女子高生とシリアルキラーの中身が入れ替わるホラーコメディー。この界隈の試行錯誤具合にはいつも感心する。
アメフト部にいじめられる冴えない女子を主人公に添えるのはいつものことだが、ホラー映画では大抵いつ>>続きを読む
未曾有の災害による喪失感の払拭と自己肯定を模索するシンプルな成長譚。
こじんまりとした話ながら世界の広さを想像させる設定や魅力的なクリーチャーの数々を眺めるだけでも楽しい。晴れた日の怪物描写は美しい。>>続きを読む
中年女性2人のスーパーヒーローものってのはもう既視感があるし、メリッサ・マッカーシーのこの手の無駄使いはもう見飽きた感、、、。
わちゃわちゃしてるのは楽しいし、映像的な見応えも一応あるものの、オフビー>>続きを読む
シンプルな宇宙船映画であり、管制室の音声さえ聞こえない徹底された密室空間での人間関係描写がメイン。藤子・F・不二雄の「イヤなイヤなイヤな奴」的な展開を想像していたら、良識のある人達が最悪な事態に立ち向>>続きを読む
夫のDVにより家を失ったシングルマザーが、子どもの作ったお話や遊びから自分達だけの家を作ろうと思い立つ。
冒頭から最後まで延々と続く暴力のトラウマに苦しみ、ホテルのロビーを使わせてもらえず、家を得る行>>続きを読む
ハーモニー・コリンの新作。主人公が路上を彷徨う詩人で名前が“ムーンドッグ”なので「Fiesta Piano」のルイス・トーマス・ハーディンこと「Moondog」の伝記映画かと思ったらフィクションなのね>>続きを読む
宇宙に行くまでの自己鍛錬と、地球と離れる事による家族間の葛藤。『ファーストマン』と似たシチュエーションながら、その自己憐憫とはまた異なる現実的な問題と向き合う。
超人間的な訓練の数々と日常的な娘の育児>>続きを読む
日常的な性差別や不公平に気付いた高校生が、フェミニズム運動に立ちあがる物語。
今までの日常に異なる価値観が入り込むことで刺激され、今までの理不尽さに慣れてしまっていたことに気づく。価値観を変えることで>>続きを読む
ガイ・リッチーの新作。イギリス産のクライムアクションに回帰してくれて嬉しいし、会話劇のお洒落さと胡散臭さのバランスが楽しい。ピクルドエッグを肴にビールを飲みたい。
ツッコミどころは色々ありながらも楽し>>続きを読む
痴呆による記憶や認識と現実との乖離を、その当事者の目線で擬似体験させるという、映画でしか出来ない表現をやってのけた。
1日の出来事を永遠にも感じたり、逆にさまざまな出来事が1日に集約されたりと、心の平>>続きを読む
ザック・スナイダーによる新作ゾンビ映画。使い古されたジャンル映画なので、どれだけ新しいことができるのかが大事なのだろうが、冒頭はテンポよく程よく残酷でとても良かった。あと、非接触体温計をおでこに向けら>>続きを読む
デヴィッド・バーンによるブロードウェイショーの記録。
ライブ自体の凄まじさは想像できていたが、舞台芸術として最高のクオリティのものが、演者の多幸感と共に押し寄せて楽しみながら泣けてくる、ちょっと信じら>>続きを読む
ディズニーの実写化を熱心に追っていた訳ではないが、『アイ、トーニャ』のクレイグ・ギレスピーがエマ・ストーンを主役に撮るなら観るしかない。
ヴィランの誕生を描く映画なれど、不幸な生い立ちを丁寧になぞりな>>続きを読む
フィル・ロード&クリストファー・ミラー製作の新作。らしい“どうかしている”テンションと展開が延々と続く、スマホ依存症で年頃の娘と父親の関係を主軸にしたドタバタアニメ。
とにかく家族のもつれた関係が事態>>続きを読む
彗星が地球に落ちてくるディザスタームービーかと思いきや、一家族の出来事に絞った未曾有の災害に対するサバイバル映画。
事態が悪化するにつれ、思考の余地なく命の選択を迫られる。「生き残るべき人間」なんてい>>続きを読む
昨今のガンダムブームでまさかの映像化。
