ある男が自殺を企図している。天界から見守る天使は、その男ジョージを迎える前に人となりを知ろうとし、幼少期からジョージの半生を遡っていく。
ジョージは幼い頃から利発で人助けをいとわず、誰からも愛される好青年だった。そんな彼がなぜ自殺を考えるまでに至ったのだろうか?というのが冒頭。
1946年の作品ながら、現代も語り継がれる不朽の名作。
完璧に練られたストーリーだった。
人間の悩みや人生哲学というのはいつの世でも普遍的なものだ。
どの道を選んでも後悔はするが、どの道を選んでも必ずそこに自分の足跡は残る。
(以下、ネタバレです)
ジョージの会社がピンチだった時に我先に預金を引き出そうとしてた群衆が急に進んでカンパをする善人になるのはご都合主義を感じた。
ここまで完璧な脚本なのにネコババしたポッターが成敗される描写がないのは、自己の幸福は他者を蹴落とすことと同義ではないというメッセージなのかな。
自分が消えた場合の世界線を見せられてジョージは絶望するが、それは彼の能力と人望ゆえに影響が大きくなったのであって、いなくなってもほとんど変わらない・むしろ良くなるような人間もごまんといるよね~と思った。
本作が訴える人生哲学は、周囲の人を愛し、積極的に関わりを持ってきた人にしか適用されないので、自らへの戒めとしたい。