どらみさんの映画レビュー・感想・評価 - 32ページ目

スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち(2020年製作の映画)

3.6

胸躍り息をのむアクションシーンを支えるスタントウーマン
男性中心のスタントパフォーマーの世界で
性差別を受けながら闘い
圧巻のスタントを成し遂げてきた先駆者たち
必要なのは訓練、筋力、勇気、ユーモア
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シリアにて(2017年製作の映画)

4.0

シリア内戦をアパートの一室をシェルターとして
家族や隣人と身を寄せる
武器を一切持たない一般市民の女性目線で描く
戦場や兵器の映像を全く出さずとも
爆撃音や心理描写のみで
戦争のおぞましさや理不尽さが
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ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢(2020年製作の映画)

3.4

プロデューサになりたい下っ端付き人と
もうひと華咲かせたい伝説の歌姫の
バディサクセスストーリー
野心と現実、才能と信頼、親子、縁、愛情、学び、挑戦…
ダイアナ・ロスの娘のトレイシーの圧巻の歌唱力
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超擬態人間(2018年製作の映画)

4.5

地元三河で観れて嬉しかった!
大好きです
塚本監督の鉄男の様な疾走感
内藤監督の牛乳王子の様なエモみ
最近メジャーホラー観ても
懇切丁寧に解り易くて恐くない作品ばかりだったけど…
コンプライアンスなん
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このすばらしきせかい(2006年製作の映画)

4.4

同級生をトンカチで殴ったことから
学校に行かず1日中テレビゲームで過ごす涼一の家に
叔父の清(古館寛治)が療養にやってきて…
『アニー・ホール』の様に
出逢ってから別れるまでだけを描きたかったと沖田監
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Playback(2012年製作の映画)

4.2

『君の鳥はうたえる』で解っていたが
三宅唱監督の感性が大好き
洗練された美しく香るモノクロ映像
俳優をなりわいとする40手前の男が
過去と現在を往き来し
夢、喪失、後悔等…想いを巡らせる
無防備に揺ら
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劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME(2020年製作の映画)

4.0

描かれるのは
人とAIが助け合い共存し愛を紡ぐ世界
熱く一生懸命だが
時に独善的に自己犠牲で突っ走りがちな
或人がイズの学びに触発され変わる
「お前を止めるのはただひとり俺だ」
と言っていた或人のラス
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劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本(2020年製作の映画)

3.5

テンポ良くセイバーの
『自分の運命は自身が切り開くのだ』というメッセージが
シンプルに深く刺さった
短い登場シーンでも説得力がある谷口賢志の色気と存在感
オーズへのオマージュを感じる
円陣での6人同時
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行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

3.8

アメリカで最も惨めな町という冠がつく
ロックフォードで育った幼馴染のスケボー仲間の12年
家族の問題を見詰め直す為に
カメラを持った瞬間から
仲間たちが内包する問題、苦悩、葛藤
現代社会の抱える闇迄が
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マーティン・エデン(2019年製作の映画)

3.8

『野生の呼び声』のジャック・ロンドンの自伝を
舞台をイタリアへ移し紡ぐ
貧しい船乗りがブルジョアの娘に恋をし
富と名声を手にするが…
圧倒的な映像美で
ヴィスコンティ的退廃、絶望、孤独な魂の咆哮を描く
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旅愁(2019年製作の映画)

4.5

大好きです
友情、愛情、家族、居場所、憧れ…
異国の地で暫ししがらみから自由になり
自然に呼吸できた3人の男女が弾き合い重なり合う
彼らの関係に呼び名はないし必要ない
LBGTQは特別というフェーズは
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詩人の恋(2017年製作の映画)

4.3

芸術とリアル
大人になりきれない
夢を生きる詩人が
若い男に恋をし
現実の人生の影と悲しみに触れる
薄れていた創作の閃きは蘇り
自身も人として成熟していく
美しく大切な想いは心の底に大切にしまって
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甘いお酒でうがい(2019年製作の映画)

