ラスコーリニコフさんの映画レビュー・感想・評価

ラスコーリニコフ

ラスコーリニコフ

超かぐや姫!(2026年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

オリジナルアニメで話題となっている今作だが、オリジナルアニメのヒット率の低さを思うとき、これは驚異的だろう。「かぐや姫」に対する本歌取りとしての意味合いもあり、始まった瞬間から視聴者は「月に帰るのはい>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990年製作の映画)

3.7

大人気SF映画の完結編だが、ストーリーは極めてシンプルである。これまでの作品の帳尻を合わせるために過去に行くことになるが、そこでドクの恋愛模様が描かれる。ただ、ドクという人物の深掘りはあまりなされてい>>続きを読む

劇場版 チェンソーマン レゼ篇(2025年製作の映画)

4.2

デンジという過酷な過去を持つ等身大の男子高校生とレゼのラブストーリーを中心とする映画。原作でも人気のシリーズだが、映像となったレゼがここまで魅力的になるとは思わなかった。社会現象となるのも頷けるクオリ>>続きを読む

レオン 完全版(1994年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

孤独な殺し屋と家庭事情に恵まれない不幸な美少女との歪な関係が描かれている。この二人の関係は家族でもないし恋人でもないという何とも言えないものだが、現代の道徳観だと作品にもしづらいのだろうか。殺し屋の「>>続きを読む

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

キッドとの関係が明らかになるが、それも本題ではなかったようだ。謎解きよりも平次の恋愛関係の方がよほど面白いと感じてしまった。CV松岡くんが剣を振り回しているので、見る作品を間違えたのかと思った。

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

3.7

黒づくめの組織を描いており、コナン映画のストーリーとしては一番面白かったように感じた。キャラクターの複雑な動きが見事に調和しているし、AIという最近の題材を上手く利用していることで深みが出ている。灰原>>続きを読む

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

3.7

ホプキンズ博士の生涯を描いているが、邦題は例によって意訳となっている。これは否定的な意見も多いだろうが、そこまで的外れな訳でもないように感じる。博士は天才だが障害者でもあり、一人で生きていくことはでき>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来(2025年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

社会現象となったモンスターコンテンツの最終章がついに映画化された。本来の完成時期を前倒したとの噂もあるが、明らかに日本アニメの最高峰と言えるクォリティだろう。作画というよりもカット割や場面設定が素晴ら>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

LAの殺し屋を中心とした複数のストーリーからなる作品。タランティーノ監督らしい軽妙な会話劇がベースだが、ドラッグに関する反社会的な描写も目立ち、当時のアメリカ社会の不安を反映している(ブルース・ウィル>>続きを読む

ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

4.0

死神が現世に降臨して、死の間際にある富豪の人生を見つめ直させるというストーリー。死が運命付けられている中で、何を大事にしていくのかが問われていく。無論、家族が軸となるが、創業した会社を蔑ろにはできない>>続きを読む

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない(2023年製作の映画)

3.7

こちらもアニメの続編を見るために視聴。主人公の母親や家族との関わり合いという中核的なストーリーになっている。このようなラノベ原作は親を排除した「ユートピア」を構築しがちだが、そこに触れるのはこのシリー>>続きを読む

青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない(2023年製作の映画)

3.5

アニメの続編を見るために視聴。思春期症候群により、過去の自分の意思と現在の自分の意思がずれたとき、どのような行動を取るべきかが主題となっている。シュールレアリスムのような話だが、現在の自分の思いを尊重>>続きを読む

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

驚異的な脚本が光る怪作。最初からこの作品には盗撮という雰囲気が漂っている。嘘くさい演技に満たされた世界は、演技の気配がしつつ、それが現実だと受け入れることもあるが、これは本当に演技そのものであり、リア>>続きを読む

ブラックホール: 知識の境界線に挑む(2020年製作の映画)

3.5

ひたすらブラックホールの実験を繰り返す映画。見えないものを観察するという一大テーマに挑むが、日本も関わっているのはせめてもの救いだ。ホーキング博士らの理論物理学的考察は唯一の見どころだろうか。一応論文>>続きを読む

マネーボール(2011年製作の映画)

3.8

2002年のアスレチックスを描く作品。データサイエンスでメジャーリーグを攻略する過程を描く。今となってはデータ野球は当たり前だが、当時はかなり革新的な試みだったようだ(提唱者の著作が業界人によって繰り>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

3.8

過去の冤罪事件を描いた力作。P2Pという革新的な技術の発明が、不意に捜査機関の反感を買ってしまったようだ。明らかに捜査機関の主張は無理筋だったのだが、金子氏の世間知らずな対応が火に油を注いだように感じ>>続きを読む

マリア(2024年製作の映画)

