netfilmsさんの映画レビュー・感想・評価

netfilms

netfilms

映画(1586)
ドラマ(0)
アニメ(0)
  • List view
  • Grid view

さがす(2022年製作の映画)

4.3

 夜の喧騒の中に少女の姿はある。息を切らしながら、必死に何かを追うその姿は何かしらの切迫感に満ちているのだが、当の本人は少女のそんな思いなど知る由もない。だが父の姿がどこに在るかわかるだけで楓(伊東蒼>>続きを読む

仮面(1987年製作の映画)

3.9

 いかにもセット丸出しのピンク色のTVセットの中で、余命を楽しむか弱き老夫婦たちが世界旅行を賭けて熾烈な戦いを繰り広げる。その様子を司会として纏めるのはクリスチャン・ラガニュー(フィリップ・ノワレ)と>>続きを読む

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

4.5

 兄と妹はその日もいつもと同じようにバスに飛び乗った。最後尾の座席に腰掛け、ふと横に目をやると母が笑顔で手を振っている。その様子を見もせずに兄は黙ってAKIRAの大判本に目をやるのだ。仲良しの兄妹のい>>続きを読む

フォーエバー・パージ(2021年製作の映画)

2.9

 移民増加により、ポジションを追われた白人たちは移民たちへの憎悪を滾らせていた。そこでNFFAが再び返り咲いたアメリカ政府はあろうことか悪名高き「パージ」の復活を宣言する。パージとは12時間だけ殺人を>>続きを読む

大河への道(2022年製作の映画)

3.7

 大河への道というと我々日本人は信濃川とか利根川あたりに連なる道を想像してしまう。しかしこの場合の大河はその大河ではなく、大河ドラマの大河だというあたりが面白い。近年はすっかりコメディアン的な立ち振る>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.2

 園子温への告発が何やら別の監督への告発にも繋がり、映画界全体に暗いムードがラベリングされてしまう昨今の邦画業界の実情をそのままアニメ業界にトレースしたようなギスギスとした内容だ。連続アニメ『サウンド>>続きを読む

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.3

 最初、フレームの中の動きが一切ないように思え、スクリーンの中の絵にずっと没入した途端にあの恐怖の物音が聞こえ、心底ギョッとしてしまった。ホラー映画的な怖さとはまったく異質なその不気味で大きな物音は、>>続きを読む

ツユクサ(2022年製作の映画)

3.5

 波の穏やかなとある港町で、タオル工場で働く五十嵐芙美(小林聡美)は慎ましい女性そのものだ。50を目前にした彼女は同じ会社で働く同僚(平岩紙)の息子を親友と呼び、決して子ども扱いしない。その理由は後に>>続きを読む

アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ(2021年製作の映画)

3.5

 ルーマニアの首都ブカレストにある名門校で教師を務めるエミ(カティア・パスカリウ)は、夫との愛の営みを撮影したプライベートセックス映像が修理屋によってインターネットに流され、生徒や親の目に触れてしまう>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

3.9

 17歳のサーリャ(嵐莉菜)は幼い頃、クルド人の家族と共に生活していたドイツを逃れて日本を訪れた。父はドイツでデモに参加したかどで収監され、家族の平穏の為に遠く離れたこの地を選んだのだ。今では父・マズ>>続きを読む

チェルノブイリ1986(2020年製作の映画)

3.6

 1986年4月26日、旧ソ連ウクライナ共和国の北辺に位置するチェルノブイリ原発で、原子力発電所史上最悪の事故が発生した。今作は20世紀の未曽有の災害として語り継がれるこの事件を圧倒的なスケールで描い>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

3.1

 夕方の公園は降り続く雨のせいで空気まで濡れ、底冷えするような寒さだった。少女の目からはなぜだかわからないが涙が溢れ、塞ぎ込んだ場所から一歩も動くことが出来ない。そんな少女に傘を差し出してくれたのは、>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.8

 怪獣を禍威獣と名付けたあたりにほうほうそう来たかと胸の高鳴りが止まらない。次々と巨大生物が押し寄せ、もはやそれが事件ではなく日常となった日本。禍威獣たちもどういうわけか日本以外には襲来しない。自衛隊>>続きを読む

オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)

3.7

 没後30年あまりを経過した今もなお、彼女の死は色褪せないばかりか、かえって存在感を増しているように思える。そんな女優はおそらく世界に彼女しかいない。生きていれば90歳を超えていたはずの彼女が死んで四>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.3

 ジャンヌ(デルフィーヌ・セイリグ)はブリュッセルの決して広くないアパートに暮らしている。カーテンは引いているはずだが、その部屋は上層階だからかネオンの点滅が映り込みなかなか落ち着かない。ガスで湯を沸>>続きを読む

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.8

 fランでも名門でも大学はこんなはずじゃなかったと思うところからがスタートであり、家庭にも大学にもどこにも居場所がなく、ひたすら退屈な日々を持て余していた筧井雅也(岡田健史)にとっては、彼から不意に送>>続きを読む

英雄の証明(2021年製作の映画)

4.3

 刑務所の休暇システムにより、ようやく娑婆に出て来た男の足取りは軽やかになるどころか、どこか頼りなくふらついているように見える。その様子が古都シラーズの巨大な遺跡と対比的に遠景で描かれる様が圧巻だ。元>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

4.1

 爆竹の破裂音に魅せられた少年は両親からすれば純粋で可愛いかもしれないが、傍から見れば近所迷惑なガキでしかない。それでも両親はこの子供を健気にも自由に育てようとし、彼の行動を一切咎めたりしない。この両>>続きを読む

インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)

