ありちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.8

アイルランド版「ALWAYS 3丁目の夕日」。宗教論争化のなかでの家族と故郷を想うあたたかさが強く出ている作品。少年バディの瞳の純真さにやられる。個人的におじいちゃんの放つ全てのセリフと学校での淡い恋>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.0

対話のなかから生まれる情報量があまりにも多いからこそ、モノクロにすることで視覚面を削ぎ落としていたのだろう。「グッド・ウィル・ハンティング」を彷彿とさせる。起伏がなく、普遍的な美しさを描いていたので少>>続きを読む

猫は逃げた(2021年製作の映画)

4.4

今泉監督の作品で群を抜いて面白かった。めちゃくちゃ笑った。いや〜今回に関しては何も言うことないな。喫茶まりもでランチセット頼むとサービスでパフェ付いてくるらしいから今度行こ。動物は人間をよく見てるし賢>>続きを読む

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(2018年製作の映画)

3.5

SNSを開くと顔が可愛い子はいくらでも存在するし、そのたびに自分の容姿と比較し落ち込むけど、見た目の重要度だけに捉われず自己肯定し信じ続けることが大事。オーラがある人には誰もがついていきたくなる。ネガ>>続きを読む

ヴェノム(2018年製作の映画)

3.7

初代スパイダーマンに登場したヴィランの単体作品。お弁当を食べながら観てしまい、ひじきさえもヴェノムに思えてしまった。ストーリーは王道に面白くバディ感が強め。フォルムを気にして観るのを避けていたが満足度>>続きを読む

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

3.7

マイケルキートンは歯止めが効かない痛い演技が上手すぎる。泣き寝入りするしかないこの事実に絶句したが、飲食業界で爪痕を残すにはここまでしないとやっていけないのかも。初期のデザインが劇中に出てきてちょっぴ>>続きを読む

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.5

モノクロだけど意外と最近の作品。飲みかけのコーヒーカップとタバコで汚いはずなのにテーブルカットには引き寄せられる。オムニバム形式の会話は1秒でもはやく席を離れたくなる居心地の悪さがあるけど、そのなかで>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.7

大人の特撮。すり合わせという名の責任逃れ。自分たちの首を絞める法。日本人の皮肉さで溢れてたけど、もしこんな状況になるとどんな人たちが動くのか勉強になったし被爆国としての断固たる態度や日本を良くしたいと>>続きを読む

明け方の若者たち(2021年製作の映画)

4.5

事情を知ってても好きでいられる健気さと粘り強さはどこから来るのか。歳下の男が背伸びして必死な姿が愛しくて仕方ない。就活終わりの学生のままでいたい気持ちや社会人1年目の力を発揮できないもやもや感の描写が>>続きを読む

ある夜、彼女は明け方を想う(2022年製作の映画)

3.8

女にすべて非があると思えなかったのは、逃げ癖のある私に似ていたから。喉仏やまつ毛まで愛しいと感じる人を1番に想う時もあれば、未知なキャリアに夢を膨らませる時もある。都合が良すぎるだろうけど優先順位はす>>続きを読む

ずっと独身でいるつもり?(2021年製作の映画)

3.2

結婚に対して焦りを一切感じておらず、子どもよりデカい犬を飼いたい身としては、この作品の終着点がいまの私の考えすぎて「それが普通なんじゃないの」ぐらいにしか思えなかった。家族といえどあくまで他人。隣の芝>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

王道映画すぎて終盤までは正直つまらないが発表会シーンからの展開が素晴らしかった。聾者の聞こえない辛さや歯がゆさの描写が長けていた。無音の使い方も映画館ならではと感じる。煌めく星空の下で娘の歌への情熱を>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

事前下準備して行ったが、初見は村上&濱口ワールドに置いてけぼりになるかも。フランス映画類かと思っていたので意外。サンルーフでタバコの煙を燻らせるシーン、岡田将生の戯曲中や車中での「他人を完全に覗き込む>>続きを読む

海街diary(2015年製作の映画)

3.7

鎌倉でドライブした日の夜に観た。正直、数日経つとストーリーがどんなだったかぼやけてしまうような淡い記憶。時がゆっくり流れる日曜日のような優しさに包まれた街と海が印象的な作品だった。自転車で桜の坂を通り>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.1

ヤクザの栄枯衰退を見事なライティングで写実していた。シャブに出ても居場所と人権がなく、ヤクザに留まるしかない。この現実を突きつけられた時どう足掻けばいいんだろう。銭湯で「刺青お断り」の貼り紙を見て違和>>続きを読む

朝が来る(2020年製作の映画)

4.0

結婚も出産も考えにない私にはまだ早い作品。子どもを授かることの難しさと簡単さはセンシティブであるはずなのにとても柔らかく煌めいてて夕方の海にいるような気分。不妊治療で産まれた身なのでこの夫婦を想うと胸>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

4.6

観るに堪えない。重厚で息をすることが難しく頭を抱えながら観た。この作品を観ると糸が切れて崩壊したり人の本質を浮き彫りにする出来事は明日は我が身と思うと辛い。娘の父親、マスコミ、パート…正しさに依存する>>続きを読む

思い、思われ、ふり、ふられ(2020年製作の映画)

4.2

演技の良し悪しは一旦置いといて、恋愛邦画においてこれほどまでに心を丁寧に細かく深く描く作品はなかったと感じる。観ていてとてつもなく苦しくて目を瞑るほど。大人はずるいので2番目でいいからそばにいたいとい>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

