相変わらず胸ぐらの掴み方の上手いシャマランですが、ここにきて回想というキャラのバックボーンの説明シーンを、ゲイのカップルへの感情移入というミスリードと訪問者達との対比として最後に効いてくるってんだから>>続きを読む
前半の部屋での戯れをモノローグで説明していく所の退屈さを抜けると『さすらい』ばりのロードムービーにシフトしたはいいが、無口な運転手が手コキさせる時にやたら喋りだすのに爆笑した。後半の濡れ場が関節の取り>>続きを読む
NYを移動撮影とフィックスで見せきる絶品の映像に母からの手紙をボイスオーバーさせることで一気にパーソナルなものにしてしまう、パーソナルながらもある意味非常に映画的な作品。最後の船上からの映像が岸から離>>続きを読む
キッチンが出た瞬間の「ディエルマンやん!」という思いは案外ハズレてなくて、閉鎖感から開放へ向かうラストに至る工程が10分なのか200分の違いなだけで。
大好物のお仕事映画ながら、チームの一体感はおまけ程度で、主人公のネゴシエーションを軸にほいほい進んでいく1on1の対話がメインの構造。マットデイモン(ソニー)の情熱を台詞に乗せていって終わりそうな終盤>>続きを読む
15分も観ればこれが舞台の映画化なんだろうなと想像がつく室内劇。いまだにアロノフスキーはギミックの人ってイメージあるから、台詞の映画になりがちな構造を切り返しと距離感を駆使して人物の心情を提示していく>>続きを読む
恋愛映画のシークエンスの絨毯爆撃。静かながらエモーショナルな場面が多く、そんな中、タクシーで女をかっさらうアクションにはひっくり返った。最後の方のジーノ·ロレンツィの曲が突然途切れ、外の騒音が室内にな>>続きを読む
終盤、ロキタが足を決められて直後から足を引きずってるのに妙に感動した。だいたいあんな場面であそこまで綺麗に足を決めてくるのって桜庭位じゃねえのかってちょっと笑った。
当たり前の話としてこれはブレット・モーゲンが提示した彼の作品で、David Bowieは素材でしかないってのを前提にしないと「これがBowieだ」ってなっちゃうのも違うよなって感じで。観たことないフッ>>続きを読む
スピルバーグ、『BFG』以降ピンとこなかったので心配してたが、苦手な話のくせにすげぇ良かった。最後のカットでカメラが少し上に動いたのは、その前のフォードの話を受けての事だと思ったけど違うかな?
アジア系のおばさんを「少年少女がヒーローに祭り上げられ世界を救う」的な物語の主人公にするだけで、これだけ批評的なブツになったのに関心した。メタフィクションはマルチバースでいとも簡単に物語化されて、てめ>>続きを読む
正体の知れない感動に襲われてあたふたしている。にしてもタン・ウェイを初めて美しいと思ったのはやはり監督の力か。この人、大橋 未歩に似てるよね。
成り上り監督が大きなバジェットでやりそうな話だったのである意味微笑ましい。トーキーで割りを食った連中への鎮魂歌として『雨に唄えば』の逆サイドを突っ走る訳だが、トランペッター以外の人たちの肩入れ出来ない>>続きを読む
初グラウベ・ローシャ。手持ちカメラの導線がヤバくて、自由に見せかけてかっちり決めてるんだろうと想像のつく動きに関心する。政治的な話のわけのわからなさ、濃い演者の顔たちに大島渚を思い浮かべるなど。
バチカン辺りから相当怒られるのが容易に想像のつく代物。修道院コントと宗教感のせめぎ合いで、フェミニズムのタブー感が現代の目線な中、ペスト出してコロナ下の世界とリンクさせたのは偶然か(シナリオがいつ書か>>続きを読む
シームレスにぶっこんでくるフラッシュバックに困惑させられるし、ニューシネマ的な物語もダルいが、とにかく関根恵子のかわいさが全てを浄化していくのが凄まじくて、脱いだ時の水着跡も全部許してしまいたくなる。>>続きを読む
とにかく呼んでゆすっての連鎖なだけなので、お前らいつまでやるのよと突っ込みたくなったが、構図の鬼・増村の人物配置と空間の使い方にいちいち唸ってたら映画が終わってた。
ロバ、能面、指の切断、分かれ道にあるキリスト像。読み解きたいパーツは諸々あるのにで調べてみたいが、話が決定的に面白くないのが辛い。ロバはやはり『バルタザールどこへ行く』を思い出させるし、ブレッソンとキ>>続きを読む
