たくちゃさんの映画レビュー・感想・評価

たくちゃ

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異人たち(2023年製作の映画)

4.2

現実なのか夢なのか幻なのか
目に映るものをそのまま受け取ってよいのか、主人公と同じような気持ちで鑑賞していました。

不思議で不穏な世界の中で、時を経てわかりあえた親子の姿が素敵でした。

—-
ここ
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見知らぬ人の痛み(2022年製作の映画)

4.5

私は残虐的でグロテスクな表現で恐怖を煽るような映画や漫画が嫌いです。
名前もない人たちがあっけなく亡くなってしまう。
その痛みは描かれない。

我々が目にするのはフィクションの話だけど、世界のどこかで
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あまろっく(2024年製作の映画)

5.0

関西贔屓でスコア5点!
ではなく贔屓なしで、大きな笑いと、大きな感動で、肩肘張らずに観れる良い映画でした!

—-
兵庫県の先行公開で鑑賞。
ご都合的な展開だけど吉本新喜劇で育った私にとっては心地よく
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クラユカバ(2023年製作の映画)

4.8

“クラガリに曳かれるな”
キーフレーズとアンダーグラウンド感に心くすぐられ、とても楽しみに鑑賞。

大正浪漫と妖しげな世界観が相まって、期待以上でした!
後半の謎が明らかになっていく辺りは少し難解では
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.7

タイトルと絵柄だけで、ちゃらんぽらんな映画かなと思い敬遠してましたが、
予告編を見て一転興味がでて鑑賞。
2時間まったく退屈しなかったです。

違和感や不快感・異質なものでも、そこにあり続けると日常に
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Here(2023年製作の映画)

4.2

日常の切り取り
カメラの視点がその日常に入り込むように映されていて、ときにビルの片隅、ときに部屋の天井、ときに森の植物になったような気持ちになりました。

主人公の男性は不眠症気味で、母国に帰ろうとし
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.0

日常の中の非日常

私はこの映画を観て、冬眠から目覚めて初めての冬を見るムーミンの話を思い出していました。

知っている場所なのに初めての光景。
ワクワクするような怖いような気持ち。

心細い夜道を歩
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よだかの片想い(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

2022年に閉館前のテアトル梅田で観てから、ずっと大好きな作品です。
松井玲奈さんと中島歩さんの演技が素敵でした。

憧れた人に近づいて、埋まらない違いに不安や嫉妬が生まれて。
遅い初恋は、付き合って
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

杉咲花さんの演技が凄すぎました。
『市子』に続いてこの役を演じて、心配になるほどです。

予告編で既に胸が苦しくなる内容だったけど、本編はそれを上回る重い展開でした。
志尊淳さんのヒゲの違和感も意味が
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ミレニアム・マンボ 4Kレストア版(2001年製作の映画)

4.2

冒頭の音楽とヴィッキーの歩く後ろ姿からずっと浮遊感がある映画でした。

2001年を振り返るモノローグ
思い出の中にはいつでも酒・タバコがある退廃的な生活。
仮初のように煌めくライトの中では楽しく過ご
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

-

美術館のアート作品を観ているような感じでしたが、静寂からの突然の爆音にビビリの私は驚きまくってしまって、恥ずかしながらその記憶がほとんどを占めてしまいました。。

前知識があればもっと多くのことを理解
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コットンテール(2022年製作の映画)

3.8

リリー・フランキーさんと木村多江さんの演技が好きで、期待をしながら鑑賞しました。

泣きました。錦戸亮さんと高梨臨さんも含めて、みなさん演技が素晴らしかったです。
それにイギリスの風景もとても綺麗でし
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.2

正直、眠くなかったと言えば嘘になります。ただ、ラストシーンが本当に素晴らしくて、余韻がずっと残っていて、振り返るとこのラストのために必要な3時間だったのだなと思いました。
内容の一つ一つを考察するより
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王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

おもしろかったー!
スケジュール的に64分版しか観れなかったのが心残りです。

繰り返しの映像で役者の方の演技が洗練されていく様子、
「王国」とは何かというサスペンス的な要素の2つが重なって、食い入る
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.8

