いさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

3.7

なんだか消化しきれなかった。
とりあえず主人公を取り巻く環境がめちゃ理不尽だったなーという印象。そりゃ非行に走っても仕方ないわ。周囲の大人達に呆れ果てて自ら道を切り開こうとする主人公に同情と共感を覚え
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(1954年製作の映画)

3.5

うーん、切ないなあ...
各々の選択を信じて突き進んだ2人が、まさかあんなに救いのない結末を迎えるとは。
フェリーニ作品なら8 1/2が好きなんだけど、あの作品は闇夜に一筋の光が射し込んでくるように展
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英国式庭園殺人事件(1982年製作の映画)

3.7

異常なこだわりが垣間見える精緻な映像美と一切の説明を排除した耽美的な脚本。
このグリーナウェイ作品特有の雰囲気に取り憑かれている自分から言わせれば、正直何やってくれても最高です。グリーナウェイ作品は親
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ソドムの市(1975年製作の映画)

3.7

ひたすら不愉快。だけどなんだか美しい。そんな不思議な魅力がある作品だった。こんなに醜い内容なのに美術やカメラワークは極めて秀逸で、気分を害しながらもつい見入ってしまう。パゾリーニ凄い。今のところはもう>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.7

最高の映像体験。ウェス・アンダーソン特有の角ばっていて左右対称な映像が、映画館という角張っていて左右対称な空間に映えまくってる。グランドブタペストホテルほど圧巻!!って感じの映像ではなかったけど、平面>>続きを読む

私の20世紀(1989年製作の映画)

3.5

画がずっと綺麗だわー。でも退屈だった。
個人的にはチンパンジーが語りかけてくるシーンが好きです。

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.0

すごく居た堪れない気持ちになった。主人公は友達にノートを返したいだけなのに、それを大人達がひたすら妨害してくる。大人には大人の理屈があるんだろうけど、それにしても主人公の言うことを一向に聞かず、自分の>>続きを読む

ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

4.5

素晴らしかった。やはりジムジャームッシュは期待を裏切らない。
まずもって武士道に則って生きる殺し屋の主人公がすごく魅力的だった。愛読書が「葉隠」っていうのもかなり良いチョイス。武士道精神を著した書物の
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魔術師(1958年製作の映画)

3.5

イングマールベルイマン作品は皆苦しそうに生きてる感じが好き。この作品は珍しくハッピーエンドだったけど、最後を除けばひたすら厭世的で冷笑的な世界観が展開されているので心地良いです。

エスター(2009年製作の映画)

4.0

良作。
まずサイコスリラーものとして凄く質が高い。超スリリングで緊張と緩和の繰り返しが非常に心地よかった。
そしてとにかくエスターがサイコキラーとして魅力的すぎる。見る前はてっきりエスターが超能力者な
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アリス(1988年製作の映画)

4.2

最高だった。ジャバウォッキー以来のヤンシュヴァンクマイエルで、長編作品を見るのは初めてだったんだけど、その悪魔的なイマジネーションにひたすら魅了された。
キャラの造形や世界観は超メルヘンでめちゃくちゃ
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.7

街中にゾンビが溢れてるのに妙に冷静な主人公たち、Wi-FiやBluetoothを求めるゾンビ、イギーポップの無駄遣い。いかにもジム・ジャームッシュ的で楽しかったんだけど、そもそもジャームッシュ作品でこ>>続きを読む

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

3.0

作品としてはあまり惹かれなかったんだけど、怖いもの見たさに支えられて2時間半飽きずに見れた。
連続殺人の目的が実益だったこともあって、自分自身の犯罪に対する考え方と向き合うようにしながら鑑賞していた気
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12モンキーズ(1995年製作の映画)

3.7

映像の質感は好みでした。流石テリーギリアム。
けど少し冗長に感じられたのが残念だなあ。1時間半ぐらいに纏められてたらもっと良作になっていた気がする。

オリ・マキの人生で最も幸せな日(2016年製作の映画)

3.7

世界一強いボクサーになるよりも、大切な人と時間を分かち合うことが彼にとっての幸せなんだよな。周囲からの期待を一身に背負う中で、等身大な幸せを噛み締めて生きていこうとする主人公が弱くも見え、強くも見える>>続きを読む

クレアのカメラ(2017年製作の映画)

3.7

ささやかな日常とままならない人間関係。美しくて儚くて、それでいて心地良かった。みんなクレアと話す時はお互いにセカンドランゲージで話すのもなんだか微笑ましい。
また、ドラマ性を排除した会話の間や多用され
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スカーフェイス(1983年製作の映画)

3.7

久しぶりに見たギャング映画。これぞ80年代!って感じの華やかで淀んだ裏社会が改めて見ると楽しかったな。
主人公がヤクザ界トップの人間にしては馬鹿過ぎるし(妹への溺愛っぷりもあんま理解できないしね...
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残酷で異常(2014年製作の映画)

