doiさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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地図のない町(1960年製作の映画)

4.0

葉山良二の過剰な汗みどろ演技がナイスフィーリング。夢中で逃げ出してきた現場にまたダッシュで戻り証拠隠滅。拭く必要のない畳の血まで拭きはじめて、すかさず笑うヴェーラのシニアに心のいいね。浜純、宇野重はそ>>続きを読む

通り魔の告白 現代性犯罪暗黒篇(1969年製作の映画)

3.5

「本物だ。ホンモノの強姦だ」素朴なモノローグが魅力。童貞、ナイフ、ハイネックの三拍子揃った秋山くん。気分が出ないのか事はすべて河原で、同じ英文科なんだからレイプの後も仲良くしよう。

サンフランシスコ連続殺人鬼(1969年製作の映画)

5.0

公園の木から降りられなくなった子どもを助け、交差点では老婆の手を取って歩道を渡る。入院中の親の見舞いは欠かさず、それどころか父の友人の愚痴まで聞いてやる。本当にそんな親切な人が?と思うかもしれない。し>>続きを読む

仮面(1987年製作の映画)

5.0

話つかめないながらも楽しく裏でこっそり進行しているサスペンス、サングラスの暗闇から抜け出してバチッと眼を見開いた瞬間から止まらない勢い。最後の晩餐は帽子が好きな運転手兼コックが敗北を勝利に変えたパイで>>続きを読む

ロードハウス66(1984年製作の映画)

5.0

かたや恋人を事故で失ったオースティンから出戻りのロカビリー歌手、かたや長距離電話でパパに送金依頼のニューヨークの金満ポークボーイ。何も通じ合うものなさそうな革ジャンとチェックシャツなのになぜか、仲良し>>続きを読む

アンナの出会い(1978年製作の映画)

4.0

求められれば応じるし、話しかけられればまんざらでもなく耳を傾けるが決して打ち解けようとはしないオーロールクレマン。ホテルでも駅でも列車でも、恋人でさえ人々の話の内容は自分のことばかりだが、それを問わず>>続きを読む

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

4.0

表現手段ではない本気の、煩悩のセルフポートレート。それまで寝息立てたりしてた満席の観客が、手淫のシーンで急に咳払いしたり座り直したりソワソワしはじめた。終始一貫とことんエロい。思わず十字を切りたくなる>>続きを読む

オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

5.0

世界を拒絶してそれに対して拒絶で返されたときに、自分で播いた種とはいえ多少はビビってしまうのが当たり前なので、そこで自分の側から歩み寄るというか折れますか?折れませんか?という話だと思ったけど、アケル>>続きを読む

メリー・ゴー・ラウンド(1981年製作の映画)

5.0

使い古されて誰にも見向きもされないような話の力強さを知りつくし信頼している、そこに上乗せして想像も分析も誰がどれだけ積み重ねても届くわけのない雲の上、さらに追い討ちかけて血の沸き立つ興奮。始まってしば>>続きを読む

北の橋(1981年製作の映画)

5.0

パリの街をそこかしこで監視する獅子像に突き立てる握り拳のオープニング。過去に追われるビュルオジェと見えない敵と対峙するパスカルオジェ、お互いに守り守られて運命に導かれる先は同じでも闘っている相手は別な>>続きを読む

ノロワ(1976年製作の映画)

5.0

当然みんな言うのでしょうが13で入るスイッチ。逃げ惑い揉み合って崩折れる肉体も叫び声も、すべての動きとセリフが破綻も含めて?破綻こそ?完全にコントロールされたダンスってだけでも美しすぎて血圧上がるのに>>続きを読む

きらきらひかる(1992年製作の映画)

4.0

どれだけ酔っ払って帰っても冷淡なほど当然のように世話を焼いてくれるトヨエツ。その優しさには愛情が欠落している。おそらくは憐憫を言い換えたもの程度なら?それが悔しいと同時に依存している自分が受け入れられ>>続きを読む

はだしの花嫁(1962年製作の映画)

5.0

佐野周二の酒屋のスダレとカーディガン、三井弘次の絣に器にジャンパー、美しく冴え渡る番匠ブルー。東京で天ぷら揚げる技術だけをかすめ取って松山に帰る人騒がせな事なかれ主義倍賞に老若男女が振り回されるが寺島>>続きを読む

ローカル・ヒーロー/夢に生きた男(1983年製作の映画)

