梅田さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

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これは強烈…。娼婦を狙った連続殺人鬼というと英国の切り裂きジャックのような神話的な存在を想像してしまうし、犯行後にそれを新聞社に電話連絡すると聞けばゾディアックキラーのような劇場型犯罪も頭に浮かぶが、>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

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再鑑賞。これ前に観たときはスパイダーマン世界の主要キャラクターとかよく知らなかったし、マグワイア版もガーフィールド版も全ては観てなかったので、改めて観るとキャラクターや世界観に厚みが増して楽しめた。ち>>続きを読む

祝福~オラとニコデムの家~(2016年製作の映画)

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崩壊しかけの家庭で健気に生きる少女のドキュメンタリー。シビアな現実をもたらすのは主に家族で、その逃げ場としての信仰。とはいえ、そこにあるのは信心というより家族がもう一度一つになるきっかけになるのではな>>続きを読む

フィッシング・ウィズ・ジョン/FISHING WITH JOHN Episode 6 【デニス・ホッパー編2】(1991年製作の映画)

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ゆる〜いテーマソング、エンドクレジットのスクロールの速さ、中身のない会話、ふざけたモチーフと編集、すべてがグダグダで楽しい。DVDはプレミアム価格だし映画館でかかるのも絶対に期待できないし、いつか観た>>続きを読む

フィッシング・ウィズ・ジョン/FISHING WITH JOHN Episode 1 【ジム・ジャームッシュ編】(1991年製作の映画)

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釣り番組。めっちゃ帰りたそうなジャームッシュ。サメがエサにかかって緊迫した風の音楽と編集になるが、そこから30分以上かかるというギャグ。ゆるくて面白い。

怪物(2023年製作の映画)

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子役と脚本が中心の映画で、子役はほんとうにいいと思った。子役が中心になっていて好きな個人的に滅多にないので、正直驚いた。脚本は前半はめちゃめちゃ良く、後半はまぁまぁってとこに落ち着いたので、総じてかな>>続きを読む

海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

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プロットには退屈しかしないんだけど、樹木希林が映ってる全てのシーンが面白すぎて恐怖すら覚えた。コント「団地住まいの婆ちゃん」を見たような気がする。

マンディンゴ(1975年製作の映画)

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筋骨隆々のマンディンゴを「飼って」黒人どうしの殺し合いをさせる「黒人に優しい白人」という、あまりにグロテスクで直視できない奴隷制の風景。そしてその裏で描かれる家父長制の悲劇。処女でなかったが故に夫から>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

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肝心なところを全て岸辺露伴のモノローグで説明してしまう脚本など残念な点はいろいろあるけど、シリーズのファンとして概ね満足しました。

カナルタ 螺旋状の夢(2020年製作の映画)

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映画館で見逃してたやつ。映画館で観ればよかった。口噛み酒「チチャ」とか薬草をすりつぶすシーンとかの手つきには惹かれる。

TAR/ター(2022年製作の映画)

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もっと寝る系(伝われ)の映画かと思ったらいい意味で俗っぽいというか、ふつうに面白い映画だった。前半の「この場を支配するのは私!」みたいな長回しのケイト・ブランシェットも最高にかっこいいのだが、後半の小>>続きを読む

ワン・プラス・ワン(1968年製作の映画)

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人生トップ10くらいに好きな曲のレコーディング風景を、1ミリも面白くない政治の話にサンドイッチされて見せられるという謎体験。いや、森の中で長回ししてるショットとか海でのラストショットとか絵的には楽しい>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

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おもろかった。が、個人的には「ここ最高!」と感じる場面はあんまり無く、マリオがステップアップするのがもっぱらパワーアップアイテムをゲットした時に限られるというのも(ゲームの映画化である以上はしょうがな>>続きを読む

ブローニュの森の貴婦人たち(1944年製作の映画)

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ちょっとした恋の駆け引きのつもりで別れ話をしたら「俺も別れようと思ってたんだよ」と言われてブチ切れた女が、復讐のためその男を騙して商売女(娼婦)と結婚させようとする、という入り組んだ物語。
ブレッソン
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

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ポップミュージックの使い方は正直、過去2作と比べるとちょっとイマイチかなと思った(さすがにCreepで始まるのは笑ってしまった)。本作のコアになるロケットに関するプロットもなんだかずいぶん雑に思えた。>>続きを読む

カジュアリティーズ(1989年製作の映画)

