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‘80年代、学生だった初見時と同様、物凄い濃密なドラマだった。感情の露骨なぶつかり合いが、都会に隣接する田舎で物語られる。一気に破滅へ向かう様は、その後の日本の姿>>続きを読む
シネフィルであれば「あの子を探して」を思い出すはず。あれもラストが素晴らしかった。本作も、幸せが生まれる瞬間をしみじみと映像化して、俊逸なラストシーンだ。
演出は単調だが、人々の顔に救われる。あの様々>>続きを読む
ごった煮のような作品だった。前向きで元気な戦後もあれば、コロナの時代もある。青春の輝き、老いの寂しさ。次世代への眼差しと多彩に世代を盛り込んで、その実は有機的な結合が乏しい。画風も松竹大船、蒲田を基盤>>続きを読む
ロバート・ワイズが戸外にミュージカルを出して名作を連発した‘60年代。その頃の作風を踏襲しつつ、今風のサウンドとリズムを画にマッチさせていて楽しめた。ラテンビートは情熱的で力強い。メキシコで飲んだマル>>続きを読む
端正な画のなかに、実にシンプルだが普遍的な抑圧の不条理と、それに立ち向かう若い女性達を描いて、秀作だと思う。但し女性と男性、二十歳前後の若者と親世代で、感じ方が異なるだろう。後者である僕には、理解出来>>続きを読む
ポップな画調の中に、シニカルな笑いも混じえて、性暴力へ抗議する。今風の社会風刺のあり方が、一捻りした脚本に見られたものの何とも薄っぺらくて…
何かこんなものを褒めちぎる米国って、どうなんだろう。病んで>>続きを読む
石井裕也の作品は何時も弱者に優しい。社会の底辺で生きる人を描いて、「川の底からこんにちは」から一貫している。もがき苦しんで生活する人々。でもほんの微だが、ホッとする暖かな瞬間を盛り込む。結局、人の幸せ>>続きを読む
賛否両論のようだが、私は好きだ。
ベルが歌うシーンのイマジネーションだけでも観ていられる。人同士のコミュニケーション手段と、コミュニケーションの本質について考えさせる。仮想空間でも十分繋がることが出来>>続きを読む
Netflix
最近この手のヘンテコバイオレンス映画が多いなぁ。何か意味ありげで、結局説明不足なシノプシス。きっと以前に観ているはずと思うシーンの連続なのね。即物的な身体が壊れる描写なんて、ワイルドア>>続きを読む
デビッド・リンチの再来みたいなことを書く批評家もいて大いに期待したのだが、残念ながらダメでした。コケ脅し的にしか思えない創りで、画と音とで恐怖感を感じさせようとする意図が露骨すぎて。目に見えない恐怖を>>続きを読む
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本物志向の撮影やセットは、36インチの画面でも硬質な迫力を感じさせる。脚本の面白さも抜群で、社会派エンタメ映画として上出来だった。昔観た時と同じ感想。伏線と、どん>>続きを読む
荒唐無稽なトンデモ映画。前作はコケ脅し的とはいえ、華やかさと迫力があった。キングギドラやモスラの大きさと美しさが、今作にはない。それ以上に、兎に角創りが杜撰でB級だった。アレまで出てきて、もう次は無い>>続きを読む
巷の評価がいやに高いのだが、それほどの秀作とは思えない。観ればそれなりに面白く、ジーンとくる場面もある。でも結局は津軽三味線の音色に全部持っていかれる感があって、もうひと工夫欲しかった。とはいえ、柳島>>続きを読む
弱者への優しさがほんわりとドラマを包み込む。異文化を背景としたコミュニケーションの問題を感じつつ、そんな類型的な映画になっていないところが、石井裕也らしいなぁ。
このレビューはネタバレを含みます
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学生の頃は本作よりも勅使河原宏監督作の華やかさのほうが好きだった。三船じゃなくて三国だろうと頭をかしげていた自分が、なんと浅はかだったことか。青二才の映画マニアに>>続きを読む
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何故か未開拓の作家の一人だったパゾリーニを観る。
エディプス・コンプレックスをベースにフロイトの心理学的推論が映画のモチーフとなり、現代に通じていく。そんな映画か>>続きを読む
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何度も観た大好きな作品を再鑑賞。これを映画と呼ばずして、何をそれと呼べるのか。シノプシス、カメラ、サウンド、どれも欠かせない一級品で、そのオーケストレーションの>>続きを読む
