しゅうさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

しゅう

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円卓 こっこ、ひと夏のイマジン(2014年製作の映画)

3.5

芦田愛菜の天才子役ぶりを堪能する映画。

子供ならではの可愛さや無力故の不憫さのみならず、不機嫌や困惑や世界の理不尽さへの怒りまで、何でもござれの達者さ。

ただ、話は世界に対する好奇心と疑問を持ち続
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ファーナス/訣別の朝(2013年製作の映画)

3.3

字幕版を鑑賞。

21世紀アメリカ合衆国の現実、といった内容のサスペンスドラマ。

役者は渋い名優ぞろいだし、アメリカ僻地の寂れた都市の佇まいの映像も味わい深いが、余りにも展開が予想通りで飛躍が無いの
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テロ、ライブ(2013年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

冒頭から説明的な台詞も多いし、所々強引だったり犯人側が万能すぎる所も気になるが、ジェットコースター的な急展開の連続と都市型大規模テロを絵で魅せる迫力に押し切られる。

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.8

凄い映画を観た、という感覚はあるけれど、その中身が何なのか上手く言葉に出来ない。

こういう時いつもなら、より分析の的確な批評を読んたりして、自分なりに納得したり(あるいは反撥したり)する。

でも、
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

3.2

2D字幕版を鑑賞。

結構評判が良いみたいだったので、期待して劇場に足を運んだけれども、自分には今ひとつだった。

確かに「スターウォーズ」っぽい映画ではあるけれど、それが映画としての面白さに繋がって
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プロミスト・ランド(2012年製作の映画)

4.0

字幕版を鑑賞。

ガス・ヴァン・サント監督作品は「誘う女」以来。

マット・デイモンの朴訥とした風貌が、巨大エネルギー企業の幹部候補ながら、荒廃へ向かう田舎を再生させようというスティーブの誠意にリアリ
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イコライザー(2014年製作の映画)

4.2

字幕版を鑑賞。

平穏を求めて、自ら死を装って組織を離れて平凡な一市民となった元CIAの男が、正義が行われない現実を糾す為立ち上がる物語。

男はこれ迄の自警団映画の激情的な主人公たちと異なり、理知的
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

ループ物の変型のような物語の定型として、ラストは平凡な日常の瞬間、その掛けがけの無さを訴えて終わる。

センスは良いが、やや甘さが目立ちビターさが足りないか?

紙の月(2014年製作の映画)

4.1

中盤までは、ふとしたきっかけで転落してゆく女(と男)の物語と思わせて、終盤の二人の女の対決で自由を巡る対話へとなだれ込む展開は見事。

梨花を敗者とせず開かれた結論で閉じるラストも面白い。

ミリオンダラー・アーム(2014年製作の映画)

3.2

字幕版を鑑賞。

元になっている実話の骨格は面白いのに、妙に口当たりの良いドラマ化のせいで魅力が幾分損なわれている印象。

当時の映像資料が沢山残っているようなので、いっそドキュメンタリー映画として仕
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.1

字幕版を鑑賞。

ノーラン作品は初鑑賞だったが、ツイストのつるべ打ちの脚本とここぞという所での外連味たっぷりの演出で、169分の長尺ながら終盤まで一気に持っていかれる。

それまで科学的な考証を重ねて
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フューリー(2014年製作の映画)

4.0

字幕版を鑑賞。

戦争の悲惨さと戦場の倫理の問い掛けは既視感があるが、戦車と歩兵を組み合わせた部隊の攻撃や、戦車同士での攻防はリアルで見応えがあった。

寄生獣(2014年製作の映画)

3.9

全10巻の原作を前後編に分けているが、前編では映画化にあたっての省略が中々上手くいっていて、次々と起こる異常事態に主人公と共に巻き込まれてゆくジェットコースタームービーとして退屈させない。

原作のテ
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誰よりも狙われた男(2014年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

現代の対テロ戦争に於ける諜報戦をリアルに描いている。

それ故、派手な事件は一切起こらず、見せ場も諜報機関同士の駆け引きや関係者への尋問などひたすら地味。

最後のどんでん返しにすら
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ラサへの歩き方 祈りの2400km(2015年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

「五体投地」が凄い、という噂を聞きつけて、普段あまり観ないタイプの映画に足を運んでみた。

チベットの農村に暮らす人々が、聖地であるラサへ何千キロもの巡礼の旅をするというこの映画。
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悪童日記(2013年製作の映画)

3.6

字幕版を鑑賞。

原作を丁寧に映像化しており、キャスティングもとても良いが、独特の文体からくる冷徹さと奇妙なユーモアまでは取り込めなかったようで、真面目一辺倒になってしまったのは少々残念。

ベイマックス(2014年製作の映画)

3.7

字幕2D吹替版を鑑賞。

声優陣は菅野美穂以外は違和感無し。ディズニーアニメにはデフォルメした声演技が必要で、彼女にはそれが難しいのかも。

話は典型的な復讐と赦しの物語で目新しさは感じられないが、舞
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.2

字幕版を鑑賞。

予告編で高まった期待に違わぬ面白さ。

妻の失踪から殺人の疑惑で夫が追い詰められてゆくのは予告編通りだが、妻が仕掛けた罠の種明かしがされる中盤から更に事態が二転三転して、思いもよらぬ
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犯人は21番に住む(1943年製作の映画)

3.2

字幕版を鑑賞。

連続殺人事件を題材にした普通のミステリ。

怪しげな下宿屋の住人や、素人探偵を気取る刑事の妻のキャラクターは面白いが、後年作られる傑作サスペンスにおけるような緊張感は感じられなかった
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FRANK ーフランクー(2014年製作の映画)

