"体験"
初期フィンチャー作品に共通する、人生を決定的に変えうる奇妙なゲームに巻き込まれる話。
パラノイアックな空気に引きずり込まれる感覚が非常に良い。
秀作なのだが前作『セブン』と次作『ファイト・>>続きを読む
"日常/罪"
どこまでも厭世的で陰鬱な作品。
七つの大罪に則って行われる残酷な連続殺人。
観ていて心が深い闇に呑まれそうになる。
何よりも恐ろしいのは犯人の思想をほんのわずかでも理解できてしまうこと>>続きを読む
"一人/独り"
天才の業は計り知れない。
フィンチャー監督が最新のインタビューで『ファイト・クラブ』に関して、「20年観てないし、観たくもない」「小学校の頃の写真を見るような感じかな。“ああ、自分は>>続きを読む
"2%"
オカルトエンタメとしてすこぶる楽しい。
物語が進むに連れてどんどん濃くなっていく、誇張したジャンキーな味付けが好ましいが、それだけだとただ安っぽくなるところを名優ラッセル・クロウが主演を務>>続きを読む
"受益権"
社会の仕組みそのものを見せられた気持ち。
悪に手を染めることなく、ただ普通に生きている一般市民。
善人面をしながら彼らを搾取し、全てを吸い上げひたすらに私腹を肥やし、世をコントロールする>>続きを読む
"浄化"
殺人鬼か英雄か。
街の浄化という名目で娼婦をひとり残らず消し去ろうとする宗教起因の使命感に取り憑かれた男。
罪の意識もなく、むしろ英雄視されるべきだとすら考える真の邪悪。
彼の行いを正当化>>続きを読む
"ろくでなし"
これほどに等身大で真実味のある作品は見たことがない。
2023年は素晴らしい映画揃いで、自分のなかで年間ベスト級としているスコア4.5連発なのだが、本作はその中で頭一つ抜きん出た傑作>>続きを読む
"平穏"
殺人マシーンを極めた結果、完全なるホラーに。
R15にしたことに非常に納得できる容赦無いバイオレンス描写に震え上がる。
オープニングからケレン味もマシマシ。
もはや処刑人というか死神とかブ>>続きを読む
"受容"
ミュータント・タートルズに関しては全くの門外漢だったが、スパイダーバースフォロワーなアニメーションと予告でATCQの『Can I Kick It ?』をフィーチャーするセンスに惹かれて鑑賞>>続きを読む
"盟友"
シリーズ最高更新。
ネクストレベルまで練り上げられたキレッキレのスタイリッシュアクションのつるべ打ちに大満足。
特に終盤はリアリティ度外視でとにかく思いついたフレッシュなアイディアをこれで>>続きを読む
"隣人"
新作へ向けて復習。
初見時の自分のレビューを見直したらやけに否定的な厳しい評価をしていたが、久しぶりに観たら全然楽しめた(評価3.5から4.0に修正)。
魅力の9割はデンゼル・ワシントン>>続きを読む
"処刑人"
新作へ向けて復習。
殺人マシーン物の傑作。
むせ返るほど濃厚なケレン味とデンゼル・ワシントンの凄み。
アリーナやラルフィとの交流から伝わる温かさと、機械的なほど几帳面で容赦のない殺しを行>>続きを読む
"怪物"
二郎系マシマシホラー映画。
ただしマシマシなのはニンニクではなく血と絶望。
冒頭から過去作オマージュ&景気の良いショッキング描写に思わずニッコリ。
笑っちゃうほど豪快に悪趣味さが突き抜け>>続きを読む
"保護者代理"
親を失った子の喪失を埋める忠実で純真なアンドロイド。
テクノロジーへの依存が招く惨劇。
70点くらいはあるかなと期待していた作品が80点で応えてくれた嬉しさ。
前半は人物描写や舞台>>続きを読む
"肉体"
人間を定義付けるものは何か。
痛みを感じないものは果たして人間なのか。
やはりクローネンバーグらしいとしか言いようがない独自の視点で彼の果てしない思考の一部を垣間見るような難解な作品だった>>続きを読む
"完璧"
人間の不完全さを描く作品が大好きな自分にとってこれ以上無く素晴らしい作品だった。
とても笑える作品だが、同時にとても考えさせられ、泣かされた。
完璧である必要はない。
死について考えるとき>>続きを読む
暴力で自分を表現し、痛みを通じて生を実感する。
久しぶりに見直したけどやはり良い。
結局この男の望みは何だったのか?
