Uさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

アオラレ(2020年製作の映画)

3.2

素性不明の恐怖のあおり運転常習犯ラッセル・クロウを徹底的にモンスター化させる事でアメリカの闇を炙り出しているのか、炙り出していないのか、もう分かりませんが常に相手が人生最悪の日だったら?と想定して生き>>続きを読む

樹海村(2021年製作の映画)

2.8

自殺の名所として世界的にも広く知られる富士の樹海を舞台に描く「恐怖の村シリーズ」第2弾。
オカルト色強めのこってりタイプ。アートにも力が入っていてホラーファンタジーのような世界が広がってました。神尾楓
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

3.8

86年、ソウル近郊の農村で実際に起きた女性の連続惨殺事件。微々たる情報から野生的に捜査する刑事達。正義とは。
のどかな風景を徹底的に不穏な空気で包み込んでしまうポン・ジュノ監督の画作りにぐいぐいのめり
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父の秘密(2012年製作の映画)

3.8

母親を失った父娘。転校した学校でいじめの標的になり日常から逸脱していく。
目を瞑りたくなるような辛いシーンもとにかく静かに進んでいくのが印象的。ひとつひとつ悲しい感情を積み上げて胸が痛くなる。からのラ
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ゾンビの中心で、愛をさけぶ(2018年製作の映画)

3.2

人間がソンビ化する伝染病が蔓延。世界の終わりだとマンションの部屋に閉じこもる倦怠期夫婦。
至ってシンプルな設定から広がる夫婦の人物像に心躍りつつ、想像の範囲に収まらない進行はデンマーク・スウェーデン合
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.8

都会に暮らしながら全く異なる生き方をする2人の女性。
日本を動かすような位置に存在する人達は自分の道を信じて疑わない。その周りで流れに身を任せながらも、彼女達がきりりとした美しさで自立していく様が心地
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

3.8

世間知らずで「普通」が何かわからない数学教師に普通を教える教え子。
可笑しさが心地良くなる会話劇でとても面白かった!ずっと同じ距離感だった人がいつもと違うパーソナルスペースに入り込んだ瞬間好きになっち
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.6

偶然という5億点な出会いからはじまった麦くんと絹ちゃんの恋。
私にはただ始まりと終わりを描いているようには見えなくて、まだまだ2人の中で形を変えて続いていく物語だと思いました。サブカル路線の詰め合わせ
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EXIT(2019年製作の映画)

3.3

有毒ガスが蔓延した都市を舞台に高層ビル群を命綱なしで飛び回り脱出を図る。
90年代にトム・クルーズがハリウッドでやっていた事を今韓国がソウルでやっている感じの間違いないエンタメ映画。女性が助けを待って
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ひらいて(2021年製作の映画)

3.8

高校生の恋を描いた綿谷りさの小説を映画化。
古き悪しき恋愛映画のデフォルトを壊してはちきれんばかりの衝動を孕んだ山田杏奈と、蒲鉾ゴリ押しの萩原聖人から一瞬たりとも目が離せなかった。
胸が焦げたかも。
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鈴木家の嘘(2018年製作の映画)

3.2

鈴木家の長男が突然亡くなったショックで記憶を失ってしまった母に、家族でついた嘘。
残された者達がおぼつかない足取りで進み出す不安定な絆に、いつもの見飽きた景色が愛おしくなった。TPOに合わせて優しい嘘
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くれなずめ(2021年製作の映画)

2.8

友人の結婚披露宴で余興をするため集まった高校時代の仲間達。
失った時間の狭間に見える景色。
過去作同様、舞台で抜群に映えそうなケレン味と疾走感が全く乗れず、スンッとなってしまいました‥その中でも漏れ出
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苦役列車(2012年製作の映画)

3.1

昭和の終わり、酒と風俗におぼれる日雇い労働青年の生き様。
孤独も貧乏も全て自分が撒いた種だけど、寄り添ってくれた前田敦子の大らかさと高良健吾の善っぷりでギリギリを保つ森山未來の人間臭さが絶妙。SHIN
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シライサン(2020年製作の映画)

3.0

「その名を知ると現れて、視線をそらすと殺される」呪い系ジャパニーズホラー。リングの系譜を継いでいるような禍々しさがありちゃんと怖かった。拡散力が段違いなため、映画を観た私も呪われましたが飯豊まりえちゃ>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

3.5

広島の架空都市・呉原を舞台に警察と暴力団の抗争を描く。
正義の為に悪にもなり、血で血を洗うような役所広司のギラギラした迫力が凄かった。松坂桃李の心情が変化していく事でこちらの感情移入も止まらない。超面
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.8

1980年代のイタリアで17歳と24歳の青年が織りなすひと夏の恋。
眩しい太陽と絵に描いたような瑞々しい景色の中でこんな素晴らしい感情に出会えるなんて。一生消せない彼らの体験が、私の心にもエモーショナ
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SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

3.8

成人女性が未成年という設定で、SNSで友達募集をするドキュメンタリー。10日間で群がった男性は2458人。
想像以上に地獄のようなオンライン性犯罪がてんこ盛りで精神が疲弊したけど、ネットの世界に潜むシ
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空白(2021年製作の映画)

4.5

娘が車に轢かれて亡くなる事故を皮切りに、震えるほどの怒り、焦燥感を爆発させる古田新太が凄かった。
大切な人を、改めてリスペクトを持って大切にしたいと思えた。物語を空白部分でも語る吉田恵輔監督の大傑作。
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ザ・ハント(2020年製作の映画)

