よつさんの映画レビュー・感想・評価

よつ

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死刑台のメロディ(1971年製作の映画)

3.9

観てて辛かった……。
タイトルからして結末が死刑であることは分かりきっているのに、何度も光明が見えては一つずつ潰され、そのたびに落胆する。

移民×共産・無政府主義という2つのスティグマが重なり、サッ
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.0

クリストファー・ノーランの長編デビュー作。ノーラン自ら脚本・撮影・編集・監督・製作を務める。

低予算で地味な画面なのがかえって脚本の秀逸さを際立たせている。
時系列をシャッフルする手法はこの時からす
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夢追いウサギ(2020年製作の映画)

3.9

『ソウルフル・ワールド』とセット上映だったので鑑賞。(これを1本に数えていいんだろうか…)

絵柄が可愛くてほっこりした。
アナグマさんのキャラいいね。

3Dでなくこういう素朴な絵柄の長編アニメ映画
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

コロナ禍の影響で劇場上映が断念された作品。待望のスクリーン上映ということで鑑賞。

ジャズと現代音楽が合わさった音楽と、映像美は流石のクオリティ。劇場でみて良かった。
しかしストーリーに関しては、期待
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海がきこえる(1993年製作の映画)

4.4

「未成年飲酒シーンがあり、そこがストーリー上カットできない場面なのでコンプラの問題で放送できない」という噂を耳にして興味をもち、Bunkamuraで鑑賞。

良い意味でジブリらしからぬ生々しい青春。
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.1

関東大震災発生時、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などという流言が飛び交い、多くの外国人が理不尽に殺害された。
本作は、香川から千葉を訪れた行商人が朝鮮人と勘違いされて惨殺された実際の事件を題材としている
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(2023年製作の映画)

3.9

早稲田松竹にて『絞死刑』『福田村事件』との三本立てで鑑賞。
本作の上映中にずっと独り言を呟いてる人がいて、上映後に退出させられていた。少し認知機能に障害がある感じのおじいちゃんだった。私もかなりストレ
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絞死刑(1968年製作の映画)

3.6

『戦場のメリークリスマス』の大島渚監督が死刑制度を強烈なブラックジョークを交えながら描く。

冒頭、日本人の7割が死刑制度に賛成というデータを示し、「しかし実際の死刑をご存知だろうか。ではその様子をご
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赤と白とロイヤルブルー(2023年製作の映画)

4.2

アメリカ大統領の息子&イギリス王子のラブコメ。
大統領役は我らがユマ・サーマン。
息子アレックスは大統領選を控える母のため、犬猿の仲であるヘンリー王子との関係修復に乗り出す。

労働者階級出身のアレッ
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.9

ストーリー自体はシンプルなので話においていかれることはないが、いかんせん固有名詞が多すぎる。鑑賞前に用語リストをざっと見るだけで大分違うと思う。

さすがの映像美に圧倒された。IMAXや4DXではない
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

一時期は日本での公開すら危ぶまれたものの、ひとまず無事に劇場で観れたことに感謝。
登場人物が多く人名を覚えるのも一苦労だが、第二次世界大戦→冷戦下の赤狩り&軍拡競争という流れだけでも頭に入っていれば大
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.9

貧富の差が拡大するメキシコ。
群衆の不満はとっくに頂点に達しており、各所でデモが起きている。

そんななか、とある富豪ファミリーはのんきに結婚披露宴を開催中。
その最中クーデターが発生し、貧富の差もル
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.9

ゴールデンカムイとかRRRが好きな人に合いそう。

フィンランド侵攻中のナチスは、金塊を運ぶ一人の老人と遭遇。
WWIIで敗色濃厚なこともあり終戦後の蓄えとして老人の金塊を狙う。
しかし老人はフィンラ
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.4

ある男が自殺を企図している。天界から見守る天使は、その男ジョージを迎える前に人となりを知ろうとし、幼少期からジョージの半生を遡っていく。
ジョージは幼い頃から利発で人助けをいとわず、誰からも愛される好
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ファイナル・デスティネーション(2000年製作の映画)

4.0

バトロワやGANTZ並に主要キャラっぽい人もバンバン死ぬので観ていて楽しい。
しかも殺し方が痛くてエグい…。
死を回避する方法がもう少しロジカルだと楽しめた気がする。

次作は似たような展開が続くだろ
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評決のとき(1996年製作の映画)

3.7

10歳の黒人の少女が2人の白人男性にモノのように凌辱される、目を覆いたくなるような凄惨なシーンから始まる本作。
裁判は次第に黒人vs白人の代理戦争の様相を呈し、それぞれの支持母体を巻き込んで法廷外乱闘
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ロードハウス/孤独の街(2024年製作の映画)

3.8

現役のUFCトップファイター、コナー・マクレガーが出演していて湧いた。
The Notoriousのあだ名の通りの配役。
主人公も元UFCファイターという設定のため、格闘描写も気合入っていた。
格闘家
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セールスマン(2016年製作の映画)

3.3

何者かが自宅に押し入り、妻が暴行を受ける。
犯人を特定して吊し上げたい夫と、大事にしたくない妻との距離は次第に広がっていく。

モヤモヤとイライラだけ残った。
これは、主人公の男と同じく勧善懲悪的な思
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COLA WARS / コカ・コーラ vs.ペプシ(2019年製作の映画)

