シズヲさんの映画レビュー・感想・評価 - 26ページ目

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

4.4

とにかくシンプルな復讐劇。小難しい伏線とかも特になくて、ストーリーラインはとことん解りやすい。それでもこの作品を非凡にしてるのは、悲哀と殺意に満ちた殺し屋を演じるキアヌ・リーブスの存在感と洗練されたバ>>続きを読む

七人の侍(1954年製作の映画)

4.9

マジに凄い。マジに傑作。三時間を超えるとんでもない長さ(DVDもご丁寧に二枚組だ)なのにほぼ中弛み無し。最初から最後まで面白い。

主役となる七人のキャラクター性、壮絶な泥臭さ、持続する緊迫感、時々顔
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キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

3.9

秒でアガるどころか、半ば瞬間的狂気。スタイリッシュなアクション、奇想天外なガジェット、暴力シーンと陽気なBGMの融合といったブッ飛んだセンスはほぼそのまま受け継がれている。一歩間違えれば引くレベルの悪>>続きを読む

座頭市と用心棒(1970年製作の映画)

3.3

勝新太郎の『座頭市』と三船敏郎の『用心棒』が共演という贅沢すぎる作品。脇も豪華に固めていて、更に尺も座頭市としては珍しく2時間の長丁場。まさにフルコースと呼ぶに相応しい豪勢っぷり。「村で二つの勢力が対>>続きを読む

怒りの荒野(1967年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ガンマンに憧れる青年スコットと壮年のならず者タルビーが繰り広げる師弟バディ。スコットはタルビーの教えを吸収して一流のガンマンになるんだけど、最終的に恩人を殺した師と袂を分かつことになる。そして師の教え>>続きを読む

座頭市牢破り(1967年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

前評判通り脚本は確かに奇妙。農民の指導者となる浪人のキャラクター性はあざといし、彼の語る理屈も話の芯として半端なまま終わった印象が強い。善良な親分が豹変した理由も特に説明がないし、もう少し彼の描写を増>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.6

長々と続く会話劇、内容も割と下らない騒ぎの連続、時系列もバラバラ。なのに延々と面白いフシギな映画。タランティーノ映画は個人的に作品によって相性の差が激しいんだけど、これは普通に楽しめた。一本の芯がある>>続きを読む

ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

3.1

のんびりした娯楽作。冴えない中年三人組が幽霊相手に立ち向かうというユーモア溢れる作風、けっこう壮大な危機迫るスペクタクルな展開……そんな感じに解りやすい娯楽要素が詰まっている。細かいことは気にせず、気>>続きを読む

ウエスタン(1968年製作の映画)

4.9

再び傑作。ドル箱三部作から連なるこの凄みには敵わない。フロンティアへの深い情感、長回しとアップが生む緊張感、エンニオ・モリコーネが手掛ける音楽、そして男達の哀愁……まさしくセルジオ・レオーネ西部劇の総>>続きを読む

バニシング・ポイント(1971年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

時代の闇に触れ、社会から逸れた男が真の自由へと回帰する。ただ走って、走り続けて……その果てに破滅が待っている。儚いのに清々しい。とにかく走り続けるだけという単純なストーリーなのに不思議な余韻に溢れてい>>続きを読む

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.6

密室殺人ミステリーのようなバイオレンスサスペンス。レザボア・ドッグスのシチュエーションを更に捻って長丁場にしたような映画だった。嘘や疑心が入り乱れる密室劇だけど、張り詰めた空気がいきなり爆発してバタバ>>続きを読む

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ここにあるのはまさしく輝き。有名だし評判も良かったのに見るのが大分遅れてしまった作品。紛うことなき名作だったことを実際に見て納得。暗闇の中で一筋の光を見据え、ただひた向きに前へ進み続けるような映画だ。>>続きを読む

アウトロー(1976年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ポスト西部劇の名作。妻子を殺されたアウトローを主人公に据えつつも、単純な復讐活劇にしない辺りがイーストウッドらしい。実際に見てみると南北戦争後のアメリカを旅するロードムービー的な要素が強くて、そこがこ>>続きを読む

ザ・ロック(1996年製作の映画)

4.2

分かりやすく豪勢、いつ食っても美味い、まさにステーキのような王道映画だ。お手本のようなアクション娯楽大作で安心感すら覚える。それでいて最初っから最後まで面白いもんだから凄い。

マイケル・ベイ監督らし
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殺しが静かにやって来る(1968年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

寂寞と哀愁、そして無情に溢れた作品。たった一人で果敢に戦う主人公、暴挙に苦しめられる村人、その全てが偽善の鉄槌によって残酷に踏み躙られる。賞金稼ぎと賞金首の善悪構図が歪に描かれた、まさにアンチ西部劇の>>続きを読む

不知火檢校(1960年製作の映画)

4.9

カツシン演じる座頭市のルーツと聞いていたので前々から興味があったけど、納得の傑作だった。強烈なまでのピカレスク時代劇で、『座頭市物語』とはまた違った意味で衝撃的。というかトータルで言えば座頭市より面白>>続きを読む

ゾンビランド(2009年製作の映画)

4.1

即物的にさっくりと楽しめる面白さ。尺は短めだけどその分テンポ良く話が進むし、主要人物達も全員それぞれキャラクターが立っていて魅力的。バイオレンスなゾンビサバイバル物だけど陰鬱さは皆無で、むしろ普通に明>>続きを読む

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

4.5

ちょー楽しかった。とことんエンタメだった。ショーンとエドの関係性とかそのへんのおかげか、ほぼ全編に渡ってバカなノリで進んでいたのが楽しすぎた。そんな訳でホラー色は薄いけど、それでもハイテンポなゾンビサ>>続きを読む

