稀代のレースマニアの顔と
家族への愛憎が両面となり、
最後にラウラが結節点となる。
その構造と衝撃シーンが全て。
ベストの回想に滲む無念さに、
彼のテイクがあれば強かった。
新規性皆無のエドサリバン音源を
無意味に繰り返すのは残念。
作品を観ずに評価する事は、
強さの本質に触れる原作も、
凄まじい演技のキャスト達も、
創造行為をも否定する気がする。
息を殺した映画は初めて。
前2作の設定は借りてるが、
主役二人の迫真の演技は
それを超えて人間の熱を描く。
削り合う二人の人生と
不道徳で凛々しいゼンデイヤ。
盛り上げ効果抜群の劇伴で
物語の完成度が上がってる。
1と3は完成され過ぎ。
2は中途半端。4は整理不足。
良い企画なので、観たいのは、
一度も観たことないもの。
キャラ設定も作画のタッチも
気に入ったけど、理屈先行で
終わり近くまで外したかなと。
ラスト見事に引き込まれました。
複雑な構成はわかりづらく、
埋没する字幕を追い切れない。
各女性との距離は興味深いが
主人公の孤立だけが際立つ。
不穏さが積み上がる1章。
迷走しがちで停滞の2章。
ラストの反転と種明かしが
かえって興醒めの3章。
二人の芝居の密度の差は
しょうがないけれど、
京本の発声と滑舌は、
古川の良さまで損ねてる。
二人の尊い奇跡の時間が
戻らない事に心がひりつく。
劇場を出たあと、歩いてて
思わず泣きそうになった。
素朴で優しい筋書きだけど
純粋で深い愛情が伝わる。
柔らかな子供時代を卒業する
二人を応援したくなる。
僕は人生の大切な事を
いつ学んだんだろうか。
ふと振り返ってみたくなる
上手いエンディング。
冒頭から引き込まれるが
次第に曖昧になる真実。
論理の欠落を超えて、
柴咲コウの視線だけが残る。
とても繊細な演技と脚本。
過ぎ去った人生も
これから訪れる人生も
悪い事ばかりじゃ無いって。
狂った国家圧力に隷従しない
孤高の魂の悲痛な慟哭が、
自らの恋すら犠牲にして
善悪の境を超越する。
森深く隠された神話伝承と
怪奇幻想ゴシックの融合。
人間が知り得ぬ存在への
監督の淡い憧憬すら感じる。
前半のマーカスネタは
しっくり来ないし飽きるが、
後半の撃ち合いは壮絶。
バディ感は安定の出来。
主役を分散した上手い構成に
草笛さんの快演が嵌った。
観客の高齢者率は只事でなく、
皆が笑顔と勇気を貰ってる。
明瞭な骨格の警察もの。
杉咲、安田、豊原の
空気を震わすような
緊張関係が秀逸でした。
楽しかったけど、もっとポップに
サイケに振り切っても良かった。
いずれにせよ、早朝、寝不足、
仕事前に観る映画ではない。
個々の事情はわかりやすいが
チームとしての纏まり悪く、
理念と疎外感ばかり先行して
客も役者も置き去り気味。
キャスティングは成功。
少々ウェットに流れ過ぎですが、
日本のものづくりの凄みや
心踊る楽しさは伝わります。
悔いが残る人生だからこそ
誰かの光になれればと歩く。
生きる事そのものを凝縮した
ようなハロルドの旅でした。
コミュ症ネタの乱発はさて置き、
巧拙を超えてグルーブを感じる。
へえ、若い子達って、
こんな景色を見てるんだ。
ソルギョング演じる人物像と
訴えたい語るべき主題。
軸さえぶれなければ、映画は
貴重な体験を共有出来る。
社会が踏み躙る人たちの
全く呑み込めない感じが、
怒りに変わってくれれば
余程単純で楽なのにと思う。
透明で深さの知れてるプールに
怪異が潜むという設定が
ホラーとして破綻してる。
ほんと底が浅い。
二人の視線が出会ったり、
逸らされたり、交差したり。
冒頭の宣言から、ラストまで、
清新で気持ち良い関係性。
古きスタントへの憧憬と
命知らず達への深い敬意。
チートゥは多数の映画人の、
心からジャッキーを慕う化身。
グッと解像度を上げて、
スロー再生で見る今泉もの。
こんな路線もありかと思うが、
なんか騙されてる気もする。
不条理のパッチワークで
あえて反転や種明かしを
仕込まずとも成立したかも。
生田斗真は作品を選ばないなあ。
時代の先端で軽やかに
変化し続けた魅惑のトノバン。
唄は世の中を変えられないけど、
沢山の人生を変えたのです。
破壊と暴力で埋め尽くされた
フィルムから何が産まれるか。
本質的な何かを垣間見た様な
気もするが砂塵の彼方ですね。
沸騰する怒りの大きさが
社会実相への哀しみを深くする。
ラジ・リ監督が観客に突きつける
「傍観という加害」の鮮烈さ。
懐かしく洒脱で軽妙な軽口、
お約束に応えるキャスト達。
軽やかに期待値を超えて、
ワクワクした日曜の夜が蘇る。