ロードムービーの佳作。「保釈保証業者」という日本では馴染みのない仕事が重大な設定として出てくるので、その点だけ事前に調べておくと吉(調べなかったので序盤のやり取りが少し意味がわかりづらかった)
元刑>>続きを読む
お手本のような三幕構成で、それぞれの「幕」で物語のペースが大きく変わることが特徴。
第一幕はアーミッシュの少年・サミュエル(ルーカス・ハース)がたまたま警官による警官殺しの現場を目撃してしまい、捜査>>続きを読む
本作の鑑賞日にたまたまラジオ「ハライチのターン」を聴いた。その中で結婚発表したハライチの岩井さんが「これまでは自分のことを好きな人が好きだったけど、(結婚相手の奥森)皐月はそうではなかった」(大意)み>>続きを読む
いまとなっては本格ミステリの定番モチーフとなった「交換殺人」を扱ったヒッチコックのサスペンス。というか、レイモンド・チャンドラーが脚本を担当しておりびっくり。
「交換殺人」ものといえば、「完璧と思わ>>続きを読む
毎度のことながら、ビリー・ワイルダー映画のお手本のようなテンポの良さと上品なユーモアには惚れ惚れする。
お屋敷の運転手の娘・サブリナ(オードリー・ヘプバーン)は大富豪であるララビー家の次男・デイビッ>>続きを読む
鮮烈すぎるラスト。エンドロールが流れた瞬間、思わず「おお……」と思わず声が漏れた。幕切れの素晴らしさだけでは生涯ベストクラス、全体を通しても今年を代表する傑作邦画であることは間違いない。
さまざまな>>続きを読む
冒頭、アン王女(オードリー・ヘップバーン)が過密な公務に飽き飽きしていることを、舞踏会の最中ドレスのスカートの中で靴を片方脱ぎ足を掻いているという描写によって、セリフなしで見事に表現している。最近、某>>続きを読む
「ジョン・ウィック」の先祖みたいな映画。「殺し屋ランキング」ってなに。
絵づくりがアバンギャルドかつ編集のリズムが独特(唐突?)なので、慣れるまで物語に集中するのは難しい。まあ、ただ殺し屋同士が殺し>>続きを読む
3回目の鑑賞。ほとんどのシーンが会議室で展開される「密室劇」の金字塔として、後世の作品群に影響を与えまくっているが、観れば観るほど脚本と演出の凄さを再発見させられる。
ナイフや眼鏡などの重大な手掛か>>続きを読む
いい作品ではあるのだが、やや食い足りない。せめて100分くらいあったらもっと感動できた気がする。とはいえ、いまの70分という尺が世界観にぴったりな気もするので悩ましい。
「動物が訪れる百貨店の新人コ>>続きを読む
アルコール依存症で売れない作家の主人公・バーナム(レイ・ミランド)は幻聴のように語りかけてくる酒の誘惑を「バイオリンのような細い声」として表現する。実際に映画のなかでは、アル中男の不安定な心理を体現す>>続きを読む
物語が目指すところや志は大いに買うものの、脚本が決定的に練り込み不足だと言わざるをえない。
以下、「俺が観たかったゴジラ-1.0」の妄想多めで、どうしても気になった箇所を書いていく。
まず前提とし>>続きを読む
「昔はよかった」と思いがちだったり、つい「過去の栄光」にしがみつきな人間にとっては、強烈なカウンターというか、めちゃくちゃ怖いホラーにもなりうる1本。
ノーマ・デズモンド(グロリア・スワンソン)はサ>>続きを読む
「スクリーンで観るべき映画」みたいな物言いはあまり好きではないが、本作に関しては訊かれると「うーん、スクリーンで観たほうがいいかも」と答えてしまうと思う。
本編がはじまる前に真っ暗なスクリーンに流れ>>続きを読む
『ニューヨーク1997』のリメイク的続編。「"犯罪者"を隔離する都市に主人公が潜入する」という魅力的な設定はそのままに、アクションシーンの迫力やアイデアは大幅に増量されている。
ラストの苛烈な文明批>>続きを読む
「タイムループもの」の偉大なる先行作として後年の作品たちに擦られ倒されてしまっているので、さすがにいま観るとそこまで新味はない。
しかし、ループをきっかけに皮肉屋で自己中心的な男が自らの人間性を見つ>>続きを読む
ロイドやキートンのサイレント映画を観ていてつねづね思うことだが、現代映画に慣れた我々をそれでも「ハラハラドキドキ」させてしまうのはほんとうに凄い。
むしろ、「どうせCGやろ?」とか「グリーンバックの>>続きを読む
「世界初の西部劇」あるいは「アメリカ映画では初めて本格的なプロットを持った作品」らしい。