4.2

幸せで優しく柔らかく心地好い作品
叶わなかった夢や悲しみや痛みは
少しの甘いお酒で流し
日々の喜びや楽しみを味わって生きれば
世界の見え方も変わる
大声で独り言喋る古館さんとの花
若林ちゃん達とのカノ
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ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!(2020年製作の映画)

4.5

ハッピーで楽しくて気分が上がる⤴
最高な気のいいあんちゃんコンビ
ビルとテッドが29年ぶりに帰ってきた
キアヌ自身も熱望していたバディは
彼らの良き理解者娘達も加えて最強✨
コロナ禍の今
ポジティブで
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脳天パラダイス(2019年製作の映画)

4.9

ごちゃごちゃ考えてるより
とにかく体験し体感すべし
最高に振り切ってカッコいいしどちゃくそおもろい!
生き辛い私達を描く作品乱発の昨今
山本政志監督は遥か向こう側を魅せてくれる
ジェンダー、多様性、貧
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声優夫婦の甘くない生活(2019年製作の映画)

4.2

珍しいイスラエルの映画をオンライン試写にて
脚本監督も主演夫婦役者もイスラエルへの移民
もう一度当時を生きて欲しかったという監督の言葉通り
長年連れ添った初老夫婦の雰囲気を醸す
フェリーニとジュリエッ
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アンダードッグ 前編(2020年製作の映画)

4.0

武監督&足立紳脚本
昭和の匂いと生と性
焦燥と衝動
所詮人間は漫然と負け続け
避けられない死に向かってゆく
だからこそ刹那でも煌めきたいし
その記憶から抜け出せない
それでも生き続け闘い続ける意味を体
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この世界に残されて(2019年製作の映画)

4.8

ホロコーストを生き延びた思春期の少女クララ
叔母にも心を閉ざして怒りと悲しみを抱える彼女に
同じ境遇で家族を失った医師アルドが父親の様に寄り添う
心に喪失感を抱えた二人
痛みを解り合い仲睦まじく癒し合
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マイルス・デイビス: クールの誕生(2019年製作の映画)

3.5

ジャズの帝王マイルス・デイヴィスの素顔に迫るドキュメント
常に固定概念を打ち破り
新たなスタンダードとして定着させ
また次のステージへと
明確なヴィジョンを持ち
過去を覆した音楽に対する向上心
反面、
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ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

4.2

ミニマルな暮らしを夢見て
断捨離を始めるジーン
友達や元カレに借りたままの
物を返すことから
嘗ての自分や
今に至る相手の想いと向き合うことになり…
痛みを伴う思い出も小脇に抱えて
前に進まなきゃいけ
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ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

4.4

俯瞰から見詰める
果てしなく続く人間の営み
愚かな戦争
信仰の揺らぎ
活力に満ちた若さの煌めき
子供への愛情…
人間はあまりにも脆いから
日々の小さな喜びを丁寧に大切に生きる事が
希望の光だと気付く
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Daughters(2020年製作の映画)

3.5

姉妹の様にいつも一緒に喋り
街を歩き映画を観
四季の移り変わりを一緒に感じた
親友が私にもいた
二人の鮮やかで軽そうなワンピや
街の風景がとても美しい
妊娠とそれからの決断で
変わってゆく二人の心や関
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ロックンロール・ストリップ(2020年製作の映画)

3.3

監督木下半太が自伝的小説を自ら映画化
映画監督なりたい!という夢を持つ男が
劇団を立ち上げストリップの前座を引き受け…
業界の上下関係の闇や
恋人やその親との関係もリアル
何より坂口涼太郎のダンスが素
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滑走路(2020年製作の映画)

3.6

時系列も異なる3つのstoryで
それぞれの苦悩、愛、後悔を描き
ラスト全てが重なり響き合う構成は見事
水川さんの心に共鳴する地震
立ち直れないと思う辛い日々も
先の自分自身の為の滑走路だと
気付いて
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Mommy/マミー(2014年製作の映画)

