netfilmsさんの映画レビュー・感想・評価

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HOW TO HAVE SEX(2023年製作の映画)

3.8

 ロンドンで暮らすタラ(ミア・マッケンナ=ブルース)、スカイ(ララ・ピーク)、エム(エンヴァ・ルイス)の親友3人組は、卒業旅行の締め括りに、パーティーが盛んなギリシャ・クレタ島のリゾート地、マリアを訪>>続きを読む

デッドプール&ウルヴァリン(2024年製作の映画)

3.8

 インフィニティ・サーガと呼ばれたフェイズ1~3は最高傑作『アベンジャーズ/エンドゲーム』を経て、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』で幕を閉じた。そこからMCU首脳陣は今後はメタバースを映画に>>続きを読む

化け猫あんずちゃん(2024年製作の映画)

4.1

 11歳の女の子かりんちゃんは浮かない表情で父・哲也と駅の改札を出る。父親は夏休暇を利用して娘を南伊豆の実家のお寺へと連れ帰るのだが、かりんちゃんはこんな田舎になんか来たくないのだ。おまけに寺にはあん>>続きを読む

逃走中 THE MOVIE(2024年製作の映画)

3.0

 フジテレビの『逃走中』も今年で20周年だそうでついに映画化と相成ったわけだが、最初観ていてクロノス社じゃないのかよと。クロノス社のクの字も出て来ない物語は当然、足立梨花も大竹しのぶも出て来ない。代わ>>続きを読む

墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

4.3

 凄まじい傑作。自分の感情がコントロール出来ないほど涙でグシャグシャになった。スクリーンで映画に感情を振るわされるというのは、こう言うことなんだと思う。『幸福なラザロ』も最初はよくわからない映画だった>>続きを読む

あのコはだぁれ?(2024年製作の映画)

3.8

 監督が清水崇であることは上映前の知識として入っていたが、私としたことが大変迂闊だった。臨時教師として補習クラスを担当していた君島ほのか(渋谷凪咲)に冒頭、「会わせたい人がいる」というスッとぼけたli>>続きを読む

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

4.1

 1969年、アメリカ。ケネディ大統領が宣言した人類初の月面着陸を成功させるアポロ計画から8年。未だ失敗続きのNASAに対しベトナム戦争への厭世観から国民の関心は薄れ、仮想敵ロシアが次々に成功を収める>>続きを読む

シークレット・ディフェンス(1998年製作の映画)

4.0

 「ジャック・リヴェットの知られざる傑作サスペンス、遂に公開」という非常に興味をそそられる謳い文句ながら、傑作と言うにはいささか憚れる大変珍妙な作品である。てっきり私はヌーヴェルヴァーグ勢きってのサン>>続きを読む

お母さんが一緒(2024年製作の映画)

3.7

 大好きな橋口亮輔監督の新境地と言うことで観に行ったのだが、う~んこれは私のツボにはハマらなかった。元々の原作はペヤンヌマキさんの演劇だと言うが、何でもかんでも映画に移植すれば良いという話ではない。親>>続きを読む

クレオの夏休み(2023年製作の映画)

4.0

 父親とパリで暮らす6歳のクレオ(ルイーズ・モーロワ=パンザニ)は、いつもそばにいてくれるナニーのグロリア(イルサ・モレノ・ゼーゴ )が世界中の誰よりも大好きだった。ナニーとは乳母のことを呼び、フラン>>続きを読む

ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ(2023年製作の映画)

4.0

 31分で1000円均一という料金設定がまず潔い。そしてこのカラフルな西部劇を撮ったのは、スペインの名匠ペドロ・アルモドバルだと言うことに二重に驚いた。舞台は1910年。若き日に共に雇われガンマンとし>>続きを読む

大いなる不在(2023年製作の映画)

4.1

 冒頭のまるでテロリストの家に飛び込むような緊迫した警察官とその家の主とのやり取りと、前衛的ワークショップにおける俳優とのやりとりが等価にインサートされるシークエンスを見て、なかなか素晴らしい緊張感の>>続きを読む

