レナさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.3

とんでもねえ映画だった…全ての展開が想像できなさすぎて正直戸惑った。

RAWは思春期の女性性の目覚めを描いていたが、今作はある意味望まない妊娠という所まで飛躍していた。
一般社会に馴染めない主人公は
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.4

実家で家族が観ても気まずくならなさそうな映画を今年1本目に。(家族は結局昼寝してたけど)
原作も読んだことがなかったので純粋に謎解きが楽しめた。結末や豪華な俳優陣も好き。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.6

想像してたよりもヘンテコな映画で、後半なんかはもうローラーコースターみたいで、理解するのは諦めて映像に身を任せていた。
家族3人がみんなとても良かった。作りの複雑さとは反対に主題は至ってシンプルなのだ
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.6

労働者階級の生活、降りかかる不幸とすれ違い、ささやかな幸せ、イッヌ、もうこれは様式美。いつものカウリスマキという感じで心地よかった。
ウクライナの戦争がラジオから流れてくるのだが、世界観がアナログなの
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To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

3.5

アルコール依存症の主人公の言動に少し苛つくこともあったが、そういう私もやっと再就職した良い職場を持病で失いそうになっているので、人事ではなかった。こういった病気は本人の努力が足りないという風に周りから>>続きを読む

素晴らしきかな、人生(2016年製作の映画)

3.1

クリスマスシーズンにゆったりしんみり観るのにいいんではないでしょーか。

Renaissance: A Film by Beyoncé(2023年製作の映画)

4.0

Renaissance = Reborn というアルバムのタイトル通り、生まれ変わった唯一無二のDivaであるBeyoncéの、現在とそれに至るまでの歴史を見る事ができる。

パフォーマンスにおいては
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.7

もの凄く惹き込まれる熱量のある作品だった。
宗教を題材にしたものは、父方が神道・学校がキリスト教という環境を経て無宗教に辿り着いた私にとって、なんでも神のおかげ/せいにするな!等モヤモヤすることも多い
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.7

“Sorrow is nothing but worn out joy." って興味深い言葉だ。

「俺もレコード売りに行かないとな〜」「あそこのレコード屋潰れたよ」「マジか!」みたいなとりとめもない
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愛・アマチュア(1994年製作の映画)

3.3

サスペンス要素が要るか?って正直思ってしまった、その掴みどころのなさが魅力なのかもしれないけど。
子供に水鉄砲打たれる所とか、細かいシュールな笑いは好き。
Elina Löwensohnがまた見れたの
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.5

カウリスマキ作品を見続けてすっかり虜になったカティ・オウティネンとマッティ・ペロンパーがダブルで出てる時点でもう好き。
男2人と女2人の、なにも起こらないロードムービー。気まずさ漂うはじめから少しずつ
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グレムリン(1984年製作の映画)

-

キモカワ怖楽しかった。流し見だったけど友達とワイワイ見るにはぴったりだなと思った。あと吹替のほうがいいと言ってもらって良かった、ギズモが喋ってるのかわいい。

街のあかり(2006年製作の映画)

3.4

何故かこれはあまりハマらなかった…。
主人公がなにを考えているのかよくわからず(起業してやるとかの台詞の割に行動がぎらつきの正反対)、捻りのきいた台詞回しも少なかったからだろうか。
他の作品は地位や名
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過去のない男(2002年製作の映画)

3.6

この作品は監督の作品の中でもとりわけ、いい意味で飛び抜けた部分がないように感じた。ゆったりだけど観た後にかすかに心がほっこりする。
名前を覚えていないということであらゆる社会的手続きから除外される主人
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.4

伝えたいことは分かるが、どこか私の求めていたものとはずれていて惜しい…と感じてしまった。
ロボットに人の心はあるのか、人と造られた存在との関係性、記憶の持つ意味、夫婦のすれ違い、ルーツと家族、死別との
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ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

3.5

監督のオンライン登壇ありの試写会で鑑賞しました。
Lizzyのアート作品制作のなか、また日常生活のなかで、思い通りにいかないこと、彼女の苛立ちを描きながら、それを大らかに包み込むような雰囲気が素敵だっ
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マイ・ビューティフル・ランドレット(1985年製作の映画)

3.4

移民、貧困、家庭、政治、家庭・結婚・恋愛と、様々なテーマを扱っているがどれも深掘りはせず日常として描いていて不思議な感覚だった。その分日常的に暴力や負の連鎖が起き、見る人に委ねる部分が多かった。主人公>>続きを読む

ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)

-

Jean Cocteauの戯曲が元になっている短編らしく、冒頭に斧を買うシーン以外はTilda Swintonの一人芝居。電話のシーンでは相手の声は聞こえず、感情を爆発させる彼女の存在感が圧巻。またア>>続きを読む