3.9

炭酸飲料分野で圧倒的シェアを誇るコカコーラと、それを猛追するペプシの戦い。

コーラは生活必需品でなく栄養食品でもなく味も大差ないため、イメージ戦略が勝負を分ける。
世界最高峰の頭脳が集結して繰り広げ
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処刑人(1999年製作の映画)

4.2

予想の斜め上を行く展開の連続でめちゃくちゃおもしろかった。
ツッコミどころを考えるだけ無駄、心の赴くままに楽しむ。

BGMがハードロック多めなのが嬉しい。

ウィレム・デフォー大好きなんだけど若干悪
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市子(2023年製作の映画)

4.0

プロポーズ翌日に失踪した彼女を捜索するうちに壮絶な過去を知っていく話。
どことなく押見修造や浅野いにおを感じる。
リアリティに欠ける箇所は多々あるものの、主演の杉咲花と若葉竜也をはじめ俳優陣の鬼気迫る
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0

主人公モンクは黒人の小説家。
格式高い文学作品を世に残そうと執筆活動に勤しむが、彼の小説は見向きもされない。世間が求めるステレオタイプな黒人像に対して、インテリな彼の作風はあまりにもかけ離れているのだ
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暗殺の森(1970年製作の映画)

3.3

映像やカメラワークは抜群に良かった。
タイトルからもう少しサスペンス寄りのストーリーを期待していたが、謎が多い主人公のルーツと変化をじっくり深堀りするような展開。
『ペパーミント・キャンディー』でも思
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.5

ハリウッドの名プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの長年に渡る性加害を告発するために奮闘する記者の話。
ドキュメンタリー調なので仕方ないが、すでにWiki等で知っている以上の話が出てこないので退
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

3.3

ある男の不憫な一生をエンディングの場面から遡っていく。
似た構成の『アレックス』は衝撃的な幕開けで心掴まれたが、本作は冒頭のピクニックのシーンから主人公のキャラクターに全く惹かれず、没入することができ
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見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.9

想像以上に猟奇的な描写が目立つと思ったら、韓国映画のリメイクと知り腑に落ちた。

ただの目撃者である吉岡里帆と高杉真宙が頑張りすぎだし、警察危機感なさすぎだし、横浜市営地下鉄人いなさすぎだし、色々とツ
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ヒート(1995年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ面白かった。
張り詰めた心理戦とド派手な銃撃戦、大好きです。
リバイバル上映の機会があればぜひ劇場で再鑑賞したい。

実在の強盗犯ニール・マッコーリー(ロバート・デ・ニーロ)と、彼を追う刑
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半落ち(2003年製作の映画)

3.4

テンポは良かったけど、引っ張るわりに特に意外性のないオチだった。
高橋一生が若すぎてびっくりした。もう20年前の映画なんだな。

認知症の身内を殺めてしまう事件はさして珍しいケースでもなく、容疑者が警
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観察者(2021年製作の映画)

4.2

念願の同棲を開始した若いカップル。ふと窓の外をみると、向かいの部屋の男女がカーテン全開でおっぱじめているではないか。
好奇心に抗えず性生活を覗き見しているうちに、彼らの”観察”はエスカレートしていき、
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砂の器(1974年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

邦画史上屈指の名作とうたわれる割には、かなり穴や矛盾が多いストーリーだった。

例えば、電車から紙吹雪を撒いていた女のくだり。彼女が記者に素性を聞かれて正直に答えるわけがない。重要な証拠を隠滅している
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

4.0

ヴィーガンの肉をハムにして売る話。
悪趣味全開でむしろ清々しい。
昨今世間をお騒がせしている環境活動家にイライラしている人は是非。

監督・主演のファブリス・エブエの本職はコメディアン。
『ゲット・ア
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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

3.9

1958年のフランス映画。
不倫カップルが完全犯罪を企て、男は見事に実行するが、犯行後にエレベーターに閉じ込められてしまう。
エレベーター内の男と、男の帰りを待つ女、男の車を盗んだ若い男女、主に3つの
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ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)

3.7

2011年のノルウェー連続テロ事件を被害者視点でドキュメンタリー風に描いた作品。

極右過激派のアンネシュ・ベーリング・ブレイビクはまず首都オスロの庁舎を対象に爆破テロを行い、その後ウトヤ島に渡って現
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グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

3.6

『パラサイト』と同じく、監督ポン・ジュノ×主演ソン・ガンホのタッグ。

パニックアクションとはいえ、キャラクターたちの設定や関係性が細かく決められていて良かった。

ただ若干要素を詰め込みすぎなような
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名付けようのない踊り(2022年製作の映画)

-

『PERFECT DAYS』でホームレスに扮する田中泯さんを見て、そういえば氏のドキュメンタリーがあったなと思い出して鑑賞。

ダンスに関する知識があまりにもないので、田中泯さんの踊りがどう凄いのかよ
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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.5

戦争映画なのにドンパチのシーンを一切入れず、戦争の愚かしさ、振り回される人間の憐れさを生々しく描いている点は良かった。

印象深いシーンも多いが、期待値が高すぎたためかあまりハマらなかった。
ハラやヨ
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