netfilmsさんの映画レビュー・感想・評価

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1日1本入魂レビュー。
月1回、筆者の映画のワークショップを開催しています。
19夜目はラリー・クラーク&ハーモニー・コリン特集です。
2018.11.22.(木)21:00~03:00 『映画の日 19』charge:500yen
@Music Bar LYNCH  栃木県宇都宮市二荒町8-12

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ノン、あるいは支配の空しい栄光(1990年製作の映画)

4.0

 1974年春、アフリカとの植民地戦争を繰り広げていたポルトガル兵士たちが不毛な戦争について語り合う中、カブリタ少尉(ルイス・ミゲル・シントラ)はポルトガルの敗北の歴史について話し始める。彼が語る過去>>続きを読む

穴を掘る(2017年製作の映画)

3.8

 林の中を左から右にうな垂れるように歩く男の姿。抜け殻にでもなったかのようにスコップ片手に歩く男の背中はどこか寂しげで精気がない。帰社直前のオフィス内、男はデスクワークを片付けると無人駅へと足を走らせ>>続きを読む

神曲(1991年製作の映画)

3.7

 物語は、ある精神病院という空間に限定される。「精神を病んだ人々の家」という名の精神病院には様々な人物が入院している。冒頭、おそらくアダムとイブらしき全裸のカップルが庭内におり、それを院長や患者が全員>>続きを読む

メフィストの誘い(1995年製作の映画)

4.0

 パリに暮らす米人文学研究者のマイケル(ジョン・マルコヴィッチ)は、フランス人の妻ヘレン(カトリーヌ・ドヌーヴ)を連れ、シェークスピアの出生の秘密の研究をするため、アラビダの古い修道院を訪れた。彼らを>>続きを読む

ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区(2012年製作の映画)

3.8

 フィンランドのカウリスマキ弟、スペインのペドロ・コスタとヴィクトル・エリセ。そしてオリヴェイラというヨーロッパ映画の4人の巨匠たちがポルトガルの建国の歴史に迫った4本のオムニバスをまとめた作品。オリ>>続きを読む

夜顔(2006年製作の映画)

4.1

 初老の紳士アンリ(ミシェル・ピコリ)は、パリのコンサート会場で、はるか昔の知人を発見する。それは、アンリのかつての友人の妻セリジだったが、彼女はアンリを避けるように足早にその場を立ち去ってしまう。し>>続きを読む

ハニートラップ 大統領になり損ねた男(2014年製作の映画)

4.2

 SEX依存症のフランス人政治家デヴェロー(ジェラール・ドパルデュー)は、ニューヨークの高級ホテルでコールガールたちと乱交騒ぎを起こした翌朝、「部屋の掃除中に、性行為を強要された」と主張する黒人客室係>>続きを読む

ミッション:インポッシブル3(2006年製作の映画)

3.9

 スパイを引退したイーサン・ハント(トム・クルーズ)は、婚約者のジュリア(ミシェル・モナハン)と幸せな日々を過ごしていた。新人スパイの教育に当っていたイーサンだが、教え子リンジーが誘拐されたことを知ら>>続きを読む

ワンダーガールズ東方三侠2(1993年製作の映画)

3.7

 舞台は前作の現代からまったく時代を変えた近未来。核で荒廃し、放射能に汚染された香港は水源が滅び、人々は貧困に飢えていた。浄水施設から運ばれて来る僅かばかりの水は、山賊たちの奪い合いとなり、とて庶民に>>続きを読む

エベレスト3D(2015年製作の映画)

3.7

 1996年、ある旅行会社が1人65,000ドルでエベレスト営業公募隊を募集した。探検家のロブ・ホール(ジェイソン・クラーク)が引率し、世界中のアマチュア登山家と共に5月10日に登頂を果たすというツア>>続きを読む

バクマン。(2015年製作の映画)

3.9

 冒頭、雑然とモノが敷き詰められた空間で、うとうとしている男の携帯が鳴る。漫画の持ち込みに関する連絡で、適当にあしらうというよりは、彼らの作品に期待する立派な編集者である。そこからタイトルバックで少年>>続きを読む

ローカル・ヒーロー/夢に生きた男(1983年製作の映画)