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Wendersのファンとしてこれを観ていなかったことが恥ずかしい。地球を、人間を、鷲掴みにして映したような秀作だった。ドラマツルギーを無視して、思いの丈を映像表>>続きを読む
Netflix
Soderbergのデビュー作にしてパルムドール。公開当時はSpielbergと名前が混同しそうだった。
才気溢れるシノプシスと、気を衒わないカメラで、今観ても面白い。深層心理を暴くの>>続きを読む
DVD
随分前に鑑賞して以来。あの時もDVDだったかもしれない。今や忘却の彼方へ飛んで行かんとする記憶。
胸が張り裂けそうな悲劇を、静謐に描いて俊逸だった。名作の「Z」のような力強さはないが、深みを感>>続きを読む
FUKASEが、兎に角ヤバかった。
邦画では珍しく猟奇スリラーに成功しているように思える。「羊たちの沈黙」には遠く及ばないが…
多くが書いているように、ラストにもうひと落ち欲しいかな。
ASDの方々がどのように世界を見ているのか、それを映画で提示した点が興味深かった。コミュニケーションのあり方は多様で、あまりにも言語に偏っている日本人として、もっと勉強が必要だなと再認識した。
映画と>>続きを読む
女は魔物だ。平気で嘘をつく。感情を爆発させて泣く。媚びる。それらは女の本能だと思う。そして倫理や道徳も蔑ろにしてでも、自らの欲を満たそうとする。悪意はないのかもしれないが、あまりにも愚かだ。でも、結構>>続きを読む
家族特に親子の関係が崩壊する様を、社会構造の変容を背景に描いた。大家族から核家族、令和はその後の個を重んじながらも繋がりが求められる共生社会に向かっている。でも今作に見るように、血の繋がりは強固だ。今>>続きを読む
船酔いするかのようなカメラや、鳴り止まぬBGMなど、毛嫌いする作風でありながら、不覚にも涙腺が...
題名にあるように、描かれたのは命の停車場であり終着駅ではなかった。人の命の尊厳が何たるかを考えさせ>>続きを読む
Youtubeで見かけて、いずれは映画館でと切望していた今作を最後まで観てしまった。酷い画像で、PCで、罪悪感を感じる。しかし映画は凄かった。こんな作品、増村保造しか撮れない。原田美枝子は存在そのもの>>続きを読む
Netflix
タコの知能については不勉強で、目から鱗であった。
被写体への接近映像にタコの体の表面が動く様を捉え、奇妙な揺らめきを感じさせる。タコの眼のアップも、まるでタコが語りかけているかのよう。>>続きを読む
極めて優れた戯曲の映画化作品で、演劇的であるが故、役者の演技が作品の核となる。あのラストシーンを見せられたら、不満などありようがなく、大袈裟に言えばベルイマンのようなタッチ。
認知症では理性的な思考は>>続きを読む
心地よい空気感が伝わって、何かほのぼのとしたハートウォーミングな作品。性善説がベースにある若者の物語なので、感情がぶつかり合っても決して不快にならず、全ての登場人物を応援したくなる。ノスタルジックであ>>続きを読む
心の傷を癒すことは、その人に寄り添うということに置き換えられると思う。簡単そうに見えて実に難しく、相手の心と自分の心が触れ合わなければ成り立たない。そもそも心とは何だろうか。それを安先生は知りたくて医>>続きを読む
WOWWOW
何時観ても琴線に触れる。映画としてどうこうじゃない。矜持というものが、如何に尊く、人生の根幹を成すかを思い知らされる。不器用でもこんな生き方が出来たら、何と素晴らしいことだろう。
WOWWOW
クライマックス10分辺りからが仲代の真骨頂。一気呵成にドラマティックな心理劇になる。勿論、小沢栄太郎も最高に上手い。
変に纏めていない社会劇だが、そこが良いのだ。
WOWWOW
最高にクールな画にオフビートな笑いを散りばめて、日常をそっと優しさで包み込む。公開当時に評されたように、暗転で繋ぐリズムは俳句のようだ。その行間に言いようのない情感が篭っている。
やっぱ>>続きを読む
ハリウッド伝統のクライムアクションがコンパクトに作られて、観ていて飽きなかった。シノプシスの骨格は既視感満載で、自ずと先は読めるのだが、きちんと人物の心情を描きつつアクションを撮っている。当たり前のこ>>続きを読む
WOWWOW
現在も白い巨塔は変わらず残っている。道を踏み外さないよう確固たる倫理観を持って、謙虚に信念を全うすること。これは医師として、また人として忘れてはならない。学生時代に自主上映までして、繰り>>続きを読む
NHK
映像が秘める底知れぬ力を痛感した。矜持を棄てず、決して諦めない強さ。そして、何が何でも生きること。雄弁に語った小品にして佳品。
作品の中盤にある新生児のシーンが胸を打った。