もんたさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

万引き家族(2018年製作の映画)

4.2

美しく美しくない人たちを美しく美しくなく記録した傑作。美しくないのも美しい、でも美しくないのは美しくない。

誰も知らない(2004年製作の映画)

3.8

見てる間自分も小学生くらいの時の気分に戻ってしまった。ノスタルジーとはまた別の感覚。すごい演出(語彙力)から生まれる子役のすごい演技(語彙力)によるものなのかも。
子供に見えてる部分の大人を映すことで
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RRR(2022年製作の映画)

4.1

エンターテイメントとしての質&量の素晴らしさは言わずもがな。アクションも見たことないような映像ばかりで飽きが来ない。
しかし単なるエンタメで終わることもなく、ポリコレとはまた別の政治的メッセージも垣間
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サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

3.4

タイムマシン×ヨーロッパ企画脚本ってなだけで楽しいに決まってる。露骨な"伏線"の提示はそんな好みじゃないけど、パズルみたいにカチッとハマる感覚はやはり好き。
00年代フジテレビ感全開のノリも今となって
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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト(2022年製作の映画)

3.6

単に白黒にしただけでなく、小道具とかからもちゃんとクラシカルな雰囲気が漂ってて良かった。古典モンスターの中でも狼男と映画の相性が特に好きな身としてはサクッと楽しめた。

マッキー/Makkhi(2012年製作の映画)

3.7

荒唐無稽な内容かと思いきや色んなアイデアが詰め込まれて楽しい良質な娯楽作。
CG丸出しのハエに感動してしまうのはそれを受ける役者たちと製作者の思いがちゃんと作品に昇華されてる証。

七人樂隊(2021年製作の映画)

4.2

ジャンルもタッチも様々な7作品。それぞれ単品でもかなり良いけど、全体を通して雄弁に描かれる香港、ひいては都市の移ろいの様子は異国に住む自分の心にもじわりと響く。小ささと大きさを兼ね添えた傑作。

花様年華(2000年製作の映画)

3.7

マギー・チャンとトニー・レオンが映れば傑作になってしまう法則が出来上がってしまった。滑らかで美しい衣装、クラシックな質感漂う映像、上品な余白に満ちた編集。大人のプラトニックラブを描くのには十二分過ぎる>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

4.0

そもそものお話が面白すぎる。何と見事な三部構成。
醜い気高さと美しい俗っぽさの対比がバシッと決まってて気持ち良い。それらを象徴するように多面的な演技を見せるハ・ジョンウが一番印象に残る。今作の軸は彼な
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.8

素朴で淡々とした日常描写にじわじわ染み込んでくる異常さがたまらなく気持ち悪い(褒めてる)。極力説明を省略しているのでこちらの嫌な想像力をフルで掻き立ててしまうのも気持ち悪い(褒めてる)。
寒々しく静謐
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.8

此方の痛い所やら苦い思い出(実際まだそんなに経験してきた訳ではないですが)を容赦なく突き刺してくる展開と美しい画のギャップ(と調和)にやられた。ポップでちょいブラックな編集も丁度良いバランス。
フェミ
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オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

4.1

シンプルに話が面白い。
観客を飽きさせない演出と編集が面白い。
重厚さとポップさのバランスが面白い。
結論:面白い。
パク・チャヌクは「結果と過程」を操るサスペンスの名手だと思う。

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

3.9

違和感→全て意図的だと気付く→独特のリズムに浸り始める→素晴らしいラストカットで途轍もない感動を味わってしまう
みんな幸せになってくれ。頼むから幸せになってくれ。なめてかかると大変なことになる。言葉の
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JSA(2000年製作の映画)

3.8

ソン・ガンホとイ・ビョンホンのバッチリ相性。乾いた顔した2人が向かい合うだけで画がビシッとキマる。
常に緊張感を背後に漂わせるような構成がお見事。
いかにも00年代な映像も妙に親密な現実っぽさを演出し
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.7

最早イーストウッド的ポジションを担いつつあるトム・クルーズ(&ヴァル・キルマー)の哀愁たるや。
オープニングとエンディングの多幸感は現代でも十二分に機能してる。
空中戦映画としても安心して楽しめる快作
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トップガン(1986年製作の映画)

3.6

80sバイブス、全開!!!
言いたいこともあるけど、奇跡的な輝きとテッカテカビッチョビッチョな瑞々しさの多幸感にゴリ押されて降伏してしまう。
Danger Zoneでテイクオフされちゃあブチ上がってし
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ブエノスアイレス(1997年製作の映画)

3.6

「束縛トニー・レオンと奔放レスリー・チャンの倦怠カップル」という夢のような設定、あまりにも味わい深すぎる。
開放感と裏腹の不安定さ、閉塞感と裏腹の親密さ、味わい深すぎる。
大人なビターさをちゃんと味わ
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天使の涙(1995年製作の映画)

4.2

早くこの映画の登場人物になりたい。全ての要素に惚れ惚れしてしまう。上手く言語化出来ないのが悔しい。
特にミッシェル・リーと金城武の魅力が異常すぎる。誰か奴らを止めてくれ。いや、止めないでくれ。止まらな
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恋する惑星(1994年製作の映画)