3.9

 マッキンタイアはメキシコでの実績を買われ、スコットランドの用地買収プロジェクトのリーダーに抜擢される。彼は自分のルーツを偽っているが、ハッパー社長は大らかな人間で、星を見たら知らせるようにとだけマッ>>続きを読む

今年の恋(1962年製作の映画)

3.8

 高校生の山田光(田村正和)と相川一郎(石川竜二)は非常に仲が良く、いつもくっついてばかりいた。成績は二人ともよくない。一郎の家は銀座の“愛川”という料理屋で、父の一作(三遊亭円遊)は職人気質でお人好>>続きを読む

幻の薔薇(2009年製作の映画)

4.0

 戦争から開放され、マージョリー(レア・セドゥ)はパリに出て美容サロンで働き始める。バラ栽培の研究者ダニエル(グレゴワール・ルプランス=ランゲ)と出会い結婚、念願のアパルトマンを手に入れる。美しいもの>>続きを読む

撤退(2007年製作の映画)

3.9

 冒頭、列車に乗った男がすれ違った女にタバコを1本ねだる。女はオランダ製の巻き紙が良いかフランス製の巻き紙が良いか尋ねる。ファースト・シーンに象徴的なように、国籍というのは複雑であり、自分の祖先を辿れ>>続きを読む

フリー・ゾーン 明日が見える場所(2005年製作の映画)

3.7

 ユダヤ系アメリカ人のレベッカ(ナタリー・ポートマン)はエルサレムに数ヶ月住んでいたが、イスラエル人の恋人と婚約を破棄し、ユダヤ人女性のハンナ(ハンナ・ラズロ)のタクシーに乗り込む。ハンナは用があると>>続きを読む

キプールの記憶(2000年製作の映画)

3.8

 冒頭、主人公の男が歩く様子を3つのロング・ショットでつなぐ。カメラは据え置かれ、街にはほとんど人がいない。今日は「ヨム・キプル」という名の贖罪の日であり、ユダヤ教徒は飲食、入浴、化粧などの一切の労働>>続きを読む

ケドマ 戦禍の起源(2002年製作の映画)

3.8

 開巻早々、女性とまぐわう1人の男性が大写しで映し出される。彼はそのまま果てることなく、未遂のまま船内からデッキへと登る。そこには船内以上に人々が密集し、寒空の中を寄り添うようにかがみ込み、小さく丸ま>>続きを読む

昔々、アナトリアで(2011年製作の映画)

4.3

 闇の中に浮かび上がる車の隊列が独特の雰囲気を醸し出す。3台の車を降りた男たちの中で、「ここか?」とある1人の男に声をかけるも、「ここではない」という気の無い返事が返って来る。どうやら彼らは主犯格の犯>>続きを読む

スリー・モンキーズ(2008年製作の映画)

4.2

 冒頭、夜道を走る1台の車が映し出される。乗っているのは1人の男で、今にも目が閉じんとす。彼は前の車をゆっくりと追尾するが、次のショットでは道路に人が横たわり、その斜め前方で先ほどの男が狼狽している。>>続きを読む

運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)

3.8

 貧しい家で暮らす少年アリ(ミル=ファロク・ハシェミアン)は、家の仕事のお手伝いで八百屋に寄った際、修理してもらった妹ザーラの靴をなくしてしまう。両親に怒られることを心配したアリは、ザーラに頼んで自分>>続きを読む

セックスと哲学(2005年製作の映画)

3.8

 冒頭、車内前方に40本の白いロウソクが並べられ、火が付いている。やがて自分の思い出を盛り上げてくれるような盲目の音楽家を道で拾い、彼の演奏を肴に男はゆっくりと独白を始める。詩人のジョーンは40歳の誕>>続きを読む

カンダハール(2001年製作の映画)

3.9

 アフガニスタンからカナダに亡命した女性ジャーナリストのナファス(ニルファー・パズィラ)は、ある日、地雷で片足を失ったため祖国に残した妹から、20世紀最後の皆既日食の前に自殺するつもりだという絶望の手>>続きを読む

蜂蜜(2010年製作の映画)