若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)

3.5

1時間弱の作品なので、コンパクトにまとまっていてかつ王家衛の良さもそれなりに味わえる丁度良い作品だった。
仕立屋が主人公なので美しいチャイナドレスを今作も見ることができるが、ヒロインがそれを着ている全
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レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う(1994年製作の映画)

3.0

ユルすぎる続編。
カウボーイハットに穴があいててトンガリヘアを突き出してる出だしのルックスが一番面白かった、出オチ感…

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.6

人と違う欲望を持っていることの辛さが丁寧に描かれていて良かった。特に主人公の母親とのシーンは他の直接的なグロ描写とかよりも数段きつかった。人を傷つけてしまう、正体を隠しながら孤独に放浪しているという設>>続きを読む

ゼイ・クローン・タイローン/俺たちクローン(2023年製作の映画)

3.5

白人たちの利益のために黒人(マイノリティ)の人たちが社会的構造の中で操られているのではというメタファーをSFに落とし込んでいる作品。主人公たちも売人と売春婦とポン引きで自分たちの地元や境遇から抜け出せ>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.6

タイムループをずっと繰り返しているように感じる激務に例えるアイデアとか、日本企業あるあるの直属の上司→その上司→またその上司に提案するというやり方してるのとか、パワポでプレゼンとか、小ネタが満載で楽し>>続きを読む

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.6

他に見たカウリスマキ作品は悲惨さの中にもあたたかみを感じたけど、今作は冷酷。
冒頭の母親に自分の皿のスープを勝手に食べられる描写から始まり、主人公の搾取され続ける細かなエピソードの連続と、その環境にい
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ノー・ホーム・ムーヴィー(2015年製作の映画)

-

シャンタル・アケルマンのドキュメンタリー作品は初めて観た。
正直、私は計算されたカメラワークの、真実味を感じるフィクションが好きだなと日頃思っていて、本作の荒く乾いた現実味が全面に押し出されるドキュメ
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一晩中(1982年製作の映画)

3.7

夜の深い闇と、早朝の淡く白い光のなんと美しいことか。映画館で観れてよかった。
人々が来たり去ったり抱擁したり踊ったりの短い一瞬を繋げた映画で、普段観る映画が小説や短編集のようだとしたら今作は詩集を読ん
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ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)

3.1

他に見たシャンタル・アケルマン監督作品とは毛色が違いすぎて驚き。
ラブコメミュージカルなんだけど、歌やファッションが時代を感じるのと、閉鎖的なブティック内でドタバタな恋愛劇がひたすら展開されるのであま
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ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

3.0

ムーンドッグの生き方が自分には合わなかった。才能があるからという理由で好き勝手やってもいいのか?と思ってしまった。楽しむのはいいけど、他人に迷惑はかけないで欲しいしお金と物は粗末にするな。私がムーンド>>続きを読む

真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.5

主人公、不運すぎる。悲惨なんだけど、短いワンカットと無駄のない台詞演出で描くのでどこか滑稽さもあり見ていられる。最後希望を感じられて良かった。社会的弱者に寄り添う姿勢が今作でも感じられる。

「パラダ
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.0

若い女性相手に恋して一喜一憂する主人公が可愛すぎる。カウリスマキ監督らしく喜怒哀楽をあからさまに描写しないが、不器用な人間味がしっかり伝わってくる。
ユーモアのある台詞も魅力的。「お前いくつだ?」「大
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白鳥(2023年製作の映画)

-

ウェス・アンダーソンの短編4つ見終わった。
これが一番残酷で、やるせない気持ちになった。ラストがよく分からなくて(主人公は果たしてどの点で「勝って」いるのか?)原作を読んでみたい気持ちになった。

ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

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奇妙な物語だ。ねずみをパントマイムで表現したかと思うとストップモーションになったり。ねずみとの決闘で一気に撮り方が変わるのは構成的にPoisonに通じる部分がある。ダークなシュールさは好き。

(2023年製作の映画)

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不思議な世界観の原作と監督の親和性がよい。これくらいコンパクトにまとまってるのも、語りがものすごい勢いにはなるけど紙芝居を見ているようで好き。

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.5

ウェス・アンダーソンの作家性を存分に体感できる。
短編ながら、セリフの情報量が多く凝ったセットも目まぐるしく移り変わるので、濃密な映画体験。
寓話のような内容と、語る人達の存在に焦点を当てる作りがまた
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キル・ビル Vol.2(2004年製作の映画)

3.6

Vol. 1は派手にキャッチーな面白さで、2はちょっと渋くシリアスになった印象。
個人的には1のほうが興奮できたけど、カンフーやマカロニウェスタンをおり混ぜつつ、殺しのシーンの静と動の緩急のつけ方はや
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