全く倫理的でなく完璧に道徳な野木亜紀子脚本。リベラルあたりまえ体操でしかない限界が乗り越えられてはじめて"あたらしいテレビ"がみえてくる。でもそんなこと全部わかっていて確信犯として、コロナの火事場泥棒>>続きを読む
高橋一生と森山未來がひたすら喋り続けているのに全く面白くなくてどうかと思った。
最終話、訪問販売の客と酔っぱらいに立て続けに絡まれるところに更新の気概はあるけど単純に面白い話な範疇からは抜け出せていない。
可処分時間を潤沢に持ち得る特権的なストリーミング時代のオタクたち、佳作を傑作と呼ぶのはやめてください。
語りの経済性に奉仕する監督、もちろんその役割は三宅唱でなくていい。1話、サプライズ前の作為バリバリな夕焼けが図抜けてよかった。負の『三の隣は五号室』、というか保坂和志以降の日本文芸との親和性がえげつな>>続きを読む
S4を見終えたのちに改めてこのシーズンのポスタービジュアルを見てみると、そのあまりに完璧なディレクションに度肝を抜かれる。前作の「ブレイキング・バッド」から一貫してヴィンス・ギリガンとピーター・グール>>続きを読む
思春期に『リーガルハイ』を熱心にみていた身からすると野木亜紀子も順調に古沢良太への道を歩んでいるように思えてかなり厳しい気持ちになる。民放ドラマのご都合主義には他媒体以上に政治性が宿ることを痛感させら>>続きを読む
ワーストシーズン。全て知っていても新鮮に楽しめたこれまでの作劇が既視感ゆえに没入を妨げた。起こりうるべきことしか起こらないストーリーだと感じてしまった。結局のところストレンジャー・シングスはどこまでも>>続きを読む
海外ドラマを熱心にみてるオタクが本当にいま一番信用ならない。8話程度の時系列操作でテッド・チャンだなんだ…。完全なる誇大広告。ましてやアラン・ムーアの原作と比べてしまったら。内容以前に冴えない演出も本>>続きを読む
よさと悪さの揺れ。『anone』以降の超展開がいまだしっくりとはこない。月川演出よかった。『またここか』から引き続きの岡部たかしは最高。
新鮮味の欠片もないモチーフ、おでんに敬遠。おじさんノスタルジア?広瀬姉妹永山兄弟の回はよかった。
劇的な一言がない。抑制されていてよかった、というか日本のドラマに関してはそれだけを徹底してほしい。
消去/削除のフェティシズム。資本家に石を投げるのは簡単、だからこそ要求が高くなる。それが形式と主題の一致=信頼できない語り手であることを重々承知のうえで撹乱させるナラティブが若干寒々しい。評判のいいS>>続きを読む
8話のノリで18時間でもいい。いつか実現しないかな。
2019年、もっとも高らかに、ショッキングに、そして限りなく美しい生の希望を謳いあげたのはフィービー・ウォーラー=ブリッジだと信じている。
シーズン1の完璧な結末をへて続編が制作されることになんの必然性も感じなかったが、そもそも人生だってなんの必然性もないまま続いていくものだった。未熟な復讐者の抱える葛藤とその顛末は、1話をみた視聴者の想>>続きを読む
基本すべての画が説明や情報のためだけなのが寂しい。「マインドハンター」を直後にみて余計にそう思った。優秀な脚本であることに間違いはない、しかしこの物語を映像コンテンツとして消費させる根拠をもっと受け手>>続きを読む
アンチカタルシスの作劇としてゲーム・オブ・スローンズよりずっとすごいことしてる。いまフィクションの倫理はめくるめくスピードでアップデートされているが、「マインドハンター」がその最前線に位置する作品であ>>続きを読む
ジェンダーとは権力関係の用語である。デジタルテクノロジーによる権力関係の変容は、私たちの性をどのように解放するか?訪れるかもしれない未来を幻視するep1「ストライキング・ヴァイパーズ」が白眉。VRゲー>>続きを読む
ある種の美学をもとにフィクションで描かれてきた「男の復讐」をけちょんけちょんに馬鹿にするラストが爽快で最高。主人公の選択に間接的にみられる、フェミニズムを経由した有害な男性性からの解放というメッセージ>>続きを読む
ポスト・トゥルースの時代における、真実を追い求める姿勢そのものをめぐる大傑作。下世話なはなしに擬態して、エンターテイメントなミステリとしても非常に優秀で、そして青春ドラマの魅力を十二分に発揮して限りな>>続きを読む
序盤の展開から新田章「あそびあい」的傑作を想像したが、全然そんなふうな話ではなかった。これはこれでよいです。白人ヘテロのナード系主人公が魅力的なヒロインに好かれるまでを描く保守的な作劇を、構図の完璧な>>続きを読む
日本のドラマだとやはりまだセクシャルマイノリティの存在価値みたいなテーマが中心になってしまうことに限界を感じつつ、つくられた価値のあるドラマだった。金子大地、藤野涼子が本当にいい。
全てのシッピングのピークがひとつの場に収束するスノーボールの幸福感たるや。文句なしのマスターピース。
「ストレンジャー・シングス」観賞以降、「ストレンジャー・シングス」単位で物語の快楽をはかるようになった。真のクラシックはある種の教養となるのだなと感覚的に学んだということなのかもしれない。netfli>>続きを読む
ジェンダーロールのめくるめく攪拌から幕をあけたジョー・スワンバーグによるこのシリーズは、わたしたちの人生の終わりのなさに真正面から向き合っている。始まりより終わりより何より続けることが難しい。これから>>続きを読む
2018年に評価される理由はよくわかるが(実際、本作のサンドラ・オーの平凡な非凡さ加減は最高)肝心のサスペンスの部分がガタガタ。悪い意味でマンガみたい。脚本のフィービー・ウォーラー=ブリッジの資質と弱>>続きを読む
明らかに駆け足だったS8。小さな物語たちが大きな物語に回収されていく。つまり、物語は歴史化し、政治利用されるようになった。10年近くもの間、メタ的な鑑賞の目に晒され、結末にもどこか既視感を覚えるほどに>>続きを読む