斜線さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

カモン カモン(2021年製作の映画)

-


平凡な時間を永久に残せるなんてクールだろ?

追記
内容はもちろん素晴らしいんだけど、見た後少し経ってから「あれ、そういえばモノクロだったわ」って思うぐらいにカラフルな映画だったことに今気づいた。
>>続きを読む

別離(2011年製作の映画)

-


かなり渋い出来。
デザインされた感じをあまり出さずに遮蔽物を挟むのがうまい。
善人ではないけど悪人とまでは言えないんだけど、タイミング次第で罪になっちゃうよね〜みたいな、
「人任せ」が結構でかいそれ
>>続きを読む

コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道(おうどう)(2017年製作の映画)

-


映画としては愚にもつかないけど、それでも面白いと言えるあたりはTVルルーシュの強さを感じる(未見)

新聞記者(2019年製作の映画)

-


主演二人の演技がかなりすごいのは言わずもがな、だからこそ強く出過ぎてしまうドラマ感を、光と影を異常に際立たせる照明などの演出で映画に仕立てる。
「もうちょい良い映画にできたのでは」という皆が抱きがち
>>続きを読む

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

-


ゼルダ・スウィントンの十字キー歩きで爆笑して、そこがピークだった。
ビールとポップコーンがよく合う映画

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

-


相変わらず病的なほどに精密で、ぶっちゃけほとんど理解できなかったと言ってもいいぐらいディテールがやばすぎた。
声出して笑っちゃうユーモアも、雪が降り出した空を見上げた時みたいな物悲しさもあって、やっ
>>続きを読む

誰よりも狙われた男(2014年製作の映画)

-


最小の演出で最大の効果を発揮するその手法だったり、要所での音楽のセンスと写真的構図の良さだったり、
決して見せ場に富んでいるとは言い難いこの映画を前に進めるテクの数々がすごかったけど、やっぱりフィリ
>>続きを読む

音楽(2019年製作の映画)

-


学校を出て、就職して、あらゆるものの価値がそれまでとは変わったとして、
それでも、「せーの!」で出した1発目の音の輝きは失われない。
そういう自分の不変のところにガツンと響いてくる映画だった。
冬の
>>続きを読む

バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

-


めっちゃ佳作
"きっとうまくいく"にもあったような、いい意味での、俺でも作れそうなあの感じがたまらなくいい(もちろん作れない)。
要所でのわざとらしくも力のあるカットや、こちらの価値観に問いかけを投
>>続きを読む

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

-


油断すると「はあ?」という印象にも陥りかねない黒沢清作品群の中でも群を抜いて見やすく、
視線を多分に用いたあの嫌な感じも、外人として見られる私というフィルターがだいぶん解釈のしやすさに寄与していると
>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

-


夢の中から責任は始まる。という言葉の意味をいつもより数センチ深く潜っって考えることができたということ
パッと一つ見せられて、これは良い!と思えるカットがざっと三つはあったこと
これだけでもう良い映画
>>続きを読む

宮本から君へ(2019年製作の映画)

-


終始笑えて泣けた

主演2人の狂気の演技は言わずもがなだし、それがなければ始まらないタイプの映画ではあるんどけど、編集演出がめちゃめちゃよかったと思う。
細かい伏線が実はちょいちょい張り巡らされてて
>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

-


やっぱり、全ての戦闘シーンの作画はもうある種の世界一を獲ってる。すげえ。
アニメと同様、ギャグパートはしっかりがっつり間延びしてて見るに堪えない感はあるものの、そういう緩にあたるシーンの中では作中ト
>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

-


北欧こわい

罪とか痛みを自覚して受容する、その過程が物語になる。というのはドライブ・マイ・カーを引きずった感想になっちゃうけど、それでもやはりその類の映画であった。

強いて言えば、本当強いて言え
>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

-


喪失、受容
人々が自然に語り出すまでの時間
揺れの少ない棺桶が北上し、光しかない静寂を聴く。
めちゃめちゃ傑作。底が知れない。

私をくいとめて(2020年製作の映画)

-


ノイズになるレベルでのんちゃんが可愛い、というのは勝手にふるえてろと近い味わい。(綿矢りさの原作が、現実世界を舞台としたファンタジーであるから?)

