないけど、ランティモス監督のこういう一貫>>続きを読む

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1960年製作の映画)

3.4

草な展開が延々と続くコメディ。植物だけじゃなくて、主人公の母親とか、歯医者とか、ジャック・ニコルソンとか、常軌を逸した人しか出ていない。夜の主人公と売春婦の会話、噛み合わなさの教科書的会話。

緑色の髪の少年(1948年製作の映画)

3.6

「戦争で死ぬことを仕方ないと思っている」と子どもがカメラ目線で言うことの破壊力、それを映画で浮かずかつ印象に残るという最も成功した方法で成している。

少年の周りにいる大人が皆良い人ばかりなのが辛い。
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恐怖のまわり道(1945年製作の映画)

3.1

ほぼナレーションだけで進んでいく大したことない作品だが、それでもこの時代の演技は表情から歩き方までシンプルで良い。

電話線は良かったなぁ