密輸 1970(2023年製作の映画)

4.0

 タイトルは随分と緊迫感があるかに見えて、めちゃくちゃ楽しかった。この楽しさに意味を見い出そうとしたら、私は真っ先に東映や日活の70年代アクションを連想した。韓国製レアグルーヴが大音量で掛かる中、女た>>続きを読む

メイ・ディセンバー ゆれる真実(2023年製作の映画)

4.2

 映画は冒頭、何気ない家族の姿を捉える。夫らしき大柄な人物はベランダでバーベキューコンロに熱を入れながら、缶ビールを飲んで待つ。その姿はこの家の主には見えず、どこか所在なさげに見える。台所へ戻った夫が>>続きを読む

Shirley シャーリイ(2019年製作の映画)

3.7

 妻ローズ(オデッサ・ヤング)は列車の中で、スティーブン・キングにも影響を与えたゴシック作家シャーリイ・ジャクスンの小説を読み、天啓のような何かを得る。それから信じられないことにパートナーのフレッド(>>続きを読む

胴鳴り(2024年製作の映画)

4.2

 月9ドラマの脚本を務め、今や人気絶頂の脚本家・大森直秀(古屋隆太)の元に不穏な予兆が届く。それは彼のトーク・ショー後のサイン会での不穏な視線の交差に他ならない。当初は列の前に並ぶ女性に照準が当たって>>続きを読む

YOLO 百元の恋(2024年製作の映画)

4.1

 オリジナルの『100円の恋』は多少どん臭いところはあったが、総じて良い映画だった。何よりも安藤サクラさんにとって出世作となった。それとは対照的に劇中で彼女が恋したボクサー役の俳優は性加害で、実刑4年>>続きを読む

先生の白い嘘(2024年製作の映画)

2.7

 今作の感想を書くのは非常に荷が重い。心底げんなりしている。劇場公開前日に、例のインティマシー・コーディネーター問題の標的になってしまった感はある。今後は大手流通の映画であれば、インティマシー・コーデ>>続きを読む

ふたごのユーとミー 忘れられない夏(2023年製作の映画)

3.7

 タイの監督さんの名前を覚えるのが本当に大変で、アピチャッポン・ウィーラセタクンですらようやく覚えたところに、それはもう古いんですよと後輩からドヤ顔で言われた時の衝撃が今も忘れられない。今はアピチャー>>続きを読む

ブリーディング・ラブ はじまりの旅(2023年製作の映画)

3.8

 あの『トレインスポッティング』の主人公ユアン・マクレガーに27歳になる娘がいるとは知らなかった。そのくらいに月日の流れは残酷である。しかもユアンの娘・クララは父とはまったく似ていない。仕事にかまけて>>続きを読む

フェラーリ(2023年製作の映画)

4.0

 フェラーリの名を堂々と冠しているからか、ジェームズ・マンゴールドの傑作『フォードvsフェラーリ』よりもどちらかと言えばヨーロッパの名家シリーズの没落ぶりを連作するリドリー・スコットの『ゲティ家の身代>>続きを読む

スリープ(2022年製作の映画)

4.0

 名匠イ・チャンドンやポン・ジュノに師事した34歳の監督デビュー作にして、何といきなりカンヌ国際映画祭の批評家週間に出品された今作。出産を控え、端役の俳優を続ける夫のヒョンス(イ・ソンギュン)と幸せな>>続きを読む

ビバリーヒルズ・コップ アクセル・フォーリー(2024年製作の映画)

4.0

 腐ってもビバヒルというか、腐ってもアクセルFというか、大好きなシリーズの30年ぶりの新作なので不安はあったが、終わってみれば圧倒的に楽しかった。中学の同窓会に行ったような心地がした。1では23歳だっ>>続きを読む

チャーリー(2022年製作の映画)

3.9

 職場でも自宅の近所でも偏屈者として知られ、楽しみといえば酒と煙草とチャップリンの映画だけという孤独な日々を送るダルマ(ラクシット・シェッティ)。そんな彼の元に、悪徳ブリーダーのもとから逃げ出してきた>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

