タンシロさんの映画レビュー・感想・評価

タンシロ

タンシロ

映画(391)
ドラマ(1)
アニメ(0)

街の上で(2019年製作の映画)

3.8

余白の多い映画。邦画のいいところが満載。リアリティやリズムに傾倒せず、劇とムードに寄せたコンセプトが良かった。下北沢の風景もそれらを際立たせるポイントだった。

四十九日のレシピ(2013年製作の映画)

3.4

イモの別れが原作知らない人からしたら唐突すぎやしないか?
だけど、キャストの演技はめちゃくちゃよかった。

都会のアリス(1973年製作の映画)

3.9

最後は美しい終わり方。写真集のような映画。社会に取り残されそうでも、しかしそんな嫌な社会にすがるしかない若者にふりかかる無邪気な出来事の応酬。そのうち仕事のことも忘れてただただ目的のままに行動していく>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.9

一日のはじまり 決まった日常 決まった週末 いつものメンバー 何より音楽 浅草地下街 首都高 トイレ 本棚 カセット 日本の良さ 端正な仕事 同僚への人間性に安堵した表情 消耗の美学 見える景色と光 >>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

3.7

俳優の演技に引き込まれた。遺書を伝えるシーン、多くを語りすぎず、それぞれが山本をどう伝えたかを想像させる演出は日本映画ぽくてよかった。あまりにも山本が飄々としていたので、懲罰房での孤独ややるせなさを見>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

3.9

メッセージ性が強すぎて映画はそこそこだった。ある意味、ゲイバーの女性の方が、世の中の女性より女性らしい(今では禁句。そういう今では禁句とかいう現代じみた現状もまた去勢された人間性からくるものかもしれな>>続きを読む

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.0

ディズニーワールドという資本の傍ら、モーテルにその日暮らしで生活を営む貧困社会層の現実を描いた作品。ムーニーという少女の無邪気と母ヘイリーの金策という現実の応酬。
ムーニーがひとりバスルームで戯れるシ
>>続きを読む

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)

3.7

映像美。キャストといい、目でしっかりと楽しませてくれる。ただ、それまでかな。ジュラシック本来の議論を蔑ろにしている気がする。強欲がかえって自分の身を滅ぼすこと、技術革新がいかに薄っぺらく倫理や哲学性が>>続きを読む

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.7

ジュラシックシリーズ6作目。集大成にふさわしく、過去作へのリスペクトと原作のクラウトンにも配慮された良心設定。ただ言わせてもらえばそれでもやはり構成力では1作目と3作目は超えない。ただブルーやオーウェ>>続きを読む

ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

3.5

うーん、悪役が悪役すぎて初作あたりの知性を感じられない…
スリルも前作のワールドを上回らないし、スッキリ感も前作がいいかな〜
キャストは好みなんだけど。

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

4.0

自尊心。少年の自尊心がいろいろと露出して傷に染み込む映画だったな。新鮮でピンク色の生傷に澱んだ水が染み込むが如くの痛み。

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

3.7

たとえば映画原作を知ってる場合、人物の心情を、説明的にならずに表情やカットで短く表現してることがわかるとジーンとくる。そして作り手の想いと観る側の想いとがシンクロして、そういうジーンが溢れんばかりにな>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

3.7

多様性としては今話題の正欲より弱いけれど、欲の抑圧についてはこちらの方が純粋な悔しさと、最終的な救いを感じられた気がする。こういう映画みるとメッセージはとてもシンプルで、マジョリティな人は人(たとえば>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

貴族と一般階級の比較に終わらず、それをスパイスとして、生きていくことのしがらみや苦悩は階級になく存在することを女性目線で描かれた傑作。高良健吾の出演作ってハズレないじゃないかってくらい面白い。

トレマーズ ブラッドライン(2015年製作の映画)

3.4

安定のトレマーズ。インフレの病にかかり、ちょっと設定に新鮮味がかけてきたか。でも最後のステーキは最高に新鮮だった。アフリカを野蛮視しすぎるアメリカならでは。

96時間(2008年製作の映画)

3.8

父親のいかれ具合が半端ないと聞いて鑑賞。ハードルが上がっての鑑賞にかかわらず、そのイカれ具合は楽々と想像を超えてきた。悪党と正義の構図ではない、斬新な設定だからこそ納得のいくイカれ具合。

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.2

シリーズ化されてなお前作が愛おしい。2人の会話は今作の方が好みかも。拗らせた年月と2人の錯綜、偶然の作為的な再会といたずらな駆け引き。痛々しくもほっこり。控えめに言って最高。語られていない部分を自分勝>>続きを読む

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.0

神様がいるとしたら、人と人の間のわずかな空間に存在する。という言葉がめちゃくちゃ印象的で、男のわたしはずっとセリーヌの表情、ユーモア、知性や話し方にメロメロじゃった。いいな、若い時のこんな経験ってほん>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.9

文句無く良い。丁寧に構想作り込まれた感じと、ナイトオンザプラネットというクリープハイプの曲から着想し、ジム・ジャームッシュのナイトオンザプラネットのオマージュを織り交ぜて上手く世界観と哀愁感作り上げた>>続きを読む

マトリックス(1999年製作の映画)

3.7

裏切ったやつの気持ちもわからんでもない。実際に自分たちが今見ている、味わっている、嗅いでいる、感じているものは全て脳がそう解釈したものに過ぎない。現実とマトリックスの違いなんてわかりっこない。マトリッ>>続きを読む

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

4.0

人生をやり直して成功に導くことと、人生を楽しみ、慈しむことは別物だということ。人生をやり直せば成功者にはなれるが、決してオータニさんにはなれないということ。

マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

4.0

ガス・ヴァン・サント監督の作品好きだわ。スコットのすべてを見透かす賢さと人間味があるようにみせて冷淡なところは冷淡である点はきっと政治にいかせるだろう。そんな冷淡さ、いつかはどこかに行ってしまうであろ>>続きを読む

億男(2018年製作の映画)

3.7

消えた3億円、展開と帰結がめちゃくちゃ良かった。キャストがそもそも最高だしね。どうしてもみんなお金がベースになる。それは仕方ない。お金のことを考えずに暮らすことは無理だ。だけどお金は何に使うのか、得る>>続きを読む