梅田

カリフォルニア・ドールズの梅田のレビュー・感想・評価

カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)
-
今まで観た中で一番好きなアルドリッチの映画は『特攻大作戦』だし、スポーツものと言えば『ロンゲスト・ヤード』を思い出すし、とにかく男臭い作家というイメージがあったアルドリッチですが、遺作となったこれは女性2人(と男1人)の成り上がりを描いた映画。最近の映画では良くも悪くも漂白されてしまいそうな、80年代の映画の猥雑さみたいなものがくっきりと刻まれていて楽しい。
彼女らは「見せ物」として、ときに性的にも消費されながらも、プライドと夢を抱いて、傷付きながらも大きくなっていく。ピーター・フォーク演じるマネージャーとの関係もかなり奇妙で、ビジネスを超えた男女の仲でもありながら、三角関係というわけではないし、信頼関係も憎しみもある。そういうあいまいさ、割り切れなさの中で苦しんだり笑ったりもがきながら旅をしていく道程が、本当に魅力的に描かれている。で、究極のカタルシスに向かっていくラスト30分はマジで最高。
ドールズの2人は終始ずっと魅力的だけど、口から血を流したり汗まみれになっている姿がいちばん綺麗だと思った。ラストのリングの上での姿はメチャクチャ輝いてた(試合前のコスチュームよりも)。
梅田

梅田