Arimaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド(2021年製作の映画)

4.0

 野暮ったくて上っ面に見える青春ムービーなんだけれど、全てを否定したくないと思わせるのは、どんな人間にも後から思い出される1夜の記憶があったりするから。
断片的で朧気な記憶かもしれず、最早脳内に残るの
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スーサイド・ショップ(2012年製作の映画)

4.0

親父の名前は"ミシマ"。
自殺道具専門店でハラキリ用のカタナ売ってます。
ふざけんな。面白いじゃねぇかw

誰もが人生に喜びを見い出せず、自殺者の多い街に於いて、自殺道具の販売を家業とする一家の物語。
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.0

殺人鬼に閉じ込められて、まあ、それで殺されたら話にならんから最終的には逃げ延びる。よくある話。

今作の面白い点は、地縛霊なのか残留思念
なのか、超常現象が脱出を助けてくれるところ。もう一人、妹も夢を
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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

4.0

「羊さんが可哀想でしょうが!!」
なんだか悲哀を感じない、のほほんとした愛の逃避行。そんな感じなら羊さんを犠牲にしてまで逃げようとすんなや!と思ってしまったw

でも、映画通して感じるこの違和感。嫌い
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藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

4.0

なぜだか、人が自転車を懸命に漕いでるシーンはどんな作品でも好きなのだ。
今作も数回そんな画があったが、風景と相俟って美しい。

作品全体が陰鬱な雰囲気の中で、ペ・ソンウがマネージャーにブチ切れるところ
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エスター(2009年製作の映画)

4.0

え〜と、あ、ベイツ・モーテルのママか!いいね。
やっぱりこのヴェラ・ファーミガという俳優の恐怖に慄く顔は好きだわ。
マーゴ・マーティンデイルの無能な精神科医も嵌り役で、配役に引っかかりがなく安心して観
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

あーあ、俺もマッツの様なボルドー色のシャツが似合う男になりてぇなぁ。オールブラックの喪服が似合う男になりてぇなぁ。

現実世界に於いて、職場の駐車場で缶酎ハイを空けてから出勤したり、ミーティング前にウ
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犬王(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「カイバ」は己にとって大切な作品なので、監督が大作を撮るようになってからは逆に怖くて観るのは避けていた。
しかし、大友良英参加のミュージカルとなれば向き合わざるを得なかったわけで。

犬王のキャラクタ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

不思議な映画。
本作の如く公開後、ネット界隈が「考察後出しじゃんけん大会」みたいになる映画を観ると、己の読解力、観察眼の低さに辟易するし、言語化して整理出来ない感情が否定される様な気がして悲しくなるし
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天気の子(2019年製作の映画)

4.0

感想は「なるほどですねー。」だな。って何がなるほどですねー、なのか。
いや、「新海誠さんなるほどですねー。面白いというより、文句言い難い作品作りますよねー。」って感じ。ごめんね。

天候が、銃が、それ
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君の名は。(2016年製作の映画)

4.0

初、新海誠。

噂に違わぬ映像美。
実社会で東京を歩く人にとっては現実との照合作業が楽しく、そうでない人にも憧れを助長するに充分なキラキラした街並み。

物語も前半に予想しうるキャッチーな展開をわざと
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

教科書に載りそうな綺麗な脚本。

場面転換の割合が均等、故に助演の登場割合が均等、それらに対する主役の心情変化が明確、簡潔でも先の読めない展開。
こうやって物語を端的に整理出来る監督にはリスペクトしか
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女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)

4.0

タイトルのインパクトに惹かれて。

性的倒錯者は沢山いるし、性的嗜好障害者全てが危険人物とは限らない。
オートアサシノフィリアの病者はイメージする事で興奮を覚えるが、実際に殺されたいとは思わないそう。
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

4.0

なんでそう思ったのか、虐待親が住む家に自殺した子の友人が武器を持って襲撃を繰り返す、謂わば逆ホーム・アローン的なものだと思いこんでいた。
観たら全然違うのだが。

耳にするだけで嫌になる話だけれど、我
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ゴーストバスターズ エクステンデッド・エディション(2016年製作の映画)

