ISSHINさんの映画レビュー・感想・評価

ISSHIN

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ソイレント・グリーン デジタル・リマスター版(1973年製作の映画)

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割かし楽しめた啓蒙SF作品。

群衆の撮り方が上手い。シンプルな構図でいちばん効果的なアングルが判っている。目の覚めるアクションだった。
また、人間の欲深さを環境問題と結びつける語り口も面白かった。よ
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BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

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挑戦者の泥臭い物語。

まず、試合シークエンス。役者本人が演じることで、ボクシング映画の迫力を担保している。
血なまぐさい努力と、才能という壁。「熱量と才能は違う」というセリフが観客を刺す。また物語が
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ミッシング(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

流れるような台詞の中に、刺すような「事実が面白いんだろ」という台詞。これが吉田監督の怖さ。
映画的ディフォルメが違和感なく呑み込める邦画。ずーと嫌な気持ちになるけど、一抹の希望も描かれている。
石原さ
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世にも怪奇な物語(1967年製作の映画)

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絢爛豪華なオムニバス作品。

特に印象的だったのはフェリーニの「悪魔の首飾り」。この世とあの世の狭間のような奇妙な世界。映像にはインパクトがあるのに、儚い印象を受けてしまう奇妙な作品だった。
その他の
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赤い靴(1948年製作の映画)

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あまりにも美しい映画で驚愕した。

メロドラマと創作の痛みが絡み合って奏でる物語。バレエは夢現の映像表現で見せる。これがあまりにも美しく、垂涎ものだった。全セクションを信頼しきった監督の勝利とも言える
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バービー(2023年製作の映画)

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フェミニズムの入門。

まず映像に驚かされた!明らかにカラコレされていない生の映像。意図的なのだろうか。作り物の世界を、色調調整しないことで浮き彫りにしているのだろうか。
物語はフェミニズムの入門、も
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ほら男爵の冒険(1961年製作の映画)

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溢れんばかりの創造力。

ジュール・ヴェルヌやジョルジュ・メリエスに捧げる空想世界。その再現方法の面白さ。アナログで突き詰めた映像。脱帽です。

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

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狂気に共感を抱いてしまう先鋭的な映画。

冒頭の面白さが異常。サウンドトラックの効果的な使い方と、映写された映像。一気に惹き込まれる。撮ることについて描き切っていた。素晴らしい。

ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

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迸るセンスとエロス。

独特の間合い、映画全体を支配するゴダールの香り。テーマなど口で語ってしまう。そこは問題では無いから!という豪胆さ。ちぐはぐな内容と先鋭映像。
これをロマンポルノと言っていいのだ
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ピクニック(1936年製作の映画)

4.4

美しい映像が沁みる。

逢瀬の情緒。省かれた描写が映像より雄弁に語る。陰影と川のせせらぎがとにかく美しい。
ブランコのシーンはやはり素晴らしいですね。

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

4.0

まさかの実話。

馬鹿げたモンスターパニックを短尺で楽しく見せてくれる。ちゃんと人が死ぬし、バリエーションにも富んでいる。
蝶に見とれるクマが可愛かった。

リサと悪魔(1973年製作の映画)

3.8

気味の悪いリズムのある映画。

ズームアップが多用され、カメラの存在を剥き出しにすると共に気味の悪さを演出する。悪魔が執事のポストにいるのが余計に恐ろしい。家族の歪さを強調している。モニュメントが象徴
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.6

うーむ‪🤔‬

魅力的なキャラクターはヴィランだけだし、絵的な驚きも話の整合性もない映画。ユートピアだと思っていた国(アメリカのメタファーだろうか)の裏側を知って革命を起こそうとする人々。非常に現代的
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巴里の屋根の下(1930年製作の映画)

4.0

トーキーの黎明期。

トーキーとサイレント映画の折衷。それぞれ味わい深い。壮大なセットの中を自在に動くカメラワークが印象的。
物語は可憐な美女に振り回される男の話。哀愁たっぷりのアルベールの顔面が沁み
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吸血鬼(1932年製作の映画)

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白昼夢のような恐怖体験。

カメラレンズに薄い紗をかけて撮影したという幻想的な映像。影の踊り、不気味さと子気味よさ。迫ってくる死と影。映像的イメージの具現化とリズム感の良さ。これは影響甚大ですね。

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

4.5

またまた怖い映画だった。そしてとっても面白い!

