BB0421さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

3.9

暗い。けど黒の使い方、夜の街の風景が最高にクールで、その辺りはさすがノーランといったところ。法や警察では裁ききれない悪を、ヒーローによって裁かせるという手法は、この3年後に始まるMCUよりも早かった。>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.0

1994年にちょうど中学生だったのですが、ここで描かれている、まるでいい大学に行かないと未来が無いと言われているかのような学歴社会の窮屈さは日本にもあったように思う。触れるとすぐに壊れてしまうような繊>>続きを読む

グラン・トリノ(2008年製作の映画)

4.5

最高。退役軍人で、人の生死を山程見てきた男が示す覚悟、人とうまく関係を築けない弱さ、どうやっても隠しきれないチャーミングな魅力、とにかくクリント・イーストウッドの良さが全部出ていた。差別表現が少々ドギ>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

4.1

悲しみとの向き合い方について、色々と考えさせられた。泣く事は悪くない、でも泣いてばっかりでもダメ。亡くなった人がどう今頃思ってるかなんて分かりっこないし、分からななくていい。とにかく前に進むしかない。>>続きを読む

マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

3.8

ニューオーダーやオアシスを産んだ街、あとサッカーでも有名なマンチェスターだが、ここではえらく退廃した、空虚な街として描かれている。訪れた事が無いので実際のところは分からないけど、本当に何も無い、退屈だ>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

3.7

何気ない日常を追っているだけでもそれが
アートになってしまう、まさにジャームッシュの世界。癖の強い役柄の多いイメージのあるアダム・ドライバーも、ここでは至って普通の人。むしろ、永瀬正敏の方が相当クセが
>>続きを読む

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

4.3

絶対に有り得ない、こんな事。それでもこのスケールのデカさ、社会的イシューをさり気なく取り込みつつも、最後はドタバタと痛快に終わる感じ、何だか久々に王道のアメリカ映画を観たなぁと。本筋はラブコメで、ポリ>>続きを読む

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.2

少年時代に、あんなに魅力的な年上の女性がそばに2人もいたら普通は人生狂うだろって話ですが、その点ジェイミーは凄くいい子。女性を、本当に真っ直ぐな視点で見てる。異性に対して興味は持つけど偏見は持たない、>>続きを読む

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

3.8

自分がイケてない事を、認めるのって辛いですね。でもそれを乗り越えた先に未来があり、本当の幸せがあった。いつも思うけど、アメリカのティーンムービーに出てくる父親って、いわゆる昔の日本人のような厳格なイメ>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.0

ボコスカと気持ちの良いリズム、奥行きを感じさせる立体的な舞台演出、とても69歳には見えないデヴィッド・バーンのキレのある動きと力強いアジテーション、なおかついい意味で肩の力が抜けてて、自分もステージに>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.4

面白い!役所広司抜きで果たして成り立つのか、なんて心配は杞憂に終わった。松坂桃李の演技は前作と比べてもまさしくレベル2に進化してるし、鈴木亮平に至っては、もはや怪物。彼が画面に映るだけで、身の毛がよだ>>続きを読む

ノーザン・ソウル(2014年製作の映画)

3.8

女の子に優しかったり、おじいちゃん想いだったり、どれだけ悪ぶっても育ちの良さって絶対に表に出る。薬とかやって背伸びしてみても、何処かで心優しい青年が抜けないジョンの行動を微笑ましく思いながら観た。青春>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.7

サマーバケーションの美しさ、儚さ、水の音、日差しの香り、全てが五感を通じて伝わってくる快楽。サイケデリック・ファーズで踊るシーンや湖で泳ぐシーン、これがベスト、と言いたくなるような場面が山程あった。「>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.9

いやー、これは好きですね。90年代半ばの、西海岸辺りの雰囲気。10代の頃に憧れたアメリカの音楽、ファッション、アートがここにあった。何だか懐かしくて、久々にサイプレス・ヒルのCDを引っ張り出してきて聴>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

キャリー・マリガン、かっこいい!元々清純派のイメージしかなかったけど、これは新境地なのでは。過去の発言や動画が晒される事で発動する、キャンセルカルチャー。果たして彼女は正義なのか、それともサイコなのか>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.4

あまり感情を表に出さない抑制された演技と、淡々と進む対話。紛れもなく村上春樹の世界観で、原作を読んだ時は正直あまりピンとこなかったんですけど、こうしてゆっくりと時間をかけて映像で追うと、この物語が伝え>>続きを読む

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

3.8

悲しく、救いのない物語。明確な自己主張がないと、やはりアメリカという国では生きていけないのだろうか。周囲の想像力、傍観者の罪の意識といった、今の社会に足りないものはいくらでもあって、いつ自分に銃口が向>>続きを読む

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.9

ロバート・レッドフォード、かっこ良すぎだろ。人が全く死なない、新感覚のクライム映画。何故この人が犯罪を繰り返してしまうのだろうと考えた時に、浮かんでくるのはやはり孤独?「楽しく生きたい」という台詞もあ>>続きを読む

複製された男(2013年製作の映画)

