内容やスタイルは過去作と変わらないけれど、すこし昔のアキ・カウリスマキを思い出す感じの仕上がりやと思う。カウボーイの頃の雑多感。
アリス・ディオップ監督の『サントメール』と並びそうなぐらい、現代法廷劇の演出の面白さはあった。
90年代半ば〜2000年代のヨーロッパ映画に漂う「過剰さの詩学」(インターネット急成長期)みたいならものには、まだノスタルジックを感じることができない。
アーカイヴァル・ドキュメンタリー映画の面白みに損なわせるナレーションの饒舌さは、授業みたい。シャネルの波乱の人生も、微妙に鈍化する。
ハリボテCGを観てる分にはユニークで楽しかったけど、カメラワークが良いという訳でもなく、内容に至っては後半の雑さが目立っていた。ブロマンスっぽくもあるけど微妙。
内容はさておき、ドキュメンタリー映画としては微妙に鑑賞しにくい。エンドロールが好き。
何気に今まで観たダルデンヌ映画のなかじゃ納得がいく作品な気がする。外的な圧力によるゾクゾク感じゃなくて、内面的な関係性の曖昧さに重きがおいてあるからじゃないかしらん。
ファッション・ドキュメンタリー①
そもそもヴェンダース作品は好きじゃない。