すずきひろしさんの映画レビュー・感想・評価

すずきひろし

すずきひろし

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スプリット(2017年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

一時の低迷を乗り越え、「ヴィジット」で完全復活したシャマランですが、復活後の彼の作品は、これまでの作風を引き継ぎつつ、エンターテイメントとしては以前のよりも更に徹底されていると思います。大作ばかりが作>>続きを読む

たたら侍(2017年製作の映画)

2.5

Filmarksの試写会にて観賞。
HiGH&LOW THE MOVIEとTHE RED RAINを観て、LDHに次世代の日本のエンタメ映画を担う可能性を感じていたので、この「たたら侍」にも期待してい
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

5.0

いつの時代も、男にとって女は、残酷で美しいこの世界そのものであり、そんな女を自分だけが変えてみせる、というのが男の哀しい思い上がりであるように、台湾に撤退した国民党が、いつの日か中国本土の共産党を駆逐>>続きを読む

宇宙戦争(2005年製作の映画)

5.0

宇宙戦争っていうより宇宙大虐殺、といった方が良い内容かとも思いますが、どちらにせよ、特権的な個人の頑張りや勇敢な行為なんかが事態を好転させたりは決してしない、戦争という行為の『圧倒的且つ絶対的な残酷さ>>続きを読む

マネーボール(2011年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

hulu観賞。統計学という合理性が、古臭い慣習に凝り固まった野球界に革命をもたらした!というような分かり易い二項対立の図式によってカタルシスを得るような構造では無く、スポーツの世界に象徴的に浮かび上が>>続きを読む

007 スペクター(2015年製作の映画)

4.5

メジャーロックバンドが、これまでの方向性を見失って、難解なアルバムを出した後に、もう一度原点回帰のキャッチーなアルバムを出した、でも、アレンジの端々に、難解なアルバムを経過した痕跡が見受けられる、みた>>続きを読む

メガマインド(2010年製作の映画)

3.9

hulu観賞。アメコミヒーローのヴィランを主役に据える、というのは素晴らしいアイデアなんだけど、それ故、子供向けの作品で展開するには限界があり、結局はアイデアを深く掘り下げるまでには至らず単純な勧善懲>>続きを読む

ファーナス/訣別の朝(2013年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

hulu観賞。貧乏も、不運な事故も、恋人との別れも、ひたすら受け入れ、無口に運命に耐え続けるクリスチャン・べールが、弟を殺され、とうとうライフルを手に復讐する、極めてシンプルで地味な話なんだけど、豪華>>続きを読む

イン&アウト(1997年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

hulu観賞。現在のハリウッド映画のポリティカルコレクトネスの神経質さと比較すると、勇気を持ってカミングアウトすれば結果オーライ、みたいな、ゲイへの偏見が今よりも酷いのは確かなんだけど、それ故の牧歌的>>続きを読む

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

5.0

Netflix観賞。「トランセンデンス」よりも、本作の方が、シンギュラリティを描いた近未来SFとして、遥かに真に迫っているように感じました。近年観た中では最もSF感のあるSF映画かもしれません。

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グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)

4.3

金持ちインテリリベラルな若者達の政治参加の偽善性(ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー)というのは、日本に限らず普遍的な社会問題なのだな、と思いつつ、そういうイーライ・ロス本人の社会に対する問題意識だ>>続きを読む

恋人たち(2015年製作の映画)

3.3

「ハッシュ!」は、大好きな映画なのですが、本作には全くノレませんでした。橋口監督は、登場人物達を肯定したいのか突き放したいのか、好きなのか嫌いなのか、正直良く分かりませんでした。無論、橋口演出によって>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

原節子追悼Netflix観賞。この「東京物語」が、数ある小津安二郎の作品の中で、代表作とされているのは、小津の家族制度に対する結論が端的に示されているからなのかもなぁ、と思いました。

小津安二郎は、
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スターダスト(2007年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

hulu観賞。こういうロマンチックなハイファンタジーって成功した作品って中々無いのだけど、マシュー・ヴォーン監督だけあってストーリーテリングが巧みで、至るところに散りばめられた小ネタが活きていて最後ま>>続きを読む

バトルランナー(1987年製作の映画)

5.0

hulu観賞。DVD廃盤、Blu-ray未発売の傑作を配信してくれたhuluに、まずは最大の賛辞を。ネット配信の可能性を感じます。

ディストピア未来モノ、というのは、世界観や設定が緻密かどうかよりも
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岸辺の旅(2015年製作の映画)

5.0

映画のひとコマひとコマの間が断絶していて、それが繋がった一つの映像のように見えてしまうのが脳の錯覚、残像であるように、この作品の幽霊も、連続した生の唐突な断絶に耐えられない者による残像、なのかもしれな>>続きを読む

エリート・スクワッド(2007年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

Netflix観賞。ボッピに配属される前、訓練、そして一人前になるまでを、無駄無く描いている脚本が素晴らしい。秀逸なのは、もう一人の主人公マチアスをインテリに設定する事で、金持ちインテリリベラルの世界>>続きを読む

エベレスト3D(2015年製作の映画)