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)

3.8

揺れ動く時代の中、積み重ねた努力が確かな実を結んだ話。だけど根底にあるのはやはり二人の厚い友情。内容は結構淡々としていて、基本的には終盤のスピーチに至るまでの物語という印象。それでもバーティの背負う苦>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

行き場のない衝動、どうしようもない鬱屈……元海兵隊の男が抱える心の闇がまざまざと描かれた凄まじい一作。尋常じゃない虚無感と閉塞感がここにある。憂鬱な空気に満ちているのに、最初から最後まで作品に引き込ま>>続きを読む

ビッグ(1988年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ハートフルな一作。大人になってしまった子供に扮するトム・ハンクスの演技が本当にそれっぽくて、いかにも子供らしい振る舞いや表情を見事に演じている。そんな彼の姿は微笑ましいんだけど、同時に「大人になること>>続きを読む

明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

4.0

※2019/4/19再レビュー

時代の峠を越えた男二人の青春西部劇。同じ西部劇で言うと男達の壮絶な挽歌を描いた『ワイルドバンチ』が近い時期に登場していたけど、泥臭く老け込んでいたあちらと比べると大き
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.5

暴力的なまでのサスペンス。じわじわと蝕んでくるような閉塞感、不安感が途轍もなく生々しい。率直に言って怖かった。しかし間違いなく面白かったと言える恐るべき怪作。90年代後半にインターネットやアイドルのス>>続きを読む

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(1966年製作の映画)

4.7

※4K復元版の方に再レビュー記載

やっぱり傑作。そりゃそうだ。前作、前々作から更に尖った個性と叙情的で雄大な映像が強烈。恒例となったエンニオ・モリコーネによる音楽も今回は特に素晴らしく、映像と共に間
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

真っ直ぐに生きる方法を見出だせなかった青年が自らの人生に漕ぎ出すまでの物語。これをマット・デイモンとベン・アフレックが学生時代に書いたっていうのが凄いなあ。

マット・デイモン演じるウィル・ハンティン
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夕陽のガンマン(1965年製作の映画)

4.4

※4K復元版の方に再レビュー記載

前作「荒野の用心棒」の乾いた魅力はそのままに、足りなかった部分がガッツリと補われた名作。予算が増えた恩恵が映像からありありと伝わってくるし、そこに役者のパワーや監督
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デスペラード(1995年製作の映画)

4.4

たまらねえセンスの塊。タフでかっちょいいアントニオ・バンデラス、印象的なラテンミュージック、外連味たっぷりのガンアクション、加点要素がとにかく突き抜けていて楽しすぎる。「面白けりゃそれでいいんだ」と言>>続きを読む

荒野の用心棒(1964年製作の映画)

4.0

※4K復元版の方に再レビュー記載

イーストウッドの出世作にしてマカロニ・ウエスタンの存在を世界に轟かせた映画。改めて見ると本当に『用心棒』まんまで(更に元を辿ればハードボイルド小説になるらしいけど)
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第9地区(2009年製作の映画)

4.3

設定が面白いなぁ。地球にやってきた宇宙人が支配階級ゼロで頭の弱い下層階級の連中しかいなかったから、地球人の秩序に飲み込まれて難民化っていうシチュエーションが新鮮。宇宙人の居住区がスラム化したり隔離施設>>続きを読む

HiGH&LOW THE MOVIE(2016年製作の映画)

3.9

ドラマ版未視聴だけど途轍もない熱量だった。パフォーマンス集団であるEXILEが作品をプロデュースしたおかげで、アクロバットな映像と強烈な感性を全速力で叩き付けられる凄い作品になっている。

荒唐無稽な
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アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

漫画の実写化作品とはいえ、邦画でこういうゾンビ物を見れるとは思わなかった。実際面白かった。まあツッコミ所もちらほらあるけど、それはそうとパワフルでいいよね。

緩急のついた緊迫感に引き込まれる。ハイテ
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クローズZERO(2007年製作の映画)

3.6

原作は齧った程度だけど、実写化作品としてはなかなか面白かった。不良達の泥臭く若々しい熱気は勿論、ユーモア溢れる交流も人間味溢れてて良かった。小栗旬も山田孝之もかっこよかったけど、個人的には夢に敗れたま>>続きを読む

マチェーテ(2010年製作の映画)

4.4

「メキシコからの不法移民問題を取り上げた作品」と書くと何だか硬派なドキュメンタリーっぽいし、実際そのへんは話のテーマになっている。でも内容は相当大味でワイルド。というかブッ飛んでる。暴力、正義、悪趣味>>続きを読む

天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)

4.2

見ていて楽しくなるし、元気を与えられる。ストーリー自体はごくごく分かりやすい話なんだけど、それだけに安心感たっぷりで率直なパワーに溢れていて面白い。

やっぱり主演のウーピー・ゴールドバーグ演じるデロ
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ポッピンQ(2016年製作の映画)

3.0

TVアニメの総集編みたいな映画。女児向けアニメの系譜のようで微妙に何処を狙っているのかよくわからない作風だけど、まあ気軽には楽しめるかな。キービジュアルの雰囲気は凄く良い(下手すれば本編よりも)。>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

4.5

異様としか言いようがない。バイオレンスな映画だというのに熱気のような激しさなんて全然無い。とにかく冷めきっていて、暴力と死を本当に淡々と描いている。台詞の少なさや展開の淡白さもドライな空気に拍車を掛け>>続きを読む