冒頭から映画の世界に引き込まれたような気がします。自分を豊かにしてくれるものは何だろうと、鑑賞しながら考えていました。

世の中には、アピールがすごいミニマリストとか、他人の添え物であることを自慢する
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

幼い頃に金曜ロードショーで観たジブリ作品は、何も知らなくて、よくわからない物語で、だけどワクワクと惹き込まれる世界があって。
『君たちはどう生きるか』を大人になって観て、そんな気持ちで満たされたような
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.1

木々の緑や空の青さがきれいで、流れる音楽が心地よくて、このままの時間が続けばいいのにという気持ちになりました。

冒頭は観ていてつらかったです。
ミルクを溢されてしまったことを誰にも言えず、ただぎゅっ
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彼方のうた(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

前作の『春原さんのうた』が、鑑賞後もずっと心に残っていて、あの雰囲気を味わいたくて本作も鑑賞しました。

こちらの作品もやっぱり説明的なものはなくて、それでも漂う喪失感があって。
たまたま登場人物たち
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違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

4.5

中島歩さん目当てで、前情報ほぼなしで鑑賞

めちゃくちゃおもしろかったです!
ずっと笑ってました!

初めの気まずい会話が本当に気まずくて
(あ、無理な映画かも…)と思ったのですが、
会話のテンポが上
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市子(2023年製作の映画)

5.0

※スコア5をつけるのは勇気がいりますね…

茹だる暑さと湿った空気感の中で、市子という底知れない存在に怖さを覚えました。

初めて観たのは2023年12月末で、あまりに圧倒された自分には「凄い」という
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.0

シネマサロンのお三方が絶賛されてたので、勇気を出してチケットを購入。

ショッキングなシーンが続くものの、気がついたら前のめりになって観ていました。
(最後列の席なので後ろの方の邪魔にはなってないです
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燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火(2022年製作の映画)

3.0

予告編だけを見てすでに泣きそうだったので、すごく楽しみにしていました。

お話としては良かった。
良かったんですが、なんというか”深くないなー”という感想です。
登場人物の心情もころころ変わるし、困難
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.8

ジオラマの中に入ったような可愛くて細やかな造りにワクワクしました!

ウェス・アンダーソン監督の作品を観るのは『アステロイド・シティ』から2作目なのですが、こういう章立てが好きなのかな?

おかしくて
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恋は光(2022年製作の映画)

4.5

ありきたりな恋愛映画と思ってたけど、
綺麗な言葉と瑞々しい雰囲気の中で、哲学的に「恋を定義」しようとするのが面白くて切なくて。
他の恋愛映画と違う独自の作品だなと思いました。

恋の光が見えるというフ
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658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ泣きました。

行きずりの人たちには伝えられない気持ちも、道中に見える父の幻には心の底の想いをぶつける。それでも、生きているあいだにはこんな風に言えなかったのかもと思うと、寂しくやり切れな
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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001年製作の映画)

4.0

もともと『The Origin of Love』という曲が好きで知ってた映画ですが、配信で観れました。
ロック・ミュージカルと言うのか、どれもこれも曲が良くて楽しかったです!

下品で馬鹿らしいけど、
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春原さんのうた(2021年製作の映画)

4.3

ずっと気になってた作品をようやく観ることができました。

物語の説明はないし、登場人物が誰なのかもはっきりとはわからない。
それでもじわじわと感じる喪失感に、つい見入ってしまいました。

人って多くの
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欲望の翼 4Kレストア版(1990年製作の映画)

4.0

やっぱりウォン・カーウァイはすごい監督だなと思いました。
惹き込まれる映像と色使い、繰り返し流れる音楽が印象的です。

なんといっても、セリフが憎いなと。
「君といたこの一分を忘れない」
明らかに慣れ
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.5

公開前からいろいろな方の期待値の高さを見聞きしながら、ようやく鑑賞できました。

大きな出来事があるわけではないけど、そっと自分の中に映画の世界が入ってくるような感覚。
初めて食事をするときに花を買っ
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