cさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ザ・ウォーク(2015年製作の映画)

3.4

理解しがたい芸術の存在意義が分かったような。それが究極の果てに行き着くと、人は空を見上げ、こうして映画にもなるんだなと。
にしても、ジョセフゴードンレヴィットって何やっても100%、「っぽく」なる。良
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ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

3.8

詐欺師の男と母を喪った少女のロードムービー。
ありきたりなラストシーンに思えるが、それまでの道程における丁寧な描写によって、ありきたりでない人物になり得た2人だからこそ胸を打つ。つまりは、2人の物語の
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ガールズ&パンツァー 劇場版(2015年製作の映画)

3.6

片田舎の暗い部屋で見るガルパンには堪らないものがあった。「戦車道は、人生の大切なすべての事がつまってる」ですよ本当に。

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.2

何もかもに失敗して人生を投げ捨てようとした男の話。見習い天使が、彼を救うために、天から舞い降りる。(これだけ聞くと何となくヴィムヴェンダースっぽい。)
天使は男に、彼のいた世界、いない世界を見せる。自
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めまい(1958年製作の映画)

3.7

ヒッチコック作品、3ヶ月に1本くらいで見るのがどうやら自分にとってちょうど良いペースらしい。とにかく物語も技術も良質のため、3ヶ月様々な作品見てあっちこっちいってしまった思考を落ちつかせてくれる。
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ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.2

まさに吃驚系ホラー。こういう映画の、じじいと犬は総じて強いよね。でもその上をゆくのが胸強調系タンクトップ女。(と言いつつ正直忘れた。完全にイメージで言ってる。)
話のネタするには十分な映画だが、きっと
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LOVE【3D】(2015年製作の映画)

4.6

昨年暮れになって、16年公開見逃し作品をちょろちょろ見ていたときに、「あ、そういえばギャスパー・ノエ」とふと思いだし見た一本。(そのため2D版)
そしたら、見事に自分の2016年ベストワンに躍り出てし
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ゴア・ゴア・ガールズ(1971年製作の映画)

3.0

軽快なテンポで進むゴアムービーで気持ちがいい。ど作り物の人間の顔面から目玉がぐりっと取り出されるところが好き。笑う。
ただ、あまりに時代をうかがわせる演出、美術等のため、それらに自分の心がうまく乗れた
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ほしのこえ(2002年製作の映画)

3.2

時に人生は、自分以外の人間とどうしようもなく枝分かれして離れていく一方のように思う。しかしそうでない運命をひたすら信じたい思いもある。新海誠のアニメはそういったたまらないことを思いださせ、胸を締めつけ>>続きを読む

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

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余命2ヶ月を宣告された母を軸に“銭湯一家の愛の行方”について描いた映画。
「涙が溢れて止まらない」←家族愛を謳う映画によくあるキャッチコピーに思えて、言うのに抵抗があるが、いやはやこれが本当に止まらな
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栄光のランナー 1936ベルリン(2016年製作の映画)

4.0

あまり話題にならなかったように思うけれど、史実に基づき、正しく感情を揺さぶるとても質の高い映画だった。黒人差別、ユダヤ人差別といった目に見える問題だけでなく、オリンピックに関わる人間の様々な思惑、利益>>続きを読む

ムトゥ 踊るマハラジャ(1995年製作の映画)

4.0

「踊って歌って何でもOK!」なマサラ上映が日本に広まったきっかけであるレジェンド的映画。インド映画はまだ10本にも満たないレベルでしか見ていないけれど、これが一番好き。画づくりの直球的ダサさ加減が素晴>>続きを読む

ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン(2014年製作の映画)

3.4

ちょうどこの映画を観る前に、友人から「お前には“ブラック”が足りてない」と言われ、私は「確かにブラックミュージックをほぼ知らないけれどつまりそれはどういうことなんだろう」と思っていた。
本作を観て、ジ
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ミスター・ミセス・ミス・ロンリー(1980年製作の映画)

2.9

雰囲気は悪くない。ただ間延びし過ぎかなぁ。盛り上がりそうなところでガクッと落ちる。ある意味リアルではあるかも。劇的になり過ぎない(まあ、劇的にし過ぎないのが意味のわからなさに走っちゃってんだけど)。映>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

3.8

劇中で描かれる日々の営みが、自分の暮らしにじかに響いてくる。彼女たちが抗うことのできない痛みや悲しみが、いつのまにか入れられた切れ目から私の日常にも浸流れ込んでくる。映画のラストシーンと、いまの自分の>>続きを読む

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に(2015年製作の映画)

3.6

大学時代、私はこの『エブリバディ・ウォンツ・サム!!〜』の彼らとは縁遠いところにいて、『エブリバディ・ウォンツ・サム!!〜』のような青春映画を「最高。」と言って見ていた。彼らにとっての「野球」は、私に>>続きを読む

グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)

3.0

面白かったが、もっと欲しいと思ってしまった。冒頭、学生たちが真剣に話し合い、いざ出陣!までの流れが一番ワクワクした。

閉館後の劇場で観たい映画を観るのが本当に好き。

アスファルト(2015年製作の映画)

4.5

舞台は、郊外の古ぼけた団地。壊れかけたエレベーターを新しいものに替える費用を出すか、出さないかの住民投票を行っているシーンから映画は幕を開ける。

「使わないから」という理由で唯一反対に手を挙げた男は
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BAD FILM(2012年製作の映画)

