minadukiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ゆるキャン△(2022年製作の映画)

2.0

テレビシリーズの実写版の、なにも起こらない起こさない展開が好きで、映画公開を待ちわびて観た

テレビ版の女子高校生たちの8年後が描かれていた

劇場版にはしっかりと目的と起承転結が作られ、ヒロインたち
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峠 最後のサムライ(2020年製作の映画)

3.0

慶喜大政奉還から始まる
室内に差し込む斜光のみでつくられた絵の美しさ、陰影のリアリティ、人物の影は長く畳に伸びて映し出される
そうだよ電灯のない時代の話なんだよ、天井からの光はないんだよねと、一気に気
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新聞記者(2019年製作の映画)

4.5

河村光庸さんが亡くなった

先日の石井隆監督の訃報にも愕然としたが、映画人の逝去は早い

『新聞記者』『空白』と、絶えて久しい社会派映画の血脈を今の時代に甦らせた独立プロの反骨プロデューサー
この先何
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.5

備忘録 傑作

この映画自身の表現力が、あまりにも強すぎて、説得力がありすぎて、何も書くことができない
言葉を失うと言うのは、このような状態を言うのだろうか
それほどの衝撃を受けた作品

パンとスープとネコ日和(2013年製作の映画)

3.5

小林聡美さんの魅力にやられて『かもめ食堂』に続いて視聴

両作品とも、ヒロインの周りにただ自然に寄り集まってくる人たちとのお話
強要せず、押しつけず、批判せず、来るものは拒まず、去るものは追わないけれ
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.0

セットの豪華さ、音楽の良さ(作曲バーンスタイン)、歌とダンスの美しさ、流麗なカメラワークに乗せられてノリノリで始まるオープニングが、エンディングでは奈落の底に落っこちる
落差大きな悲劇です


物語は
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ノイズ(2022年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、村内放送の電柱上の野外スピーカーの画に被せて、大音量で流されるベートーヴェンの6番田園交響曲はヨゴされてない
本来、客観の状況音だが、劇伴の様に主観として流される
映画の中で、主観で音楽を使うと
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The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

4.0

深い緑の並木道、木々の間から差し込む斜光、風になびくレースのカーテン、蝋燭の柔らかな光の中での祈りと晩餐
ソフィアコッポラが切り取り、散りばめる風景は愛らしい抒情に満ちている

ガーリーとは女性映画の
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トランス・ワールド(2011年製作の映画)

3.0

『ブレアウィッチプロジェクト』を思わせる森林迷宮ホラーかと思いきや、そこからのひねりが効いていて、タイムリープものへと急展開する
ストーリーの斬新さで楽しめました
ストリーミングがなければ出会えなかっ
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競輪上人行状記(1963年製作の映画)

4.4

教師をドロップアウトした貧乏寺の息子が寺の再建資金までも競輪に突っ込む
一直線の退屈な転落劇、お説教映画かと思いきや
予想を超えて転がり続ける物語
原作寺内大吉 脚本大西信行 今村昌平
目が釘付けにな
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SOMEWHERE(2010年製作の映画)

2.8

冒頭から、フェラーリが無意味に同じ場所をはしり回り、ボールダンスをフルに見せられたのにはうんざりした
観客の気分を人生に退屈している主人公の気分にシンクロさせようとしたのか
しかし辛い導入だった

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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.3

自分が過去に経験した恋愛の中での出来事を思い出させてくれる作品

始まりは終わりの始まりという恋愛の決まり事を、ただなぞっていくような進行に意外性はないのだが、退屈しないで観れるのは、誰もが覚えのある
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パターソン(2016年製作の映画)

4.4

大好きな映画に出会えた

バスドライバーが繰り返す日常の中で、ほんの小さな幸せや不運に見舞われながら、手持ちのノートに詩を書き残していく
名声の為でも、金の為でもなく、自分にとってそれが一番大切なこと
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ポンペイ(2014年製作の映画)

3.3

ローマ人に両親を殺された騎馬民族ケルトの少年
17年後、彼は奴隷としてポンペイのグラディエーターだった

ポンペイの領主のお姫様と奴隷剣闘士との恋を縦軸に、殺し合いを宿命された剣闘士チャンピオンとの間
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.7

間違いなく珍品です!