こういう他人には分からない信念・美学を持った変人こそ最高に人間的で面白い。
ナンバリングが無いのでリブート的作品かと思いきやかなり過去作由来の要素強め。
ホラー映画でありながらミステリー的楽しみもあり。
ゴーストフェイスは他作品のシリアルキラーと比較してかなりアクティブでおし>>続きを読む
全編を貫く緊張感と没入感。
怒りを原動力として爆発する暴力の連鎖と混沌。
カットを割らないことの意義を強く感じさせる作品。
喪失から来る演者たちの鬼気迫る演技も力強い。
"信頼"
超大作娯楽の高い期待にしっかり答えてくれた快作。
とにかく楽しい。
前作『フォールアウト』も良かったが、初見時は誰が裏切り者なのか分からないまま進んでいくのが、自分の足りない脳内メモリで>>続きを読む
アクション大作に関しては基本映画館で見るようにしているものの、本作に関してはDCのゴタゴタもあって何となく観る気が起きずにスルーしてしまった。
前半に派手な戦闘シーンが無く、軽口ユーモアの地味なシー>>続きを読む
"ファミリー"
マイケルとヴィトーの人生が交差する見事な構成。
誰も信頼することのできない裏切りの世界を生きる男たちの悲哀。
最後の15分に全てのドラマが集約される完璧な終焉。
思わず息を呑み瞬きす>>続きを読む
"義"
やはり歴史に残る名作と呼ばれるに相応しいこの重厚さ。
三時間と長いが密度も高く、話の緩急がしっかりとある秀逸な脚本。
ドン・コルレオーネの凄み、品格、悲哀の全てを表現しきったマーロン・ブラン>>続きを読む
農場に閉じ込められ抑圧的な母親の下で生きる。
現実逃避の夢は呪いとなる。
ストーリーと画に物足りなさはあるが、ミア・ゴスの濃厚な狂気的演技だけでも見応えあり。
"共鳴"
人々の恐怖や悪意が新たな怪物を産む。
3作目にしてこれは予想外の物語だった。
マイケルの活躍が少ないのが残念だが、自分的にはこれはこれであり。
前半はわりと戸惑ったが、後半の畳み掛けが面白>>続きを読む
今回も潔くアクションに全振り。
いつもは人間描写が…とかドラマが…とか言いたくなる自分でも、本作に関してはストーリーは添え物程度でとにかく弩弓のアクションを見せたいという制作者の思いがハッキリしている>>続きを読む
アカウントにあらゆる情報が紐付けられている
情報社会の恐ろしさと断片的な情報だけで判断することの危うさ。
二転三転とする先の読めないストーリーは楽しめたが、電子機器上の映像しか使えない縛りのせいで画的>>続きを読む
"ビジョン"
SNS時代でカルトや陰謀論者が身近になった今こその作品。
「夢のビジョンが現実になったから人類破滅も起こるに違いない」という思考の危険性。
しかし、本作では不可解なものに意味を見出した>>続きを読む
超のつく有名作を今更ながら鑑賞。
とにかく画がかっこいい。
穏やかに始まって徐々にボルテージが上がっていく。
恐怖の演出・演技が今見ても強烈。
有名なブリッジシーンがあるらしいディレクターズカット版>>続きを読む
冒頭の逃走劇の渋さがたまらない。
レフンの男臭い美学が詰まっている。
あえて洗練されすぎていない血生臭さ暴力性。
アクションや見せ場を盛りすぎないのがどこか古臭さを感じさせそれがまたいい。
ロマンチッ>>続きを読む
今更ながら初鑑賞。
超が付くほど有名な冒険活劇。
非常に良くできた作品だとは思う一方で、自分でも不思議なほど刺さらなかった。
アクションはスゴイし、セットや美術などによる世界観の作り込みなどは面白い>>続きを読む
ダークなファンタジー。
画が美しく雰囲気はあるが、深遠なストーリーが自分のツボにはハマらず。
例のごとく本作でもバリー・コーガンは癖のある人物を演じている。
"対話"
前作が生涯ベストで好きすぎるので、続編はそれを超えてくれるかもしれない期待半分、蛇足になってしまう不安半分だった。
いや、期待と不安7:3だろうか。
期待のほうが上回るのはクリストファー・>>続きを読む
"交差"
公開前からDC史上最高傑作、トム・クルーズやスティーブン・キングも大絶賛、次の『トップガン:マーヴェリック』などなど、とにかく鳴り物入りの宣伝で一体どんな大傑作が来るのかと思って構えていた>>続きを読む
なかなか殺戮が始まらなくて少し退屈したが、不気味な画作りとあの有名な音楽がいい。
マイケル・マイヤーズの人間性を欠いた存在感、直線的で鈍重な動きが秀逸。
『遊星よりの物体X』を見ているのが面白い。
続編というよりリミックス的なII。
サービス満点の血しぶきでしっかりとグロくホラーだが、ところどころで明らかにギャグなシーンがあったり、どこかユーモラスな空気を纏っているのが面白さの秘訣か。
豪快で執>>続きを読む