CHEBUNBUNさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

リリス(1964年製作の映画)

4.0

【あなたは段々夢中になる......】
カイエ・デュ・シネマベストに選出されたサイコスリラー『リリス』がAmazon Prime Videoにてレンタル配信となっていたので観た。これがめちゃくちゃ怖か
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サント VS ゾンビ(1962年製作の映画)

3.2

【独特なサント映画文化に触れる】
先日、MUBIでメキシコのB級映画『ダークナイト・レディ』を観たところ、謎に主張の激しいプロレス描写があった。メキシコにはサント映画というジャンルが存在する。メキシコ
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シティーハンター(1993年製作の映画)

3.5

【ジャッキー・チェンはアスファルト切りつける】
『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』公開が楽しみだったので、ジャッキー・チェンの実写版を観てみた。原作崩壊と悪名が高い作品なのだが、
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ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

4.5

【ウィリアム・キャッスル的楽しさに満ちた怪作】
ディズニーランドの人気アトラクションの映画化『ホーンテッドマンション』が日本公開された。実は10年以上前にも映画化されており、本作はリメイクとなっている
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.0

【フレームの外側の傍観者】
ウェス・アンダーソン新作『アステロイド・シティ』を観た。最近の彼の作品は、空間造形に執着したものが多く、内容自体はよくわからないイメージがある。ただ、彼の画郭やジャンルを横
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お受験(1999年製作の映画)

4.0

【矢沢永吉主演の異色作】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=QGX0vmImfz0

Amazon Prime Videoでは日本映画が充実している。漁っていた
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

5.0

【巨大ザメVS戦いながら回復する男ジェイソン・ステイサム】
夏だ、サメだ、ステイサムだ!ジェイソン・ステイサムが能天気な人間たちの尻拭いをしながらサメと戦うシリーズ第2弾『MEG ザ・モンスターズ2』
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破壊の自然史(2022年製作の映画)

3.2

【廃墟の中で生きた証を残す】
セルゲイ・ロズニツァのアーカイブドキュメンタリーシリーズ『破壊の自然史』を観にシアター・イメージフォーラムまでやってきた。イメージフォーラムでは『オオカミの家』が異例の連
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タブロイド紙が映したドリアン・グレイ(1984年製作の映画)

3.5

【メディアは混沌】
昨今、流行っているリバイバル、レトロスペクティブ上映にまさかのウルリケ・オッティンガーが参戦していて驚いた。オッティンガー監督は、大学時代に学部倉庫で『フリークス・オルランド』のV
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ハンナだけど、生きていく!/ハンナはいつも、アイされたい(2007年製作の映画)

1.5

【グレタ・ガーウィグの自由な動き】
『バービー』でグレタ・ガーウィグがまた注目されたのでマンブルコア時代の作品『ハンナだけど、生きていく!』を観た。MUBIが比較的マンブルコア映画を取り上げているので
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二階の他人(1961年製作の映画)

3.0

【山田洋次デビュー作はサラリーマンが主人公】
Amazon Prime Videoで山田洋次デビュー作『二階の他人』が配信されていたので観た。Amazon Prime Videoの邦画充実度は本当に高
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日本春歌考(1967年製作の映画)

3.0

【なんとなくデモに参加する動きに注目】
Amazon Prime Videoを漁っていたら大島渚の『日本春歌考』があったので観てみた。

大学受験生の行き場のない鬱屈した感情と性欲を描いた大島渚監督作
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

1.0

【いくらなんでも安直すぎでは?】
第73回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で話題となったA24映画『PAST LIVES』を観た。A24は『フェアウェル』や『エブリシング・エブリウェア・オール・
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おーい!どんちゃん(2021年製作の映画)

5.0

【赤子を拾って幕開ける輝ける青春】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=Blt4zfOkShA

映画界隈で密かに話題となっていた沖田修一監督作『おーい!どんちゃ
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アウシュヴィッツの女囚(1948年製作の映画)

3.7

【暴力は続くよどこまでも】
MUBIで『アウシュウィツの女囚』を見つけたので鑑賞した。予告編を観た感じ『パサジェルカ』さながらの強烈な画だったのだが、本編はそれ以上のパワフルさを持っていた。

物陰か
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こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

3.5

【サラリーマンは下町に降り立った】
2023/9/1(金)より山田洋次監督最新作『こんにちは、母さん』が公開される。劇作家・永井愛の戯曲の映画化となっており、『母べえ』『母と暮らせば』に引き続き吉永小
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父と暮せば(2004年製作の映画)

3.0

【罪悪感と内なる対話】
8月なので原爆関連の映画を観てみようと『父と暮せば』を観た。本作は山田洋次『母と暮せば』の元ネタでもあり、あちらは二宮和也の怪演が魅力的な作品であった。

先日観た『ドイツ・青
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カラマーゾフの兄弟(1968年製作の映画)

3.0

【3時間あるがRTA並みの疾走感!】
超長尺映画特集配信をするにあたって、10年近く積んでいた『カラマーゾフの兄弟』を観た。言わずと知れたドストエフスキー代表作の映画化である。制作途中でイワン・プイリ
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キエフ裁判(2022年製作の映画)

