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デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリームのeddiecoyleのレビュー・感想・評価

3.0
当たり前の話としてこれはブレット・モーゲンが提示した彼の作品で、David Bowieは素材でしかないってのを前提にしないと「これがBowieだ」ってなっちゃうのも違うよなって感じで。観たことないフッテージに触れられる喜びはあったが編集には色々言いたくなる。基本的には時系列はそのままで随所に別の時代の素材をぶち込んで意味をブーストさせる手法。わかりやすかったのがGrass Spiderツアーの映像に「Rock'n Roll Suicide」を被せて80年代を葬るイメージにした部分。そんなステレオタイプなメッセージより新たな価値観で肯定するような気概がみたかった。更に言うと90年代、Imanとの結婚のエピソードに「Ward On A Wing」かけたくなるのはわかるが、映像に「Jump They Say」のPV使われると亡くなった兄のイメージが入って気持ちがぶれるのよ。兄に対する憧れのシークエンスがあるのならそっちに使いなさいよとか色々野暮なこと言いたくなるのよ。結局のところ、Bowie好きな人が「そのフッテージ全部よこせ、俺に編集させろ」と思うのが健全な気がする。勿論、この作品を越えるなんて事はないだろうけど。
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