Rilyさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

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ハンニバル・ライジング(2007年製作の映画)

3.5

鑑賞3回目。こっちのレクターも何気に好き。本作では彼がどのようにしてカニバリズムに至ったのかが描かれる。シリーズとして観るなら疑問が残るかもしれないが、単体の復讐劇として観ても普通に面白い。余談ですが>>続きを読む

イディオッツ(1998年製作の映画)

3.5

健常者が障碍者の“ふり”をして人々の反応を探る集団を描く。画面越しに彼らを見て、観客が抱く感情こそが今作の意図するものであり、差別しないように意識する…そう思うこと自体が差別だろ?という嫌なところを突>>続きを読む

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)

3.0

太一が部長で正解だったということを再確認できる映画。個人的に特筆すべき点は、千早選手とあれだけ試合前に挑発行為をしていた彼とのくだり。見事にベタ。
あとは普通に楽しめました。

フレッシュ・デリ(2003年製作の映画)

3.0

このジャケ…。マッツ・ミケルセン主演のほっこり映画。肉屋の冷蔵庫の修理で来ていた業者の男を事故で死なせてしまうが、その人肉を販売したら大盛況…というはなし。ブラックユーモアが効いたヒューマンドラマで、>>続きを読む

偽りなき者(2012年製作の映画)

4.0

これは先入観が招いた集団リンチ、さらに田舎であるが故の閉鎖性。リアリティのある展開と皮肉の効いたラストはたとえ自分がどんな立場であっても他人事ではいられない。
これが邦画だとすれば誇張されすぎで逆に興
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扉をたたく人(2007年製作の映画)

4.0

再鑑賞。9.11が浮き彫りにしたアメリカの移民問題と関係無いはずのところまで来たそのシワ寄せ。派手さは無くドラマチックな展開も無いが、何と言ってもラストシーンに尽きる。怒り、憤り、悲しみ…様々な感情が>>続きを読む

メイキング・オブ・ドッグヴィル 〜告白〜/ドッグヴィルの告白(2003年製作の映画)

3.5

かつてない撮影方法と重なる題材に困惑し、精神が蝕まれていく出演者。まさに極限状態の撮影現場。スタジオの脇には「言論の自由」と書かれた告白部屋があり、出演者からは、帰りたい、二度と出たくない、助けて…と>>続きを読む

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

4.5

生きていく以上誰にでも訪れる喪失感と向き合う事の辛さ。イニャリトゥ監督が一貫して家族の存在を描くのは自身の体験から来るものだそうだが今作における理不尽な死は悲しくて本当にやるせない。生きていく事の困難>>続きを読む

奇跡のひと マリーとマルグリット(2014年製作の映画)

3.0

音も光もない無の世界で、肌と心に「触る」ことで人の優しさを感じとり、築かれていく信頼関係。元々、相手の表情や声で築いていく世界にいる自分には決して感じとれないであろう人の温もり。尊さ。言い方悪いですが>>続きを読む

太陽(2016年製作の映画)

2.0

ディストピア映画。設定は斬新。「キュリオ」と「ノクス」という、どちらともメリット・デメリットを抱えた異なる人種を描く。昼・田舎・感情的…と、夜・都会・理知的…といった対比は分かりやすい。両者が交流し、>>続きを読む

ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

5.0

10年ぶりに鑑賞。セルマのように、自分にとって理解し難い人が、何を大事にし何を間違えどんな選択をして生きているのか。個人的には、感情移入せず客観的にその人そのものを見る映画。当然、人の幸せは主観的なも>>続きを読む

特捜部Q 檻の中の女(2013年製作の映画)

3.5

面白い。見やすい。コンパクト。
刑事ドラマ。未解決事件。北欧の暗さ。

あっという間でした…
てことで続編も観なければ!