4.2

 酷い高熱にうなされるようにとにかく難解で、物語なんてほとんどわからないのだけどそれでも凄まじい映画を観たという感慨だけは今もなお消えない。それ程強烈でカッコイイ映画体験をした。この映画に関してはそれ>>続きを読む

マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

4.1

 何だか観る前はキャリア・ウーマンが新米おじさんと出会って生き方を考える『マイ・インターン』と、全ての働く女性必見の『プラダを着た悪魔』と、思春期の女性たちの葛藤を描いた『若草物語』を足して3で割った>>続きを読む

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.7

 自撮り棒で撮られたYOUTUBE映像に映った仲睦まじい家族の姿。素直でおとなしい一姫二太郎を持つ裕福な家庭の母親(ソフィア・ヘイッキラ)はびっくりするくらい美人で、芸能人のようにキラキラしていて、子>>続きを読む

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.1

 『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の多幸感溢れるクライマックスのカタルシスの余韻が冷めぬまま登場したMCUの新作は、姉妹編であるSSUで試みた「マルチバース」を更に押し広げた意欲作だ。『スパイ>>続きを読む

ダークマン(1990年製作の映画)

4.2

 人工皮膚の画期的な研究を続けるペイトン・ウェストレイク(リーアム・ニーソン)は、いかにも科学の世界だけに生きて来た不器用な男で、今の研究は佳境に差し掛かろうとしていた。愛する女で弁護士のジュリー(フ>>続きを読む

スペル(2009年製作の映画)

3.6

 銀行の融資担当として働く行員のクリスティン・ブラウン(アリソン・ローマン)は、次期次長候補のアジア人に勝って次長へと昇進するため、支店長のジャックス(デヴィッド・ペイマー)に言われた通りに仕事を遂行>>続きを読む

死霊のはらわたIII/キャプテン・スーパーマーケット(1993年製作の映画)

3.5

 ガールフレンドのリンダと山奥に迷い込んだ2人は、呼び覚ましてしまった悪霊たちとの戦いの末、時空の歪みから中世へとタイムスリップしてしまう。前作ではデニス・ビクスラーだったリンダがブリジット・フォンダ>>続きを読む

N号棟(2021年製作の映画)

3.7

 寝れない眠れないと言いつつ、それはTV受像器を付けっぱなしでかつ、その真ん前でソファーになんか横になるからだと言いたくなったものの、モラトリアムにどっぷり浸かったこの世代特有の症状としてしばしば「不>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

4.1

 カミーユという魅惑的な名前に対し、男と女の性別を勘違いしたエミリー(ルーシー・チャン)は突如ドア越しに現れた褐色の肌の男に驚く。だが男のあまりにも楽天的な笑顔に何かを感じ、すぐに男女の関係になる。オ>>続きを読む

死霊のはらわた II(1987年製作の映画)

3.8

 ガールフレンドのリンダ(デニス・ビクスラー)との楽しいドライブ中に山荘を偶然見つけて、若い2人にはモーテルより安上がりだと思ったかもしれない。だがそれが全ての間違いの始まりなのだ。勝手に入り込んだア>>続きを読む

死霊のはらわた(1981年製作の映画)

4.1

 若者たちは楽しい休暇を過ごそうとフロリダ州ジャクソンビルへと向かう。カップル2組とその姉の5人を乗せた車中は完全に浮かれ気分で、あえて誰も来ないような田舎町を独り占めしようと目論んだのがそもそもの誤>>続きを読む

ある夜、彼女は明け方を想う(2022年製作の映画)

2.9

 たかだか20代半ばくらいで、人生の勝ち組などと声高に言う上っ面だけ並べ立てる幹事の言葉に心底嫌気が差したあまりにも善良な2人は、明大前の夜の街に自然と吸い込まれて行くのだが、それは2人にとって起きて>>続きを読む

明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.8

 たかだか20数年生きただけで、「人生の勝ち組」などと自慢気に話す人間の呆れるような浅はかさはともかくとしても、やはりバカな連中が楽しむ空間そのものに居心地の悪さを感じる若者も少なからずおり、彼らは微>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.8

 常軌を逸した痛みの映画だ。近年のホラー映画やアクション映画でもこれだけ覚悟を持って「痛み」と向き合う作品は他に例がなく、その覚悟だけで満点を上げたい衝動に駆られる。そもそもホラー映画やアクション映画>>続きを読む

マリー・ミー(2022年製作の映画)

3.2

 90年代恋愛映画の金字塔である『ノッティングヒルの恋人』の「男は夢と寝て、目覚めて現実に幻滅する」というアナの言葉は、今でも心に残る名台詞で、恋愛映画の原理をこれ以上ないほど言い当てている言葉だと思>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.8

 モノクロームで切り取られた高層ビル群と垂直に並んだハイウェイの様子に、マイク・ミルズが切り取る品の良いアメリカの都市の風景が滲む。財政破綻したデトロイトを最初に持ってきた辺りからも、今作が古き良きア>>続きを読む

ウソはホントの恋のはじまり(2013年製作の映画)

3.8

 売れた映画の小説化の時にだけ、出版社に呼ばれるうだつの上がらない小説家のサム(ジャスティン・ロング)は、自分自身の人生に心底ウンザリしていた。たまたま当たったノベライズに気を良くしたエージェントのア>>続きを読む

ラブ・アフェア 年下の彼(2012年製作の映画)

3.5

 列車の進行側と反対に座った2人は互いに俯き、本を読みながら会話のない時を過ごす。その姿はいかにも理想的なカップルのように見えるが実はそうではない。クラシックのオーケストラに所属するビオラ弾きのレオナ>>続きを読む

>|