花梛さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

花梛

花梛

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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

3.9

名作というのは時代に左右されないな、と改めて実感した。
冤罪で死刑になる人間が多いとか、死刑囚に人権はないとか、人権問題で声高に運動している国というのはやはり運動しなければいけないだけの理由があるのだ
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セブン・サイコパス(2012年製作の映画)

3.5

サイコパスを主題にした脚本を書く脚本家とその友人のドタバタ劇。
ビリーの真意が解らないところが肝で気持ちよく騙されたあとからが面白くなる。
わんちゃんのニット帽かぶってわんちゃん抱っこするサム・ロック
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月に囚われた男(2009年製作の映画)

3.7

サム・ロックウェルのほぼ一人芝居がなきゃ成りたないね。
藤子・F・不二雄の短編みたいな仕掛けの作品だった。サムの主観だけを信じると騙されそう……とビクビクしてたけど、思ったよりは酷い事にならなくてホッ
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チャーリーズ・エンジェル(2000年製作の映画)

3.5

端々に時代を感じたけど改めて見たら意外と面白かった。
車体に書かれたレッドスターが色といいフォントといいレッドブルを連想させるけど、パロディ的な事なのかな?映画公開当時はレッドブルがまだ日本に上陸作戦
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2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)

3.6

明確な答えはない、幻想的なエロティックサスペンス。
どこからが現実でどこからが妄想か解らないけれどポールとルイとクロエの関係はスリリングで面白かった。
決着の付け方が意外と理論的で、それでいてガラスに
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名もなき生涯(2019年製作の映画)

4.0

フランツ・イェーガーシュテッターというオーストリアのただの農夫が良心的兵役拒否をした話。
日本には村八分という言葉があるがまさに、兵役を拒否したフランツ一家は説得という名の罵倒をされつばをはかれ農作業
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Fukushima 50(2019年製作の映画)

3.5

全国一斉試写会で。
311当日、埼玉の自宅にいたのだけど直後に停電し翌朝4時頃まで復旧しなかったので状況がよく解らず(ラジオは聞いていた)ただじっとしているしか出来なかった。その裏でこんな事が起きてい
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

3.6

まだほんの35年くらい前の話で、とは言ってもジム・クロウ法が廃止されてからは20年くらい経っている、という過渡期も過渡期の頃のアラバマ州で起きた冤罪、黒人差別の法廷劇。
137分が長いと感じない程度に
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前田建設ファンタジー営業部(2020年製作の映画)

3.6

こんな部署働いてみたいし、これを仕事にしようって最初に思いついた人マジで凄い。遊び心と探究心、それから大人の知識と経験で真剣に取り組んでいるのが本当に良かった。
小木がまたいい味出してるんだよな〜。あ
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ホワイト、ホワイト・デイ(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

妻の死を上手く受け止められずカウンセリングにかかる。悲しみにすら到達出来ていないところに妻の浮気の証拠を見つけてしまい、色々な感情が怒りや憎しみに集約されてしまった。
けれど、問いただしたい相手はいな
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淪落の人/みじめな人(2018年製作の映画)

3.6

事故で下半身不随になり、妻と離婚、優秀な息子とも離れ離れで暮らし、生き甲斐もなく、怒りと諦めを抱えた中年男性と、そのお世話をするフィリピン人家政婦の話。
チョンウィンとエヴリンは勿論のこと、チョンウィ
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ベスト・オブ・エネミーズ ~価値ある闘い~(2019年製作の映画)

3.7

およそ50年前のアメリカ南部、KKKが幅を利かせているところへ黒人の小学校が火事になり、白人の学校へ通わせるための話し合いをする、という話。
タラジさんは肝っ玉母さん役が似合う。
サム・ロックウェルは
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禁断のケミストリー/ベター・リヴィング・スルー・ケミストリー(2014年製作の映画)

3.3

妻の父の薬局に務め、義父が引退してさぁ我が城……!と思ったのに店名を変えることも許されず雇われ店長のような気分で腐していたところに金持ち夫妻の美人妻の誘惑が、という話。
そこで不倫のドロドロではなく、
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.7

現代のアメリカの離婚のプロセスを描いた作品。見ているだけで自分が離婚係争の当事者が如く疲れる。
自由の国アメリカといえども女性は結婚で犠牲にするものが大きいんだなぁ……。きっと男性からすると「女性のわ
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彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

4.0

凄く貴重な映像。当時、どういう経緯で撮影されたのだろうか、訓練の様子のみならず、戦場のあちこちの映像があって、それが復元されて21世紀になって見られるとはありがたい。
戦争をやる国というのはどこも一緒
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.1

まず単純に「ほぼノーカットって、どうやって撮ったの!?」という驚き。
演者、音楽、ライティング、全てが計算され尽くしていて、なんかもうひれ伏すしかねぇな、みたいな。
物語としては「分断された場所にいる
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.3

ソニーピクチャーズ試写会で。
若草物語は名作劇場でちらっと見たのと、その昔高河ゆんが漫画化したものを読んだ事がある程度だったんだけど、いやー、この作品は凄いよ。
広く知られている少女時代のわちゃわちゃ
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.8

書物、言葉を巡るミステリー。ベストセラーの翻訳のために各国から一処に集められた翻訳家がとても個性豊かで曲者揃い。
さらに翻訳家を集めた出版社社長というのが食えないおっさんで憎たらしいんだけど、それゆえ
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スキャンダル(2019年製作の映画)

