あくとるさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

マローボーン家の掟(2017年製作の映画)

4.5

"僕たちの物語"

ホラー映画を見るつもりが良い意味で裏切られた。
美しくも悲しい家族という呪い。
鑑賞後には切なさと温かい愛が残る。

とにかく秀逸な脚本。
構成の妙が効いている。
ぜひネタバレ無し
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.0

"カーン・ライジング"

一本の映画として、アントマン続編としては残念。
だが、MCUフェイズ5一作目としては最低限の仕事をした。

まず、残念ポイントの方から挙げていくと、色んな意味でとても薄っぺら
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バビロン(2021年製作の映画)

3.5

"LA狂騒曲"

強烈な躁鬱映画。
クソで始まり尿にゲロにタン。
とにかく下品で血管ブチ切れるようなアッパーな前半と破滅的で薬が切れてしまったかのようにダウナーな後半。
どちらの方向にもメーターを振り
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.0

映画全体のカラーリング・美術が徹底されていてステキ。
だが、ストーリーに関してはもう少しタメが欲しかった。
"完璧に見える暮らしの中にある微かなホツレからこの世の真の姿を知る"というのが本作の大まかな
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

"退屈な時間/新しい自分"

突然訪れた縁の切れ目。
かなりパンチの効いたヒューマンドラマ。
コメディとして笑わせられたし、何よりとても考えさせられた。

突然絶交宣言をされるパードリックの立場からし
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ウィッチ(2015年製作の映画)

4.0

『ノースマン』があまりに素晴らしかったので本作を見直してみたが、記憶よりも遥かに地獄のような映画で驚いた。

深い信仰ゆえに不幸を招き、姿の見えない悪魔や魔女に怯え、家族を疑い崩壊へと向かう。
あまり
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.5

"命を味わう"

死のコンセプチュアルアート。
狂気の料理長による制裁のフルコース。
アーティストと評論家(気取り)への皮肉を添えて。

アダム・マッケイとウィル・フェレルがプロデュースなのも納得な悪
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.7

"運命"

自分が映画に求めている全てがこの映画にはあったように思う。
それは映画としての画の美しさやかっこよさであり、映画の迫力を際立てる音楽であり、見るものを震え上がらせるバイオレンス、記憶に残り
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ダウン・ウィズ・ザ・キング(2021年製作の映画)

4.0

"ギャングスタラッパーのスローライフ"

U-NEXTの新作一覧を眺めてて、「この役者フレディ・ギブスにそっくりだな」と思ってサムネをクリックしたらまさかの本人だった。
ギブスといえば古き良き男臭いハ
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.0

"玉ねぎの芯"

金で繋がった人々、その虚しさ。
捻りの効いたスリリングな展開で飽きさせない。
ブランの語り口のごとくストーリーの軽快さとユーモアもいい塩梅。
上質なエンタメサスペンス。
気分爽快なラ
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.0

"映像革命、再び"

最近おうち映画がメインになったとはいえ、さすがに本作は映画館で見なくてはということで、『IMAXレーザー3D・HFR』という最高の環境で鑑賞。

さらにネクストレベルへと達した映
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ブラックアダム(2022年製作の映画)

3.5

みんな言ってるように前半は最強超人ロック様をファルコン、ドクター・ストレンジ、ストーム、ジャイアントマンが止めようとする話(なお4人束になっても全く歯が立たない)。
ヒーロー飽和時代なのでJSAのキャ
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アバター(2009年製作の映画)

4.0

"映像革命"

今年はプロジェクターを買って映画館に行く頻度が減り、もっぱら家に引きこもってサブスク浸り。
本作の劇場でのリバイバル上映も気になっていたがDisney+で見れるしいいか…と思ってたらD
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.5

とにかく画面に映るものがリッチで自分もエジプト観光をし、豪華客船に乗った気分になり、観光映画として楽しめる。
しかし、事件が起こるまでの前半パートが少しばかり長い。
もちろん前半パートは不穏の種を蒔く
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ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

4.0

"謳歌"

ろくでなしの主人公。
でも最高に人生を楽しんでおり、その奔放な姿は不思議と清々しい気持ちにさせてくれる。
どこまでも自由で開放的。
欲に忠実な生き方は悪いことじゃないんだと教えてくれる作品
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アンビュランス(2022年製作の映画)

3.5

気づけばレビュー1000本目。
この映画を選んだ理由は特になし。

ベイ映画をほとんど見たことのない自分でも、この豪快過ぎるカメラワークや過剰に煽る音楽などで、これがベイ節だなと分かるほどの癖の強さ。
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ゆるキャン△(2022年製作の映画)