4.0

 冒頭、森の中に据え置かれたカメラがラクダと共に森に入る一人の男性を映す。男はある木にあたりをつけ、ロープを地上からかなりの高さの枝に巻きつけ、ゆっくりと木を登るが、残酷にも木の枝はミシミシと音を立て>>続きを読む

ミルク(2008年製作の映画)

3.9

 高校を卒業したばかりのユスフは、何よりも詩を書くことが好きで、書いた詩のいくつかを文学雑誌で発表し始めている。しかし彼の書く詩も、母親のゼーラと共に営んでいる牛乳屋も二人の生活の足しにはなっていない>>続きを読む

(2007年製作の映画)

3.9

 カプランオールの自伝的物語を描写した三部作は青年期から思春期へ、思春期から幼年期へと徐々に時間が退行していく不思議な物語である。イスタンブールで暮らす詩人のユスフは、母親の死の知らせを受け、何年も帰>>続きを読む

ある過去の行方(2013年製作の映画)

3.8

 フランス人のシングルマザー、マリー=アンヌ(ベレニス・ベジョ)は夫と別れて4年、正式な離婚手続きをとるため、今はテヘランで暮らすアーマド(アリ・モッサファ)をパリに呼びよせる。アーマドがかつて妻や娘>>続きを読む

別離(2011年製作の映画)

4.1

 イスラム教の厳格な社会は日本とは違って離婚が少ないと考えるのは早計である。イランにおける離婚率はここ数10年で急増しており、2000年の約5万組から2010年には約15万組に達した。これはおよそ3倍>>続きを読む

彼女が消えた浜辺(2009年製作の映画)

4.0

 テヘランからほど近いカスピ海の沿岸のリゾート地。セピデー(ゴルシフテェ・ファラハニー)は大学時代の友人たちに声を掛け、3日間のヴァカンスを過ごしに来る。メンバーはドイツでドイツ女性と離婚したアーマド>>続きを読む

CUT(2011年製作の映画)

3.9

 冒頭、映画への切迫した愛が堰を切ったように溢れ出し、主人公の秀二(西島秀俊)は街の喧騒の中を拡声器片手にただ叫ぶように彷徨っている。ここで敵対する「国家」や「映画界」のイメージはまったく出て来ない。>>続きを読む

リアリティのダンス(2013年製作の映画)

3.7

 ホドロフスキー自身の自伝的な物語を元に作られた『サンタ・アングレ』から24年振りの監督作。彼の70年代の初期作からは既に40年以上の月日が流れているが、未だにまったく古びていない。それどころか彼のル>>続きを読む

サンタ・サングレ/聖なる血(1989年製作の映画)

3.7

 サーカス団長のオルゴとコンチャの間に生まれたフェニックスは繊細で感受性豊かな少年。父オルゴは女たらしのサディストで現在の相手は“刺青の女”。少年はその養女6歳のアルマに一目惚れする。聖なる血を流す乙>>続きを読む

ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)

4.1

 キリストに似た盗賊(ホラシオ・サリナス)が十字架に張り付けにされ、裸の子供たちに石を投げつけられている。自らの力で十字架から降りた盗賊は、居合わせた奇形の小人と町へ向かう。盗賊は太った男たちに捕えら>>続きを読む

エル・トポ(1969年製作の映画)

4.2

 黒装束の流浪のガンマン、エル・トポ(アレハンドロ・ホドロフスキー)は、幼い息子を連れ砂漠を行く。行き着いた村は山賊の襲撃による大虐殺の後で、あたり一面血の海だった。エル・トポは、修道院に陣取る大佐ら>>続きを読む

フルスタリョフ、車を!(1998年製作の映画)

4.1

 映画はスターリン死去直前の1950年代の旧ソ連を舞台とする。主人公は首都モスクワの大病院に勤務する腕利きの名医で、1930年代の粛清を辛くも逃れた赤軍の将軍である。人間的にはかなりのトラブル・メイカ>>続きを読む

わが友イワン・ラプシン(1984年製作の映画)

4.2

 物語はある男の少年時代の回想で幕を開ける。少年の父親は刑事で、アコーシキンとイワン・ラプシンという同僚刑事たちと、警察の宿舎で生活していた。その頃、街では死刑判決をうけた脱獄囚ソロビヨフが度々殺人事>>続きを読む

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