この年代の西部劇でここまで醜く不毛な殴り合いはなかなか新鮮。ニューシネマを先取りしている。
絶望と諦観の泥沼に両脚をうずめながら、それでもその眼鏡越しに色あせた栄光を夢みて、こちらへピースサインを向けるマックス。嫌でも彼にスポーテッロの面影を感じる。
疲労と絶望と安心と罪悪感とがないまぜになったラストはさすがとしか言いようがない。『ゾンビ』のときよりもみんな疲れている。
ロメロが散々語ってきたことを換骨奪胎もせずに語るテーマ性のなさから、文脈のない引用、内輪の俳優イジリまで、完全に真空な映画だった。
映画自体を一つのボケにして言い訳するために、終始シリアスなムードが貫>>続きを読む
繰り返し強調される男性性の欠如に対する葛藤を、「外の世界はそれどころじゃねえんだよ」という現代的な誠実さでもってぶっ飛ばすアンチ『レオン』
扱われている主題やホアキンという人選からして、批判の対象は明らかなのに、そこであえて『サイコ』を参照するそのセンスにやられてしまった。
このレビューはネタバレを含みます
『ばしゃ馬さんとビッグマウス』から変わって、継続を映す方向へシフトした本作。
「才能のない人間は、どこかでやめ時を見つけて踏ん切りをつけなければならない」という世間一般の認識はただのパラノイアだから、>>続きを読む
スティーブが戦争体験者として歴史を伝道する役割を持つという逆光的精神と、男はパイロットとして、女は鳥として風に乗るという宮崎駿的テーマとの相乗効果。そして最後はロッキー。