斜線さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます


桐島を思わせるバックショットからぐっと掴まれ、「あっち側のことは俺にもわからないよ」とこぼしつつも天才たちにきっかけを与えつつ誰よりもその凄みを理解する明石のキャラクターはピンポンのアクマ(と、アマ
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます


高望みが過ぎたパターン。
鑑賞の環境に否応なく左右される作品ではあった。つまりは映画館で、とりわけ極上の音響で見るべき作品であるということ。

冒頭、やはり特にドイツ軍の塹壕に入るまでの緊張感が、本
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アメリ(2001年製作の映画)

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あんまり投げるシーンがないから、もはやおまじないのように思える石をポケットにうやうやしく入れる仕草が妙に残った。

全体的に、頑張ったけどここまでしかできなかった!というカットと、ここはこの色で押す
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ライアーゲーム 再生(2012年製作の映画)

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そこそこの人気シリーズなのに理由は知らないけど主人公が変わって、それでいて個人的背景もキャラクターも何もかも説明されないままに主役ヅラで巻き込まれる多部未華子ちゃんにはじまり、全ての人物がただ脚本の
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

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2021.0309 1回目

Everybody finds love in the End

序盤の時点から、「あぁ、本当に終わるんだ」と確信させるような展開の数々で、見終えた後も半ば茫然自失で、
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人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

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恥やら何やら多すぎる作品でした。
座組を全員しばき回したいです。

追記
見たその日に気づいたらパーマかけてるぐらいには小栗のエロさはハンパない。
そしてそののちに訪れる絶望感こそが、"人間失格"に
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ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

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最近で言うと、ジョジョ・ラビットもそうなんだけど、どうやら私は子供映画に非常に弱いらしい。
なんでか分からんが終始泣いてた。
冒頭からキマった家、文通のくだり、あの入り江での最高としか言いようのない
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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

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実はめちゃくちゃすごいんじゃないかしら。
大人も楽しくて、ちょっぴり儚いカラフルな絵本(構図はビシッとキマりすぎ)
ラスト近くのある邂逅とその方のアクションがひじょーに笑えたし感動もあった。
映画っ
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

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これがパラベラムで、「来るべき戦争への備え」ならば、次回作は、いったい、どうなっちゃうんだ〜!?!?と心のトム・ブラウン布川氏が叫びだすほどに、純度とクオリティと凄みがシリーズごとに淡々と増していく
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

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「作品の質は情報量と、その隠し方の巧妙さで決まる」
と言い切っても差し支えないんではないかと思うほど、巧妙が過ぎるメタファーたちと、それらを全く無視したとしても充分に楽しめるエンタメ性。
いやー、駄
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

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とびきりポップで、カラフルで、センスと知性のこもった呪い。


伏線というか言っちゃってるぅ!とさえ感じる仕込まれた様々なモチーフたち。/
正直一番しんどかったOPからタイトルバックまでの一連の流れ
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TENET テネット(2020年製作の映画)

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ノーランという男の浅薄さは認めても嫌いにはなれないのは、「あぁ、こいつほんまに映画が好きなんだろうなぁ」というところが見えるからだろう。

基本的には楽しいけど、徹底して過程を映さないのが個人的には
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一人息子(1936年製作の映画)

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ランプ(提灯)を用いた構図が印象的。
めぐりめぐってりょうすけくんが今っぽくてかっこいいなって思いました(小並感)

静かなる叫び(2009年製作の映画)

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軽い目眩さえ覚える緊張感と悲しみ。
少ない台詞は意味と伏線が重なり、静かで確かな映像はそれより多くを物語る→これやっぱワタクシの中の肝。
ドゥニの詩性の結集。傑作です。

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

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ずっと面白い。w
バイクで事故った過去を持つワタクシとしましては、モロッコでの一連のシーンが、恐怖か興奮かでドキドキしっぱなしでござんした。擦った瞬間ヒッて言っちまった。
全てに於いてそつなく、トム
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

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やっぱすげー、、、
ノイズになり得るツッコミどころを振り切ったアクションでカバーするんだけど、その振り切り具合がもう、アホじゃん!
シンプル最強面白いを作り上げるためには狂気が必要なんだ。って、改め
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きみと、波にのれたら(2019年製作の映画)