4.4

真四角な画面は
彼が収まりきれない四角四面の世界なのか
真四角な世界は
愛があっても広げることができないのか
愛は確実にある
でも愛のみでは無理なのか…
彼が感じる窮屈で真四角な世界が広がった時に見え
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ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

4.8

ディカプリオに憧れ手紙を綴った
少年ドランの物語だと思っていた
解り合いたい故の
母を筆頭とする愛する者達との軋み
痛みを越えたその先に見える希望
欲しいものは明快
例の曲
そしてラストにやられた
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静かな雨(2020年製作の映画)

4.4

しっとりと静謐で柔らかく優しい大好きな作品
毎日毎日の何気ない一瞬を大切に丁寧に
時々の想いを感じ味わいながら
ゆっくり生きていこうと想えた
少しずつ疲弊したり
喜びを感じたり
太賀の表情、演技の深み
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殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

4.2

自分の存在を確かめたくて
時には自分を傷つけても
そのまんまの自分を肯定し受け入れ
温かく見守ってくれる人が
ひとりいるだけで
生きていける
温かいまなざしは受け継がれ
次の迷える十代を救う…
さぁ、
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ばるぼら(2019年製作の映画)

3.7

薄曇りの猥雑な街新宿
才能と愛と狂気を巡る毒に満ちた退廃的で美しい夢から
1週間経っても覚めない
芸術の創造という業
ノーマルを踏み越える境界、性癖、思考
善悪、美醜
稲垣吾郎と二階堂ふみは
魂で触れ
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パリのどこかで、あなたと(2019年製作の映画)

4.3

大好き
モヤモヤを抱える過眠症の女と不眠症の男
内気で不器用な二人が生き直そうと動き出す
それぞれのセラピーの言葉がとてもいい
風景や街、自然、作品自体がお洒落で美しい
そして🐈が最高にかわいい💕
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なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

4.2

自分達が選んだ政治家を笑っているうちはこの国は変わらない
政治家の不正を描いた『はりぼて』を
笑うより寒々しく虚しく感じた私は膝を打った
庶民の生活を解っていない2世お坊ちゃま達に
国を任せるにはもう
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僕の名はパリエルム・ペルマール(2018年製作の映画)

4.1

弁護士を目指し法科大に進学したダリト(不可触民)の青年が
好意を寄せられた女学生の親族から激しい差別・暴行を受け…
差し込まれる善良と慕われる老人の秘かな行動
殺人さえも善とするカーストの闇を
ダリト
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盜命師(原題)(2017年製作の映画)

3.9

上映後江口洋子さんが解説映像でも話されたが
臓器売買&鳩レースという要素から
サスペンスを前面に打ち出したポスタービジュアルとは全く趣が異なる
たゆたゆと美しい映像で
愛や思いやりが描かれるヒューマン
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.5

めっちゃ熱いのにめっちゃ優しい
大好きです
ずっと心の中にすみついて
事あるごとに思い出し笑って元気が出る
青春時代に友達と馬鹿やった日々

今の自分が青春時代に思い描いた
キラキラした自分じゃなくて
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恋するけだもの(2020年製作の映画)

4.0

白石監督作品はオリジナル脚本有りき
ライフワークとも言える
宇野祥平演じる江野祥平シリーズ✨
予算も撮影日数も余裕なく
駆け抜ける方が作品力は高まる様な?
出逢うべくして運命的に出逢う
孤独なマイノリ
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ヒトラーに盗られたうさぎ(2019年製作の映画)

4.2

ヒトラーの恐怖政治から逃れる為
ドイツを離れスイス、フランス、イギリスへと亡命した家族を
9歳の少女の目線で描く
絵本作家となり当時は
冒険に満ちた素敵な経験と振り返る日々は
闇に覆われようとも
自信
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