土偶さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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越前竹人形(1963年製作の映画)

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若尾文子に宮川一夫のカメラで悪くない訳ないでしょ。芦原の遊女なのに京言葉話す文子にクラクラ。しかし陰鬱度の高さは水上勉所以だなあ。男の感情はエディプスコンプレックスの変形にも思えるんだが。
芦原までの
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バービー(2023年製作の映画)

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バービーの添え物でしかない(少女の経験者ならその微妙な位置を分かってくれるかな)ケンが自我の目覚め…人間社会の男性的なものとその優位性に気づいてしまってからの、ケンの物語として見てもパンチあった。ただ>>続きを読む

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

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ラジオあたりで紹介されたのか先生グループが大勢。(エンドクレジットの途中で大半いなくなったので、ラスト見てない人多いんだろうな)

考える授業という経験をしてないせいか、小学生に対しての校長先生による
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海辺の彼女たち(2020年製作の映画)

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雪深いさいはての漁港へ同胞ブローカーの手筈でやって来たベトナム人技能実習生の年若い3人の女性たち。体調を崩した仲間のため、ローカル列車からバスを乗り継いで病院に向かう道のりの長さよ。

ある女性の余り
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僕の帰る場所(2017年製作の映画)

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母語を身につけていく過程がアイデンティティの目覚めでもある。

この作品が作られた時よりもっと身近に外国からやってきた人々が大勢暮らしてるし、なくてはならない戦力として働いている現状なのに、なぜか世の
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白骨街道 ACT1(2020年製作の映画)

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「なぜ僕たちが掘るのか」
地元青年の問い。

他国からやってきた兵たちの恐怖に支配された村の人々の子孫の彼らが、その兵たちの骨を拾うのだ。
肉親が海の底に沈んだ場合(自分含む)骨への執着はまるで感じて
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快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)

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「やれやれ」とトランティニャンと一緒に呟きたくもなる。

ロブ=グリエの旧作より遥かに難解過ぎて一周周ってホラーコメディに見えてしまう怪作。ジェス・フランコ監督によるイタリア製エクソシストと言われても
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⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

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毎回ルブナ・アザバルは凄い以外の感想が出てこないんだが、今回は夫役の対照的な抑えた感情表現にうなる。

ミナがミントティーを飲みタバコを口にする行為が現れるだけで、どれほどのリスクを背負いながらも信念
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氷点(1966年製作の映画)

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三浦綾子の原作を読んだ時大映ドラマぽいなと思ったもんだが、先に大映が映画化してたのね。あの長編小説の全てを網羅してはいないので、ドラマとの差異も気になる。
どの監督下でも若尾文子の安定ある闇を抱えた演
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豚と軍艦(1961年製作の映画)

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今村昌平映画における図太い生き様を見せる人々はここにもたくさん。この時代を生きるには良い子良い子だけじゃ生きていけないのよ…。
魔窟横須賀から一歩踏み出す場所が川崎という流れ、そんな距離さえ人生を賭け
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

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いろいろ突っ込みどころ満載なんだけど、そんな部分もひっくるめて毎作同様アドベンチャーテーマパークで遊んだ気分。
イケオジな方々をやたら贅沢に使うけどすぐ引っこんでしまったのが、個人的に残念。(もっと活
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乾いたローマ(2022年製作の映画)

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人によってはホラー映画(Gのせい)。
このパンデミックをテーマにアーティストたちがどんな創造物を今後生み出していくのか、ますます期待したくなる。

二重のパンデミック(3年雨が降らない&感染症)に見舞
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

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あちらに行かれた俳優さんがもうこんなに出ているとは。15年も前の作品なんだなあ。(海街diaryもだけど海が望める町が舞台)

普通て何。普通の会話て何。

「なんでおばあちゃんちなんだ💢」
どの時代
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

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いやまさかそんな展開(スタッフたちの意識含め)なんて想像しなかった。孤島と聞いて「そして誰もいなくなった」的なストーリーをぼんやり感じたけども。
グルメでもなく食レポにも興味が薄い人間だが、マーゴのチ
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

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独立系映画のヒロインはホテルのルームキーパーを生業とする…のかもしれないな。(倍賞千恵子が頭に浮かんだ)
ハンディキャップが関係ないスポーツの世界の一端もあるのかと。

岸井ゆきののヒロインが光を探し
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

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え、おばあちゃんはイザベラ・ロッセリーニなのー!とエンドクレジットで叫ぶ。
Airbnbを見てやって来た人間と家族が行方不明になった巻き貝マルセルの物語…と理解するのに少し時間が。

人間社会の住宅に
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苦い涙(2022年製作の映画)

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ファスビンダーの原作はオゾンの前作のリメイクでファスビンダー自身の物語の(ドゥニ・メノーシェの外見からファスビンダーに見えるし)ように思えるし、主人公が恋焦がれる若い俳優の名前がアミール・ベンサレムて>>続きを読む

卍 まんじ(1964年製作の映画)

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「あんたにはパッションがない!」
んもー言ってみたいセリフ。

原作読み返してみなけりゃならないな。

戦前からの谷崎を受け入れる土壌の延長線に、ギリギリのラインで一歩間違えるとホラーかコメディかとな
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少年と犬(1975年製作の映画)