3.5

自分は犬子が好き。

大人になっても熱中できるものがあって、しかもそれを共有できる友人がいるのは素晴らしいこと。
このゆるい感じが癒やしではあるが、2時間連続で観るのは些かしんどく、休憩を挟んだ。
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

4.5

"国と守護者"

チャドウィック・ボーズマン/ティ・チャラへの追悼としてこれ以上なく熱く美しい愛に満ちた作品だった。
この映画を見ればいかに彼が愛されていたのか、彼の人徳の高さ、そして素晴らしい人々に
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.5

今更ながら鑑賞。
噂に聞く通りの名作。
全く無駄のないスリラーサスペンス。
常にヒリヒリさせられるやり取りや演出が見事。
そして何と言ってもカリスマ的狂人を演じきったアンソニー・ホプキンスが全てを持っ
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アムステルダム(2022年製作の映画)

3.5

"奇妙な運命、人生の選択"

秀作の多い監督にしては今回は不評気味という前評判を聞いていたので、少し身構えていたが全然悪くなかった。
これまたピークエンドの法則で肯定したくなる作品。
特にラスト30分
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RRR(2022年製作の映画)

3.5

見てる間は色々と思うところがあり、負の感情が強かったが、ピークエンドの法則で面白かったが勝る作品だった。
細かいことは気にするな。
間違いなく加点方式で評価すべきタイプ。
自分はどちらかというと減点方
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.5

"等しき命の価値"

良くも悪くもアート性の高いインディーらしい作品。
一貫した不気味な雰囲気作りと、夫婦の孤立した世界を引き立てる無限に広がるかのような雄大な自然の映像が良い。
ストーリーとテンポに
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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

4.0

"破壊と再生"

妻が死んだのに泣けない男。
淡々と繰り返す生活の中でいつしか大事なものを失っていたことに気づく。
人生は綺麗事ばかりじゃない。

ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)

4.0

感想は『王の帰還』にまとめて書きます。
ヴィゴ・モーテンセンがイケメン。

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

4.0

今更ながら初鑑賞。
あまりにも有名なパニックスリラー映画の古典。
今見てもしっかり怖くて迫力があって面白い。
予想以上にグロやショッキングなシーンがあって驚き。
そしてジョン・ウィリアムズの音楽がすこ
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Zolaゾラ(2021年製作の映画)

4.0

"ヤバいビッチとヤバい実話"

A24なのにあまり話題になってないので、いまいちなのかと思ったが、これはヤバい掘り出し物。
R18ということで何ともナスティで人を選びそうな作品なのは間違いないが、自分
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アメリカン・ハッスル(2013年製作の映画)

3.5

凄腕監督と実話詐欺師モノということで少し期待しすぎた。
嘘と愛が交わる人間模様の変化を楽しむべきだが、いまいち自分には入り込みづらかった。
役者陣の演技はさすが。

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.5

"その男、悪運かそれとも"

好みど真ん中なおバカ映画。
あまりにもバカげたトンデモJAPANの新幹線を舞台にロクでなしたちの運命が交差する。

とにかくテンポの良いユーモアとスタイリッシュなアクショ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.7

"奇跡的大惨事"

実は初見時はレイトショーで少しウトウトしてしまったのもあって消化不良だったため、パンフレットを読み込んでからのリベンジ鑑賞。
結果2回目のほうが格段に面白かった。
(※その後家で観
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.5

"差別の本質"

『NOPE』鑑賞前に復習。
これが処女作とは到底思えない傑作。
104分無駄の無い素晴らしい脚本。
黒人が白人社会で味わう居心地の悪さ、差別の眼差しの疑似体験。
不気味な白人一家への
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プレデター:ザ・プレイ(2022年製作の映画)

4.0

"試練の狩り"

「女に狩りなんてできない」という男性優位の集団社会によって決められたルール、慣習。
そのマチズモの呪いを打ち破り、自分の意志を貫き、自己実現を果たそうとする女性の物語。
現代的なジェ
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

2.5

雑で新鮮味に欠けるストーリーを空虚な恐竜スリラー・アクションで埋める。
人物描写が下手なのかやる気がないのか、行動が飲み込めないシーンが多々ある。

結局この三部作は何を描きたかったのか?
最後まで焦
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ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)

3.5

最終作に向けて再見。

エンタメとして文句なく面白い。
アトラクションとして難しく考えずに見ることもできるが、"試験管で生まれた命"への考え方、生命の軍事的利用の是非など興味深いテーマもあるのがよい(
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ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)

3.5

当時この映像を見たら衝撃的だったんだろうなと思いつつ、見せ場とそれ以外のシーンの落差を感じ、ストーリーはいまいち退屈だった。
サバイバルのスリリングさが欲しかった。