ブレイブ ワン(2007年製作の映画)

3.5

ジョディ・フォスターを見たくなったので再鑑賞。婚約者を殺され、自身も瀕死の重傷を負った女性が私的に復讐。今作で描かれているのは復讐までの過程というより、PTSDによる一人の女性の心理状態。暴漢に襲われ>>続きを読む

アメリカン・クライム(2007年製作の映画)

3.0

他人の家に預けられ、虐待を受ける少女。実話ベース。加害者は小さな子供たちにまで及ぶが、その誰一人として暴行した理由を答えられない。と言うよりも「わからない 」のである。反対意見を言えなくなる集団心理。>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

4.0

西川美和監督は嫌らしいところを縫ってくるな…というのが率直な感想。長年一緒にいると芽生えてくる感情がストレートに描かれた映画だと思う。まぁ痛い。難しい。当人同士にしかわからない。
最小限にとどめた妻の
>>続きを読む

DEAR WENDY ディア・ウェンディ(2005年製作の映画)

3.0

のび太君がのび太君寄りの友人を集めて拳銃愛好会を作り、個々の自信を取り戻していく物語。趣味だから人には銃口を向けない。でも、拳銃が手元にある以上、いつかは争いや痛みを生じる。それに気付けなかった彼らに>>続きを読む

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.0

鑑賞3回目。まぁ好き。こういう一見マイナーでわけのわからない感じの映画が日本アカデミー賞作品賞を獲っちゃうっていう事実。説明を排除した徹底的なリアルだからこそ、半端なく面白い。全編通して漂う虚無感に痛>>続きを読む

ガンモ(1997年製作の映画)

3.0

白人の貧困層を描いた作品は何作か観ているが、なかでもコレは強烈。ストーリー性は皆無で、様々な若者たちの「生活」というものが入り乱れたような感じ。映像的にはスタイリッシュ…だが、描写は下劣で残酷。おそら>>続きを読む

奇跡の海(1996年製作の映画)

3.5

過剰過ぎる愛情ゆえに破綻へ近づく夫婦の物語…とも言えそうだが、妻の従順な“行為”があまりに狂信的で痛ましすぎる。人間の業を知り尽くしているとは言え、トリアー監督はなぜこうも精神が不安定なヒロインを、誰>>続きを読む

アナザー プラネット(2011年製作の映画)

3.0

根底に「贖罪」がテーマにある人間ドラマに、「第二の地球」が現れるというSF要素が上手く絡まっている。さらにそこには、もう一人の自分が存在する…パラレルワールド。展開としては一本道だったものが、突如起こ>>続きを読む

ホウ・シャオシェンの レッド・バルーン(2007年製作の映画)

2.5

半世紀前の「赤い風船」へのオマージュ作品。とりあえず、光…色彩…構図…どれをとっても芸術的。ストーリー性はないようなもので、パリのとある母子家庭の日常風景が淡々と描かれる。母親が人形劇師ということもあ>>続きを読む

何者(2016年製作の映画)

3.5

これはホラー映画…と言うのが、半分冗談で半分ガチな感想。就活とSNSを絡めるという良い意味で面倒なストーリーだったが、改めて人間の暗部というか歪みを炙り出すような作品は好きだなぁと実感。人間くさくてま>>続きを読む

SCOOP!(2016年製作の映画)

3.0

間延び。エンタメ作品としては楽しめたものの、色々あった2016年に週刊誌の裏側的な映画を公開するのは少なからず狙っていると思うし、そのタイムリーな話題の映画に良くも悪くもまんまと釣られ、踊らされた感は>>続きを読む

アポカリプト(2006年製作の映画)

3.5

鑑賞3回目だが、まぁ面白い。飽きない。この緊張感といい疾走感といい、あっという間の2時間20分。ストーリーも単純で、ロナウジーニョ似の青年の逃走活劇。追われる…走る…基本的にはそれだけ。ここまで人間の>>続きを読む

ロング・エンゲージメント(2004年製作の映画)