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名前はヴィック、姓はどうもなさそうな少年とテレパシーで会話できるモジャ毛の雑種犬ブラッドのコンビが放浪する1970年代らしいカオスでカオスな、第四次世界大戦後の2024年(来年!)が舞台のロードムービ>>続きを読む

タイガーボーイ(2012年製作の映画)

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鋼鉄ジーグの監督の2012年短編。
10年以上前の作品だが、タイガーマスクを外さない少年が主人公。タイガーマスクオマージュとインディプロレスと勇気の物語。

プーチンより愛を込めて(2018年製作の映画)

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北朝鮮の御用映画撮影のつもりがせっせと隠し撮りして映画を作ってしまったヴィタリー・マンスキー氏の新作。マンスキー家のホームビデオから始まる1999年の大晦日から2000年の大晦日にかけて政権PRチーム>>続きを読む

差し出がましいのですが(2021年製作の映画)

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ファウスト・ルッソ・アレジ主演短編。
ますます「夜のロケーション」見たいなあ。

日本語タイトルが絶妙だなと思う本作。(あとセリフ)翻訳をするには担当外国語だけでなく日本語がより重要になるのはこんなこ
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怪物(2023年製作の映画)

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カンヌ以外の情報シャットアウトしてようやく見る。
小学五年の女の子って表面上クールで男子を小馬鹿にしたり子供扱いしてるに違いない(と思う)。裏ではメラメラしてもだ。

ただメジャー資本映画のクィアの扱
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パッション(1982年製作の映画)

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なんとかこれだけのゴダール中期特集。見たつもりでいたが見てなかった。
ポーランド人監督に翻弄されるイザベル・ユペールとハンナ・シグラの若かりしショートヘア姿が可愛い。(それしか目に入らない)

きさらぎ駅(2022年製作の映画)

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ゴリゴリのジャパニーズホラー苦手なので、後半がコメディな展開がいいかも。
都市伝説にも2chにも疎い人間が見ても面白かったな。ただ本格的ホラーやCGを期待してると外された!と思いそう。

公開時には余
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オマージュ(2021年製作の映画)

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乙支路の路地の2階の茶房タバンで卵コーヒーとか、時が止まったかのようで泣けてきた。

そして一番のクライマックス。
成人映画を流す地方の古く寂れた映画館にたどり着く主人公。
首里劇場が重なって見えた。

ドリアン・グレイの肖像(1945年製作の映画)

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どんな悪事を働いたのかと思うぐらいの醜悪な姿になる肖像画。先に見たダラマーノ版はここまで振り切ってなかったせいか、ギョっとなる。

とりあえず不憫なシビル役はアンジェラ・ランズベリー。可愛いよ。

“経営学入門”より ネオン太平記(1968年製作の映画)

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大阪千日前のアルサロ(完全に死語)マネージャー小沢昭一とカメオ出演に一流どころの名優たちがわんさか出てくるわ、当時の関西文化人(先代米朝に小松左京とか出ちゃうのか)ひっくるめた今では作れそうにない小気>>続きを読む

ビンぞこメガネ(2010年製作の映画)

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ど近眼の男の子に見えるふたつの世界。彼にはメガネなしで見える、恐竜や異形のものたちが生きる世界に留まりたいけど…。

ナレーションがドミニク・ピノンてマジか。(ディーバのサングラス殺し屋の彼)

ブラック・イナフ?!?-アメリカ黒人映画史-(2022年製作の映画)

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映画史研究者によるアメリカ黒人映画のたぶんピークとなった1970年代までの通史映画。スパイク・リーあたり以降は含まれない。
何度も行ったり来たり出来る配信じゃないと分からないことが多く、調べながらの鑑
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EO イーオー(2022年製作の映画)

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EOの脳裏に移りゆく温かなカサンドラの抱擁の記憶。

平穏な一生を選ぶならロバ牧場で話は完結してしまうけど…スコリモフスキはそんな話には絶対しないよね。分かっちゃいるけど。

クレジットにジェレミー・
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ドリアン・グレイ/美しき肖像(1970年製作の映画)

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ヘルムート・バーガー追悼。
この頃の流行りのジャッロ風味やたまにコメディから抜けきれないB級作品なんだけど、変顔もハンサムだな。
イザ・ミランダとかベテラン女優さんが脇役にゾロゾロとえらく豪華。

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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

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バナナの皮の長回しから天井に飛んでいったアレまでくくくと笑えるシークエンスの数々。フレームインしまくるバンドの曲も印象的なんだけど、歌詞が翻訳されてたらもっと良かった。

一党独裁時代が青春だったカテ
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マランカ(2019年製作の映画)

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ウクライナ、ルーマニアに近いブコヴィナあたりの旧暦新年のお祭り「マランカ」に参加する男性たちへのインタビューとそのクマの装束を捉えたドキュメンタリー。
なぜそのクマの装束(人間に捕らえられて板に縛り付
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TAR/ター(2022年製作の映画)

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先日見た小澤征爾が文革直後の北京中央楽団を指揮したというエピソードを取り上げた「アナザーストーリーズ」がぼんやり浮かんだ。

リディアというキャラクターは、ライブ録音はデジタルだけで発表する意向がグラ
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黒いオルフェ(1959年製作の映画)

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個人的には死神のショッカー味の強いキャラクターがどうしても受け付けないのだが、原作者が拒否したかもしれないなと思えたエキゾチックさをあらわにした演出は現代では賛否あるのでは。すっかりスタンダードな音楽>>続きを読む