人間さんの映画レビュー・感想・評価

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さよならモンペール(1991年製作の映画)

3.0

マリー・ジランのデビュー作。
娘が心配で過保護になる父と子供扱いされたくない思春期の娘がバカンスを通して心を通わせるドラマ。
嘘が嘘を呼び大騒動になるという基本コメディベースの話ですがそこに親子の交流
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ビヨンド 4K レストア版(1981年製作の映画)

3.5

引き継いだ廃ホテルはなんと地獄の門の上に建っていた!なルチオ・フルチ監督のスプラッターホラー。
相変わらず地獄の門やら謎の予言やら具体的な説明のない設定によくわからないストーリーが付いてきますが、それ
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墓地裏の家 4K レストア版(1981年製作の映画)

3.0

本作には意外としっかりとしたストーリーがありましたが、とはいえかなり意味不明な点も多く後半の方は考えるのをやめました。
グロゴア描写は流石のインパクトとクオリティですが、ちょうど地獄の門を観た直後でし
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地獄の門(1980年製作の映画)

3.5

以前観た時に寝落ちしてしまったので再鑑賞しました。
もはやストーリーなど二の次のグチョグチョ映画を観たい時にもってこいのレトロ・グロゴア映画。
ゴア描写のバリエーションが豊富で、人体破壊にも容赦がなく
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好奇心(1971年製作の映画)

2.5

少年の性の目覚めを扱った作品は何本か観ましたが、こちらの作品はあまりハマりきれませんでした。なんだろ、主人公やその兄弟の性格が生理的に無理だったのかも。
120分も冗長に性欲のイヤな部分を描かれていた
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ダークグラス(2021年製作の映画)

3.5

正直可もなく不可もないB級ホラーですが、アルジェントの作品ということで若干贔屓目で見てしまう部分はあります。
あまり活かしきれていない設定(同じブラインドホラーの“わたしは目撃者”よりもしっかりしてい
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

3.5

ノートを持って帰ってしまったことがこの世で一番の大事件のようになってしまう少年の健気さに心を打たれる。
意図的な描写なのか、時代なのか、この国に根付いたものなのかは分かりませんが、登場する大人たちが軒
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Maddalena... zero in condotta(原題)(1940年製作の映画)

3.5

女教師がアルフレッド・ハルトマンという架空の人物に宛てたラブレターを生徒が誤って投函してしまう。その名前は商業通信文の授業で長年使われている架空のものだったが、彼は実在しており……という内容のコメディ>>続きを読む

アメリカン・パイ(1999年製作の映画)

3.5

高校卒業までに童貞を卒業したい拗らせ男子たちの青春コメディ。しょうもないお下劣童貞ものだけど、ちゃんと青春映画としても成り立っていて面白かったです。
性的な繋がりを求めてばかりだった序盤から、内面で繋
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彼の見つめる先に(2014年製作の映画)

4.0

良い映画だ〜。
全盲の主人公が転校してきた少年に恋をするというお話ですが、障害やLGBTQというテーマはあくまで映画を構成する要素のひとつであり、人が人を愛することという普遍的な内容を主軸に描かれてい
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ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)

4.0

かの有名な遺体ジャケットのメイヘム。以前に軽く調べたことはありましたが、現実でこんな凄惨な事件が起きていたとは。
青春映画の様相に派手目のグロゴア描写が織り交ぜられ、精神的にも肉体的にも痛々しくて良か
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アンソニーのハッピー・モーテル(1996年製作の映画)

3.5

ウェス・アンダーソンの長編デビュー作。
現在のウェス監督のようなキマったショットや色彩はあまり見られないものの、構図や編集、シュールな脚本やユニークな会話などからは後の彼の作品に通ずるものを感じました
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悪魔の赤ちゃん(1973年製作の映画)

3.0

平凡な夫婦の元に産まれた赤ん坊は、爪と牙の生えた化け物だった……という新生児系ホラー。
70年代ホラーらしいチープさは好きですが、どうもテンポが悪く中盤は若干退屈しました。赤ちゃんの造形が気味悪くて良
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ザ・フォッグ(1980年製作の映画)

3.0

100年前に沈んだ船の乗組員たちが復讐のため濃霧と共に町へ襲いかかる!
シンプルなストーリーと霧の立ち込める町の幻想的な雰囲気、カーペンター節の効いた不安を煽る音楽……この辺りはすごく良いのですが、”
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デス・プラン 呪いの地図(1958年製作の映画)

3.5

墓地の管理人になった主人公。ある日墓地の地図に誤ったピンを刺したところ、その人物が死んでしまい…というデスノートの先駆け的な作品。
50年代からすでにこのような設定の作品が存在していたことに驚いたし、
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オブザーブ・アンド・レポート(2009年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

開幕から主人公の性格や傲慢な態度が好きになれず全然笑えなかったが、中盤で彼に精神疾患があることが判明し本当に笑えなくなってしまった。
自らのアイデンティティを確立する流れとラストの露出狂との追いかけっ
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小さな恋のメロディ(1971年製作の映画)

4.5

涙が出てくる。
50年愛し続ける、一緒にいたいから結婚する……正直大人にとっては綺麗事ばかりだけど、ちょっとは夢見たっていいじゃないと思わせてくれるパワーに満ち溢れていて、キラキラと輝いている作品でし
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燃える惑星 大宇宙基地(1960年製作の映画)

2.0

ソ連製作の映画をロジャー・コーマンがコッポラを監督に迎え再編集した作品。
約60分の尺しかないのに冗長に感じるし、冷戦状態の南北の国家が手を取り合うという熱い展開があるにも関わらず盛り上がりに欠け、正
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ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ(1975年製作の映画)

