Rilyさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

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スクラップ・ヘブン(2005年製作の映画)

3.5

鬱屈した日常を送る男女三人がバスジャックに居合わせたことで始まるストーリー。主人公が警鐘を鳴らすヒトの「想像力の欠如」、それは「思考停止」の警鐘へと結びつく。面白いと思ったのは、二人の活動拠点が誰でも>>続きを読む

ニライカナイからの手紙(2005年製作の映画)

3.0

沖縄・竹富島には古くから「うつぐみの精神」と呼ばれる“一致協力の心”が根付いていて、島民が生活する上での基本的な考え方だそう。生き別れを背景にした繊細なストーリーに、うつぐみの精神、そして蒼井優の天性>>続きを読む

闇の子供たち(2008年製作の映画)

3.5

月の裏から少しずつ見えてくる「闇の子供たち」という文字。光が当たらず真っ暗闇だったモノが、このタイトルバックが流れたと同時に光が当たる。それはつまり、知らずにいた事を知るという事につながる。

確実に
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終の信託(2012年製作の映画)

3.5

それが尊厳死・安楽死と言えるものだったのか、はたまた殺人だったのか。冒頭から第三者目線(検察官)を匂わせつつも全くと言っていいほど前半で描かず、やっと出てきてからの後半の緊迫感ときたら…。人が人を裁く>>続きを読む

共喰い(2013年製作の映画)

3.5

自分の価値観を相手に押し付けた時点でそれは暴力となり、その暴力が時代に逆らった古い価値観であれば置き去りにされる。それは、劇中で映し出された川岸に溜まったガラクタそのもの。

気になったのはこのタイト
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十字架(2015年製作の映画)

3.0

自殺した少年の遺書に「親友」と書かれてしまった者、一方的に片想いをされ「ごめんなさい」と書かれてしまった者。なぜ自分達の名前が書かれていたのか…。主演2人が中学時代から演じていることに違和感はあったが>>続きを読む

ホテルコパン(2014年製作の映画)

2.0

つまらなくはない。ただ、勿体無いという感想。ホテル客とホテル従業員は人間が必ず直面する問題を抱えている…それが本作の「全員ワケあり」というキャッチコピーにつながると思うんだが、私にはどうもその描き方が>>続きを読む

ふがいない僕は空を見た(2012年製作の映画)

4.0

タイトルがまた深く、これでもかってぐらいに色々なテーマが詰まった映画だった。

心にある鬱屈した部分というのは、決して登場人物達だけにあるモノではなく、現代人の多くが抱えているモノ。彼ら彼女らと境遇は
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過ぐる日のやまねこ(2014年製作の映画)

3.0

「忘れることを怖がっちゃ駄目だ」っていう台詞。喪失を抱えながら生きていく人たちにとって救われた気持ちにしてくれるような言葉な気がする。それにしても、ロケ地になった長野県上田市っていいところだな。木の緑>>続きを読む

裸足の季節(2015年製作の映画)

3.5

古いしきたりに縛られ、檻と化した部屋に閉じ込められた5人姉妹の姿は、いまにも飛びたがっている籠の中の蝶そのもの。意志の自由を排除され、自分の未来さえ誰かに決められてしまう世界。そんな抑圧されたなかで、>>続きを読む

太陽の蓋(2016年製作の映画)

3.5

本作の公開規模は小さい。こういう作品こそ公開規模が大きくあるべきだと強く思う。日本が滅びてしまうかもしれなかった、それは何を意味するかは言うまでもない。5年経ったいま、俯瞰的に捉えた本作の意義は十分に>>続きを読む

JUNO/ジュノ(2007年製作の映画)

3.5

開始10分ぐらいでギブしようか迷ったのが正直なところ。16歳で妊娠してしまう女の子に対してのコミカルな進行に違和感を感じていたが、30分経った頃から徐々に入り込めた。ユーモアに溢れた世界観、周囲の偏見>>続きを読む

レイクサイド マーダーケース(2004年製作の映画)

3.5

再鑑賞。東野圭吾の原作とは若干異なるもののこれはこれで好き。悪い人間臭がプンプンする配役はいやらしいと思うが、まぁOK。何か揉め事が起きた際の、いつでも醜い化け物になってしまう恐ろしさだったり、人間の>>続きを読む

アリス(1988年製作の映画)

4.0

シュールレアリズム。このお方の悪趣味満載なんだと思うが、こういう訳わからん世界観はほんま好き。不条理且つ無秩序な世界でありながら、超えちゃいけないラインは超えてない…と形容すればいいのか。笑ったのはア>>続きを読む

マジック・イン・ムーンライト(2014年製作の映画)

3.5

まず始めに、ヒロインが美しい映画だという事。久々にビビった。これ観てエマ・ストーンに嫌悪感抱く方いるか?と思うほど。ストーリーも「どうなる?どうなる?」という展開で思う存分楽しめた。そもそも、マジシャ>>続きを読む

味園ユニバース(2015年製作の映画)

3.5

再鑑賞。大声で、面白い!と言える感じではなくて、なんだかんだ面白い…という感じ。独特なレトロ感…ローカル感…サブカル感に、渋谷すばると二階堂ふみが劇的にハマってるし、この二人じゃなきゃまず成立してない>>続きを読む

愛を読むひと(2008年製作の映画)

5.0

この作品をどう形容すればいいのか。
自分が「深い」と思っているところよりもはるかに深いところにある映画なんだと思う。
思い出すだけで涙が出そうになる数少ない映画のひとつ。