3.5

アマプラでやたらサジェストされるので観てみた。期待はしてなかったけど、思ったより悪くなかった。
主人公、最初はただただ悲劇を背負わされただけの人物だったけど、ループを繰り返しながら出来事を多面的に見せ
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台風クラブ(1985年製作の映画)

4.0

とにかく意味不明。だがそれがいい。
思春期という一言では片付けられないほど破壊的で向こう見ずな少年少女。「おかえりなさい、ただいま」って言いながらドアを蹴破る少年や「厳粛な生のために厳粛な死を!」みた
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.5

かなりの良作!
最初に驚いたのは、撮影場所がめちゃくちゃ近所ってことです。笑 自宅からチャリで20分ぐらいの距離なんですけど、そこで撮られたっていうだけでめちゃくちゃ親近感が湧きました。
作品について
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インセプション(2010年製作の映画)

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スキー場のバイトの話でした。見ているうちに僕の方まで夢と現実を行ったり来たりしてしまいましたが、ディカプリオも渡辺謙も素敵な冬休みが過ごせたみたいで良かったですね。

PS.ノーラン作品めちゃくちゃ疲
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

3.5

SF映画としての先見性は確かに凄い。街の造形もめちゃくちゃカッコいい。
けど展開自体は中だるみしてた印象。最後とか良かったんだけどね。

ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)

3.7

良作。
スクールカーストや家庭環境に悩むバラバラな5人が対等に語り合ってる感じがめちゃアツかったです。月曜のくだりが始まってから、お互いのカーストの違いを自覚したうえで腹を割って話すようになる感じが素
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エクソシスト(1973年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃ揺さぶられました。素晴らしい。
ホラー映画やオカルト映画ではお得意の「何かヤなことが起こりそう感」がビンビン感じられて、全編にわたって緊張感が半端ない。特に後半は悪魔の怖さに怯えてるうちに
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.7

サイコパスがひたすら人を殺し続ける様子を描いた作品。途中までは。
胸糞映画というよりはホラー映画みたいな感覚で見てました。だって冒頭、主人公が女を車に乗せた時点で何も起きない訳がないんだから。
ファニ
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ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

4.0

主人公が1日で様々な役柄を演じることに対するメタ的視点と、カメラの存在が明言されず、一見何をやっているか全く訳が分からないシュールレアリスム性。これらを両立させた名作だと感じました。
好みではあるんだ
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コロンバス(2017年製作の映画)

3.7

作中に出てくる一つ一つの建築物がめちゃくちゃ美し過ぎて圧倒されました。建築って芸術の1つなんですね。きっと劇場で見れたら最高なんだろうなあ。
むやみに動かしたりせず、定点ショット多めのカメラワークにな
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

3.7

美しかった!
至って限定的なひと夏の恋物語。
各々の人物が織り成す巧妙な恋愛模様。
フランス人らしい小洒落た会話。
無駄がなくて鮮やかな映像。
あまり良くない画質。笑

これらが相まって、えも言われぬ
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

3.5

紛うことなき名作。この手の作品に対して斜に構えてしまうところがあり、あまり入り込めなかったんだけど、それにしても良い作品だなと思いました。

魂のジュリエッタ(1964年製作の映画)

3.5

やはり映像のクオリティがすこぶる高い。映像の魔術師フェリーニの存在感はカラー作品においても健在です。とにかく映像には魅了された。
しかし脚本は退屈で、その癖長い。8 1/2のように有り余る情報量でぶん
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不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

3.7

ずっと気になってたんだけど、今日ついに映画館で観れた。みなみ会館最高だぜ。
内容は総じて面白かったです。カルト感溢れる低予算かつ風変わりな映像と、謎のお辞儀や鼻下小鈴などの意味不明な風習がめちゃくちゃ
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最強のふたり(2011年製作の映画)

3.0

面白かった。ドリスとフィリップの凸凹コンビがすごくいい味出してて、最後まで楽しく見れました。もう少し重厚な話に仕上がっていれば観返したくなるんだけどなー。

ZOO(1985年製作の映画)

4.5

購入したBlu-rayにて視聴。結論から言うとめちゃくちゃ良かったです。“俺の好きなグリーナウェイ”ここに在りという印象。
話は相変わらず意味不明かつ単調なんだけど、映像が美し過ぎて一生見ていられる。
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ピンク・フラミンゴ(1972年製作の映画)

3.5

不快なシーンのオンパレードだったけど、下品を超えてむしろ芸術的だった。とはいえ、どんなシーンも美しく描いてくれなきゃただただ不快なだけなので、総じて不快な映画にはなってました。しばらく観返したくはない>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

3.7

テンポがやや遅く、退屈さを感じたことは否めないが、1人1人の美しい日常や風景、そして“生”への実感を思い出させてくれる作品であることは間違いない。日本への愛も感じる良作だと思います。

コックと泥棒、その妻と愛人(1989年製作の映画)

3.5

もしかしたらピーター・グリーナウェイが好きな訳じゃなくて、「数に溺れて」が好きなだけなのかもしれない。本作の場合は室内の映像ばかりでやや退屈なのと、話の筋がちょっと普通過ぎる。総じて普通の映画って感じ>>続きを読む