どらみさんの映画レビュー・感想・評価 - 29ページ目

ホムンクルス(2021年製作の映画)

3.8

深層心理、闇と呼ぶのか
他者のトラウマが視える力を得た男が
荒療治でそれを浄化しながら
自分自身を問い直す物語
自らの手で再覚醒後の綾野剛の表情の凄みと佇まいに圧倒された
私は闇も痛みも自分の一部だと
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14歳の栞(2021年製作の映画)

3.8

子供と大人が混ざり合い
陰キャ陽キャ関係なく煌めく思春期
私が好きだったのは
宇宙にいるかも?の科学少年
小中リセットしたい少女
大好きな子とアイス食べた時間を忘れたくない少年
彼らが大人になった時
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テスラ エジソンが恐れた天才(2020年製作の映画)

3.7

イーサンはいつも冒険する
今作もユニークで独創的な野心作
ノーランの『プレステージ』ではボウイが演じた
エジソンを凌ぐ天才テスラ
物語の内外から語る女は
この時代にはないネット検索し
史実と異なる部分
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パリの調香師 しあわせの香りを探して(2019年製作の映画)

4.1

優れた嗅覚を持つが気難しい天才調香師アンヌ
教頭親権を得る為に定職が欲しい運転手ギョーム
全く違う二人が出逢い混じり合い
二人の人生が豊かに香り始める
感謝を伝える大切さや人との関わり方を学び直すアン
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ビバリウム(2019年製作の映画)

4.0

アリ・アスターと似ているという声を聴くが全く違うと感じた
アリ・アスターの具体に対して
ロルカン・フィネガンは抽象
不条理の表現の仕方が異なる
好みの問題だが
懇切丁寧に解を散りばめるアリ・アスターよ
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.5

彼女の抱える大きな喪失
誇りを持ち自由にさすらい生きることを選んだ実際のノマド達
魅力溢れるノマドが内包する孤独、危うさ
寂寥で美しく厳しい自然
幸せや満足の秤は人それぞれ
淡々と描かれるノマドの生活
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ゾッキ(2021年製作の映画)

3.9

九条ジョー君と森優作君の
伴くんと牧田が愛おしくて堪らない
私の高校時代にも
良くカーテンにくるまってる男の子がいたんだけど
二人で秘密を話すには最高のシチュエーションだよね
知ってる風景だから
やっ
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下女(1960年製作の映画)

4.0

ポン・ジュのパラサイトのルーツであり
(階段が隔てる階級)
パク・チャヌクも影響を受け
スコセッシも好きだと公言する
韓国のヒッチコック怪物監督キム・ギヨンの1960年作
私が思い浮かべたのは増村保造
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ブータン 山の教室(2019年製作の映画)

4.3

オーストラリアで歌手になる事を夢見る今時の若者が
標高4800m、街から徒歩8日、電気もなく冬は雪に閉ざされてしまう
ブータン北部の村ルナナに教師として赴任する
清んだ空気と唄が溢れる村で自然と共存す
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BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.0

ボクシングに魅せられた若者達の青春群像
大好きでも努力を積んでも抗えない圧倒的才能
しかし才能が有っても成功は保証されない
自分の努力で得た知識を続く者に差し出す
敗者が勝者を生み
強い想いは受け継が
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テリー・ギリアムのドン・キホーテ(2018年製作の映画)

4.1

若い時にシネマスコーレ(名古屋のミニシアター)で観たリバイバルの『未来世紀ブラジル』の衝撃✨
以来私のオールタイムベストにずっと入り続け
劇場で何度も観たが輝きは色あせない

さて本作
19年間の間に
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his(2020年製作の映画)

4.6

LGBTQの恋人たちを主軸に置き
紡ぎ出されるのは普通の普遍的な
人の関係性、距離の取り方
マイノリティ側が幾多の偏見に傷ついた結果であれ
本来の自分を閉じ込めてしまうのは自分自身の差別では?
という
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アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)

