doiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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人間標的(1971年製作の映画)

5.0

よせばいいのに刑務所への手紙きっかけに山崎努と香山美子のしっとり再会と尾崎奈々の会社は帰りのマイクロバスまで大盛況の演芸会、このふたつが同時進行でルルルラのテーマソングまでディゾルブ。若林豪と目黒祐樹>>続きを読む

ノーマ・レイ(1979年製作の映画)

5.0

あの男漁りで有名な…の意味をほのめかしてノーマレイ、と呼びかけるぬり壁みたいな男たちに取り囲まれ鬼の形相で会社の違法ビラを書き写すノーマレイ。段ボールの切れ端に書き殴って掲げるUNION。思想などはな>>続きを読む

殺人捜査線(1958年製作の映画)

5.0

死者と踊るイーライウォラックが客との会話を楽しみながら仕事を片付けていく。車椅子の死神もお構いなしにスケートリンクに蹴落として、毱のようによく弾む死体。何が起こっているのかわからないまま殺されていく人>>続きを読む

ポール・ニューマンの ハリー&サン(1984年製作の映画)

4.0

男ふたりロウソクの灯りでムードの夕食、食後のマッサージ…やたらと距離感の近い家庭。働けなくなった父親のプライドが空回りして息子に八つ当たり、気に喰わない娘の夫への嫌がらせ、自分から評価を下げる80年代>>続きを読む

偽れる装い(1945年製作の映画)

5.0

吐きそうなほど面白い。エレベーターが開いた瞬間のスイッチ、美の泉が登場。息を吹き返すコレクション。クローゼットは交際期間メモつきの墓場で鏡にはマネキン。ドレスに女の名をつけて。執着心と自己愛の嵐を最前>>続きを読む

イシュタール(1987年製作の映画)

5.0

みんな呆気に取られて(ディランベイカーも口開けて)見てるけど言うほど悪くない、むしろ好きな二人のバンド。天才的なライブパフォーマンスのセンス。夜中にクラッカーを食べて…みたいな曲のアイデアが煮詰まると>>続きを読む

東京犯罪地図(1956年製作の映画)

3.0

足を洗ったやくざの二代目で関東大学レスリング部のホープ菅原謙次が、ドラッグビジネス組織のフロント企業でバイトしてるウブな童貞の苦学生っていう複雑な設定で、さらに相手の両親から恋人との結婚を反対されてる>>続きを読む

冬の旅(1985年製作の映画)

5.0

ボネールさんと同じくらいヴァルダが力を込めてるキャラ、胸のすくような俗物のメガネ甥。変な柄のテントも無くなってたどり着いた極寒のビニールハウスの独り言「食事は豪華に」。

心の日月(1954年製作の映画)

5.0

突然東京に出てきたって若尾文子のナーバス加減に全く気がつかない電話口の菅原謙次。寮からすぐなのに5時間経っても会えない待ち合わせ。よく待ったおぼこい若尾文子。入口が二つあるって教えてもらったときの顔と>>続きを読む

夜はいじわる(1961年製作の映画)

5.0

妹水谷良重は早く結婚したいのに、谷栄は順番てものがあるの一点張り、肝心の姉のお富士にその気はなし。味一番の黒縁高橋とよにキミと呼ばれる父鴈治郎の独立を経て、多々良純のドドンパに挫けそうなお富士を救うの>>続きを読む

死に至る愛(1984年製作の映画)

3.0

石造りのシンプルハウスにこれまたミニマルな石の螺旋階段、マットレス直置きアゼマさんの着回しも赤と黒で最低限に。キリスト教のこと何も知らないけど生真面目すぎる議論。愛する人の後を追って死ぬのはありやなし>>続きを読む

女弥次喜多 タッチ旅行(1963年製作の映画)

4.0

女三人みちのく旅、もはや旅といえば松竹。ジェンダーギャップを無くそうと立ちあがる婦人部代表はインテリ高橋とよ。所持金はとりあえず特急に乗ってから財布を確認、これが旅の基本。ミュージカル場面も楽しいし宿>>続きを読む

霧子の運命(1962年製作の映画)

5.0

内藤さんの事情聴取に蓮っ葉に受け応える背中から。家庭でも学校でも除け者で、芸者玉枝にスカウトされるほど美しくても心には痣。桜は満開でも畑には加藤嘉の倒れた鍬。口を開けば怖いしか出てこない弱虫にバカねえ>>続きを読む

犯罪のメロディー(1964年製作の映画)

5.0

余命宣告されたボクサー待田京介の脳内でこだまする「あと三ヶ月」の声。辞めたいってジムに話行けばスウェット着た文太から怒鳴られるし、アパートの隣人の鰐淵が足の不自由な待田ファンの幼い弟連れて訪ねてくるっ>>続きを読む

関東おんなド根性(1969年製作の映画)

5.0

関東明和会の実権を握るのは昔気質のマッチョな小池派か?組長も現場で汗を流す実直な中谷派か?どっちにつくのか出所したばかりの安田道代をご苦労様でしたと出迎える吉田輝雄。明和会の議場はマンションの中にある>>続きを読む

恋人よ(1964年製作の映画)

4.5

水の割当表みて喜んでる場合じゃなかった。千恵子と真理さんにだけ許されたモノローグ、対照的なふたりの娘の心に寄り添う二本松監督。十二社の穂積んの知ってる家(うち)で同衾するところは真理さんの花影。何も知>>続きを読む