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胸糞戦争映画は数あれどこれはなかなか他に類を見ないひどい内容。戦争犯罪、特に性暴力に関する生々しい描写が非常にしんどい。あの悲鳴を聞いてしまうと、帰還兵がPTSDを発症するのもよくわかる。きっと今もウ>>続きを読む

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

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これはすごいや。第一次世界大戦の開戦から終戦まで、というよりは、ある匿名の英国人兵士の戦争への参加から解放までを当時の映像や写真と証言によって構成していくドキュメンタリー。ふつうの市民がいかに戦争に巻>>続きを読む

デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

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変な映画。ボウイのアーティストとしてのキャリアを初期から遺作『ブラックスター』に至るまで追ったドキュメンタリーではあるんだけど、フッテージの組み合わせと音楽によって終始サイケデリックで抽象的な異形のビ>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

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前作で「このくらいはやるだろ」とある程度高めのハードルが設定されてるので、それを上回るような痛快さは正直なところ無かったけど、娯楽作として80点くらいの「正しい続編」って感じでめちゃ楽しめた。処理屋の>>続きを読む

主戦場(2018年製作の映画)

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観てると具合が悪くなる。一気に見ることができず3日に分けて観た。
おかしいのはナショナリストであることは間違いないのだが、この映画の論理に乗って日韓請求権協定を反故にしていいのかといえば僕はそう思わな
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ナワリヌイ(2022年製作の映画)

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映画というより政治ドキュメントとして鑑賞。そしてたぶん作り手の意図するところもそういう見方だと思われる。
衝撃映像もあるしかなりエキサイティングで(不謹慎?)、アカデミー賞受賞も納得で、「我々が行動し
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インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)

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映像はずっとかっこいいのだが自宅でダラダラ見てたらまるで頭に入ってこなかった。

AIR/エア(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

最近ちょうどコービー・ブライアントの伝記を読んでて、ソニー・ヴァカーロも登場して面白くなってきたあたりなのでかなり楽しみに観に行った。
アメリカ映画の一つの王道である「仕事」の映画であり、型破りでもあ
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ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

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超面白いしかっこいい。あっという間に観終わったように感じた。

カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)

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今まで観た中で一番好きなアルドリッチの映画は『特攻大作戦』だし、スポーツものと言えば『ロンゲスト・ヤード』を思い出すし、とにかく男臭い作家というイメージがあったアルドリッチですが、遺作となったこれは女>>続きを読む

その女を殺せ(1952年製作の映画)

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これはクソ面白いやつ。コンパートメント内での殴り合いでは『仁義なき戦い』かのようにブンブン動くカメラに痺れる。一瞬の中弛みもなく続くサスペンスと運動、完璧な脚本と撮影。今まで観たフライシャーの映画の中>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

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『ナートゥ・ナートゥ』のシーンは敵役も何だかんだでダンスバトルに参入してるとこがよかったね。
ジェニーは都合のいいヒロインを通り越して頭大丈夫かこいつ?と思ってしまった(ちゃっかりハッピーエンドの一員
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

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冷風が当たる席でガタガタ震えながら観るハメになってかなり視聴体験が毀損された気もするけど、良かった。聖女か詐欺師か?というミステリー仕掛けを楽しむこともできるし、大袈裟なくらい格調高いコスチュームプレ>>続きを読む

エル(1952年製作の映画)

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ファム・ファタールものかと思ったら真逆で、童貞こじらせ脚フェチおじさん(ブニュエル曰く自分の分身だそう)が猜疑心と嫉妬心の中で発狂しながら妻を虐待していくというサスペンス。展開は突拍子もないけど、物事>>続きを読む

対峙(2021年製作の映画)

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銃乱射事件の加害者の両親と被害者の両親とが、混じりっけなしの2対2で対峙し話し合うドラマ。フィクションということにはなっているけど、事実を元に脚色した物語ですと言われても全く疑わないであろう、ただなら>>続きを読む

カップルズ(1996年製作の映画)

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間抜けばかりの大人たちとずる賢い少年たちの群像劇。“カップルズ”と言うほどカップルが強調されるわけではなかった(原題は『麻雀』)。
「キスは不吉」という迷信に支配されながら、不良になりきれない少年と少
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

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赤いクレジットの画面から青みがかった冒頭のショットへの接続と、朝チュンの穏やかなラストショットから青画面のエンドクレジットへの繋ぎ、どっちもバチンと音が聞こえるくらいキマってて、そこだけ取り出しても最>>続きを読む