4.6

『ゴッズ・オウン・カントリー』での鮮烈なデビューが記憶に残る
フランシス・リー監督の待望の新作
男性中心の社会で感情を隠して生きてきた女性二人が
大自然の中で出逢い愛し
自分自身を発掘してゆく
孤独な
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無垢の祈り(2015年製作の映画)

4.8

夜の美しい灯
モノトーンに近い少女の暮らす街、廃墟、工場
食事は自分で作る何も入ってないラーメン
父親からの暴力
祈るだけで逃げようとも助けようともしない母
あいたい、あいたい、アイタイ、アイタイ
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ラフィキ:ふたりの夢(2018年製作の映画)

3.9

ケニアの太陽の様なカラフルで明るいファッション&音楽で始まるLBGTQの恋愛
でも違法な恋を描く作品として本国では上映禁止
人を好きになる事、幸せになる事は
生まれつき全ての人に平等に与えられるギフト
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ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

4.4

大好きな『ぼくのエリ』のリンドクヴィスト原作・脚本
感じたのはエリ同様、孤独な魂の咆哮
人間社会に溶け込めず
森や野生動物と心を通わせていた
ティー名の自分探しは生半可ではない
彼女と共に私自身も現実
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フォーリング 少女たちのめざめ(2014年製作の映画)

3.5

フローレンス・ピュー18歳のデビュー作
骨太、低音ヴォイス、への字の口の落ち着いた佇まいは既に…
70年代イギリスの女子高での集団ヒステリーの実話を元にしたstory
美しい自然
牧歌的に始まり叙情的
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.3

テンポ良く面白い!
原作者塩田武士が出版社と大泉洋を4年間取材しての当て書き
軽妙で人たらしな洋ちゃんの魅力爆発のエンタメ作
小説愛に溢れ、作家と作品に真面目に真摯に向き合う編集者松岡茉優もいい
表現
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.8

経験値が伴わず頭でっかちで解ってる気になってた少女が
初めて予想外の恋に落ちた新鮮な戸惑い
キモ笑いでダサいけど定型の枠に囚われず
フラットで自由な思考の男の魅力
息ピッタリなのに少しずれてた二人の会
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ブレイブ 群青戦記(2021年製作の映画)

3.4

アスリートだけじゃなく特進クラスの頭脳も戦力なのはいい
三浦春馬君は生き生きと楽しそうに演じてて
何故って又思ってしまう、まだまだ観たい人だった
戦隊ライダー勢も多数
ウォズ渡邊圭祐はいい役貰ってて今
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メリーに首ったけ(1998年製作の映画)

3.7

良くタイトルを聴く映画で
何故観てないのかって思ったら
息子が生まれた1999年公開
10年位ほぼ映画館、劇場、ライブハウスから遠ざかってた頃の作品
学園のマドンナに高校時代からずっと恋し続ける優しい
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出櫃 中国 LGBTの叫び(2019年製作の映画)

3.1

近年迄同性愛は犯罪とされた中国で
自分のありのままを受け入れて欲しいと
親と向き合うLGBTの娘、息子に密着したドキュメンタリー
親の側も願うのはこの幸せだからこそ
まだまだ性的マイノリティが生き辛い
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けったいな町医者(2021年製作の映画)

4.1

『痛くない死に方』で奥田瑛二が演じたベテラン在宅医のモデル
尼崎の町医者長尾和宏医師のドキュメント
病とではなく患者(人、家族)と向き合う
減薬、無理な延命をせず看取る
笑い泣き怒り喜び歌い食べ走る
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銀魂 THE FINAL(2021年製作の映画)

3.7

鬼滅同様ワンデーフリーパスの恩恵で鑑賞
福田さんのだらだらな楽屋落ちが苦手なので実写版も観たことなし
原作も読んだことなし
鬼滅以上に知識ゼロでファンの方ごめんなさい状態だったのですが
声優杉田は好き
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ファンシー(2019年製作の映画)