客席に向けて強盗が発砲する唐突なラストカットは、ついつい現代の鑑賞者として深読みしそうになるが、これは単純な>>続きを読む
ラストの粋すぎるキスシーンが見事。笑えてほんの少し泣ける。このシーンのためだけに本作を鑑賞すべきである。
バスターキートンのアクションは相変わらずキレキレだが、本作は撮影技術の巧みさも目を見張る。と>>続きを読む
「サイレント映画」はトーキーにくらべると尺が短めでわりあいシンプルなお話が多いが、当然ながら「音声」がないため映像内で展開されるアクションを自分の脳内で情報として処理をする必要がある。
シーンの連続>>続きを読む
考えれば考えるほど、どこまでが本当でどこからが幻想なのか混乱し、頭がバグりそうになる。
元アイドルの新人女優が妄信的なストーカー男に追い回されるサイコホラーかと思えば、それは映画の導入部分に過ぎず、>>続きを読む
鮮烈なラストにびっくり! 男女が結ばれるまでを描いたある種、典型的なロマンティック・コメディではあるものの、「恋愛」というテーマに対して意外にも現代的な結論を引き出してみせる着地には大いに驚かされた。>>続きを読む
快作〜!!!! 時速80キロ以下で爆発する路線バスという設定、警察の二手三手先を読む爆弾魔の策略、ヒヤヒヤ連発のアクション、気の利いた会話、鮮やかな伏線と回収、ジャック(キアヌ・リーブス)とアニー(サ>>続きを読む
『ゴッドファーザー』×『凶悪』に「北九州監禁殺人事件」のエッセンスもブレンドされている、と言えば、本作の邪悪さが少しは伝わるだろうか。これが史実をもとにした作品というのだから、ほんとうに恐ろしい。>>続きを読む
活弁つきで鑑賞。
前半はブラウン・アイズと呼ばれる茶色の牛と心通わせるまでをキートン映画にしては比較的静かに描くが、後半のロサンゼルスに大量の牛が放たれ街を大騒動に叩き込んでいくシークエンスから、映>>続きを読む
活弁つきで鑑賞。
基本的には軽く観られるコメディ映画なのだが、ラストにかけて前中盤で張った伏線を回収する形で連続で爆発的な笑いをつくっていくやり口は、まるでM-1グランプリなキングオブコントで見かけ>>続きを読む
脂が乗りまくってるアナキン・スカイウォーカーと"女版アナキン"的な跳ねっ返り娘っぷりを見せつけるアソーカ・タノの組み合わせが楽しい。こいつらずっと口喧嘩してんな。
公開当時は「スター・ウォーズでアニ>>続きを読む
タランティーノ映画のなかではぶっちぎりでピンと来ず……! 監督とおなじ熱量でオマージュ先への"偏愛"を僕が抱けなかったからだろうか。
チャプター形式で綴られる物語は章ごとの有機的な連続性を見出せず、>>続きを読む
ラストひとつ前の「どじょう」を巡るやり取りが素晴らしく、ここで映画全体の評価をぐっとあげる。
僕なりに本作のテーマをまとめると、「言い出しづらいこと」だろうか。
味噌汁に入ったどじょうをきっかけに物>>続きを読む
森雅之演じる富岡がとにかく酷いやつで、映画史上に残るレベルのクズ男っぷりにびっくりしてしまう。
ゆき子(高峰秀子)は仏印で出会った富岡と恋に落ちるが、彼には日本に嫁も子供もいた。「内地に戻ったら妻と>>続きを読む
ポップカルチャー、サブカルチャーへの言及が数多くある本作だが、『進撃の巨人』が大変重要なモチーフとして使用されておりびっくり。
特殊な薬品によって突然変異した人間世界に憧れるカメ──タートルズたちと>>続きを読む
まさか殺し屋映画に泣かされるとは……。
最強の男、ロバート・マッコールさん(デンゼル・ワシントン)イタリア出張篇。
ド頭の強烈な皆殺しシーン(グロすぎて笑ってしまった。グロ笑い)を除いて、序盤~中盤>>続きを読む
面白すぎて死ぬかと思った。ビリー・ワイルダー作品としては『アパートの鍵貸します』につづいて2作目の鑑賞だが、どちらも素晴らしくて、この監督の作品は制覇することを決意した。
さて、本作『情婦』はアガサ>>続きを読む
変な映画! 栗山千秋の存在感!!
「リッチさ」と「チープさ」が並び立つというか、カルト映画がカルトのまま巨大化したという感じ。
敵役であるオーレン・イシイの過去パートはアニメーションで語られ、「ウ>>続きを読む
珍奇でフレッシュなアクションの見本市とでも言おうか──とにもかくにも"見たことない映像"の波状攻撃で、それだけで映画代ぶんの価値はあると断言できる。
とくに『ジョン・ウィック』×日本の組み合わせとも>>続きを読む