3.8

GAGA試写室の最速試写会で。
FOXニュースという超大手のCEOがとんでもないセクハラ、パワハラ野郎で見ててまぁ腹の立つ!!!しかし、話を摩り替えて開き直るあたりとか本当にセクハラ野郎あるある過ぎて
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エスケープ ナチスからの逃亡(2019年製作の映画)

3.4

ユダヤ人狩りが始まったノルウェーで父母が捕まり殺されるも、性別を偽り生きながらえる少女の話し。
ちょうどジョジョラビットを見たところでWW2関連の記事を読んだりしていたので結構胸に来るものがあった。
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スタア誕生(1954年製作の映画)

3.7

時々静止画に音声が載った画を見せられて、え!?っとなったんだが、フィルムが消失してるからスチール写真で補完したという事らしい。
アリー スター誕生が好きなので見てみたが、アメリカでは普遍的な問題なんだ
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カウボーイ&エイリアン(2011年製作の映画)

3.3

豪華な俳優陣とトンチキな設定で意外と飽きずに見られる。
でも主人公が記憶喪失だから、未知の存在との遭遇の前に「ここは何処?私は誰?」という謎があるせいで散漫な印象。
ダニクレはめちゃくちゃ強くて格好良
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ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

3.8

国務長官を務める女性と、政治の駆け引きで己の信じる正義を見失いそうになっても、真っ向から自分に意見してくれる年下の幼馴染み男性。構造としてはシンプルな再会モノだけど現代的で軽妙なラブストーリーで面白か>>続きを読む

ラストレター(2020年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

森七菜ちゃんが可愛かったなー!
広瀬すずも勿論めちゃくちゃ可愛いが、もう透明感のある美少女役はちょっと新鮮味がなぁ……。勿論色んな役をやっているのは知っているけど、業界は「令和の吉永小百合」を求めてい
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

3.8

これは……しんどい。逃げ場がない。崖っぷちも崖っぷち。なんならもう片手でかろうじてぶら下がっているくらいの崖っぷち。
貧困問題はどの国でも深刻なのかな。病気を抱えているわけでもなく、複数人の働き盛りの
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ロニートとエスティ 彼女たちの選択(2017年製作の映画)

3.8

ユダヤ正統派って現代でもこんなに厳しいのか、とまずビックリ。
人前ではカツラ。肌を露出しちゃいけないし、体のラインが出る服もダメ、ジーンズも履けないし、柄モノも基本NG。……同性愛者じゃなくても逃げ出
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BOYS/ボーイズ(2014年製作の映画)

3.7

のむコレ3にて。オランダの陸上少年の恋とスポーツ。青春してたな〜!
絶対にシーヘルのが意識していたと思うけど、素直に恋心を認められずマークに嫌な態度を取ったり女のコナンパしてみたり。
BL商業レーベル
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オリ・マキの人生で最も幸せな日(2016年製作の映画)

3.6

フィンランドのボクサーの話。初めて国内で世界戦が行われるというので周りがめちゃくちゃヒートアップしてるんだけど、本人は好きな子と一緒にいたいだけ、というギャップ。あまりにも飾り気なく撮られているので、>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.2

子供の目線から見るヒトラーの世界。
小さい頃持っている全能感につけこんで、ユダヤ人をさも化け物のように教育し、そんな存在から世界を守るヒーローになるんだ!という方向性に持っていくの、本当に卑怯。そりゃ
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.1

お隣の国で文化的に理解しやすいというところはあるんだろうけど、それにしても人物像や背景の説明の仕方がとてつもなく上手くて意味の掴めない部分がない。
今何が起こっているか、次に何が起ころうとしているのか
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

3.9

凄いボリュームだった。でも無駄なところはなく、描ききった3時間半という感じ。
テロップの出方が歴史の学習まんがみたいで面白かったなー。生命力溢れた男達、だけどxx年撃たれる、と一行で終わってしまう切な
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.9

通称クリエヴァセーター会(THE RIVER日本最速試写会)で見てきた。
キャラクターが濃い……!それが謎解という形で一人ひとりが探偵役とじっくり話すスタイルになっているので個々のキャラクターを堪能出
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シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(2018年製作の映画)

3.7

郵便配達員として来る日も来る日も10時間徒歩で配達をしながら、33年を費やして一人で宮殿を造るって本当に尋常じゃない。
この一途さ、極度の口下手で感情表現も上手いとはいえないコミュニケーション能力と引
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再会の夏(2018年製作の映画)

3.7

SNSがない時代というのは愛情も憎しみも至ってシンプルだったな……と、凪いだ気持ちで見られる作品。
犬めちゃくちゃ可愛いし、賢いし、人間に最も寄り添ってくれる動物ってやっぱり犬なのかな〜〜と猫派の私で
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イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり(2019年製作の映画)

3.7

GAGA試写室にて。
気球、どうしてあんな簡素な形状で飛べるのか子供の頃不思議でしょうがなくて憧れていた。
そんな気球、飛ばす目的は娯楽とかそういうのじゃない。気象を調べる為に乗りたい、出来るだけ高く
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マニカルニカ ジャーンシーの女王(2019年製作の映画)

3.7

不勉強で全然知らなかったけど、今尚国のあちこちに銅像がある位神格化されて人気のある女王、ラクシュミー・バーイーが主人公の作品。
とにかく強い。そんじょそこらの剣士ではラクシュミー・バーイーに敵わない。
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