3.0

ジェーン・バーキンの顔アップの画の強さよ。
官能的なシーン含め全体的にカラッとした雰囲気と陽気な音楽で下品さはなく見やすかったです。しかし悲鳴が痛々しすぎて……後半は顔を顰めて観るシーンも多々ありまし
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ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.0

ロイ・アンダーソン作品はこのくらいの短尺が見やすくていいなぁ。
相変わらず皆死人のように顔が白くて不幸。その中で、カフェの前で踊る三人娘のシーンは唯一陽気な雰囲気があり好きでした。

私の好きなモノすべて(1993年製作の映画)

4.0

中年男性の”好きなモノ”を断片的に映した21篇からなるドラマ。
マルティン・シュリーク作品初見でしたが、この監督かなり好きかも。
一つ目の「夜明け」から超良い。主人公の大切な人、状況、風景が淡々と映し
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C階段(1985年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

パリのとあるアパルトマンに住む芸術家たちの人間模様を描いた群像劇。
フランス映画特有のさっぱりとした人間関係の描き方好き。互いに干渉しすぎず、でも何かあればそばに居てくれる隣人関係が素敵。
主人公のフ
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友だちの恋人(1987年製作の映画)

4.0

良い。内容は他のロメール作品と同様に男女の恋愛を軸とした会話劇ですが、似たようなテーマでここまで作品のバリエーションを広げられるのだからすごいなと毎回感心します。
性格が正反対の登場人物たちがとてもチ
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並木道(1960年製作の映画)

4.0

思春期の痛さ・瑞々しさ・刹那さ全部盛り!なデュヴィヴィエ監督の撮ったヌーヴェルヴァーグみたいな映画。ラストも好きだけど、序〜中盤が最高に面白い。
無理に大人ぶってみるけど青臭さは抜けていないし、感情を
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白い馬(1952年製作の映画)

4.0

赤い風船と同様に画が美しく、強く惹きつけられる作品でした。これもどうやって撮っているのか不思議に思った。
前半あたり、馬が少年の方を振り向く瞬間の瞳がかなり印象的でした。人間みたいな表情するんだなぁ。
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赤い風船(1956年製作の映画)

4.0

社会の荒波に揉まれくたびれたアラサーにはめちゃくちゃ沁みるピュアすぎる作品だった。
内容もさることながら、撮影技術がすごい。56年にこれをどうやって撮ったのか物凄く気になります。
グレーや焦茶など暗色
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冬の光(1962年製作の映画)

3.5

自身の中で都合のいい解釈の神を作り上げ、絶望し、信仰心が揺らいでしまう神父の話。宗教題材の作品ですが意外と理解しやすい、多くの人間にありそうな感覚の話のように感じました。
寒々とした村の風景や濃く影の
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夜までドライブ(1940年製作の映画)

4.0

面白い〜。トラック運転手の過酷な労働環境を描いた社会派ストーリーから二転三転し、最終的にサスペンス・ノワール展開に移行していく忙しない作品。しかしどの要素も調和が取れており、大筋のストーリーにも一貫性>>続きを読む

ウイークエンド(1967年製作の映画)

4.0

渋滞に巻き込まれたことをきっかけに次々と災難に見舞われる夫婦を描いた不条理劇。
まーじで面白すぎてゴダール映画じゃないかと思った。
序盤の渋滞の様子を映した長回し、この映像観ているだけで面白い。そのほ
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ギャルソン!(1983年製作の映画)

3.5

「けいおん!」みたいなタイトル良い。
仕事に恋に、そして夢を追いかけるのに大忙し。順風満帆ではないけれど充実した毎日を過ごす主人公が眩しくて愛おしい。
イヴ・モンタンは本当にこういうスマートな役がハマ
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イタリア式離婚狂想曲(1961年製作の映画)

3.5

どうしても妻と別れたい主人公が妻殺害計画を企てる、離婚が法律で禁じられていたイタリア社会を風刺したブラックコメディ。
あらすじの時点でなかなか面白いのですが、本編もしっかりしていました。ゲラゲラ笑うと
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デビッド・クローネンバーグのシーバース(1975年製作の映画)

3.0

寄生虫によってもたらされる狂気と悦楽。
ゾンビ映画・パンデミック映画の様相を下敷きに、寄生虫を臓器の代わりにする・感染すると性的に暴走するなど独特な設定が存在するのが面白いです。「ザ・フライ」「ビデオ
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鏡の中の女(1975年製作の映画)

3.5

リヴ・ウルマンの演技に圧倒される二時間でした。
冒頭から終始不穏で、主人公の精神の均衡がだんだんと崩れていく様は痛ましく観ていて辛くなりました。最後愛だのなんだので回復したのはちょっとピンと来なかった
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パリのランデブー(1994年製作の映画)

4.0

パリの街をぶらぶらして会話してるだけで映画として成立するからロメールは面白い。全部良かったけれど、第一話「7時のランデブー」が特に好きでした。内容ももちろん、主人公の女の子のファッションが可愛すぎた…>>続きを読む

ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

4.0

アルトマンの女性映画三部作のひとつ。なんとアマプラにあるとは。「雨にぬれた舗道」もついに国内Blu-ray出るみたいなので欲しいですねー。
以前に同監督作「三人の女」を観たのですが、本作はドッペルゲン
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殺人ゲーム/コミックストリップヒーロー(1967年製作の映画)

3.5

漫画家夫婦のもとに一人の熱狂的なファンが現れ、非日常に巻き込まれていくフランス産コメディ。
すごい変な映画で面白かった。
OPのサイケデリックな色彩と鳴り響く音楽、この時点でかなり好き。普通の映画だと
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