3.6

富裕層が娯楽として「人間狩り」を行うという、ウソかホントかわからない都市伝説。
ミスリードでポンポン展開していき、格差対立やネット上での陰謀論を斬りまくるベティ・ギルピンが男前。誹謗中傷する人は報復さ
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鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

3.5

肉体が鉄に侵蝕されていく、平凡な会社員の壮絶な戦い。
全編テンションフルスロットルだし股間ドリルだし冷や汗が止まりませんでした。凄かった。なめててごめんなさい。"桐島〜"の橋本愛がこれを1人で映画館で
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架空OL日記(2020年製作の映画)

4.0

銀行員OLの"私"の日常。バカリズムの「ヘイヘ〜イ」みたいな完全男ノリにジワりつつ、キレのあるOL達がとにかく愛せる。面白いけどコント的な仕上がりにはなっておらず、何ならSF映画。大切なのは矛先。推し>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

3.0

1930年代、日本統治下の韓国。
莫大な財産の相続権を持つお嬢さんの前では、誰もが業の深い生命体。どろっとした愛とエロと憎しみ満載でしんどくなってしまいました。パク・チャヌク監督のタコ描写のクセがスゴ
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初恋(2020年製作の映画)

3.5

余命わずかのボクサーが、偶然出会った少女と運命的な恋に落ちる。
喜怒哀楽の感情渦巻く登場人物が重なり、生まれる奇跡のラブストーリー。すごくナウロマンティック。モニカの父が地下鉄でヌルッと湧き出るシーン
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最初の晩餐(2019年製作の映画)

3.0

父の通夜ぶるまいで母が用意したのは目玉焼き。次々出てくるエピソードが詰まった手料理に、離れ離れだった家族が1つになる。いい。私もこんな葬儀をして欲しい。得意な粗挽き肉とニラたっぷりの餃子を食べて泣いて>>続きを読む

犬鳴村(2020年製作の映画)

2.5

福岡県に実在する心霊スポットを舞台に描く怨念系ホラー。じめっと湿った不気味さ盛り沢山でめちゃくちゃ"見える"。
因みに私は、有名なトンネル心霊スポットで偶然ロケに来てた霊媒師に「あなたには何も見えない
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さよならくちびる(2019年製作の映画)

3.0

インディーズシーンで活動する2人組女性ユニット「ハルレオ」の音楽ロードムービー。
気怠くゆるいパフォーマンスだけど、門脇麦と小松菜奈から漏れるカリスマ性と相性のいい歌声にときめいちゃった。カレー食べた
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.0

アルゼンチンの連続殺人犯である美少年をモデルにしたクライムドラマ。
ロレンソ・フェロのビジュアルが強過ぎる故に破滅に向かう人間をいとしく思ってしまう危険さを感じた。ゼンチン映画らしいテンポでじわじわと
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帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

3.6

ヒトラーが現代によみがえり、モノマネ芸人として大スターになる。
たっぷりの"間"を堂々と自分のために使う演説に度肝を抜かれた。揺るぎない自信があってこそ成り立つ技。今こんな人が出てきたら皆が熱狂しそう
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シコふんじゃった。(1991年製作の映画)

3.3

廃部寸前の大学相撲部に、単位と引き換えに入部するもっくん。
汗が飛び散る夏の団体戦。チャラい男の目が次第に本気になっていき、迫力ある裸のぶつかり合い。熱い。暑い。でも観賞後の爽やかな気持ち。夏も悪くな
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.6

異物を呑み込む"異食症"の女性。
小さい頃ビー玉を並べて眺め、美しさのあまり呑み込みたい衝動に駆られたので、この女性に共感できるかもしれない。と思ったのは全然間違いで、社会を斬るようなショッキングで痛
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マーターズ(2007年製作の映画)

4.0

1970年初頭のフランス、廃墟に監禁され拷問と虐待を受けた少女の復讐劇。
という導入から衝撃的な展開を刻み、突き付けられたラストに放心。暴力的なシーンも育成プログラムの一環として説得力を持ってしまい、
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あの頃。(2021年製作の映画)

3.0

どん底の生活を送る青年が松浦亜弥の「♡桃色片想い♡」のMVを見て、ハロプロオタ活の扉を開く。
誰かに堕ちる尊い瞬間を見てしまった。オタクという方達の"推し"への突き抜けた愛情。彼らの幸福度は自分より遥
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.5

外界と遮断された灯台守のお仕事映画。中々のブラック企業でおっさん2人が発狂、錯乱、恍惚と凄まじい感情爆発っぷり。異音とモノクロ映像の心地良さ。もう少し抉ってくれても全然良かったけど、私、これから海鳥を>>続きを読む

プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.0

巨大な台座に乗せられた食事が上から下に運ばれてくる建物。生き残る方法は、食べること。
アイデアは素晴らしいけど聖書的映画が苦手なので、展開を重ねる度に興味は下り坂。気分が悪くなるほど汚い。それでも私な
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パンとバスと2度目のハツコイ(2017年製作の映画)

3.0

初恋の人と大人になってからの再会。
手に入らなかった人なんて好きの呪縛から逃れられないのに、2度目のハツコイが味わえるなんて嬉し恥ずかしの極み。あと「ゴボウはただの棒や」という名言がありますが、フラン
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グリーンブック(2018年製作の映画)

3.6

1960年代のアメリカ南部、黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手の2人がコンサートツアーに出発。
友情の心地良さと、理不尽な扱いの鬱憤を晴らすように敢行されるジャズライブの破壊力は、このために映
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