3.0

【魂を失った者たちの証言集】
ここ数年は定期的にセルゲイ・ロズニツァが日本に紹介されている。『破壊の自然史』と共に『キエフ裁判』がシアター・イメージフォーラムにて公開されていたので仕事終わりに観てきた
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真昼の不思議な物体(2000年製作の映画)

3.5

【アピチャッポンの奇妙な時空間結合】
MUBIにアピチャッポン・ウィーラセタクンの初長編監督作『真昼の不思議な物体』があった。彼の作品で流れる時間は独特なのだが、本作もその潮流に乗っているものであった
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パージ(2013年製作の映画)

3.0

【お父さん.....殺人鬼の顔をしているよ】
ブラムハウス配信ができるためのセットアップとして『パージ』を観た。シリーズ化されている人気作なのだが、実は未観だったりする。意外とブラムハウス映画は抜けが
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芙蓉鎮(1987年製作の映画)

3.0

【行き着く先は静謐と郷愁】
TSUTAYA渋谷店からVHSがなくなるらしいので、VHS時代の映画を観ている。今回は『芙蓉鎮』を観た。キネマ旬報ベスト・テンに選出されたことで知られる作品だ。

文化大革
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ドイツ・青ざめた母(1980年製作の映画)

3.2

【罪悪感を抱きながら生きる】
TSUTAYA渋谷店からVHSがなくなってしまうようなので、VHS時代の映画を観てみた。『ドイツ・青ざめた母』は1981年のカイエ・デュ・シネマベストテンに選出された作品
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バービー(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

【何者にもなれるは、何者かにならないといけないと表裏一体だった件】
米国で『オッペンハイマー』と共に盛り上がりを魅せて、"Barbenheimer"というネットミームが生まれたものの、原爆とバービーの
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ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.5

【RTAしても裏をついてくる黒幕】
YouTube配信で「ブラムハウス特集をやってほしい」とリクエストがあった。ホラー映画系は最近あまり観ないので、ブラムハウスは結構穴が大きい。折角リクエストもらった
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蜃気楼(1971年製作の映画)

3.0

【ヘルツォークのまだ見ぬ世界に対する渇望】
最近、リモートワークが多くなってきたので、昼休みにサクッと観られる作品をMUBIで探している。そんな中、ヴェルナー・ヘルツォークのドキュメンタリー『蜃気楼』
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しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

【運動の魅せ方は最高だがラストがグロすぎた件】
夏休みシーズンですね。映画館は子ども向け映画が多数上映されている。こういう時こそ映画館で一緒に盛り上がりたいところ。今年の夏は観客が映画館に戻ってきた感
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

【実はシビアで画期的な会話劇だった件】
最近、創作に忙しく映画館サボり気味な私ですが、夏休み映画をしっかり観ておく必要性を感じ劇場へと足を運ぶ。今回はピクサー最新作『マイ・エレメント』を観た。正直、火
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インビジブル・シャーク(2023年製作の映画)

4.5

【見えないものを共有すること】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=kHA2mpN7HsQ

2022年、サメ映画界隈を騒然とさせた「サメの出ないサメ映画」こと『ノー
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黒い雨(1989年製作の映画)

4.5

【戦争はまだ終わっていない】
『オッペンハイマー』、『バービー』から生まれたネットミームが炎上している。原爆がカルチャーのおもちゃにされ、映画の宣伝がそれに乗ってしまったことで事態は大きくなってしまっ
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パート2(1975年製作の映画)

4.5

【ゴダールによるふたつの世界?いや3つ、4つの世界】
映像制作をするようになり、実験映画を掘ってみたいなと思ってゴダールの『パート2』を観た。丁度、レフ・マノヴィッチ「ニューメディアの言語」を読んでい
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涎と永遠についての概論(1951年製作の映画)

4.0

【映像制作のアイデア集】
最近、ゲーミングPCを買ったので本格的に映像制作に挑戦している。また新しい会社が広告系の会社なのでメディアの勉強をしたいなと思っている。その中で以前から気になっていた『涎と永
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ソウルに帰る(2022年製作の映画)

3.5

【アイデンティティの揺らぎの中、他方を拒絶して】
昨年の東京フィルメックスで話題となった『ソウルに帰る』を観た。自分のオールタイムベスト小説に李良枝『由煕』があるのだが、それに近いアイデンティティの揺
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We're All Going to the World's Fair(原題)(2021年製作の映画)

4.5

【異界の扉が開かれた】
先日、2023年上半期映画ベスト配信でSailさんがベストに入れていた『We're All Going to the World's Fair』が私の専門領域の映画っぽかったの
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ミラノの奇蹟(1951年製作の映画)

5.0

【ヴィットリオ・デ・シーカの画作りが凄すぎた件】
最近は出勤の際にMUBIで映画をダウンロードして観るのが日課となっている。MUBIではヴィットリオ・デ・シーカ特集が組まれているので試しに『ミラノの奇
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フィフィ・マルタンガル(2001年製作の映画)

3.5

【ジャック・ロジエ、グダグダ茶番劇のスペシャリスト】
レトロスペクティブ上映が熱い2023年にジャック・ロジエがやってきた!ジャック・ロジエ自体は数年に一度のペースでレトロスペクティブが組まれており珍
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