今まで観た映画の中で最も変わった作品
プロットが破綻しているとかそういうことではなく、構成もストーリーもしっかりついてゆけます
物語に澱みはないのです

ただ、オリジナリティに
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THE RESCUE 奇跡を起こした者たち/ザ・レスキュー タイ洞窟救出の奇跡(2021年製作の映画)

4.2

2018年に起こったタイの洞窟に取り残された子供たちの救出ミッションを撮ったドキュメンタリー。タイ、アメリカ、中国、オーストラリアの海軍特殊部隊が救出に挑むが難航していた。
雨季が迫り、洞窟の中の水量
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.7

イーストウッド作品といえど構える必要はなく、肩の力を抜いて楽しむ映画

完成度が低いということではない

『チェンジリング』や『グラントリノ』のような緊張を強いる傑作とは作品性が違うということ

これ
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.5

登場人物の誰にも共感できないけれど、最後まで緩みなく観れる映画
面白いかと問われれば、面白いけど鳥肌立つような映画じゃないとこたえる映画

きっとここで繰り広げられたドラマが観客には他人事だからだと思
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

顔の表情を作らない、情動を表情に出さない 劇中劇の稽古で繰り返される棒読みの本読みはこの映画そのもののテイストだ

感情を出さない、情動を伝えない、自らの心が傷ついている事を認めようとせずに生きてきた
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

4.0

ただただ切ない、あの頃の東京でのおとぎ話
やれないじゃなくて、やらなかったのね
捨てられないものをたくさん持ちすぎていたから

ザ・ビートルズ:Get Back(2021年製作の映画)

5.0

4人が最後に一緒に演奏したルーフトップライブに向けた3週間の記録、(60時間分の16mmフィルム画素材と80時間分の音素材)を監督ピータージャクソンが3話8時間にまとめ上げたドキュメンタリー

Let
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(2020年製作の映画)

2.2

携帯電話がある今の時代に、すれ違いのドラマを組む難しさを感じました
ドラマとして成立しているのか
終盤に向かうにつれその事を考えながら観ました

瀬々監督の手堅い演出が、この映画の場合は逆にテンポを欠
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.8

スティーブンキングの原作という事だけで、詳細知らずに見始めました

『スタンドバイミー』を思わせるいじめられっ子少年グループに、紅一点ソフィアリリス演じる少女が仲間入りします
まだ半分あどけなさを残す
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死霊館(2013年製作の映画)

3.0

ロバートワイズ監督の『たたり』を観て以来、館モノ・ダークファンタジーが好物になり、暫く治っていたのですが、死霊館というタイトル、新作の公開情報に惹かれて、まずは第一作をみなきゃということで…

作りは
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.3

アバンタイトルからメインタイトルにかけてのカッコよさ、期待感の盛り上げ方が半端ない
厳冬のロシアの氷の湖で起こった恐怖。
そして5年前、南イタリアで美しい風景の中繰り広げられた激しいアクションから、列
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.0

リンチ版のファンでしたので、新作の公開待ち遠しく、ウキウキ観に行きました。
大いなるカルトとか映画史上最大の失敗作と評された前作でしたから、新作はきっと思いっきりエンタテインメントに振っているのだろう
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.0

観たその日、映画のルック選びのセンス、リドリースコットの世界観構築の力にガツンとやられて、これは大傑作に出会ったのかもとのぼせあがりました。
一夜明けて少し頭を冷やしたところで、『羅生門』を観てみなき
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空白(2021年製作の映画)

5.0

芸能人の不倫会見や、企業の不祥事会見など、それをすることにより世間は断罪の矛先を緩め次なる標的に向けて批判の刃を研ぎ澄ます
これらの会見を見るたびに、私は一体これは誰に対して、何の為に行われているのだ
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仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)

4.0

虎狼の血をキッカケに個人的ヤクザ映画ブームにおち『仁義なき戦い 広島死闘篇』を観た

昔見たものを、今、観ると以前は感じられなかった新たな愉しみがあるんだと気がついた

北大路欣也、梶芽衣子、千葉真一
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

心酔していると思われた先代組長の寡婦の制止も聞かず銃殺してまで、対立する組織にガチ込んだ組長の鈴木亮平が、まさにその銃撃戦の最中に、その場に現れた刑事・松坂桃李を追って、組員を残して戦場を離れてしまう>>続きを読む

いのちの停車場(2021年製作の映画)

3.5

松坂桃李、広瀬すずの瑞々しい感情表現にわくワクワクし、
泉谷しげる、柳葉敏郎、みなみらんぼう、西田敏行の抑えた演出に惹きつけられました

撮影所システムで作られたガッチリとした邦画を堪能しました

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明日の食卓(2021年製作の映画)

4.0

力強い映画でした
蒸気機関車のようにゆっくりと動き出し、徐々に力を溜めて疾走する
クライマックスのパワーに圧倒され震えました

子育てを経験した世代にはこの映画はいくつものリアルなシーンに満ちていて、
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人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

3.0

中学3年の頃父親の本棚にあった中公の選集で『斜陽』を読んで以来、20代後半迄かなりハマった作家・太宰治
蜷川実花が撮った太宰はただの女たらし、人たらしだった

作品から見るのではなく、人間側から太宰を
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