独立美人隊(1963年製作の映画)

4.0

注文したカツライス月給少ないからって勝手にきつねうどんに変えられて、どうせならたぬきにしてよの世界。そして真顔で愚連隊じゃなくてもお尻ぐらい触るからなぁでシニアの笑いを取る得意の吉田輝雄ワールドが展開>>続きを読む

渚を駈ける女(1964年製作の映画)

4.5

嵐のような原石、路加奈子さんが体験する激しい6ヶ月。知らず知らず触発される人々、おぼこさに潜む甘い罠。そもそも端折られすぎてて話の勢いがすごい。いきなり明日シュッパンなんですってねというので吉田輝雄は>>続きを読む

なまいきシャルロット(1985年製作の映画)

5.0

同い年のスターに憧れるシャルロット。ださい年下だと思って適当にあしらわれてるんだけどルルにとってはシャルロットがヒーロー。シャルロットも友達は近眼でひ弱なくせにビービーうるさいルルしかいないのを認めた>>続きを読む

フォーエヴァー・モーツアルト(1996年製作の映画)

4.0

ニューオープンの映画館で。ほんとにびっくりするほど音が良い。そんなつもりもなかったのに、悲しいお話で後半からは思いがけずずっといたたまれない気持ちでジーンとしっぱなしになってしまった。

おヤエの女中の大将(1959年製作の映画)

4.0

春原監督の細密画のようなギャグのタペストリーとは距離を置いた目の粗い小杉勇演出。女中っ子的な話に弱いので涙涙のラストにもつい心を絆されてしまう。もんぺルックのおヤエのステージが拝謁できるのも嬉しい。ち>>続きを読む

おヤエの女中と幽霊(1959年製作の映画)

3.5

春原監督の正気ではいられない鉄壁ギャグ路線からは鳴りを潜めたおっとり小杉勇演出。蝶子のイキイキ幽霊もむなしく完全に手足を封じられたおヤエと藤村有弘、ギャグの渋滞。

おヤエのあんま天国(1959年製作の映画)

4.0

こちらはウェットに綴るおヤエの一途な恋心。相手はやっぱり柳沢真一。結婚詐欺師の役が似合う。団地の奥様方や芸者の間では脇の下にホクロがあることで有名な柳沢真一。あんまの師匠は小川虎之助。あんまのシーン見>>続きを読む

おヤエの身替り女中(1959年製作の映画)

5.0

武蔵小山の商店街で買ったおべべについてきた福引き券、がらり回すと出ました一等の熱海旅行より八等の下駄がほしいおヤエ。旅行なんてガラでないおヤエの休暇。上下揃いオリバーツイストルックのミステリ好き肥満児>>続きを読む

おヤエのママさん女中(1959年製作の映画)

4.0

ビターな家つき女中とウェットなママさん女中の二本立て。山羊髭はやした西村晃の幻影が話し相手のおヤエさん、マイホームは手に入れたけどみんな出てってしまい柳沢真一にお茶たててあげられず。美術館連れ回されて>>続きを読む

華麗なる女銀行家(1980年製作の映画)

4.5

悪徳ブン屋ジャンカルメ、野蛮な判事はブラッスールに立ちはだかる巨大な壁トランティニャン。金満女銀行家と色眼鏡で見られても一本筋の通ったロミー、面白いように傾いていく人たち。省略の速度が凄いいまさらジロ>>続きを読む

春日和(1967年製作の映画)

4.0

渋谷にできたセルフサービスの個室レストラン=テイのいい連れ込み宿。どれだけ食べても料金同じだからって食い気のみの志麻とそれどころじゃない栗塚さん。結婚のハードル越えるためになんだかちょっと怖い大阪、疎>>続きを読む

夜の最前線 東京㊙️地帯(1971年製作の映画)

4.0

6回⁈に大喜びの二朗さん。二人が仲良くなるとこくだらなくて最高だった。拷問はハードに結末はビターに。笑いはピッタンコに。お洒落な大泉滉のウィッグが犬に盗まれるところも良い。若水ヤエ子の絶頂、1回目はお>>続きを読む

(1972年製作の映画)

4.5

ヴェネツィアに間に合わせたいのか?密室で女と仕事したいだけか?もちろん両方のロン様は開口一番に好きな監督は?自分の話がしたいだけで奇跡の丘の難しい話で先手。編集はじまってからは横目でちらちら品定め目線>>続きを読む

(1971年製作の映画)

4.5

恋人に手をかけた逃亡者のロンズデールが猫背で林を駆ける。拾ってもらったトラック野郎の集まる食堂で上着とサンドイッチを手に入れる。一回目はサンドイッチということを確認。二回目は中身の具を確認。でもまだ食>>続きを読む

(1969年製作の映画)

4.0

始まったとたんスクリーンの向こうロンズデールに思わず手を振りそうになるところ。バター?チーズ?はナイフのさきっぽにつけて少しずつ。バターをもっとくれ。冗談みたいな名前の連れ込み宿、にもかかわらず絵の切>>続きを読む

(1968年製作の映画)

3.5

知ってるテクニック(それも友達の)すべて注ぎ込み、若さとセンス→図々しさで澄まし顔のシルエット。手づくり風ナレーションのクレジットに悩ましげなヌードフォト、チャックを開放した堂々たる両刀遣いにすこし好>>続きを読む