3.9

たまらんのう。最高です。
これは結局、男どもの心の闘争だ。憧れみたいなもんでもあると思う。
そして、人形のように無垢で美しくて優しく孤独な女たちがどんな時も微笑んでいたこと、それがすべてを包む。

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ジャニス リトル・ガール・ブルー(2015年製作の映画)

3.8

孤独は尽きない泉のように沸いて心を水浸しにする。ジャニスの場合は物心ついた時からずっとそうだったんだろう。笑ってるときの映像に胸が痛むのは、それ以外の写っていないときの表情が目に浮かぶから。
彼女は「
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イラク チグリスに浮かぶ平和(2014年製作の映画)

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人はいとも簡単に死ぬ。そのあまりのあっけなさがやるせない。中盤からは「お願い、生きていて」と誰にともなく懇願してばかりいる。誰にだろう。敵?神様?監督?監督に懇願するとは、死んでいても見せないで、とい>>続きを読む

夢売るふたり(2012年製作の映画)

3.0

本作の前半と後半の表情の違いが、大体の男と女の殆どすべてを物語る。殆どに余された僅かな部分で、私たちは互いを求め合っているのかもしれない。
全体としてはあまり好みの作品ではなかったんだけど、夕陽差し込
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ニュースの真相(2016年製作の映画)

3.9

普段知る機会のないジャーナリズムの裏側部分の興味深さに加え、「真実を追い続け、そして真っ向から向き合い、伝えるということ」の困難さもこの映画から見てとれる。それはジャーナリズムの観点のみならず、自分の>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

3.8

ある平凡な暮らしをしていた3人家族のもとに現れた前科持ちの男。奇妙な共同生活を続けるうち、家族が少しずつ崩壊していく-。日常に突如放り込まれた異物によって浮かび上がる、心の深淵。

物語の不気味さを助
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PK(2014年製作の映画)

3.5

良くも悪くもスッと抜けていった。
良くも悪くも「よくできてる」くらいしか言いようがない…。

それでも僕は帰る シリア 若者たちが求め続けたふるさと(2013年製作の映画)

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熱を帯びた空気のなか、突き上げられる聴衆の拳。あの日、その中心に確かにいた青年の叫び、歌が砂塵に虚しく吸い込まれていく。遺されるのはなんたる無。
見終えて直ぐ、何も言えなかった。その言えなさを忘れない
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コングレス未来学会議(2013年製作の映画)

3.8

アニメと実写の境目が見事でした。
本当にヤバイ(が普通になる)未来に向かうときは、きっと静かに狂っていくから殆どの人が気づかないだろう。

シリア・モナムール(2014年製作の映画)

4.2

単なる戦争ドキュメンタリーではない。戦禍でも、空は青く、花が咲く。愛も生まれ、性の営みがあり、子が産まれる。数々の映像連なりの中にある、悲劇の合間の当たり前の営み。見ている私は迷わず愛した。そこに重ね>>続きを読む

何者(2016年製作の映画)

3.0

フリーター暮らしを控えた大学卒業間近に、原作本を人から強く勧められ何の気なしに読んだら、結構打ちのめされて。
ああこれ就活時期に読んだらもう少し頑張れたかもしれない…なんて思ったり、サラサラ読めるくせ
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ロイドの要心無用(1923年製作の映画)

3.4

新進気鋭の活弁士・坂本頼光さんによる活弁付き上映会にて。初めてのロイドだし、初めての活弁上映。無声映画のありのままを楽しむのも好きだけれど、活弁の有無でまったく違う印象を受ける経験というのも格別な映画>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

4.0

女も男も同じくらい人間臭くてすごく良かった。人間描写における繊細さと図太さ、濃淡といったメリハリのつけ方が上手すぎ。やりすぎず、やらなさすぎず。

本作は、嫌でもそばにあると思っていたものを突如奪われ
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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

3.5

時代性、仕事、家族、あらゆる要素を含んだ本作。隅々まできちっとしている構図は、これが現実にあったということを実感させる。時代に抗い、なにかを成し遂げた人の瞳は、単なる嬉しさや喜びだけではなく、とても憂>>続きを読む

恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム(2007年製作の映画)

3.4

上映時間が3時間近くあってもまったく飽きがこない。映画というよりミュージカルを見ているよう。でも、全体的にちょっとピカピカ(豪華絢爛)しすぎかな。

アカルイミライ(2002年製作の映画)

3.8

未来は明るいままで着々と次の世代に受け継がれていく。人物の行動や心情描写が、滑らかにまた別の人物の描写へと移り変わり、誰も中心に定めさせないところがこの映画の良さ。「未来」の鬱屈さ、美しさ、輝きすべて>>続きを読む

ヤング・アダルト・ニューヨーク(2014年製作の映画)

2.8

ノア・バームバック監督作品ってどうも抜けが悪い。そんな苦さを、苦いながらも続いていく日常を感じさせられすぎるというか。本作は『イカとクジラ』や『フランシス・ハ』といった作品に比べて、それが顕著。映画的>>続きを読む

カンパイ!世界が恋する日本酒(2015年製作の映画)

3.6

日本酒ドキュメンタリー。日本酒好きにはたまりまへん。2016年もたくさんお酒飲んで、たくさん酔っ払って、たくさん映画見ました!!(まだまだレビュー待ちの映画が残っているにもかかわらず、締めくくりにかか>>続きを読む