4.0

天空へ昇る吊り階段のような通路をたどってバートランカスターのオフィスへ。ボタンひとつでプラネタリウムに早変わり、チャッとオムレツも作れるキッチン付き小部屋。孤独な社長の妄想に計画あっさり覆されて夢破れ>>続きを読む

ザット・シンキング・フィーリング(1979年製作の映画)

4.0

野生のペキニーズみたいな外ハネすごい毛並みのリーダー、誰よりもいい顔してた。やたら引っ張る睡眠薬のネタ、実際にシンク盗み出すところも良いのだが計画前の日常の雰囲気も冴えなくて楽しい。ドーナツよりコーン>>続きを読む

花の咲く家(1963年製作の映画)

5.0

貸切のケチャを死んだ魚のような眼で眺める茉莉子。京都で「ここに来たらお会いできるような気がして、、」のときの顔の背け方。すべての動作が佐田啓二のような純朴な男を惹くタメとスキのみで完結している。でも渡>>続きを読む

のれんと花嫁(1961年製作の映画)

5.0

質に入れてしまったブルーロビンスのユニフォーム、瞳麗子の点数下げたくないので代わりに頭下げて金を都合してくれといきなり図々しい小坂一也。ホクロの場所も知っている幼なじみ周二と夢路のミステリアスな関係。>>続きを読む

浮気のすすめ 女の裏窓(1960年製作の映画)

4.5

離婚十年このかた浮ついた話もない伴淳、欲のないナチュラルな色気が全身から漏れて女たちが悶絶。これが素の伴淳か?未亡人キャバレーでナンパされた高峰三枝子の邸宅で、これから何が起きるのか知りもせずにダボダ>>続きを読む

新家庭問答(1958年製作の映画)

4.0

ドイツ製中古(ちゅうぶる)の小瀬朗さん?地元から新品の布団取り寄せたばかりの三上真一郎?結局九条映子をさらって行くのはいちばん何考えてるのか分からない田浦正己、ちょっぴり不気味な感じで良かった。千景さ>>続きを読む

殺されたスチュワーデス 白か黒か(1959年製作の映画)

5.0

怪しみながらもなぜかそのまま出国させて即通報、ポスターの意味がないオープニングから期待。絞殺と扼殺の違いを聞かれた笠智衆は田宮二郎の体で実演。事件記者が刑事の自宅に上がって酒を酌み交わすズブズブの関係>>続きを読む

黒い樹海(1960年製作の映画)

4.0

白目剥きそうなくらい雑だけど、ひき逃げの顔でっかくなるとこだけやたら冴えてた。あまりない?オボコ役順子さま、ビルの屋上ぶらさがりアクションも頑張った。

カンザス・シティ(1996年製作の映画)

5.0

調子に乗って喋り出すまでエンドレスに続く中身のないベラフォンテの説教、肝が据わってるってんでガッツを抜き取って無事に家まで送り届けてあげて優しい。ミランダリチャードソンが黒人家族に語り聞かせるトーマス>>続きを読む

レイプハンター 通り魔(1986年製作の映画)

5.0

とにかくぶっちぎりの撮影に何かと気を取られがちだったが、バットで殴られた通り魔は人格矯正され愛妻家に、行き場を失ったその妻の暴力趣味は宙吊りに、犯されっぱなしの女はみずから男たちを漁りに、都市の狂気は>>続きを読む

淫獣の宿(1973年製作の映画)

5.0

悪魔学の権威お父さんの出版本をめぐるブルジョア家族の空虚な会話、それを聞いて裏で「得体の知れない奴らだ」とささやく脱獄囚たち。ここだけでもたまらないものがある。純情乙女の膣痙攣に銃姦3P、純情少年と狼>>続きを読む

愛に濡れたわたし(1973年製作の映画)

4.0

見えない標的を追い続ける石津康彦さんの案内役は宮下順子。庭に落ちた靴下の洗濯バサミがわりにピアスの針、時代設定不明な野良仕事の弁当ぶちまける夢。二人そろうとロクな遊びをしない金太郎カット中川梨絵に手懐>>続きを読む

闇に浮かぶ白い肌(1972年製作の映画)

4.0

勝手な記憶違いで最後に死んだはずのジェロニモが大活躍する映画と思いこんでた。山科ゆりっぺはネグリジェにハサミを持って電話のコードをブツ切り、それでも鳴りつづける死者からの電話。汗と尿のスメル漂う公衆便>>続きを読む

愛欲の罠(1973年製作の映画)

4.0

愛していた絵沢萠子が失踪した朝にガラッと窓を開けてあ〜いい天気だなーと言うところが良い。