3.6

字幕版を鑑賞。

凡人が才能ある男に惹かれて、彼と行動を共にし、苦難を乗り越えれば、自分も才能が開花すると期待してバンドのメンバーとなる。

しかし活動の過程で、才能は努力やトラウマとは何の関係も無い
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濡れ髪剣法(1958年製作の映画)

4.0

チャンネルNECOにて鑑賞。

さほど期待せず観たが、これが中々の良作。

「眠狂四郎」等でのシリアスな雷蔵しか知らなかったが、ノリの軽い陽気な若様が実にはまっていて、全ての場面がいちいち楽しい。
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キートンの蒸気船/キートンの船長(1928年製作の映画)

3.0

字幕版を鑑賞。

バスター・キートン作品は初めてだったが、なるほど身体を張ったスプラスティック・ギャグは中々興味深い。

しかし、ジャッキー映画でのより洗練されたものを見慣れてる者としては、単純に楽し
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深夜の告白(1944年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

字幕版を鑑賞。

完全犯罪を目論んだにしては詰めの甘い計画で破綻するのも無理ないが、この作品の味わい深い処は終盤の展開にあると思う。

共犯者のネフとフィリスは疑心暗鬼に駆られて互いを撃つ。
だが実は
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滝を見にいく(2014年製作の映画)

4.3

沖田修一監督作品は「横道世之介」に続いて二作目だが、相変わらずちょっとした仕草や会話といったミニマムな要素だけで楽しませる手腕は見事。

素人や無名の役者をどんどんキャラ立ちさせるオリジナル脚本や演出
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ストックホルムでワルツを(2013年製作の映画)

4.3

字幕版を鑑賞。

実在したジャズシンガーの伝記映画として、話の展開はややもすると通俗的だが、舞台がスウェーデンというところが色々と興味深い。

50年代のスウェーデンのジャズミュージシャン達が本場アメ
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ホビット 竜に奪われた王国(2013年製作の映画)

3.5

字幕版を鑑賞。

三部作の二作目だが、再び中つ国の世界観に浸る愉しさがあった一作目と比べて、ひたすらアクション(しかも水増し気味)が続く展開が長過ぎて飽きがくる。

映画オリジナルのドワーフとエルフの
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ザ・レイド GOKUDO(2013年製作の映画)

3.8

字幕版を鑑賞。

アクションの迫力とアイディアの豊富さは前作以上で、舞台が拡がった事で、刑務所での暴動やカーチェイスなどアクションのバリエーションが増えたのも愉しい。

約2時間半の尺も長さを感じず、
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イーダ(2013年製作の映画)

3.2

字幕版を鑑賞。

体調不良の中見たせいか集中が続かず、途中ウトウトしてしまった。

画面や俳優の佇まいは端正だし、物語の中でポーランド人が戦時中にナチスのホロコーストに加担した過去の歴史が浮かび上がる
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第三の男(1949年製作の映画)

3.9

字幕版を鑑賞。

午前10時の映画祭作品は初鑑賞だったが、名作の評判に違わぬ面白さだった。

現代の視点で観ると、ミステリとしてはやや単純に感じられる処もあるが、その分映像の見事さで楽しませる。

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ホビット 決戦のゆくえ(2014年製作の映画)

3.6

2D字幕版を鑑賞。

二作目と同じく、てんこ盛りアクションに飽きがくる展開。
お馴染みのレゴラス無双も、やり過ぎで乗りきれず。

思えば第1作目が面白かったのは、物語のバックグラウンドである中つ国の歴
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ANNIE/アニー(2014年製作の映画)

3.1

字幕版を鑑賞。

予告編を見て期待していたが、実際は今ひとつの出来。

先ずミュージカルとして楽曲の魅力が薄く、歌唱力もジェイミー・フォックスは素晴らしいが、他のキャストは歌の愉しさを感じさせるレベル
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ジョーカー・ゲーム(2015年製作の映画)

3.0

入江悠監督作品は初鑑賞だったが、中々の頑張りを感じさせる作品だった。

日本映画にありがちな言葉での説明の応酬を避けて、ひたすらアクションとサスペンスの連続にしたのは好感が持てる。

主演の亀梨も高い
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毛皮のヴィーナス(2013年製作の映画)

3.5

字幕版を鑑賞。

戯曲の映画化で、しかも二人芝居をそのまま再現しているのだが、演出の巧みさと二人の役者の優れた技量によって、何もない空間に世界が産み出される演劇的な愉しみが存分に堪能出来る。

残念な
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濡れ髪喧嘩旅(1960年製作の映画)

3.0

チャンネルNECOにて鑑賞。

雷蔵は主人公を助ける渡世人だが、今ひとつ雷蔵の個性を生かし切っていない印象。

軟弱で女に弱い主人公との対比で、陽気だが根は真面目な男という設定の為、雷蔵の魅力である軽
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レッド・ファミリー(2013年製作の映画)

3.8

字幕版を鑑賞。

予告編を見ているとコメディ映画のようだが、実際はもっとシリアス寄りの泣かせドラマだった。

所々脚本の緩い点はあるが、北朝鮮の工作員チームが韓国の仲の悪い家族を通して、家族が共に存在
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濡れ髪三度笠(1959年製作の映画)

3.0

チャンネルNECOにて鑑賞。

前半はありきたりの場面や展開ばかりで退屈だが、後半長之助が大名としての未来と市井の人々との暮らしの間で葛藤するのが見せ場となって、やや持ち直した。

雷蔵の端正さは相変
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