シャンバラの雨さんの映画レビュー・感想・評価

シャンバラの雨

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瀉血(2022年製作の映画)

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多分テレビの故障だと思うが、映像に色が付いていなかった。

豚小屋(1969年製作の映画)

4.5

1回目で「なんか凄い映画だなぁ」とぼんやりと思ったが、昨日に改めて見直してみてやはり大傑作である事を再確認した。

まず「獣姦と食人を扱っているのに直接的な描写がない」という批判をよく見かけるが、これ
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MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

4.5

試写にて。
戦争映画でよく扱われるテーマとして「非人間化」がある。これは戦闘員たちの個性を排除し、ロボットのように従順な殺人マシーンに育て上げて「人を人として扱わなくなる」行為を意味し、「フルメタル・
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夜の第三部分(1972年製作の映画)

4.0

「ポゼッション」の前身と言える作品(ちょっと「めまい」っぽい感じもなくはない)。
螺旋階段での銃撃、妻のドッペルゲンガー、滅亡へと繋がる戦争の勃発など「ポゼッション」との共通項が非常に多く、ズラウスキ
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コックと泥棒、その妻と愛人(1989年製作の映画)

4.0

想像の数倍汚かったです。
まず特記すべきは美術でしょう。基本的に駐車場、厨房、レストランと地続きになった3箇所が主な舞台となっておりそれぞれを青、緑、赤の照明が彩っています。これが非常に演劇的で興味深
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ブルーベルベット(1986年製作の映画)

3.5

リンチによる大衆向け作品。
リンチ自身がオールタイムベストに挙げているヒッチコック「裏窓」を連想させるプロット。犯罪とは分かっているものの、大義のために”のぞき“行為をする主人公。探偵気取りで事件の詳
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マザー!(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

悪夢の具現化。大傑作。
ダーレン・アロノフスキー最高傑作だと思います。が、嫌いな人はとことん嫌いになるでしょう。映画の前半がイライラを楽しむのを前提としているため無理もないです。
しかしその観客がフラ
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影なき狙撃者(1962年製作の映画)

4.0

色々な意味でヒッチコックの「知りすぎていた男」を思い出しました。
フランケンハイマーの作品は「セコンド」のみ鑑賞しましたが、こちらもその傑作を凌駕していると言っても過言ではない圧倒的映像美とサスペンス
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ポゼッション(1981年製作の映画)

5.0

DVDを購入し再鑑賞したので感想を。
初めてリバイバルで観たときほどの衝撃は得られなかったものの、そのインパクト絶大な映像と意味深なストーリーを無視することはできない大傑作です。
一度話の大筋を掴んだ
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白い恐怖(1945年製作の映画)

3.0

無実の男が犯人捜し系のヒッチコック系。
原題はSpellbound(恋に落ちた)というものですが、今回ばかりは邦題の勝利。映画全体に散りばめられた「白」がグレゴリー・ペック扮する主人公を襲い、その不安
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屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

3.0

人間は死ぬと尻の筋肉が萎縮してしまい排泄物を漏らしてしまいます。が、映画の世界では基本的にそのような描写はないです。ドラマチックなシーンを台無しにしてしまいますから。
しかしこの映画は惜しみなく死体の
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失われた週末(1945年製作の映画)

3.0

アルコール中毒だけでなく、人生に失敗した大人が悲しさをごまかすようになる過程が見られて他人事じゃない映画。
幻覚シーンは当時としてはかなり技術が高いのかな?少し盛り上がりに欠ける印象は受けましたが、主
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セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身(1966年製作の映画)

4.0

ジョン・フランケンハイマー監督の代表作。
フランケンハイマーというバチクソかっこいい苗字はさておき、やり尽くされた感のある怪奇SF映画というジャンルに属するこの作品は、斬新なカメラワークと絶大なインパ
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アレックス(2002年製作の映画)