ホビット 決戦のゆくえ(2014年製作の映画)

-


長かったぁ、という感想は決して批判だけではない。

この3作目については、ノイズもそこそこあったけれど、プラス要素が大いに力を発揮してた。
特に演技とその演出。シリーズ通していらんことを言わずにその
>>続きを読む

ホビット 竜に奪われた王国(2013年製作の映画)

-


やっぱおもろい。
どうやって撮ってるかはわかるのに、何故ここまでひきこまれてしまうのか。
序盤のクライマックスとしての樽川下り種族混合戦闘シーンのアイデアの数に脱帽するし、丁寧な伏線張りをアクション
>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

-


心の一本。
エドワード・ヤンが描かなかった光が、確かに揺れている。

チヂミを食べるウニ(激かわ)を見つめる母親の目線。
あまり同情してはならない、知らないから。
辛い時には、手を眺めて、指を動かす
>>続きを読む

ブルックリン(2015年製作の映画)

-


めっちゃくちゃしっかり作られてる、端正、丁寧。
久々に胸を張って万人に勧められる映画を見たって感じ。
ぼーっと見ていると流して見られてしまうような細かいところには歴史が降り積もっていて、誰もがハッと
>>続きを読む

偽りなき者(2012年製作の映画)

-


長く、暗く、重い冬。
そして、行われる狩り。

何も行動しないことは中立ではありません。
かといって、じゃあ、どんな行動をすればいいわけ?

今後、少なくとも半世紀は廃れないテーマを徹底して描ききっ
>>続きを読む

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

-


冷たく乾いた空気、その匂い、
ローリエを利かせたミートソースや、マッコリ、ソジュ、
あのVANSの靴のように、橋の前でのお辞儀のショットが、差し色として、あるいは抜きとしてめちゃくちゃ機能している
>>続きを読む

ドッグヴィル(2003年製作の映画)

-


どこへ向かうのかわからないけれど吉兆はひとつも感じられない舞台設計とOP。
ありえないぐらい美しいニコール・キッドマン。
描くのは人間であって風景ではないのだが、山頂に反射した光も、存在しない楡の木
>>続きを読む

ソング・トゥ・ソング(2017年製作の映画)

-


映像と嫁は死ぬほど綺麗
だが浅すぎるドラゴンタトゥーとドライヴのオマージュには心底イライラしたし
常に俺の中のチコちゃんが「ボーッと生きてんじゃねーよ!」って言ってた。

追記
この世で最もノースリ
>>続きを読む

ホビット 思いがけない冒険(2012年製作の映画)

-


全セクションの質が当たり前に世界一で、
お家芸の引きまくり大自然行進シーンはそれだけでワクワクした子供時代を思い出させてくれるし、ごちゃごちゃだけどかっこいい戦闘シーンももちろん好き、10年経っても
>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

-


はい最高。
映画は短ければ短いほどいい(あるいは恐ろしく長いほどいい)
ワンシチュエーションで飽きずに見られるための端正な演出と伏線張り
高校野球、甲子園、っていうある種約束されたクライマックスに向
>>続きを読む

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

-


見た後、夜中の街がいつもと違って見える
というだけで傑作と呼んで差し支えないと思う。

直近で見た1917の方が間違いなく演出とか技術が強いんだけど、それに匹敵する緊張感だった。
つまりこちらの方が
>>続きを読む

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

-


やってることは個人的なんだけど、突き詰めると普遍的っていう
よくよく考えれば当たり前のそれが好きだということを自覚したのは最近のことだ。
小さな象徴が目に付くようになるきっかけはこんな大それたもので
>>続きを読む

スライ・ストーン(2015年製作の映画)

-


「あの人に会えるのか?」というドキュメンタリははじめて見たwww
現れたゴドーは死ぬほど痩せてて、痛々しいぐらい首を悪くして満身創痍の感があったけど、満を持しに持した If you want me
>>続きを読む

(2017年製作の映画)

-


藤太軒理容所を筆頭にエモすぎる。
匂いまで伝わってくる映像の質感。
意外と覚えている高校時代の過去、親にはせっつかれていながらあらゆる事を諦めざるを得ない現在、極めてどうなるかわからない未来。
そん
>>続きを読む

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます


桐島を思わせるバックショットからぐっと掴まれ、「あっち側のことは俺にもわからないよ」とこぼしつつも天才たちにきっかけを与えつつ誰よりもその凄みを理解する明石のキャラクターはピンポンのアクマ(と、アマ
>>続きを読む