物語に触れずに語るのなら、まず音響の演出がすごい。カメラの周りの音しか拾わないので、アングルによって聞こえる音が違う。だから主人公の会話さえも聞こえな
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.1

金曜ロードショーにて鑑賞。

「天気の子」で描いた、日本の貧困描写や徹底的な市井の視点からは一歩後退している。むしろ日本人の災害の傷の肩代わりをするような振る舞いの映画で驚いた。日本人が負った傷と、脈
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

法廷劇と罪人の半生が、複雑に絡み合う時系列で語られる。

重厚な音響と映像。特に音が凄い。冒頭の雨粒の拡散、毒林檎事件はその後の展開を示唆していて見事。オッペンハイマーを歴史人物ではなく「人」として描
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.3

不純物ゼロの激アツスポコン映画。

レースシーンのスピード感と、差し込まれるエンジン映像のグルーブが気持ちいい。物語の展開とキャラクターの心情にも無駄がなく、スポコンとして綺麗にまとまっていた。久しぶ
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

5.0

的確すぎるショットの連続でゾクゾクする。

80分という尺の中で、何もかも描き切っている。映画冒頭で募る観客の怒りが革命軍という形で具現化、そしてその行く末に閉口。革命政府の独裁という主題をリアリティ
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.0

エピックなだけじゃない。

壮麗な映像と退屈な作劇がいい塩梅です。作劇には触れず、映像面。遠景の描写も、ディテールの描写もどちらも手抜きがない。単純にクオリティが高い。単にエピックなのではなく、その内
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

普通に面白かったけれど、ムムムムなところもあった。

今作は次作への伏線を張ることに専念したような作品だった。それにより本作品の主軸は定まらずに幕引きした印象を受けてしまう。恋愛、sf、友情、受験、家
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スプライス(2008年製作の映画)

4.0

子育ての苦悩を、最高に気持ち悪く描く。

2人の科学者(夫婦)の間にできた人工物の子供。その子育ての過程をリアリティを持って描く。かなりグロテスクだ。監督の「フェティッシュ」と「描かなければならないも
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ペット 檻の中の乙女(2016年製作の映画)

3.8

すべてが平均点な映画。

脚本から演出・映像まで、すべてが普通。だから退屈こそしないが、突出した点がないのでウームと言った感じ。
狂った美女はすごくいいのだが、それをやるならもっとケレン味が欲しいな。
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ガール・イン・ザ・ボックス(2016年製作の映画)

3.5

目まぐるしい編集で、何が何だか...。

彩度の高い映像がまるでモンタージュのように淡々と流れる。起きていることは悲劇的なのだが、全く迫ってこない。息つく間もなく、再現ドラマのようなテンポ感で進む。
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キャビン(2011年製作の映画)

4.3

大胆不敵な脚本に対し、上品で堅実な映像。ラストのハチャメチャ具合は落涙もの。きゃーおもしろ!

市子(2023年製作の映画)

4.4

社会派でいてエンターテインメント。画期的だ。

些細な挙動でリアリティを演出し、さらにその先の展開を想像させる。そしてその想像が証言によって証明され、市子の肖像が変貌していく。筋道はミステリであり、そ
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マジカル・ガール(2014年製作の映画)

4.6

はぁ、いやだいやだ。

冒頭部から惹き込まれる。天才的な編集。乾いた演出が観客の心をえぐる。あぁ、もう二度と観たくない。

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.1

セリフを極限まで排した、生粋のアクション映画。

光、煙、風を大胆に取り込んだ美しい映像。とにかく映像で魅せる!おじいちゃんかっこいい。強いんじゃない。諦めないことが何より大切なんだと、説得力しかない
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女神の継承(2021年製作の映画)

4.3

凄みのあるモキュメンタリー。

セットとロケの使い分けがあまりに秀逸。現実に地続き且つ、ビジュアルショックを与える儀式。かっこいい。モキュメンタリーという形式をとったことでシラケる箇所もあるが、大健闘
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ある男(2022年製作の映画)

4.2

緻密で繊細な演出。

過去を捨て生きることを決意した人間を追う。迫ってくる「私」という存在の脆さ。文学的な側面を取りこぼさず丁寧に演出していた。

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.0

天才監督の送るおふざけムービーだった。

ケレン味溢れるアクションとアシッドな映像は健在。しかしまとまりのない物語が...ね。笑えて仕方がないけども。
あと、ブライス・ダラス・ハワードが可憐すぎてどう
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