推理劇としても面白く
最後のアイデアも秀逸。
公安が幅利かせすぎで、
無駄に複雑にしてるけど。
誇張も脚色も創作も
全て受け入れた上で
心が震える瞬間がある。
真実を訴える力ゆえに。
不条理演劇の空間で
実験上映を観ている様。
静謐な映像空間に際立つ
小松菜奈の美しさ。
前作より少々退屈なのは、
善悪の境が不明瞭となり
余計な配信屋も絡んで、
怒りの熱量が下がったから。
戦争への比喩を超えて
倫理の根幹を揺さぶった
深作さんの置き土産。
同世代の衝撃は想像容易。
次第に研ぎ澄まされる
復讐心と鋭利な頭脳。
マレックの怒りと覚醒が
表情を通して胸に迫る。
舞台に孕む塊根や軋轢、
宥和の瞬間は魅入らせる。
惜しいのは集団劇として
爆発的な熱を持たない事か。
着想とアクションと、
高石あかりの芝居勘で
最後まで押し切ったけど、
さらに高みを目指せそう。
品性下劣な恐妻家が、
言語を操る扇動家となり
愚劣な狂気の虐殺者になる。
人間の本質としての歴史。
こんなピュアな恋愛も
こんないい人ばかりも
あり得ないなあと、
遠い目になっちゃうね。
格好の憂さ晴らし用、
痛快正義派鉄拳刑事もの。
不思議と邦画では見ない
ジャンルで新作が楽しみ。
緩やかに流れる時と、
迷い奔流となる感情。
丁寧に時代を伝えながら、
武士道を礼賛しない潔さ。
役者の空気感と間が、
緩さを良さに変えてる。
人生に90歳があるなら、
こんな風になれるといい。
既に死滅した人類の
失われた日常と
生を渇望する亡霊達。
生きる意味が問われる。
LEGOピースへの含意、
ファレルの社会性の覚醒、
自伝映画としてユニーク。
誰が誰かわからんけど。
韓国現代黒歴史として、
象徴的な意味で真実。
軍制は必ず暴走すると
胸に刻むには良い作品。
設定、脚本、台詞、全て
甘く薄っぺらと燻る苛立を
ラスト一気に晴らした
尾野さんの芝居の凄さ。
信仰は死の受容と
救済の為の付帯物か。
具象化された死は
異質だが何処か優しい。
英独戦史にまだこんな
隠し球があったとは。
プロットの捻りは弱いが
ガイリッチー流石の切れ。
強引な視点固定が呼んだ
違和感と非実在感が残念。
きっと一世代の点描なら、
ラストがグッと活きた。
着想、脚本、配役、演出、
そして合唱が融合して、
奇跡の様な寓話となった。
ただ三人の幸せを祈りたい。
躊躇・欲情・被支配・
開放・破綻の流れが、
ありきたりのポルノ以下。
キッドマンの無駄遣い。
大地の如く乾き切って、
空っぽの頭と心を抱え、
生への執着無く人を殺す。
でも何処かファニー。
「ひらいて」に続き作間=
山田のキャラがいい役。
でも流石におじさんは
身の置き所に困る。
父親との確執を伏線に、
生への怖れと鮮烈な愛。
彼の中で創造の悦楽と
喪失は均衡したのかも。
自己嫌悪と欺瞞と虚栄。
全ての否定を乗り越えて、
ロビーのエールは最後に
マイノリティに届く。
総集編とは思えない出来。
第2期もちょっと楽しみ。
「待ってる」と「敬礼」に
ラストでグッと来ます。
中盤までのテンポから、
予想を超えるラストまで。
サルダナの切れ味と、
エミリアの人生が刺さる。
背景スケールが小さくて
物語に没入出来ない。
NTRの正義が熱を孕むのは
弱き大衆を救ってこそ。
愛と言う舞台において
入れ替わる支配と服従、
恋慕と憎悪が明滅して、
観客の視点も揺れ動く。
あえてナウシカを下敷きに、
散々社会性を散りばめた末、
全ての生命の唯一無二性に
着地するポンジュノの腕。
♡
自己愛と知性の断絶、
福祉の傲慢さとお節介。
親子の現実を超えて、
二人の路は交わってる。
子供時代が楽曲の力で
鮮やかに蘇る貴重さ。
でも御伽噺から現代へ
踏み出すって難しい。
二人の絶望の様が弱くて
展開の起伏が曖昧になった。
ただ前半の緩い散漫さは、
後半西野の熱が取り戻した。
無理な企画なんだけど、
本人に何の非もなくて
事件それ自体が許せない。
母親のキャラが救い。
残酷で理不尽な世の中を
傷だらけで生き抜く為の
片道切符という軸が万全。
繊細な表情も見事に刺さる。