ーーー原作読了

2017
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みえない雲(2006年製作の映画)

2.0

もろに原発事故を描いた映画を鑑賞したのは初めて。劇中のパニックシーンや我先にと急ぐ人の描写は生々しくてゾッとした。あくまで主軸は若い男女のラブロマンスだが、若干タイタニックを狙ってきた感は否めない。邦>>続きを読む

インスタント沼(2009年製作の映画)

3.5

再鑑賞。好きな作品。実際、自分が好きなモノや大事にしているモノというのは他人からしたら、所詮…そうなんだ〜…へぇ〜レベル。大事なのは如何にしてそんな一見、くだらないような事柄に満足を見出すか。如何に意>>続きを読む

もらとりあむタマ子(2013年製作の映画)

3.0

いいね。2回観た。こういう映画好きだな。自分は何をしたいのか、自分が何者なのか。日々決断する事ばかりで投げ出したくもなるし、一発逆転も狙いたくなる。あそこまでダラけないにしても、タマ子に共感出来る部分>>続きを読む

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)

5.0

傑作。邦画で一番好き。
忘れた頃にふと「ジョゼに会いたい」と思ってしまうのはもはや魔法みたいなもの。

恋することの喜び、痛み。

揺れ動く男女の心の機微を、これほどノスタルジックな世界観のなかで描き
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奇跡の2000マイル(2013年製作の映画)

3.0

映画とは言え、あそこまでラクダの生態を見たのも初だ…笑 そういう意味では面白い映画だったか…。

上手くいかない日常を捨て、広大な砂漠のなかを歩いて2700km先の海を目指す24歳の女性。旅を共にする
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四十九日のレシピ(2013年製作の映画)

3.0

終盤どうなることやら…と思ったが、ひとりの女性の強い意志を感じられる良い着地だった。子供がいない事によって出来ない経験もあれば、出来る経験もある。それは空白なんかじゃない。癒しと再生という話にデリケー>>続きを読む

ブリッジ(2006年製作の映画)

-

サンフランシスコにあるゴールデンゲートブリッジ。アメリカを代表する観光名所である一方、世界最大の自殺の名所でもある。一年間に渡って、橋の両岸にカメラを据えたドキュメンタリー。なぜ、遠方から来てでもこの>>続きを読む

ゆるせない、逢いたい(2013年製作の映画)

3.0

デートレイプ。でも話の軸はそれじゃなく男女の…母娘のラブストーリー。一生残る心の傷を負わされたとしても、理屈でどうこう出来ない事がある。彼女にとっての記憶と感情が邪魔をしそれがタイトルにも直結する。>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

5.0

率直な感想は、とてもよかった。
予想もつかない事態が起きたときは結局、机上の空論になってしまうのは致し方ないような気もする。それが「ゴジラ」という“虚構”を通して、シリアスな笑いを誘うし、ギャグのよう
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マイ・バック・ページ(2011年製作の映画)

3.5

理想と現実をみてきた人ほど感じるものがあるはず。勝手ながら大人向けの映画だと思ってる。
今作は実話に基づいたフィクションであるが、単に激動の時代を生きたジャーナリストと革命家の物語…ではなく、ジャーナ
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スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする(2002年製作の映画)

3.5

なるほど…こっち系の映画だったか。面白い…が、ひたすら人間の内面をえぐってくるな。だが、そこまで重くもない。
タイトルにもなってるスパイダーっていうのは、主人公の少年時代の愛称。

精神病を患っている
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リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)

4.0

いいね、最高。

「文化祭、何演んの?」
『ブルーハーツ』
「いいじゃん」「熱いじゃん」

リンダリンダのあのスローなAメロから、唐突で爆発的なサビに移った瞬間、ステージ下でそれまで座っていた生徒達。
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真夜中の五分前(2014年製作の映画)

4.0

これぞ曖昧さの美学。こういう世界観は堪らないな。本多孝好の小説はもともと好きで原作も既読。時間…記憶…人格…真実、ワードはパッと頭に浮かぶのに文字に起こしにくい。とりあえず好きとしか言いようがない。原>>続きを読む

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

5.0

確か4回目。大好きな映画です。
アーニーが高いところに登って見渡す景色はギルバートにとっての未だ見ぬ世界なんだろうな。素敵なエンディングです。

2021/5/4 5回目ーーーーー

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

3.5

繊細で触れるのも危ういような。主観を変えながらも主に彼女達の家の向かいに住む少年目線で描かれていて、それはつまり彼女達の心をわかろうとする気持ちにも思える。

人の気持ちなどわからない。
人それぞれ思
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悲しみが乾くまで(2008年製作の映画)

3.5

感情に流された愛だとかそんな安っぽいメロドラマではなく、深みがあって大人のための映画に仕上がっている。この男女ふたりが奇妙ながらに寄り添った時間は体じゃなく相手を思いやる心。一歩飛び越えた次元にある愛>>続きを読む

Mommy/マミー(2014年製作の映画)

3.0

あの瞬間の映像は「自らの選択で新しい世界を切り拓く」…若きカリスマ監督の“主張”が“画面”を通して特に伝えたいメッセージのようにも受け取れたし、内に秘めたエネルギー的なモノと冒険心が伝わってきて多少の>>続きを読む

ヤコブへの手紙(2009年製作の映画)

3.5

相手を救おうとした行為が実は自分が救われていた行為。登場人物は3人。時間は75分。普遍的でシンプルでコンパクト。少ない言葉だったり無言の行動だったり描かれていない描写だったり。すべての解釈を観客に委ね>>続きを読む