3.0

「アメリ」コンビによる戦争ドラマ。ジュネ監督のブラックな世界観やキャラクターが好きならハマると思うが、R-15指定のため戦場の残酷な描写はエグい。その上、ミステリー要素もあるので、冒頭から集中力を切ら>>続きを読む

ルーム(2015年製作の映画)

4.0

わずかな登場でありながら祖父の立ち位置がやけにリアルで、残された者達の7年を120分で汲み取らせるには十分すぎる描写だった。個人的に特筆すべき点はジャック少年と初対面という大事な場面で犬が尻尾を振って>>続きを読む

恋人たち(2015年製作の映画)

3.5

主人公の男がするのは橋梁点検。ハンマーでコンクリート表面を叩いてみると、支柱はすでに損傷だらけ。それはギリギリのところで、支え…支えられて立っていられる主人公そのもの。社会の片隅で苦しみ続け、気持ちを>>続きを読む

裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)

3.5

ロシアの気高く壮大な風景のなか、時折映し出される錆びれた船の残骸…血の通わない無機質なクジラの骨格。司法をも乱用し腐敗しきった権力がもたらした悲劇の連鎖。主軸は土地の再開発によって翻弄された一家族のド>>続きを読む

ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

3.5

プロレスをはじめとした格闘技の試合前には多々挑発行為というものが存在するが、今作において相手選手の挑発行為に乗らずに堪えた千早選手は賞賛に値すると思う。ストーリーは王道な気もするが、やっぱり青春映画は>>続きを読む

いのちの食べかた(2005年製作の映画)

3.5

野菜や果物も出てくるが、基本的には食肉が中心の映像…つまり、もろに“生”を感じざるを得ない豚や鶏。人が口にするものは「工場」というニュアンスの場所で食品になる為だけに「生産」され、家畜から肉に変わるの>>続きを読む

バージニア その町の秘密(2010年製作の映画)

2.0

製作総指揮ガスヴァンサント、監督「ミルク」「Jエドガー」の脚本家と聞いたら妙にテンション上がって鑑賞。エド・ハリスが変態的な性癖の持ち主の保安官を演じ、ダメダメな母親を黒髪じゃないジェニファー・コネリ>>続きを読む

悪人(2010年製作の映画)

4.5

再鑑賞。
くすんだ空、荒れる海、吹き荒ぶ風、辿り着く最果ての灯台もまた、二人の心模様そのもの。善と悪が共存し絶えず葛藤を繰り返しながら揺れ動く場所で生きているのは主人公だけではなく、間違いなく自分もそ
>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

5.0

決して浅はかな気持ちで観れる映画ではない。皆が辛く、自然と涙が溢れてくる。目には見えない様々な感情を映像でまじまじと見せつけられ、言葉では言い尽くせない思いが蠢き続けている。
そして、これ程までの俳優
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ロルナの祈り(2008年製作の映画)

3.5

国籍売買…麻薬…貧困等の社会問題、偽装結婚した男への芽生えるはずの無かった愛情。同情?贖罪?母性?本能?場面ごとでの解釈は全て観客に委ねられていて、同時に人間の心理の複雑さを痛切に感じる描写の数々。前>>続きを読む

ニシノユキヒコの恋と冒険(2014年製作の映画)

3.5

女は途切れない…が、毎回フラれる男の物語。画面上には母性本能をくすぐっているであろうひとりの男。お伽話ながら、見ていて恥ずかしくなるぐらいリアリティがあって、他人の恋愛を覗き見してしまったような感覚に>>続きを読む

メゾン・ド・ヒミコ(2005年製作の映画)

3.0

舞台となった「ゲイのための老人ホーム」が、周囲に遮るモノが無い海辺にポツンと佇んでいることで、色々な角度からこの舞台を見れるようになっている。施設の内部には、様々な性格・様々な愛情のカタチがあり、観客>>続きを読む