硬軟芸達者が揃って、
筋立ての甘さをカバー。
ラストテーマがグッと来る。
人生怒る時は怒らなきゃ。
人生の何処かにかつて
あった三人のオアシス。
ひたすらその残像に
揺られ続けるほろ苦さ。
闘技場に物語が閉じて、
壮大な歴史への怖れも、
偉大な英雄への憧憬も、
ただ衆愚に埋没した。
親子の情愛を軸にして
奇想が問いかけるのは
異質とは何なのか。
人類とは何なのか。
分断される社会は
テクノロジーによって
さらに醜悪になるけれど、
救いは何かを考えたい。
ラスト、平穏な抑圧から
空気が変わる瞬間が良い。
社会と個人の距離感は、
前作より遥かに見やすい。
前半四散しそうだった
物語の其々のパーツが、
室井慎次と言う人物像の
後景に上手く収まった。
人と人の縁が結ぶ
優しくて清冽な情感。
こんな真っ直ぐな題材で
心揺さぶられるとは。
ウィットとエスプリに
ユーモアを散りばめて、
自由気儘に成り行き任せ。
シチュエーションが秀逸。
サスペンスも意外性も、
肝心のサイコ浦野も不在。
小手先で観客を欺くのは
演者とファンに失礼では。
判然としない台詞、
滑稽で愚かな策謀や意地、
先読み容易な筋立ての中
仲野太賀の血気が光る。
トリッキーな設定が
優しい終幕に至って、
自然に納得させられる。
強い力を持つ良作。
警鐘として評価したいが
現代との接線を欲張って
ただ不安に流されて、
危機感が曖昧になった。
安手のギミックだらけで
ご都合主義の脚本だが、
若手の熱量が想像超え。
中でも竜星涼はハマった。
トリケラトプスと
ロージンがほろり刺さる。
映画館出る時、
少しだけ優しくなれる。
奇想シャマランらしい
緩めのサイコと不正義の
倒叙型サスペンスだが、
不快さを拭えず消化不良。
三人の新しい人生が
動き出す瞬間の鮮烈さ。
深く意図された原題を
活かして欲しかった。
原作の枠組みを守り、
志は高く構想は壮大。
残念なのは虚実両面とも
あまりにダイジェスト。
ある意味の究極生物で
共感と友情のヴィラン。
その割に展開が安易で
ラスボスが陳腐過ぎ。
わちゃわちゃ加減が
ファン特典と商業映画の
中間くらいかな。
出た子達には思い出です。
実写化への熱意と執念。
あまりに好きが昂じて、
何も付け加えられず
単なるファン向けに。
前半のわかりにくさは
後半充分に取り戻した。
高速展開のコンゲームで
韓国ならさもありなんと。
国家への霊的信仰も
土葬への禁忌も薄いので
怖くないし吃驚もしない。
帝都大戦か妖怪大戦争。
生命が溢れ出すような
ビリーのステップと、
感情剥き出しのダンスに、
驚く程、ただ心打たれる。
丁寧に思い入れ深く
その人となりを描いた
本作が生きるかどうかは
後編にかかってる。
いつかこの社会批評を
素直に受け止められるか、
やはりあざとく感じるか。
ラストと綾野剛は上出来。
成長の物語としては弱いが
緻密に配された楽曲が
主人公の人生に共鳴する。
指揮の歓びには圧倒された。
埋め尽くされた言葉が
プリンスのシルエットを
浮かび上がらせる。
楽曲に触れたくはなる。
過剰で自虐的な設定が、
身を削る役者達の演技を
無為に空費させた結果、
最後まで納得すら出来ない。
ポップでキュートだけど
なんか何処か外してる。
怪しい怪しくないの話は
全くいらなかったなあ。
人生には癒せない傷も
帰るべき場所もある。
主役二人の深い想いが、
珠玉の作品に結実した。
夢想や歌唱シーンは冗長で
退屈不要というより邪魔。
徹底した法廷劇の後の
この絶望を観たかった。
人物設定が薄っぺらで
大仰かつ退屈な流れが、
俄然盛り上がった所で
次作乞うご期待でした。
奈衣瑠さんの空気感が
後半細部まで支配する。
それ故前半の喪失の話と
しっくり繋がらない。
モキュメンタリーの
体裁を借りたホラーか
過去のTV業界の戯画か。
滑稽なまでに悪趣味。
前半はありがちな傲慢さや
空虚さ満載で上滑りだが、
後半奈緒の本領発揮で
全て許せてしまう。