4.0

世の中に存在する映画のうち、視覚的に残酷な作品はこれ以上のものがたくさんあるでしょうが、精神的に残酷なのはこの作品が一番だと思います。
「時間を戻すことはできない」。子供でもわかるそんな教訓を最も残酷
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白いリボン(2009年製作の映画)

5.0

映画のほとんどが俯瞰で撮られているのが....良いですね。キャラクターの感じている心理的な距離感が伝わってきます。
「家族」という偽善な言葉で目下の人間にかざす暴力や恐怖を正当化しようとする村の権力者
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

後半が前半の舞台裏になっているという構成は悪くないし、そういったテーマを扱った映画は興味深いと思います。が、その為にはまず前半が面白くないと。
この映画を名作とする人達は口を揃えて「エンドロールが流れ
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ピアニスト(2001年製作の映画)

5.0

巷では「エリカがこのような経験をしたのは初めてではない」説というのが流れているらしく、もしそれが本当で他の男性にもこういった事をしてきていて我々が観ているのがその一例なのだとしたら本当に恐ろしい話。>>続きを読む

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

4.0

「ヒッチコック観たことな〜い」という人に入門編として最も適切なのが本作。
ヒッチコックのトレードマークとなるようなマクガフィンやマザーコンプレックスなどがたくさん詰まっている。唯一欠けているモチーフが
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π(1997年製作の映画)

4.0

テクノ・サイコスリラー。
今作った造語ですがこの作品にぴったりだと思います。
主人公のマックスは世界を理解しようとするという高次元な動機を持つキャラクターで、こういったキャラクターは共感しにくい傾向に
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東京物語(1953年製作の映画)

5.0

この映画を観るのにオススメな年齢が親になった年齢と、それから孫ができた年齢です。
これらの年齢になるとこの映画の登場人物の細かな心理描写を自分に重ね合わせられる事ができ、より深く作品のテーマに向かい合
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事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)

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大人が....
映画業界に何十年も携わっているプロが...
この映画を作ったということが信じられない。
あまりにも酷過ぎて逆に面白い映画はたくさんあるしそういった作品は何度も再鑑賞する価値があるが、こ
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フレンジー(1972年製作の映画)

2.0

ヒッチコックの復活作と言われていますが、復活しているのかなぁこれで。
ヒッチコックに憧れたアマチュア監督が撮ったみたいなセルフパロディ感がどうしても拭えないです。
「サイコ」と同様に殺人鬼が証拠隠滅を
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断崖(1941年製作の映画)

4.0

ヒッチコックの作品群の中で最も過小評価されていると思う作品。
映像表現という意味でも有名なミルクシーンや影の使い方など、どれも印象に残るものばかりだし、ストーリーも乙女心を鷲掴みにするメロドラマからサ
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(1954年製作の映画)

3.0

映像の魔術師と呼ばれるフェデリコ・フェリーニ。恥ずかしながら彼の作品は初めてなので彼の作家性や共通のテーマなどを語るなどは出来ません。
もっと奇抜な映像を描く人かと勝手に思い込んでいたのですが、この作
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

5.0

もしもターミネーター1にSF要素がなかったら?
この映画を説明するのに一番手っ取り早い表現です。
話の大枠は追いかけっこではありますが、扱っているテーマは残酷さを増していく世界で取り残されていく人々と
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CURE キュア(1997年製作の映画)

5.0

大傑作。邦画ホラーの中で一番好きです。
この映画の数年前に公開された「セブン」とよく比較されますが、確かに映像的な類似点と退廃的な雰囲気は共通していることは認めますが、そういった視覚的なものだけです。
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サンセット大通り(1950年製作の映画)

5.0

オールタイムベストの作品。
過去の名声や成功に縛られた人間という普遍的テーマをハリウッドを舞台に描いているサイコスリラー/ブラックコメディです。
「過去の成功に縛られている」と言って真っ先に浮かぶのは
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