4.2

昔から山本直樹(森山塔、塔山森)の作品が好きで集めている
(思春期息子が知らない間に私の本棚から持ち出して読んでたりも。笑)
彼が描く飄々とした乾いたユーモアとエロス
その摩訶不思議な世界観が映像化出
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STAND BY ME ドラえもん(2014年製作の映画)

3.0

世の中がエヴァで沸いてる2021年3月半ば
2月頭にワンデーフリーパスの恩恵で鑑賞した作品の件
1作目は息子が観たがって一緒に
ドラ泣きってコピーはいただけないが
エンドロールのNG集は感心したもので
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誘惑のアフロディーテ(1995年製作の映画)

4.1

利発でかわいくて性格最高な養子(正に孫馬鹿な母が息子に対して言ってた言葉、かわいくて~賢くて~優しくて~笑)の母親探しから始まるロマコメ✨
天真爛漫でチャーミングなミラ・ソルビノ
頭の天辺から出てる様
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ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから(2019年製作の映画)

4.0

私が良く考えるテーマ
人生に於ける偶然と必然
一番大切な人に出逢わなかったら?
社会的地位も逆転し妻が自分を知らない世界で
愛について学び直す男
シューベルトのセレナード
妻が作る顔型の食事
彼を信じ
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FUNAN フナン(2018年製作の映画)

4.0

カンボジアにルーツを持つフランス生まれのドゥニ・ドー(監督、脚本)が
自身の母の体験を元に
クメール・ルージュの支配とカンボジア人の抵抗を描く
高畑勲監督の『火垂るの墓』に続く極限状態の人間を描いた芸
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BOLT(2019年製作の映画)

3.8

林海象監督が2015~2017年に制作
BOLT
LIFE
GOOD YEARの3部作
ヤノベケンジが高松市美術館に創り上げた近未来的巨大セットで撮影
福島の高濃度汚染の中ボルトを締めた作業員の実話か
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生きろ 島田叡 戦中最後の沖縄県知事(2021年製作の映画)

3.8

アジア太平洋戦争末期
敗戦濃厚だった沖縄に
知事として敢然と赴任した島田叡
大規模な疎開促進、米の確保
自決玉砕を美徳とする中
”生きろ”と周囲を励まし続けた彼の足跡から
人を狂わせる戦争の恐ろしさ
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NO CALL NO LIFE(2021年製作の映画)

3.6

21世紀の女の子で『君のシーツ』を撮った井樫彩監督の新作
企画、制作、P、監督全て20代というのは活気的で素敵✨
キラキラ映画ではなくヒリヒリ映画と監督
17歳の夏の擦りきれそうな刹那の恋
雨、埠頭、
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ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

4.3

クソリプ野郎が両手に銃を固定されデスゲームに強制参加
パンイチラドクリフが闘う相手は
ぶっ飛び具合が最高にチャーミングな最凶の殺し屋ニックス
お馬鹿でお下品なバトルをハイテンションで駆け抜けて爽快感に
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水を抱く女(2020年製作の映画)

4.0

水面に輪を生むさざ波の様に繰り返されるバッハの旋律
官能的で妖しく美しい水の精ウンディーネが
現代ベルリンにしなやかに甦る
愛する男に裏切られたら
その男を葬り水に還る宿命の女との刹那の愛は
永遠に男
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天空の結婚式(2018年製作の映画)

3.9

ラピュタのモデルになったという
崖の上にそびえる天空の村
「チヴィタ・ディ・バニョレージョ」を舞台に
ゲイの息子が結婚相手の恋人を連れての帰郷を発端とするロマコメ✨
先進的思考で応援する母
革新的な村
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天使(1982年製作の映画)

3.8

名古屋シネマテークでトキワ荘の青春と共に誕生日に鑑賞
画家、写真家でもあるパトリック・ボカノウの1982年art作のデジタルリマスター版
天井から吊るされた人形を突く仮面の男
ゆっくりと落下し割れるミ
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