作家性を疑う感想をみて心配してたが、なんてこたないゴリゴリのショーン・ペン映画。理解に苦しむ男とか放浪とか過去作を踏襲してるモチーフもあり、フィルムの質感や前時代的なテーマ、印象的な火の使い方などショ>>続きを読む
続編が傑作になるキャメロンよろしく、長いのを除けば意外にも良かった。映像先行で手段が目的になってるが、話が西部劇まんま(『赤い矢』など)な事にアメリカ映画に囚われた作家の趣味嗜好が炸裂してて気持ちいい>>続きを読む
音響と画面はシンクロするもの、なのにサントラはぶっ混むと観客の心理に影響するもの、という固定観念を気持ち良く裏切られる。音と画面は剥離し、サントラだと思ってた四重奏の演奏者たちはシンクロしたまま画面に>>続きを読む
フェリックスのくだりがどっちもクソで嫌になってたところに、シェリフの恋とエデュアールのカラオケで幸せな気持ちで終われそうだったのに、エレナのベッドでの笑顔が不貞の恋であった事を思い出させて、結局複雑な>>続きを読む
傑作過ぎて、言い表す言葉が無い。バイアスかかってるのは認めるが、でもすげぇ代物だった。冒頭の鏡、ジムの鏡、それを磨くケイコと重要な場面での鏡は、音が反射しない彼女の世界に内面の反射をという説明的な描写>>続きを読む
ディザスターからのノワールをウェス風サバービアものでやるという荒業ながら、いつもの会話劇がベースなのはいざ知らず、冒頭のフィルムの集積と最後のシスターの激白がテーマの全てですという原作に白旗上げてる時>>続きを読む
360゜白骨パンが話題ですが、その後の巻き戻しパンを観て「やりたい放題やな」と嬉しい気持ちでいっぱいに。マジックマッシュルームでハイになった主人公がアリシア・ヴィキャンデルに授乳手コキされる前にいって>>続きを読む
初ストローブ/ユイレ。セザンヌの画なのか写真なのか、はたまた『ボヴァリー夫人』の意味するところは?バカにはわからん事が多くて思考が止まりそうになったが、山のショットが右にパンする瞬間のナレーションとの>>続きを読む
確かに画面に納められてる風景は生、故に画面外に死の感覚が漂うというか、彼岸から向けられたカメラで撮られた映画ではあると思う。という思いが強まるのがラスト、牛腸本人の肉声であって、決して「同じ事を二回言>>続きを読む
バイユーの美しい水面にインダストリアルノイズを乗せるフラハティはかなりヤバい。観た人全員が恋に落ちるだろうアライグマの愛おしさがたまらん。
ハート、スタンプ、ロスという俳優たちが無駄に浪費されていく姿を眺める作品。物語は間延びし、困窮した画も演技も見ていて辛くなるばかり。人質の女のおっぱいが封印された後半は何を観ればいいのか困り果てたなか>>続きを読む
情報皆無で観たが、実話ベースのコーエン兄弟風オフビートノワールだった。マーゴット・ロビーがクラスターの破片を取り除くショットの羅列の中のワンショットに、彼女が血のついた手で右目下をなぞる謎に美しいショ>>続きを読む
レコードプレーヤーを買ったタイミングで鑑賞な上、CDなどフィジカルでしか音を愛せない自分にとってはゴリゴリに刺さる内容。ネットでの音源販売がうまくいかなかったってエピソードに「うわぁ、わかるわぁ」って>>続きを読む
じめっとしたベルリンの曇り空のロケーションが素晴らしい。画は違えどじめっとした陰湿さが『ガルシアの首』を想像させる。話に驚きはないが、月に一本は観たいレベルの面白さ。←これ褒めてます。
東南アジアに白人というジョゼフ・コンラッド案件。密林が悪夢のようにまとわりつかせ、白人至上主義的なものを真っ向に潰しにかかる話。学校を放り出されたニナが放浪する画の繋がりが良い。船長の名前がフォードな>>続きを読む
テアトル梅田ラストという事で選んだこの作品。ロードショー時もテアトルで観まして、DVDも持ってはいるんだけどね。もう今の時代、ここまでタバコ推しの映画は撮れないんじゃないかって感じではあるが、時代の推>>続きを読む
やはり二人の殺し屋って設定はアガるし、次から次に災難が降りかかるレディバグより更に不幸が重なるレモンとタンジェリン側のエピソードのほうが面白いってんだから、完全に主役を食ってるわけで。あと「人の脇役は>>続きを読む
城定作品だから、という理由で堂々とめぐりが見れて最高なんだが、自転車って出すだけでエモくなるのを再確認した。