4.0

久しぶりシリーズを観返す。

自由闊達、我が道を行く女性達の活躍は微笑ましく、且つ羨ましく思った。
そしてそこに問題も混在していて、どうしても脚本を追ってゆくと、彼女達が独善的に見えてしまう。

前作
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インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

4.0

幼少期に1度観たっきりなのに、画面の断片的イメージが残ったままでいる。

改めて観ると、思ったより舞台が小ぢんまりしたスケールであった事に驚いたけれど、おどろおどろしい雰囲気と天才的カメラワークによる
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トップガン(1986年製作の映画)

4.5

 「やっぱめちゃめちゃおもしろいやん!」軽く流す様に観て、マーヴェリックの予習にするはずが釘付けになった。
 
 「デンジャーゾーン」のブチ上がりは勿論、「take my breath away」の甘
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ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)

4.0

 上っ面の反体制を吹聴し、自らにBlack Metalという危ういジャンルのラベリングをした為に破滅へ向かう愚かなバンドマン達のお話。
 古くからPUNK等というこれまたニッチなジャンルの音楽を好んで
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ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール(2014年製作の映画)

4.5

 正直言うと、スチュワートマードックの手掛けた作品の中で1番聴き込んでいるのが本作のサントラだったりする。捨て曲が一切ないのだ。近年のベルアンドセバスチャンも勿論好きなのだけど、青春の甘酸っぱ>>続きを読む

コロンバス(2017年製作の映画)

4.0

 アーウィンミラーという資産家が基金を設立したお陰で、コロンバスにはモダニズム建築が一時期たくさん建てられたそう。劇中ではミラー氏の自宅が特に積極的に触れられていた。
 モダニズム建築の撮り方が良く、
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タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

4.0

 蜂の巣
 + 
 チェーンソー 
 =
 悪魔のいけにえ

 くそワロタ。

座頭市物語(1962年製作の映画)

4.5

 座頭市の一作目に当たる本作を観ると、遠近と明暗が印象的なカットがふんだんにあり目を引く。その1つ1つが絵画の様に美しい。一方で、終盤の出入りシーンでは、必死な人間の入り乱れる様子が躍動感たっぷりに描>>続きを読む

シャイニング(1980年製作の映画)

4.0

 ジャック・ニコルソン名優だなぁ。演出と相まってジョニーが狂気と正気、どちらに居るのか分からない作りに引き込まれた。
 単純なストーリーの様でいて、未来予知、テレパシー、霊的空間、精神疾患の一つ一つを
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スーパーサイズ・ミー: ホーリーチキン !(2017年製作の映画)

4.0

 このFF(ファーストフード)シリーズ2作目は前作を超える傑作だ。監督のドキュメンタリーシリーズの中でも飛び抜けて面白かった。楽しく観れるドキュメンタリー作りが上手!
 チキンFF店をオープンすると
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トムとジェリー(2021年製作の映画)

4.0

 トムとジェリー、そしてクロエの愛らしさに自然と笑顔が溢れた。
 実写との融合の違和感が作品序盤に限っては面白味となっていた様に思う。後半にそれが無かったのは、目が慣れたというよりカートゥーンが実写の
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.0

 みんなの思い描くウルトラマン。それ以上でもそれ以下でもない。
 やはり巨大な生物が人類の生存圏でぶつかり合ったり、地球外生命体が人類に紛れ込んだり、それだけで楽しいって事が再確認出来た。ど真ん中の特
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プレステージ(2006年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

妻が夫の愛情表現に奇術師としての表裏を感じていたのが、実際に人間が2人居たという仕掛けは面白い事だった。そういった伏線が一筋縄ではいかないものだからこそ、ラストの回収&どんでん返しに心が素直になれたの>>続きを読む

エル ELLE(2016年製作の映画)

4.5

こういう鑑賞体験がしたくて映画観てるんだよな。
男は計画性が無く、下半身で支配欲を満たし、思春期の子供の様に己の才能を信じ続けている。
女は全てを知りながら男を見守り、心は自由に社会を飛び回る。
男女
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