4.2

最後の最後で、突き放された。難解である事は間違いないのだが、決して退屈という訳ではなくむしろ面白かったしもう一度観たい。このうまく説明出来ない感じは、村上春樹の小説を思い出したりもした。ネットで考察を>>続きを読む

バッド・チューニング(1993年製作の映画)

3.7

訳の分からない伝統とか、スクールカーストとか、やっぱりアメリカにもあるんですね。そういった理不尽な障害を跳ね除け、うまく親の目を盗みながらも、ひたすらに青春を謳歌する高校生たち。只々若者がどんちゃん騒>>続きを読む

激突!(1971年製作の映画)

3.9

さすがに後半は疲れたけど、こういうワンアイデアで最後まで突っ切る映画は大好き。巨匠スピルバーグの原点がまさかこういう作品だったとは知らなかった。あれだけ長時間カーチェイスを見せられた後でも爽快感はほぼ>>続きを読む

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

4.1

ウェス・アンダーソンの映画には、実写なのにまるでアニメのおとぎ話を観ているかのような気分にさせる不思議な魅力と、かつ演者をキュートに映しだす唯一無二の脚本と演出がある。キッズムービーである本作にも、そ>>続きを読む

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

4.4

自分は関西人だが、2000年代初頭の都会ってこんな感じだったな。今程整理されてなくて、ネオンがギラギラしてて、夜の街を歩くのが楽しかったし、深夜番組も面白かった。あの流れで見ると、海外の人達にとっての>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

4.6

あっという間だった。89分、確かに短い映画ではあるけど、楽しい時間は本当にすぐ過ぎる。魅力的な登場人物、モノクロを最大限に活かしたシンプルな演出、必要最低限に抑えられた台詞、とにかく全てにおいて無駄が>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

4.0

何度も悪事を働き、しょっちゅう校長室に呼ばれてた問題児3人組が大人になり、人命救助で国から褒章を受ける。このシナリオだけでも十分に感動的だが、驚くべきはこの実話を本人達の主演で、ドキュメンタリーではな>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.5

失われた自分を取り戻すための旅。そういった意味での、ロードムービー。145分という長尺だが、トラヴィスの心情の変化をきめ細かく描写するには必要だった時間だと思うし、そもそも長さを一切感じさせなかった。>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.2

恋愛は生もので、賞味期限がある。あれだけ趣味がリンクしまくる2人でも結婚までには至らないのかと思うとどうにも切ないが、絹と麦の両方の言ってる事が分かるし、他人同士が一緒に生活するって、それこそ奇跡みた>>続きを読む

ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

3.9

幼馴染みっていいな。犯罪を犯し、道を踏み外してもちゃんと側で見守ってくれる存在が家族以外にも居るという幸せ。人事差別というアメリカのブラインドスポットを描きつつも、決して下ばかり見ずに、ラップを交えて>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

4.3

いじめと誹謗中傷、善意の押し付けや同調圧力といった、現代社会が抱える問題を全部一気に提示された感じがして、気が重くなった。100%の正解なんてどこにもないし、そもそも闇を抱えてない人間なんていない。こ>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.0

美しい作品だった。時系列が結構ややこしく行ったり来たりするけど、あまりストーリーは追わずに只々目の前の映像美を楽しんだ。ティモシー・シャラメとシアーシャ・ローナンが並んでいるショットを観ているだけでと>>続きを読む

カセットテープ・ダイアリーズ(2019年製作の映画)

3.8

序盤は少々もたついたけど、後半の疾走感が素晴らしかった。こうして見ると出自を問わない、実力さえあれば必ず認めてくれるアメリカという国の懐の深さを思い知らされる。ニュージャージーの空港での、入国審査のシ>>続きを読む

浅草キッド(2021年製作の映画)

4.0

栄枯盛衰。いつだって、時代の変わり目にはドラマがある。お笑いは大好きだし、この辺りの歴史にも興味があるので楽しみにはしていたものの、果たして映画にする程のものなのかという懸念もなくはなかった。しかしそ>>続きを読む

ルース・エドガー(2019年製作の映画)

3.8

主人公が、最後まで本当の事を語らない。周囲の期待や決めつけを、嘲笑うかのように。果たして本当の事なんて言う必要があるのか。人を羨んだり、嘘をついてでも上に登り詰めようとしたり、しなくても幸せに暮らせる>>続きを読む

メランコリック(2018年製作の映画)

4.2

クライムストーリーとハートフルコメディが交錯したような世界観で、めっちゃ怖かったり笑えたり泣けたりで、こんな映画観た事ない。よく出来てるなぁと感心した。東大出身者でも、殺し屋でも、根っこの部分は皆あっ>>続きを読む

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

4.1

これはどう受け止めたらよいのか。確かに子育ては親の義務だし、放棄するくらいなら最初から産むなよという意見も正論だが、この映画の主人公のように「母性がないの」と言い切れる自由、こういう人もいるんだ、と受>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.3

いつだって子供は大人が作ったルールに従わなければならない立場で、善悪の判断基準も全て、大人を見て学ぶしかない。そんな子供達が抱える、矛盾に対する叫びと冒険。それも単なるキッズムービーで終わらせる事なく>>続きを読む