love1109さんの映画レビュー・感想・評価 - 36ページ目

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マーシュランド(2014年製作の映画)

3.0

観れば観るほど、知れば知るほど、迷宮に迷い込んでいくスパニッシュ・ミステリー。麻薬に汚職に性犯罪。湿地帯にある田舎町に蔓延っている貧困と暴力が、人間に潜んでいる闇を浮き彫りにする。骨太の映画というのは>>続きを読む

ラブ&マーシー 終わらないメロディー(2014年製作の映画)

3.2

この世のものとは思えない、美しい音楽をつくりだす天才がいる。彼らに共通しているのは、常人とはかけ離れた純粋無垢な「魂」を音楽に昇華させていることだ。天才ブライアン・ウィルソン。不朽の傑作「ペット・サウ>>続きを読む

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)

3.3

どんな歴史であれ、そこに在ったのは、悲しみや喜び、憎しみ、怒り、愛しみといった、血の通った人間の感情なのだという、当たり前のことを思い知らされる。どのような思いを込めて、誰が戦争を終わらせたのか。もは>>続きを読む

チャップリンからの贈りもの(2014年製作の映画)

3.0

チャップリンが私たちに遺してくれたもの、与えてくれたものをギュッと凝縮させたような珠玉の作品。ときに笑わせ、ときに泣かせる。チャップリンの匂いがそこにあるだけで犯罪さえもがドラマになる。そして、なんと>>続きを読む

エレナの惑い(2011年製作の映画)

3.3

日常の中で積み重ねられた小さなズレが、やがて、大きな罪を犯す引き金となる。例え善良であったとしても(あるいは善良であるがゆえに)何人も罪を犯すことから逃れることはできず、罪を犯しても、罰が与えられると>>続きを読む

この国の空(2015年製作の映画)

3.5

戦時。明日をも知れぬ極限状態の中で、愛を知らずに死なねばならないのかという不安は、とても切実なものであったに違いない。「わたしが一番きれいだったとき」に、妻子ある男性に惹かれ、溺れていく「女」を演じた>>続きを読む

しあわせへのまわり道(2014年製作の映画)

3.5

青天の霹靂。例え、どん底に突き落とされるような事態が起こったとしても、環境が変わるということは、ある意味、チャンスでもある。環境が変わると視点が変わり、視点が変わると、やがて、見えていなかったものが見>>続きを読む

人生スイッチ(2014年製作の映画)

3.9

リミッターが外れた人間の爆発力たるや! 絶対にありえないような「妄想」を、陳腐なモラルなどお構いなしに、やりたい放題、どこまでも徹底的に描ききったアルゼンチン映画の大傑作。いや~こんなにもアナーキーな>>続きを読む

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール(2014年製作の映画)

4.0

音楽がすべてだったあの頃。「歌は世界であり、唯一の救いなんだ」って台詞なんて、身に覚えがありすぎる。ネオアコ世代にはやたらに甘酸っぱく、やがて、観ているオッサンが小っ恥ずかしくなるほどのオシャレ映画。>>続きを読む

バケモノの子(2015年製作の映画)

4.5

恋とか、絆とか、優しさとか、強さとか。細田守監督は、言葉にするとなんだかチープになってしまうものを、映画というエンターテインメントを通じて、私たちの情緒に訴えかける天才だ。彼はいつも、それぞれの時代を>>続きを読む

あの日のように抱きしめて(2014年製作の映画)

3.5

終戦ですべてが収束するわけではない。むしろ、戦争が終わることで明らかになる悲劇だってある。ユダヤ人と非ユダヤ人。本来、固い絆で結ばれているはずの国民同士、ひいては夫婦間の裏切り。決して癒やされることの>>続きを読む

コングレス未来学会議(2013年製作の映画)

4.3

リアルなものがどんどん失われていく時代の中で、「私」であること、すなわち、身体(肉体)とは何かという問題が、実写とアニメーションが交錯する、極めてラディカルな手法によって描かれる。原作は1971年発行>>続きを読む

Dearダニー 君へのうた(2015年製作の映画)

3.6

「自分が予想もしなかった役を演じてほしいと言われた時は、それだけでもうOKなのさ」という言葉には、アル・パチーノの俳優としての賢さが表われている。やりたい役も、また、やりたくない役もない、というタイプ>>続きを読む

彼は秘密の女ともだち(2014年製作の映画)

3.9

世の中で「こうだ」と決めつけられていることは、存外に、そうではないことの方が多い。とりわけ、LGBT、すなわち、レズ、ゲイ、バイ・セクシャル、トランスジェンダーなど、多様なセクシャリティーについては、>>続きを読む

黒衣の刺客(2015年製作の映画)

3.0

緻密に計算し尽くした1コマ1コマ。完璧な構図に収めた写真の連なりを「映画」という芸術にまで高める監督が、世界に数人、ほんのわずか存在する。その筆頭ともいえる監督がホウ・シャオシェンだ。台詞を極限まで削>>続きを読む

さよなら、人類(2014年製作の映画)

4.0

笑いを突き詰めていくと、やがて、シュールになり、恐ろしさへと変わる。それは、あまりに滑稽で哀しすぎる人間存在そのものだ。人類、つまりは、人間を愛おしく嘲笑しながら、その切なさが胸にグサリと突き刺さるす>>続きを読む

ボクは坊さん。(2015年製作の映画)

3.0

原作に「仏教には人々が“共通して”もっている心に語りかけるポップ・ソングのような性格を感じることもある」という言葉があるらしい。確かに、宗教は、なにも特別なものではなく、本来、暮らしのなかに自然に馴染>>続きを読む

あん(2015年製作の映画)

4.5

「社会は時に希望を奪う場所でもある」と河瀬監督はいう。それでも、尊厳を奪われてなお、「物言わぬもの」と向き合うことで、生きることの意味を見いだした一人の女性の物語。誠実に生きる。それ以上に尊いもの、美>>続きを読む

グランド・ジョー(2013年製作の映画)

3.5

ニコラス・ケイジが、いかに映画の神様に愛された、優れた俳優であるかということは、「リービング・ラスベガス」を挙げるまでもなく、例えば、「ワイルド・アット・ハート」や「アダプテーション」を観ればわかる。>>続きを読む

ヴィンセントが教えてくれたこと(2014年製作の映画)

4.0

偏屈な不良ジイさんと聡明な少年の物語という定石。酒好きの、ギャンブル好きの、女好き。飲む、打つ、買うの日々から滲み出てくるのは、人は無理にがんばらずても、強く、やさしくなれるということだ。曇りのない少>>続きを読む

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