3.7

聖女マリアに視点を当てた作品。イエスの誕生までのストーリーなので、やや物足りなさがある。ドラマとしてのピークはもちろん嬰児殺しだが、ヘロデ王をそこまで狂人として描いていないのか、残虐性は強調されていな>>続きを読む

アメリ(2001年製作の映画)

4.0

空想がちな少女が恋に落ちるまでの物語。モンマルトルやパリ北駅という名所を背景に進んでいくのは心地よいし、何よりもフランス的な価値観が随所に散りばめられているのが良い。カフェでの恋模様や絵画を描き続ける>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

タイトルは小説から取られているが、その小説から何かを引用しているわけではない。解釈は視聴者に委ねられる側面が多いが、宮崎駿の自伝的側面と、理想と現実の対立を描いているのだろうか。主人公は子供とは思えな>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.0

切ないBLを描いた純文学的作品。同性愛の特殊性よりは、異性愛と共通する愛の普遍性とそれが実らない切なさに焦点を描いているように見えた。バックグラウンドの設定も素晴らしく、同性愛に寛容だったローマの遺物>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

3.5

イギリス軍のダンケルク撤退を描く作品だが、終始盛り上がりに欠ける。映像や演出はいいのだが、緊張感に欠ける戦場の様子が続く。ある意味ではリアルなのだろうが、第二次大戦は様々な傑作があるため、そこに割って>>続きを読む

最強のふたり(2011年製作の映画)

4.3

実話に基づくヒューマンドラマで、フランスの生き方の魅力が詰まっている。向こう見ずで障害を抱える富豪と、貧困でありながら生きる喜びを見出すアフリカ系の組合せはかなり面白く、綺麗なほどの対比が描かれる。ク>>続きを読む

リターン・トゥ・スペース(2022年製作の映画)

3.6

時代の寵児イーロン・マスクがスペースXとして有人飛行を成功させるまでのドキュメンタリー。ただ、NASAのパイロットにもフォーカスが当てられるため、主眼はクライマックスの有人飛行に当てられているようだ(>>続きを読む

ペドロ・パラモ(2024年製作の映画)

3.7

原作はラテンアメリカ文学のムーブメントを起こすきっかけとなっており、未読ではあるが映像から入った。不思議と引き込まれるが、そこまで突飛な話でもないという印象を受ける(教会のみ理性を保ち、幽霊としても登>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.8

ザッカーバーグの起業とその周辺のトラブルを描く作品。ザッカーバーグ自身は天才だが、ただのオタクであり、未熟ゆえにモテない嫌な奴である。早期のエグジットを志向するユダヤ系の親友と、センスはあるが問題を抱>>続きを読む

ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

3.8

欲望渦巻くウォール街を描いたクライム映画。何よりもデカプリオの怪演によって作品が彩られている。ストーリーとしては、時間をかけてウルフがウォール街に堕ちていく様子を描いているのが面白い。ドラッグ、女に溺>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

架空のゴッサムシティを通じて、現代アメリカの分断の闇を描く傑作。バットマンユニバースとの繋がりはありつつも、独立した作品として楽しめる。この作品を見て、ジョーカーに同情しない人物はいないのではなかろう>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

3.8

認知症の世界観を表現した斬新な作品。何一つ確かなものを認識できず、時間は連続しない。最愛の娘の顔すら一貫しないし、おそらく事故で亡くした娘の死も受け入れられていない。人間としての尊厳が失われつつある中>>続きを読む

セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

3.8

アル・パチーノの怪演に惹き込まれる作品。退役軍人と教育格差というアメリカの長年の課題がテーマとなる。高校生がベテランと出会って人生を学んでいくのは実に理想的な展開のように思う。退役軍人の方も主人公を教>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.0

ベトナム戦争の闇を暴いた新聞記者のドキュメンタリー。今は世界的なメディアであるワシントン・ポストの出世記事がここにあるとは知らなかった。メディアと政治の距離はいかにあるべきかはある意味で永遠のテーマで>>続きを読む

スティーブ・ジョブズ(2015年製作の映画)

3.2

伝説的な起業家ジョブズの伝記作品だが、その輝かしい面はまるで描かれず、娘との暗い関係の修復に焦点が当たる。ジョブズには虚像の一面があるのは事実であろうが、視聴者の求める側面が全く描かれておらず、時間の>>続きを読む

オデッセイ(2015年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

火星に取り残された植物学者が火星の環境と戦うSF作品。ただ、SFの要素は陳腐化しているところがあり、例えばAIは発展していないのに除染技術は発達しているようで、そこはかなり齟齬がある。また、最後の見せ>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.5

北アイルランドの中心都市ベルファストでの記憶を語る自叙伝的作品。とはいえ、この作品からはアイルランド紛争を語ろうという決意を感じられない。白黒とカラーの対比により、主人公の子供が映画に関心を寄せている>>続きを読む