4.3

脚本構成美でお見事。予告編を冒頭で回収してしまって空いた口が塞がらない。娘、殺人鬼、父親の視点(糸)が絡み合ってるがここまで綺麗に繋がると思わなかった。死に対する捉え方含め、倫理観を「さがす」作品。か>>続きを読む

SKIN 短編(2018年製作の映画)

4.8

20分という短時間ながら衝撃の作品だった。純白のミルクに墨汁を落とされたような気分。肌の色における差別問題はいまだ0になったわけではない。なぜループしてしまうのか、この作品を観るとその地獄の連鎖がわか>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

世界中の誰もがいちばんよく知っているヒーローはきっとスパイダーマンなのではないだろうか。その数々の跡をアルバムにしたような作品だった。DisneyとSONYの決裂に激震が走っていた過去を粘り強く交渉し>>続きを読む

罪の声(2020年製作の映画)

3.7

グリコ・森永事件をモチーフなので調べると犯人像も脅迫文もほぼ一緒でおいおいとは思った。自分が犯罪に加担していたかもしれないという怯えをきっかけに点と点が線になるところまでは見応えがあったけども…ってと>>続きを読む

あの頃。(2021年製作の映画)

3.3

ハロプロオタクの熱い青春モノではなく、結構切なくて「いまがいつだって1番楽しい」というメッセージが強めの作品。今泉作品を彩り主役を盛り上げる脇役俳優陣たちの演技に関しては何も言うことがない安心感がある>>続きを読む

音楽(2019年製作の映画)

3.9

7年の歳月をかけて4万枚を超える作画をたった1人で描き上げたらしい。無機質でアナログな作画は決して絵が素晴らしいとは言い難いけど、妙な立体感と何より会話の間とテンポ、サウンドに引き込まれた。高校生のと>>続きを読む

メン・イン・ブラック:インターナショナル(2019年製作の映画)

3.8

特段ここは…というところがなく、総合的にまるごと普通に面白かった。絶対観るべき!ではないけど万人受けの安心して楽しめるタイプの作品。MIB知識なくても割といけそう。愛しいクリヘムが短髪にスーツなのでも>>続きを読む

浅草キッド(2021年製作の映画)

4.1

これが観たくてNetflixを契約したけどよかった。劇団ひとりがたらい回しにされたなんて配給会社は見る目ないな。なぜか昔から有名で差別発言する人だと思ってたけど北野武という人間を知ると納得ができる。特>>続きを読む

マトリックス レボリューションズ(2003年製作の映画)

3.2

集合体恐怖症の人には苦痛でしかない1本。このシーンはどういう意図?という箇所がかなり多くてこれが最新作に繋がってるのかと思うとかなり不安。キッドが頑張ってる姿が涙ぐましかった。このマトリックス自体、英>>続きを読む

マトリックス リローデッド(2003年製作の映画)

3.5

いまここにいる理由と目的と手段。運命の定めだと思っていたものは実はすべて操られていたと知らされた時、人はどんな選択するだろう。めちゃめちゃ愛要素たっぷりめ。スミス大群と無双乱闘シーンは終わりが見えない>>続きを読む

マトリックス(1999年製作の映画)

3.9

いま見ている世界は幻想か現実か。SFに詳しくないので設定に戸惑うが、解説を読み構成がインセプションに似てることに気付くとたちまち沼る面白さ。ミレパのMVかな?と思わせる映像を超えると覚醒した戦闘シーン>>続きを読む

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)

3.6

戦争や歴史系の作品だと思っていたので、まさか吃音症に対して言語聴覚士が治療をする作品と思わず。実話なので話の盛り上がりには欠けるが、この演技は賞を取る価値あり。二人三脚とはこのことを指すのかと感じ取れ>>続きを読む

キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.7

過去作の知識が全くなくても飛び込める組織誕生秘話のエピソード0。テイストは全く異なるのでキングスマンファンからしたら物足りないはず。戦争映画の重たい空気もあるので歴史を知らないと少し難しい部分もあるけ>>続きを読む

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

キャラ自体は魅衰えするけれどストーリーは「麻薬 ダメ 絶対」の啓発感が出てて意外と真面目じゃん〜と思ってしまった。アクションシーンに関しては今作のほうがスタイリッシュで好きです。「ロケットマン」の伏線>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

2.0

頭おかしい。「こういう風習あるんやけど大丈夫そ?」って事前に伝えたれよ、友達なんやから。ラスト30分から裸体多くてしんどくなってくる。観るドラッグ。「人生は季節だ」

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.3

朝鮮戦争の差別ある時代を、タップダンスが「表現の抵抗」として扱われる素晴らしい作品。もっと酷いラストを予想してたので泣かなかったがこれこそが、魂のビートと呼ぶべきものなのかと圧倒された。素早いカメラワ>>続きを読む

プレステージ(2006年製作の映画)

3.6

ノーラン作品にしては予測可能な展開で、頭を悩ますような時系列の難しさや大きな驚きがなかった。復讐のために騙し騙され、見えない優劣のために闘い続ける姿と苦悩は誰も幸せになれないものかつ虚しさだけが残る。>>続きを読む

人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

2.7

太宰治のクズさにデジャヴを感じるものがあり、どこか他人事として見られなかった。豪華俳優陣に彩度高めで鮮やかな蜷川ワールドは相応しいと思ったがこの作品を映画に纏めるには尺が足らなすぎると感じた。男に沼っ>>続きを読む