作画が良いのはもちろん、特にコックピット内など、視点をガンガン動かす表現は気持ちよく、MSの巨大さと兵器としての威圧感も存分に発揮されている。ヒューマンスケール>>続きを読む
若きミュータントの苦悩と成長を描く小品。20世紀FOX版X-MENの最後の作品は、劇場公開できずに問題まみれになっていたので、何とか観賞できる状態になっただけでもありがたい。
確かに小さすぎるスケール>>続きを読む
アクション映画の「なめてた奴がヤバかった」ジャンルの最新作。
まずは展開が早くて好印象。この映画並みのスピードで平日が過ぎてほしい。
そして何より新しいアクションの見せ方も満載。特にサイレンサーを使っ>>続きを読む
母親の過保護が実は、、、というこのレベルの事件も実際にあり、大なり小なりごくありふれていると思うので、よくぞここに踏み込んでくれた、という印象。
ミュンヒハウゼン症候群的な執着がテーマかと思えば、子の>>続きを読む
音を立てたら即座に襲われるパニック映画の続編。冒頭がとにかく素晴らしい。物事の位置関係や人の動きがよく分かる長回しとパニック描写はよく似合う。車内の長回しは『トゥモローワールド』のブラッシュアップだし>>続きを読む
時に映画では脚本の整合性よりも大切なものがある。この映画の場合、残虐性や暴力描写と、真田広之の魅力。特に真田広之の素晴らしさは、ほぼこの映画の全てであり、この映画は冒頭の真田広之を観るためにあると言っ>>続きを読む
海と陸を対比させ、少年が広い世界を求める冒険譚。ディズニーの『リトルマーメイド』へのピクサーからの返答。
陸上では差別される立場である彼らが、真の姿をカミングアウトするきっかけや勇気と、それをパッシン>>続きを読む
突っ込みどころが多ければ多いほど盛り上がるこの手の作品。怪獣映画というよりは、人間ドラマや脚本の巧さを極端に削ぎ落としたストイックなヤンキー映画だった。白目をむいて震えてた彼のキャスティングは『クロー>>続きを読む
父娘の子育てを描いた小品。
テーマ的に現実を描くとどうしてもシビアで気が滅入るような事態にぶつかるが、主役のケヴィン・ハートの持つあふれ出るユーモアが作品全体に救いをもたらす。
子育てで否応なく変化す>>続きを読む
久しぶりに劇場でマーベルスタジオのロゴが見られたというだけで少し涙ぐんでしまった。
舞台は『シビルウォー』の直後なので、観客は今後の運命を知っていることが前提。つまりは哀しい別れを意識せざるを得ないの>>続きを読む
平行して語られる世界の縮図。見えているものの辛さには視界を隠し、動悸の異変を感じとる、一つの起点。
声を出して身体を動かすという単純な幸せを思い出す。ジャズの悲劇とそれへの言及には大変同意したけれど、ほとんどソロしか弾いてないのは残念。
自身を傷つけても癒されない辛さには、振り返ってきちんと向き合う必要がある。主観的な叙述をカット割りの多用で見せた相変わらずの手法も、テーマに合致している。
真綿で首を絞められるような終末観は目新しかった。安易な文明批判に終わらないところが素敵。
ありがちな家族のぎこちなさを突きつけるには、冒頭の独白は余計だったのではなかろうか。もはや笑えるほど不器用さを演じたヴァンサンカッセルが凄まじい。
人体損壊描写とキャラクターの描きこみが誠意に溢れていて素晴らしい。アントンイェルチェンの姿がもう観られないだなんて信じたくない。
信念を誤って行使した「悪意がない」という醜さと、それを咎める些細な暴力の対比に震える。
テンプレートなアメリカの全部が繰り出す「正しいこと」。クリスプラットとラストの音楽使いがズルい。
底の見えない絶望と、低すぎる空の中でも鬱屈としないその強さの根底には、根拠のない明るさと寄りかかれる存在が必要になる。
音も映像もサイケに吹っ切れた混沌を映画館で観られる幸せ。そしてビジュアルが新しいアクションシーンにまだ出会えるという意識の高さ。
自閉症の描き方の違和感がありつつも、躊躇のない決断のスピード感には惚れる。