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Mr.Childrenの常套句という曲がある。
詩を強みにここまでのし上がったともいえる彼らであるにも関わらず
"君に会いたーい。君に会いたーい。何してますか、気分はどう?"という、小学生でも書ける
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

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スコセッシにハズレなし。おもろい。
一線を越えるまでは、「これは未来の自分だ」と思っている人も少なくはなかろう。
英雄凱旋!彼等の人生に一片の曇りなし!って感じで、終盤ではバーフバリ並みに燃え上がっ
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来る(2018年製作の映画)

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破格のホラーである原作小説と、ここ10年くらいのいろーんな仕事とを混ぜこぜにしてぶちまけたマーブル具合ではありながら、それでも強固な色を失わない中島節に感涙。描くべきは人、人の何か。

序盤の強いカ
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ブラックブック(2006年製作の映画)

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バカみたいに面白くって面白くって…
毒がすぎるユーモアとセンスと実力があわさるとこうも振り切って面白いのか…

トドメのネジと、「笑顔をふりまいてたらこうなったの!」というセリフのかっこよさと、ラス
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

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いやー、すげー。
拾い切れないわぁ、まったく。
知らなかったけど、メタファーは隠すものという時代は10年代の始まり頃に終わっていたようで、もはやメタファーしかない今作。
地下二階に辿り着けるかは今後
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プリンス/サイン・オブ・ザ・タイムス(1987年製作の映画)

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まじで神がかってるプリンスはもちろんのこと、バンドメンバーと、舞台芸術PAなども、そしてコーラスパーカッションにいたるまで誰一人抜けた仕事をしていない最高のライブ。
過編集だとは思うけど不足はない。
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バグダッド・カフェ(1987年製作の映画)

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今はもうない近所のカフェのマスターと、
「どんな映画が好き?という問いに対しての、映画通だと思われるような回答」について話していて、私がその時言った映画はなんだったか忘れたけど、マスターが出してきた
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

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素晴らしい。
期待を上回るこういう体験があるから、期待することをやめられないのだわ。
単純に面白くて、(安い表現だけど)考えさせられる、こんなん普通に傑作やん。

追記
とにかくキチジローが、窪塚洋
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羅生門(1950年製作の映画)

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藪の中と羅生門。
どちらも人間の欲の恐ろしさと滑稽さを描いたものとして共通してるなんて思ってなかったわ。
いや確かに羅生門を映画化…?尺もたなくね…?と思ってて、いや藪の中かい!と最初は思ったんだけ
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すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

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感動のための歪曲は間違ってはいない。

これ見た後の人がどの曲を口ずさむかをトイレの個室で確かめたかったなぁ。

5時間でも見られる好きな題材のドキュメント。
冒頭の谷にワイヤー架けてエコーかけたピ
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

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ゴア描写が苦手とか、人が死ぬシーンが耐えられないなんてことはないのに、壮絶な戦闘シーンの最中に「もうやめてくれ…」と思って泣けてきたのは初めてだった。

娯楽映画としても一級だし、高尚な映画ともいえ
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

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とにかく劇場で観るべき映画だった。
真っ暗な部屋、強めのヘッドホンでも足りない。ぼーっと見られる種類のそれではなく、然るべき環境で集中して見るに値する密度を持っていた。ナメてました。誠にすいまめん。
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オンリー・ゴッド(2013年製作の映画)

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歩行、右手、明暗、赤と青。
正義の執行者としての労いのカラオケ?
なるほど、わからん。
まごうことなきレフンの映画。
夢見てるみたいだった。

追記
Only God Forgives
チャンは神
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

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おもろい。ブルダックみたいな。
くっそジャンクでありめっちゃ美味い。
アクションが良ければ全てよし。
主演のキム・ダミちゃん、ねじまき鳥クロニクルが好きらしい。もうそれだけで結婚したい。ていうかして
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

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恥ずかしながら原作も何もかも未見。
解決パートのあの絵画じゃん!なショットはあざとくも美しい。
序盤から犯人わかっちゃったし!ってのは虚しい論点だぜな。

フランシス・ハ(2012年製作の映画)

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フランシスが走り出す時、
私はその次元について考える。
室内に確かに存在していて、
しかし簡単には見えないあの次元。
それさえあれば他にはいらない。
なんてかっこいいことは私には言えない(もう恋なん
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