3.9

今観ても古びない斬新さ。フレッシュな輝きを放つ登場人物たちと撮影方法の賜物。前半と後半で時間の感覚が違うのも面白い。
コレ観た帰りにCalifornia Dreamin'聴かない手はない。癖になる。

欲望の翼(1990年製作の映画)

3.8

湿り気がすごい。画面から水滴が垂れてきそう。
どこか危うさと儚さを漂わせる登場人部たちの魅力たるや。レスリー・チャンに振り回されたくない人類なんて存在するのだろうか。水も滴る良い男。

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.4

映画という構造を利用したメッセージ性や緻密すぎる脚本&演出の数々にただただ圧倒されてしまった。それを傍に置いたとしてもとにかく「ヤバい一枚画」を作るセンスがずば抜けてる。ジョーダン・ピールのステップア>>続きを読む

雨月物語(1953年製作の映画)

3.7

"幽幻の美"という言葉が似合いすぎる。絵巻のような横移動。でも逆方向にも動けちゃうのが映画のマジックなんですな……
マッチョイズム批判という点では今日的な話だけど、戦後という文脈を踏まえるとむしろ警鐘
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呪いの館(1966年製作の映画)

3.8

"いない"怖さと"いる"怖さ。
小道具から建造物に至るまで、とにかく美術の使い方と見せ方が素晴らしい。今となってはよく使われる手法ではあるけど、映像の質感も相まって不吉さと気味悪さがこれでもかと漏れ出
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モデル連続殺人!(1963年製作の映画)

3.6

白覆面殺人鬼のクラシカルな佇まいだけでワクワクしちゃう。暗闇の中で不吉に煌めく赤を中心とした画面の色彩が魅力的。頭でっかちじゃない「上品な俗っぽさ」も良い塩梅。
外連味たっぷりのズームや焦点の使い方、
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血ぬられた墓標(1960年製作の映画)

3.7

暗い、ジメジメ、閉塞感。ゴシックホラー、斯く在るべし。美術と照明が雰囲気作りに一役も二役も買ってる。石棺を見てテンションが上がるのは私だけでしょうか。
しかし本作の主役はバーバラ・スティールの眼。怪し
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.5

お手本の様な「ハラハラドキドキ」の見せ方。盤石の演出。
恐竜が日常に現れるワクワクやら、相変わらずの研究施設大混乱シーンやら、楽しさ満点。お話そっちのけでハッピー。
旧シリーズのキャスト(名優)3人×
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.6

ピアノ&クラシック音楽は全く門外漢な自分でも各演奏者の個性と才能が分かってしまう。音楽と演奏への演技と撮り方がバチッとハマってる証。特に役者陣は直感的に「上手いな〜」と思わせられる技量と魅力でいっぱい>>続きを読む

プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

3.8

あらすじから想像される話とは一味も二味も違った不思議な良作だった。煌びやかな画と粋な編集は劇中に登場するカクテルさながら🍸。バズ・プーンピリヤ色とウォン・カーウァイ色が程良く配合された感じもカクテルさ>>続きを読む

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.2

劇場版 Ado。最早Adoの上手さしか記憶に残ってない。
意外なキャラにスポットが当たるのも良かった。あとシャンクスの父性に悶えた。

メランコリック(2018年製作の映画)

4.0

あらすじから想像してたバイオレンス映画と良い意味で全然違ってた。妙にクセになるブラックユーモアと温かみ。
この輪に入りたいと思わせる登場人物たちの魅力。松本、お前……お前………(落涙)

よこがお(2019年製作の映画)

3.7

恥ずかしながら終盤まで真相に気付けてなかった……
知った上で観直すと筒井真理子の演じ分け(特に顔つき)と編集の妙に脱帽。
スムースな画面の中に蔓延り続ける不穏で不気味な空気感がボディブローのようにジワ
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ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒(2019年製作の映画)

3.6

質感としての心地良さ、無機物から醸し出される生きた温度感。派手なアクションまであって目が幸福。
ミスターリンク、頼むから幸せになってくれ………続編作ってくれ………

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.6

スムーズなキャラ説明と常に漂う緊張感。
大なり小なり、どこの職場もこんな感じな気がする。
店の構造と見せ方が割と重要。

岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.9

主演二人のことが暫く頭から離れなくなった。
センセーショナルな話題ではあるけど決して重苦しくなく、寧ろブラックな笑いにまで踏み込んでて好みのバランス感。欺瞞が無い。自然光の使い方が良い。

ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)

3.8

ジャンル映画としての完成度がすごい。
少しの新鮮な描写と的確な筋運びで映画はここまで面白くなれる。
最終的に暴力で解決しない姿勢(暴力で解決しないとは言ってない)も今日的で良い。

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.7

70年代リバイバル、絵面も選曲も眩しすぎるぜ。実家のような安心感。
横移動の長回しが印象的。
走り出す映像を見せられたら高揚してしまうと相場は決まってる。ゴールよりも道中を楽しむのが大事な時もある。