4.3

 原作は恥ずかしながら未読と言うか、これだけ毎日映画を観ることに夢中になっているのでご勘弁のほどを。然しながら誰よりも濁りのない真っ直ぐな目で今作を見つめたところ、あまりの傑作ぶりに本気で驚いてしまっ>>続きを読む

ホテル・モンタレー/モントレー・ホテル(1972年製作の映画)

4.0

 前日の疲れを抱えたままで、1時間2分果たして静寂を保てるかどうか不安だったのだが、何とか完走!! お疲れさまでした。ゴダールの『気狂いピエロ』に何か決定的な影響を受けたシャンタル・アケルマンがベルギ>>続きを読む

言えない秘密(2024年製作の映画)

3.6

 ヨーロッパへのピアノ留学から帰国した湊人(京本大我)は音楽大学に編入するのだが、ピアノで生きるという目標をすっかり見失っている。まるで廃人のようなミイラになった湊人はひかり(横田真悠)の声も聞いてお>>続きを読む

リスト(2011年製作の映画)

4.3

 いや〜これは久々に面食らった。ホン・サンスはやはり観ていない作品の中に驚異的な1本がある稀有な作家なのだと今更ながら改めて思う。今回の菊川Strangerさんで開催中のホン・サンス映画祭で掛かる新作>>続きを読む

クワイエット・プレイス:DAY 1(2024年製作の映画)

4.1

 結論から申し上げて過去最高に面白かった。シリーズものの続編としてはこれ以上ないほど様々な「音を発してはいけない」パターンが盛り込まれ、一瞬たりとも飽きなかった。3本目がオリジナルより良いなどと言うの>>続きを読む

余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。(2024年製作の映画)

3.2

 何か純粋に真っ直ぐな瞳で今作を観ようと思っても、心が薄汚れてしまった私にはあまりにも住む世界が違い過ぎたかもしれない。『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』というタイトルを聞いて何も感じなか>>続きを読む

九十歳。何がめでたい(2024年製作の映画)

3.8

 予告編の毒にもクスリにもならないような物語のルックに多少敬遠はしたものの、原作は現在100歳になる佐藤愛子さんのエッセイの映画化で、同じ日本で暮らす人間として興味深く見つめた。断筆宣言をした90歳の>>続きを読む

向こう側から(2002年製作の映画)

4.0

 今回の『ドキュメンタリー3部作』の一挙上映を観ると、シャンタル・アケルマンがいかに地球の裏側で起きている悲劇に対して敏感だったのか?そしていかに彼女の人間に向ける眼差しが優しかったのかが手に取るよう>>続きを読む

朽ちないサクラ(2024年製作の映画)

3.8

 推しの萩原利久くん目当てで観に行ったのだが、冒頭の製作陣のロゴに、カルチュア・エンタテインメントの次にホリプロが出て来てしまった時点で何だかげんなりしてしまい、いや~これはしくじったと思った。けれど>>続きを読む

(1999年製作の映画)

4.3

 大傑作。現代のBlack Lives Matter以前からこのような痛ましい事件はアメリカでは多数起きており、その中のテキサスで起きた一事件にシャンタル・アケルマンはにじり寄るのだが、対象への関わり>>続きを読む

バッドボーイズ RIDE OR DIE(2024年製作の映画)

3.5

 およそ8年ぶりの『あぶない刑事』に続いて、4年ぶりの通算4作目だが、正直言ってこの手の映画は『48時間』や『ビバリーヒルズ・コップ』や『リーサル・ウェポン』と言った80年代ブロックバスターで成熟し、>>続きを読む

ザ・ウォッチャーズ(2024年製作の映画)

4.0

 M・ナイト・シャマランの娘イシャナ・ナイト・シャマランの監督デビュー作は、ほとんど父親と同じ質感と期待感なのにビビる。お父さんは製作総指揮に回っているが、これ素直に名義貸しなんじゃないかと思うほど、>>続きを読む