3.4

IMAX3D観賞。大画面3Dで大自然を拝めるだけでも満足感があるのは確かだし、山の非情さは伝わってくるんだけど、ドキュメンタリーの側にも、思い切ったフィクションの側にも振り切れてないので、作品としては>>続きを読む

心が叫びたがってるんだ。(2015年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

41才のオッサンが、独り劇場で観賞。冒頭から涙腺崩壊して泣き続けてしまいました…

幼少期に原初的な自己肯定感を失いコミュニケーション障害になってしまった主人公が、思春期に自身を再肯定してゆく物語なの
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アフターショック(2012年製作の映画)

3.8

hulu観賞。海外旅行で浮かれてた観光客が異国の地で酷い目に遭う、という構成はまんま「ホステル」なんだけど、前半でちゃんと登場人物に感情移入させた上で、そんな彼等が情け容赦無く死ぬ、という単純な法則を>>続きを読む

マチェーテ・キルズ(2013年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

Netflix観賞。個人的に前作よりも、本作の方が如何にもグラインドハウス的な荒唐無稽さがあって楽しめた。前作は、「グラインドハウス」内の予告編を生真面目に映画化しようとしていたけど、今回はそこから自>>続きを読む

アイ・フランケンシュタイン(2014年製作の映画)

2.9

hulu観賞。アーロン・エッカートのフランケンがイケメンでカッコイイのがこの映画の最大の魅力なんだけど、イケメンであるが故に、フランケンという怪物の本質的なアイデンティティであるはずのブサメン故の孤独>>続きを読む

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)

4.3

Netflix観賞。「チョコレートドーナツ」の主人公が、自然な善意の持ち主だとすれば、本作は、欲の塊のような主人公が、死を前にして、善行をしているという意志すら無く、ただ、必死に生きる予期せぬ結果とし>>続きを読む

Seventh Code(2013年製作の映画)

3.5

hulu観賞。黒沢清直撃世代、最も敬愛する日本の作家と言っても過言では無いけれど、だからこそ、期待を込めて、これは素直に褒めたらいけないな、と個人的には思いました。前田敦子も鈴木亮平も、全てが廃墟のよ>>続きを読む

スターシップ・トゥルーパーズ3(2008年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

hulu観賞。人間側の総司令官が、バグズの宗教に洗脳されてしまう、正に宗教は最強の兵器なのだ、という設定だけでも観る価値がありました。最後、人類側も、宗教を新たな統治の道具として利用する、というのも良>>続きを読む

スターシップ・トゥルーパーズ2(2003年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

hulu観賞。バグズに追い詰められた砦の攻防戦や、人を乗っ取るバグ、上官を殺した英雄、というのはオリジナリティは無いけど脚本はB級としては決して悪く無いんだけどなぁ、と思った。

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

3.7

hulu観賞。主演のアラン・カミングの熱演が素晴らしいので、腕毛ボウボウなのが最初はウワッて思うんだけど、だんだん気にならなくなってくるんだよね。しかし、貧乏で夢を追っているゲイが無条件に善人、という>>続きを読む

悪霊島(1981年製作の映画)

3.5

Netflix観賞。保守的なムラ社会と自由恋愛の狭間の犠牲者としての岩下志麻、という構図は、横溝正史最晩年の作品だけあって、テーマとしては一番分かり易い作品かもしれないし、有名なレットイットビーも、犠>>続きを読む

マジック・マイク(2012年製作の映画)

3.8

Netflix観賞。個人的に「サイドエフェクト」より「マジックマイク」が好きなのは、ソダーバーグって、やっぱり、物語も上手いんだけど物語の人じゃ無いというか、マイクの舎弟分でもう一人の主人公アダムの行>>続きを読む

ディフェンドー 闇の仕事人(2009年製作の映画)

4.0

hulu観賞。パッケージに騙されてコメディ物かと思ったら、意外にも直球ド真ん中のヒーロー物で、しかも最後はキチンと泣かせてくれる丁寧な作り。個人的には「スーパー!」よりもこっちの方が好き。

ヴィジット(2015年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

新生シャマランの誕生を予感させる傑作。低予算90分の作品でありながら、ホラーありコメディあり、感動的なファミリードラマあり、無名な役者ばかりなのに、登場人物は皆魅力的。ギミックの作家として注目される事>>続きを読む

サイド・エフェクト(2013年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

Netflix観賞。ソダーバーグは、こういうスタンダードなジャンル映画撮らせると上手いんだよなぁ。ソダーバーグは、作家主義的な技巧を持った職人、なんだろうね。ルーニー・マーラのファンファタール振りも、>>続きを読む

欲望のバージニア(2012年製作の映画)

2.9

Netflix観賞。決して悪い映画では無いのだけど、キャストが豪華過ぎるが故に物足りない感じがしてしまう。無骨で無口というよりは、やや知恵が足りてない感じのトム・ハーディと、ピッチリセンター分けのガイ>>続きを読む

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

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hulu観賞。作品自体の評価は今更なので控えるけれど、主人公のウィルは超天才だからこそ目をかけられて、優れたカウンセラーと出会える事ができたけど、何の才能も無く、幼少期に虐待を受けた、みたいな人間が大>>続きを読む